バカとテストと最強の引きこもり   作:Gasshow

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この話、明久のテンションがやたらウザイです。



新しいクラスメイトはいろいろハイスぺック

試召戦争からしばらくたち、今はもう学園祭の準備期間に入ろうとしている。そこまでの間、僕は春咲さんと多く関わろうとしたけど、相手はあの春咲さんだ。部屋に引きこもってばかりであまり会えない日々が続いた。と言ってもはじめの頃とは違い、たまに一緒に食事をとるし、ほんの少しとはいえ話をすることもある。ソファーの裏に隠れて待ち伏せなんて変態紛いのことをしなくても、もう大丈夫だ。

 

とにかく春咲さんと仲良くなって、他の人とも仲良くなって。そうしたら春咲さんも人と関わるようになって引きこもりを止めるかもしれない。これが僕の『春咲さん引きこもり卒業計画』だ。人という存在は一人では生きていけないようにできている。一人が良いという人もいるだろうが、それは本当に一人ではないから言える台詞だ。春咲さんにはいい迷惑かもしれないが、僕は春咲さんが引きこもりを辞めれる機会をあたえてあげたい。

引きこもりを辞めるという選択肢をあたえてあげたい。

そのためには春咲さんの友達にならなければいけない。僕個人としてもそうしたい。そのためにもっと仲良くなりたいのだが、春咲さんが引きこもりなのであまりそういう機会がない。だから今回の学園祭で少しでも距離が縮まったらいいなと思っている。

 

これが僕の学園祭、もといい清涼祭に込める決意である。話は変わるが、今僕は教室で春咲さんとRクラスの出し物を何にするか考えている。別にRクラスは出し物をする必要はないそうだが、折角だからと言うことでやることになった。

 

だがーー。

 

 

「えっと、何にする?」

 

「何にしましょう?」

 

ずっとこの調子だ。ハッキリ言って何でもいいのだ。二人とも特にこれがしたいと言うものもないし、お互いが譲り合っているのでどうしても決まらない。まぁ明日決めればいいか、なんて言って先伸ばしにしてもう三日目である。

 

「このままこうしてても(らち)が明きません」

 

流石にもう決めないといけないと思ったのか、春咲さんが黒板に向かいながらそう言った。

 

「できるできないを置いておいて、学園祭での定番の出し物を片っ端から書いていきましょう」

 

春咲さんはチョーク持ってその先を黒板にカッと当てた。

 

「わずかな可能性でも?」

 

「はい、そうです!吉井君、案を」

 

「うーん。そうだね……飲食系は外せないよね」

 

「具体的にはどうです?」

 

「本格的なものにしたら和風、洋風、中華ってなるけど、ファミレスみたいな感じにしてもいいね」

 

「カフェとかはどうでしょう?」

 

「うん、それもいいね。喫茶店みたいな感じかな?」

 

「飲食以外ではどうでしょうか?」

 

「お化け屋敷なんかよくやるよね」

 

「番中の定番ですね。あとゲームはどうですか?」

「ゲーム?」

 

「はい!そうですね……輪投げとか射的とか。とっさに出るのはこんなところです」

 

「なるほど、面白そうだね。他には展示なんかもあるかな?展示する物なんかないけどね」

 

「いいんですよ、1%でもやりそうなら取り合えず言ってください」

 

「分かった。じゃあ今まで教室でやることが前提だったけど野が「却下です」………はい」

 

1%でも確率があるなら言っていこうと言ったのは春咲さんなのに……。

いや、春咲さんにしたらそれは1%未満だったのかもしれない。とにかく春咲さんが外に出たくはないのは分かった。 まぁ、いつものことだ。その後しばらく話し合いを続けて、黒板を文字で埋め尽くしたところ一旦ストップした。

 

「以外とあるもんだね」

 

「そうですね。でもよくわからないのもありますけどね」

 

「対ババア戦闘術意見道場のこと?これはあの憎きババアに一泡吹かせるために意見を出しあって実行に移すための道場だよ!」

 

「なるほど、取り合えず却下です」

 

「ですよね~」

 

でもいずれあのババアとは決着をつけないといけない。

今までの借りを倍返しにして。

 

「ではここから絞りこんでいきましょうか」

 

「ここからが本番だね」

 

「そうですね。大変なのはここからです」

 

多くある意見の中から一つだけを選ばなくてはならない。となると最初はある程度可能な範囲でできる出し物を選んでいくのが無難だろう。

 

「飲食系列は難しくないかな?何せ僕たち二人しかいないから接客や調理、雑用をするのは無理だと思うんだよね。僕一人で二、三人分は働けると思うけど、それでも厳しいよ」

 

すると、春咲さんは「あぁ……」と言った具合に頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「それなら大丈夫です。今日からRクラス生徒が三人になるので」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………………………ん?」

 

「いえ、だからRクラス生徒が三人になるんです」

 

「えーーーーーーーーーーー!?」

 

なんてことだ、ビックリしすぎて顎が外れるかと思った。と言うか今日なの!?

 

「なんで!?」

 

「二人ではこの先いろいろ厳しいというか難しいというか……とにかくですね、いずれは増やしておかなくてはならなかったのでこうなるのは必然だったんです」

 

何となくわかったけど、あの春咲さんが人をあっさりと自分の領内に踏み入れさせるということが驚きだ。

 

「どんな人なの?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「メイドさんです」

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………………………………ん?」

 

「だから、メイドさんです」

 

「えーーーーーーーーーーーー!?」

 

Oh!My god! ビックリしすぎて顎が取れるかと思った。メイドさんとはどういうことだ!?メイドさんってあのメイドさん?ご主人様お背中お流ししましょうか?とかのあのメイドさん!?(※偏見です。)

 

「何でメイドさんなの?」

 

「昔、私の身の周りのお世話をしてくれた人なんです」

 

なるほど、だから春咲さんがこうもあっさりとRクラスに入れたのか。

 

「それにその人は若くして世界No.1メイドになるほどの人物なのです」

 

「世界No.1メイド?」

 

なんだそれは?皿洗いスピードNo.1とかかな?

 

「家事や学力、礼儀作法さらには容姿等を総合して競い合い頂点に立った者が与えられる称号です」

 

馬鹿にしてすみませんでした!

いや、凄すぎるぞその人。それならRクラスに相応しい人物だ。少なくとも僕よりは相応しい。未だ何故僕がこのクラスにいるのかと思うことがあったりするからね。

世界No.1メイドか……この世界は本当に広い。そんなものがあるなんて考えもしなかった。

 

「そんな人が来てくれるんだ……。その人なら五、六人分位は働いてくれるかもしれない。それならギリギリいけるかもね」

 

「吉井君、違いますよ」

 

「?」

 

なにが違うんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そのメイドさんは一人で四十人分の働きをすると言われています」

 

 

 

 

 

 

「…………………………………………ん?」

 

「ですから四十人分です」

 

「えーーーーーーーーーーーー!?」

 

Wow! Fantastic!ビックリしすぎて顎がとんでいくかと思った。というか四十人分ってもう人外の域でしょ!千手観音みたいに手がいっぱい生えてるのだろうか?そんなバカらしいことを考えている時に、教室を出入りするための扉が開いた。

 

「失礼いたします。今日よりこのクラスにお世話になります、ワーメルト・フルーテルです。気軽に“メル”とお呼びください」

 

入ってきたのは千手観音などではなく、少し大人びた雰囲気の綺麗なメイドさんだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




オリジナルの新キャラをRクラスにぶちこみました。
抵抗がある人がいるかもしれませんが、Rクラスの人数を増やさないと話がワンパターンになってしまうので仕方ないです。春咲が新しいクラスメイトを入れないと厳しいと言っていたのはRクラスの戦力面のことです。
が!作者の隠された心の声でもあります。笑
原作キャラを入れて違うクラスを編成するのは他の多くの方がやっているのでこの小説ではしません。同じことやっても仕方ないですしね。
それにしても新キャラの名前……現実ではあり得ないですね。……多分。変える必要性が出てきたら変えるかもしれません。
今話、文字数が少ないですがこの切り方で一話を終えたかったので許してください。すみません。

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