この世界、あと5年で文明が滅びます。   作:白紫 黒緑

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発展と影

近代化しすぎだろう………、駅に降りてそう思ったのは、元の世界に戻ったのではないかという景色があったからだ。違いは、点字ブロックや、改札がないことぐらいだろう。さて、金属だ。ここでは、アダマンタイトを買い、体をこれで作る。他にも気になる素材があれば買うつもりだ。代行者案内頼む。

《了解しました》

 

はあー、買ったわー。アダマントタイトは一キロ銀貨五枚と意外に高かったが、銅貨一枚で、いい魔石がたくさん買えた。材料も揃ったので本格的に作ろうと思う。全体的に街の売り物の値段が安過ぎるのが気になるが、工房あるか? 硝子細工とかもできる所だといいんだけど。

《該当する場所を発見しました。三ヵ所あります。》

一番近い所を頼む。

《了解しました》

 

着いたけど、何か所々ボロい。店なのか普通に家なのかよくわからんな。入る勇気でねぇー、ちなみにここ以外は何処にある?

《十キロ先に一軒と隣街に一軒ありますが、現在物件の持ち主がいません。》

いつかは拠点は欲しいけど今そんな余裕はない。実質ここ一択じゃん。さっさと入ることにした。

「すみませんー」

返事が返ってこない。留守かと思ったら、奥で何かが割れる音がした。

《ガラスの容器です》

あっ、その情報は結構です。音がした店の奥に行く。ガラの悪そうなのが五人いる。それに囲まれる形で、店主とその息子みたいなのが囲まれてる。事情は知らんがここを逃すと工房がないのでまずは、掃除から始める。刀を抜いて鞘も同じように構えて擬似二刀流、事情がわからんので制圧するため刀も峰打ちだ。ついでにあの二人には結界で守っておく。素早く距離を詰め、ボコボコにした。ただ、その後をどうするか?変な事に巻き込まれないといいが………なら手を出すなと?もうやってしまったわ!と。

パリン!

後ろで音がした、主に俺の後頭部で、どうも殴られたようだが結界のお陰で何ともない。油断したつもりはないがもっと注意しなければいけない。たった一撃でも辺り所が悪いと死ぬ。当然叩いた奴には渾身の峰打ち(フルスイングで顔面を殴打)。あっ、歯抜けた、白目剥いて気絶してる。これで片付いた。後はここを貸してもらう。何事もなかったかのように交渉に移る。

「すみません。ここ貸してもらえませんか? ほぼ1日くらいなんですけど………後硝子細工に関する指導もお願いします。いくらになります?」

平静、笑顔、抑揚、身振り手振りを大きく。この聞き方なら、暫く固まっているだろう。そのあいだにこいつらの仲間を千里眼で探す。笑顔は目を閉じていることを誤魔化すため、身振り手振りはもう少し練習が要りそうだな。こんな動きでは、油断して出てくるということは無さそうだ。刀抜いたままだし、う~ん、見たところいないな。発見したら報告頼む、代行者。

《了解しました》

「あの、何を作るんですか?」

「ん?」

「も、申し訳ありません!この子には後で………」

「人形を作ろうと思ったんです」

怯えんでも………、こういうときは気にしてない風で言葉を被せる。

「広い場所を借りるのと、硝子で人形の目を作ろうと思いまして、ここなら両方揃ってますし」

「そうですか………」

「1体分の組み立てと制作、あと4体分の目を作ろうと思うので、硝子はここのを使おうと思うんですけど全部でいくらくらいになりますかね?」

「1日でしたら、銀貨五枚ほどになります。硝子は使った分に応じて額を決めています」

ふーん、さて、まずは伸びてる奴らを纏めて店の外に出す。結界で纏めてポイっ、この二人には、消えたように見えるだろうが、外に放り出したことと外の纏めた奴らを見て安心したようだが、このあと熱した硝子を触ったり、大量の緋緋色金とアダマンタイトを出して熱しながら加工したりしていたら、驚きを通り越して呆れてた。人の口ってあんなに開くんだな。そんなことを考えながら体や手足を夜通し、丁寧に作り込んでいく。いつの間にか2日経っていたと気付くのが料金を支払ったときなのは彼の噂の始まりに過ぎない。


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