この世界、あと5年で文明が滅びます。   作:白紫 黒緑

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逆位置の塔
先生、魔王になったよ。


小鳥のさえずりを聴きながら、背伸びをすると、硬くなった肩や腰を椅子に座ったまま解す、………もう朝か、いや、昼過ぎか、

「………流石に腹が減ったな」

ちょっと様子見ついでに、何か見ていくか、という感じで部屋のドアノブを掴んだ。その時、

 

《職業 魔王を得ました》

《称号 魔王を獲得しました》

 

「……………?」

人は本当に驚くと声が出ないものなのだ。そして何からツッコもうか、

 

「誰が魔王だぁぁぁ!」

 

椅子に座って冷静になったところでステータスチェック、

 

名前 北川 龍登

種族 #%3*t¥Γ

 

パーソナルスキル 真理ノ瞳 万能結界 冒涜 次元切断 

 

スキル 芸術10 指導8 武芸6 隠密2 雷光魔法4 火炎魔法5 凍結魔法4 土魔法8 錬金術ー 頑丈5 剛力3 体力自動回復5 魔力自動回復10 鎌鼬ー 煉獄魔法8 

 

耐性 炎熱無効 低温無効 雷撃・突風耐性7 衝撃耐性8 闇魔法耐性5 聖光魔法攻撃耐性6 精神攻撃耐性7 毒耐性5 麻痺耐性2 衰弱耐性5

 

称号 爆死 稀代の人形師 害虫ハンター 一騎当千 類稀なる表現者 天賦の才 求道者 救世主 魔王 

 

種族 #%3*t¥Γ

職業 ケ@✝ウ✡ス 教師 

美と豊穣の柱神(ディオニソス) LEGEND OF HERESY WHO GRAB ALL THE STARS 人形師 聖者 刀神 菓子職人 英雄 天魔を統べる王(ソロモン) 魔王

 

求道者

その道を極めなお、上を目指す者の称号。戦闘系、技能系スキルの成長限界を超えた力を得る。

 

救世主

国単位の危機を救った者の称号。

 

魔王

魔や悪しきものを統べる素養を持つ者に与えられる称号。煉獄魔法を習得する。

 

聖者

人に手を差し伸べ、教え導く者に与えられる。死後その遺体は聖遺物になる。

 

英雄

厄災に挑み、打ち勝った者のみが得られる。

 

天魔を統べる王(ソロモン)

複数の天使と悪魔を従える者。

 

魔王

魔や悪しきものを統べる素養を持つ者。魔王の覇気を使えるようになる。

 

………重複もあるが、効果とかが詳しく書いてないのが不気味だな。あと聖遺物?死に方も気を付けないとなんかヤバそう。どうヤバいのかわからんけど、それと魔王は英雄と相殺で良くないか?

 

《英雄は勇者の上位職です。ちなみにウィル、キリエ、ハルト、ロイの四名は勇者の称号と職業を得ました》

 

………大丈夫なの?というか、原因は?

 

《おそらくは今朝行われた勇者召喚が失敗したことが原因では無いでしょうか?》

 

あー、あれね、放っといたらまた30人も増えるんだろ、特に今回は厄介な事にツアーバスごとこっちに来るらしく、三人くらいは車体の下敷きになるし、バスジャック犯を除き、後は余生を謳歌するご老人達と添乗員と運転手、なのでバスジャック犯をこっちに引き寄せ、潰れる予定の人達と共にバスの下敷きになるように魔法陣とかを弄った。まあ元から下敷きになる人達も彼らを潰さなければまた召喚するからだ(こっちに来たのはバスとバスジャック犯)。………んで、この話がどう関係あるんだ?

 

《どうやら30人呼んだことになっているようです。ですがこちらの世界には一人しか来ていないので、29人のこちらの原住民の者に勇者の称号と職業が与えられたようです》

 

もう次見つけらた発動前に潰そう。それしかねぇわ、………なんで俺魔王?

 

《勇者の数が一定を超えた為に第九の魔王が指名された為です》

 

それが俺だと、………はぁ、

「いや、それよりも………」

代行者、その言い方だと俺は第九の魔王って事になるのか?

 

《はい》

 

あっ、これ文明の崩壊だけ止めても意味ねぇわ、残り八人の魔王も確認しとかないとせっかく、救っても人類殲滅スプラッタールートのバッドエンドだわ、

「ご主人殿、どうかしましたか?」

「食べないんですか〜、お粥作りますよー」

「食べないにゃら〜、………貰ってもいいにゃ?」

「……………陛下のものだぞ。」

おっと、ホットドッグを持ったまま物思いに耽っていたのは良くないな。齧り付く前に、

「クロシェットも食べたいならレアに頼んだらどうだ?」

「いいにゃ?!」

言葉だけだと判断し辛いけど、反応的には『え、いいの?!ありがとう』の感じだな、レアの背中を押しながら(手を引くと速度の加減を間違えるので)、クロシェットは家の中へと消えていった。………うん、パリッとしてる。マスタードやケチャップも足さなくても丁度いい量になってるな、この辺りはレアにしかできない絶妙な加減だ。

「あの子達が勇者、ね」

取り敢えずのステータスチェック、

 

名前 ウィル

種族 人

スキル 格闘術10 体術7 礫魔法3 聖魔法3 人形作成5 体力自動回復1 解体3 剛力2

耐性 炎熱耐性8 衰弱耐性4

称号 勇者

 

職業 拳王 魔法使い 人形師 修行僧 勇者

 

名前 キリエ

種族 人

スキル 棒術10 体術10 格闘術4 氷礫魔法4 剣術2 魔力自動回復2 解体3

耐性 衰弱耐性3 

称号 勇者

 

職業 魔法士 棒使い 料理人 勇者

 

名前 ハルト

種族 獣人(赤狼)

スキル 格闘術10 格闘術10 体術6 火炎魔法4 剣術5 解体4 剛力2 料理1 体力自動回復2 魔力自動回復1

耐性 衰弱耐性2

称号 勇者

 

職業 拳闘士 剣士 魔法士 獣戦士 勇者

 

名前 ロイ

種族 エルフ

スキル 旋風魔法7 植物魔法3 魔力自動回復4 体術5 格闘術9 剣術4 解体2 医術2 隠密1 俊敏3

称号 勇者 植物博士

 

職業 魔法騎士 拳闘士 森の守護者 勇者

 

各々の研鑽や努力の成果がしっかり実を結んでいる。もちろん挑戦して駄目だったこともあるだろうが、それでも折れなかったあの子達の成果だ。いろんなギルドを見て回ったが、そこら辺のギルマスより強い。………能力的な話だから、経験が足りない事を踏まえると実際戦うとどうなるか分からん、………ん?揉め事か?あっちの方が騒がしいな、

「ああー、………まっ、仕方ないか」

人という生き物が優れている能力は限定的だがいくつかある。思考能力は誰でも思い付くが、再生能力、それと環境適応能力も高い。流石にプラナリアやネズミに勝てるとは言わないが、ただ、環境の違いというのは結構大きいもので、例を挙げるならネズミは何処にでもいる(北極だろうと南極だろうと砂漠だろうと)、ただそこにいるのはその環境に合わせた種だ。人は種というものは変わらないが、社会、身の回りの人間、自分の体格や顔立ち、立場、知識………、それらの数えきれない要因で考え方や性格は決まり、変わったりする。

俺が奴隷商に追われてたのを保護した子、魔物から保護した子、アホ(勇者)が保護してた子、エンドリバーで不当に奴隷にされてた子+身寄りの無い子、問題が起きない理由の方が無いのではなかろうか。

「どうした?」

「あ、先生だ」

「先生?ほんとだー」

「「「先生!」」」

今までの子たちは結構仲良く和気あいあいとしてる子が多いのだが………取り敢えずカンチョーされる前に振り返る。

「どうかした?」

「なあ、先生よぉー、こんなのとヘロヘロと一緒に暮らさなきゃいけないんだよ、いっぱい建物も空いてるし、俺専用のを貰うけどいいよなぁー、なあー」

「それは出来ませんよ、生活能力を培ってもらうのと、一人だけ特別扱いも駄目です。………それと既に一軒無断で、使おうとしてますよね?」

「あ、何だ知ってるなら………」

「話は早くないですし、終わってないですよ」

まあ、身寄りの無い子、あの場所で一人で生きてきたストリートチルドレンが手強くない訳がない。名前は無かったのだが、ここに来てからは、キングと名乗っている。

取り巻きを数人連れて行動しており、上がってくる報告(子供達の苦情)は手伝いをしない。配膳等の列を守らないと配膳した食事を取られたとか、数学等の半義務化している授業の欠席、この短い期間で一回脱走しようとしたりもした。あだ名はミニオーク、

「おーい、水運ぶからそこ退いてくれよー」

「ハルトか、丁度いい、水は俺が運んどくから、キングの相手をしてやってくれ、お前も加減を覚えるいい練習になるだろう?」

「………俺、一応自主鍛錬も兼ねて運んでるですけど」

「何だよ、先生よぉー、Sランクなんだろう?俺に負けるかもしれないからクソ獣じ………」

「それ以上言ってみろ、お前の頭の上にある手が………」

「先生」

 

あっ、あれスイッチ入ってるな、ハルトの奴

 

「俺なりに考えたんだけど、このミニオークにしっかり自分の立場を分からせた方がいいんじゃないですか?」

「ミニオーク?まさか俺のことか?」

「他に誰がいるんだよ?」

「お前、………い、今なら許…」

「よし、水置いたぞ、掛かってこいや、ミニオーク」

あーあ、キレてるよ、ここで本来仲裁するのが教師の仕事なのだが、ここは日本の学校でも無いし、まあ、命を危険に晒す行為以外は止めないつもりだ。荒いけどこれが早いしな、怒鳴りながら拳を振り上げるキング、しかし、ハルトに焦りの色は見られない。

 

バコッ!

 

「ゴフッ、うぇぇー………」

言うまでもないが実力には隔絶した差がある。キングの大振りな一撃がゆっくり見えるように見ていたならハルトの拳は一瞬で腹を射抜いたように見えた一撃だろう。蹲ってるキングをハルトは一瞥もくれずに、

「先生に迷惑かけるな、俺より強い先生がお前より弱い訳がないだろう」

背を向けて喋りながら水を持ち直してどこかに消えていった。水はこの世界だと魔法で出せるから、本当に自己鍛錬の割合が高いのだが、あの量の水はどこで使うのか?

「なんで、なんで………」

「勝てない理由は非常に簡単だ。まず、ハルトよりキングは弱い。その二、君自身の体に付いた脂肪はウェイトという意味では威力を高めてくれるだろうが、絞った体に比べると大きく動きを阻害、制限される。それと………まあ、戦う素養はあるから鍛えれば対等に渡り合えるようになると思うけど」

何もせずに努力している人間に勝つのは難しい。特に心血を注いでいる事なら当然とも言える。

しかし、彼を伸ばしたいなら悪い所ばかり言ってもいけないが、良いところばかり言っても駄目だ。作物に水をやり過ぎれば腐るとの同じだが、時に水を減らして根を深く張らせることも風や病気に負けないようにする為にも必要なもの、厳しさも優しさもバランス良くそれぞれに合わせて与えなければならない。

………ウィルやハルト、ロイは正直、ストイック過ぎる所があるので適度な休憩を勧める必要があるのだが、キリエは要領良く休んでいる。この四人は知識を教えるだけでも、今の強さまで来るのは簡単なのではないかと思っているくらいだ。ただキングの場合は多分、自分に甘いタイプだ。

「さて、キング、ちょっと外に魔物討伐の依頼があるからついてきてくれるか?」

散歩に出る感覚でキングに告げる。

 

森の茂みから少し開けた場所にある住居を覗き込む。複数立ち並ぶみすぼらしい藁と土壁の住居は遠目には以上があるようには見えないが近付けば人の住居にしては小さい事がよくわかる。お馴染みのゴブリン集落だ。

「さて、キング少し勝負をしないか?」

「な!声が大きい………」

「最弱の魔物ゴブリンをどっちが多く狩れるかだな、この集落には上位個体はいないからがんばれよ、多く狩ったらこの依頼の金はお前にやる」

「………負けた時は?」

 

………ここらへはしっかりしてるけど、

 

「やるのか?武器は貸してやるけど、………これだけじゃぁ、面白くないから俺は武器は使わない。魔法もな、お前は俺の妨害以外は自由だ、負けた時は一週間自炊」

「自炊?………おぉ、受けてやるよ」

 

無理すんな、声震えてるぞ、

 

「おし、じゃあ武器はこれがいいか、準備できたら始めるぞ」

トゲトゲハンマー、通称ガンダムハンマー、元い、モーニングスター、

刃物って何やかんやハードル高いんだよね(奪われる可能性もあるし)。当てれば斬れると思ってる人もいるが、なかなかそうも行かない。打撃武器の方が初めて武器を持つ人には無難なのだ。剣なら持ち上げる力があればある程度使えるだが、刀のように重さで斬るタイプじゃない物は抵抗を減らす為に薄くなってるものが多いので、案外あっさり折れる。

 

「おらぁ!」

力任せに振りかぶった一撃は三体ほどをまとめて吹き飛ばした。かなりパワフルだな。

「どうだ!」

そう言いながらキングは俺が今居た場所に声を掛ける。

「1ダース、と………どうしたあの三体はまだ死んでないぞ」

「なんで武器より拳のほうが強いんだよ!?」

「別に、鍛えればいいだろう?」

魔力を少しだけ体に込めた状態でゴブリンを一発ずつ殴っただけだが、殴られた順にゴブリンの頭が弾け飛ぶ。間合いに入ってきたのを短打で迎撃しただけでも、技量のあるなしは大きな差が生まれる。さっきの刀の話の続きだが刀は難しいのだ。特に生き物を斬るとなると骨と油、血糊には注意が必要だ。粗悪な刀だと、いくら使い手の腕が良くても骨に当たると折れる事がある。油や血糊できるだけ付着させないようにしても、いずれかは切れ味が落ちていく原因となる。特に数斬れば尚更だ。一振り一振り神経も擦り減るし、ずっと集中できる人なんていない。刀で骨ごと生き物を斬るのは技量とそれなりの刀が必要になる。あと筋力も、

袈裟斬りはよく知られている技たが、これも結構大変な技で逆袈裟斬りなんかはまともに当てたら剣豪と呼べる人物しか振り抜く事はできないのでは?と思える程だ。

生麦事件で斬られた人の検死記録とかには『肋骨を切断し、そこから肺や胃の一部をのぞかせ、16インチの長さの大腸、小腸がはみ出ている。』とか書かれている傷もある。記録だけなので定かではないが、一太刀でここまで斬り込むのはどれだけの力がいるか全く想像できない(その上、対象は馬の上だったと言う)。

 

………まあ、今素手だけど、

 

「くそっ!………寄るな!」

キングがゴブリンに集られてる。結界は張ってるが、抑えられると動けなくなる。コーティング程度の膜みたいな物だしな、

「邪魔、だな」

適当に払い除け、撚る。それだけでもゴブリン程度なら即死に近い状態になる。まだキングは0だ。

「大丈夫か?そろそろこの辺りから出られない奴が混乱して………」

 

ザザッ、

 

「………さて、ここからが本番だぜ、キング」

 

あー、終わった終わったー、体がゴブの血だらけで臭い。背負ったキングを汚れても困らないように隔離から出したタオルの上に下ろす。

「ヒュゥ………ヒィ………」

「さて、今日から自炊だ。食材は準備するけど食事療法もとるから作る物はこっちで指示するぞ、ただその前に風呂に入る」

「いい………別に、死なねぇ、だろ」

「入りなさい。風呂が嫌いなのか、水が怖いのか知らんが」

俺もすぐにゴブの血を落としたいんだよ。刀なら返り血を浴びずに済むんだけど、魔力で動く洗濯機の様な箱型の魔道具に洗い物を押し込むと、今晩の献立を考えながら頭を洗う。

「なあ、………あんたはなんでこんなことしてるんだ?」

「こんな事ってなんだ?もっと具体的に言ってくれ」

「魔物の集団に突っ込んだり、俺みたいなのを拾ったり………」

「別に理由はないぞ?強いて言うなら生きる為だ、飯食って寝て起きて働いて………十分だと思うけど、俺はそれだけじゃつまらないと思ってるし、自分がなんの為に生きてるのか自分らしくある為にとか俺の勝手な理由と、………あと、責任ってのは親だ大人が果たすモンだ。誰のせいでも無いなら俺のできる範囲で助けて、原因があるならそいつにケツ拭かせる。………少なくとも次代を担う子供達が背負うものじゃないからな」

 

俺一人で出来ることなんて限りがあるけど、何もしなければ変わる可能性も手の中を容易く溢れ落ちていく。初めから掴めない可能性かもしれないけど手の中にある内は託す事もできる。たとえ僅かであろうとも、たとえ僅かになろうとも、

 

人間はどこまでも傲慢だ。例を挙げるときりが無いくらいには、この世界のスキルで見られる。七つの大罪、傲慢、憤怒、暴食、嫉妬、強欲、怠惰、色欲、歴史上にはこれらの罪を象徴するような出来事が複数存在するが、これらの原因を分かりやすく示した言葉としてはマハトマ・ガンディーが雑誌で『七つの社会的罪』と挙げた次の七つだろう。

 

理念なき政治

労働なき富

良心なき快楽

人格なき学識

道徳なき商業

人間性なき科学

献身なき信仰

 

これらの言葉から共通して感じられるのは、人との関わりを蔑ろにしてはいけないと言う事だろうか。世界は広い、確かに広いがそれを狭めている人間がいる。既得権益で利益を得る拝金主義なら大好きな金を数えてる背中を喧嘩キックで蹴る。椅子に何時までもしがみつくなら、その椅子を壊す事も辞さない。末期かその手前か微妙な所だが………

「おい?!」

「ん?ああ、大丈夫だよ」

俺自身も傲慢だしな、冒涜なんてスキルを得るくらいだし、

見える範囲なんてこの世界のほぼすべてが見えている。助けられる人間に制限があるのを理由に選んでいるのだ。それを傲慢と言わずして何というのだ。

世界の可能性は残酷なまでには限られている。何十億という人間が一つの当たりクジを競い、誰かが引けば残りは等しくハズレクジだ。しかし最も問題なのはルールが不明瞭なのとまかり通る不正だろう。ないと言い切る人は必ずハズレを引く。何故なら最初の一人が当たりが出るまで居座ればそいつが必ずあたりを引くからだ。そしてその初めの一人が予め決まっているなら茶番も良いところだろう。蹴られて当然だ、しかもこの手の事って大概、高度な駆け引きも、頭も使わない。身内のなあなあとか、アホの会話が繰り広げられるので蹴られる回数は一発以上を覚悟しておいて欲しい所だ。

………害悪への怒りは一度出ると止まらんな、排水溝にペッ、っとつばを吐くと、思考を切り替える。自問自答していても答えが出そうにないので代行者と情報の擦り合わせでもするか、………そうだ、炭水化物抜きの牛肉を使った料理を決めるんだった。


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