この世界、あと5年で文明が滅びます。   作:白紫 黒緑

63 / 86
前回から反省して、切り取りは使わないようにしている。(とか言いながらも、早速この内容)

あとポロリはない。(しつこいようだが大事なことなので二回言った。)




空中都市 with GvsG、課題もあるよ?(ポロリはない)

ー最初は違和感だった。キリエは、ふと後ろを振り返った。

「きゃぁぁぁ!」

「どうした!」

「何があった」

廊下を走る足音の後、兄のウィルと先生が駆けつける。彼女はその名を呼ぶ事なく、その漆黒の悪魔を指差した。

 

「これはまたデカデカと、………飛ぶよなこのサイズは」

俺は悪魔と対峙していた。一都ニ府四十三県の方々が一度は遭遇した事がある。台所裏、冷蔵庫の下を根城にする悪魔だ。

「忌々しいGめ」

手近なスリッパを右手に装備しながら呟く。とある道民の方には馴染みのない話だろうが、尻のあたりに突起が2つ出ていて、これで迫るスリッパを検知、回避する。背後からの奇襲が通じ難いのはコレのせいだ。が、正面はもっと危険だ。飛んでくる可能性が高い。Gの体表は何とも言えない臭い油のようなもので覆われているので触れるとその箇所がG亡き後も存在感を主張してくる。だが、何より厄介なのは逃亡された場合だ。その存在に暫くは怯えながら生活する事になる。こいつ等の潜入(スニーキング)スキルは厄介極まりない。気配を探るにはあの独特の足音に意識を集中する他ない。この状況からの最善手は………

「よし、いける。ダイショウブダ」

殆ど自分に言い聞かせたような物だが、スリッパを左手に持ち替えて、洗剤をGを囲うように床に垂らす。トドメに上からかける。動いたゴキ………Gがひっくり返るので、腹に洗剤をかける。弱点は腹なので殺虫剤でも背中は効果が薄い。狙うなら進行方向を読んで前か、脚だ。床からでも効果があるし、脚伝いに腹に行くし、どちらでもいい。が今回飛びそうだったので洗剤で羽を封じさせてもらった。脱衣所だからこそ使える手だ。敵の沈黙を確認する。

「…………任務完了(ミッションコンプリート)

ただ害虫か、こいつ等は菌を運ぶ厄介な運び屋(ベクター)だ。早々に対策が必要だろう。………一日の最後の大仕事が終わった。

 

早朝、叫び声とともに目覚めるのは久し振りだった。眠い目を擦りながら脱衣所に顔を洗いに足を進めていると、叫び声の原因となるだろう記憶がふと、再生された。死骸処理してないな、朝食前に嫌なものを処理することになった。この恨みを晴らすべく、駆除に乗り出すとしよう。

 

ー三十分後

 

…………………うん、驚くほど順調、そして驚く程気分悪い。もうね、吐きそう、索敵を千里眼にしたのが良くなかった、ずっとGを見てる。誰が好き好んで見たいんだ、バルサン使うか?いや、あの手で行くか、………気乗りはしないが漆黒の成体に遭遇しなくて済む手段だ。全体サイズも下がるし、遭遇率(エンカウント)も下がる。しかし、今気分の悪い俺がこの方法を取れば、吐くかもしれない。こんな時は、代行者ー!

 

《嫌です》

 

ナレーション(お好きな声でどうぞ(脳内再生で))

弱肉強食、自然界に生きる動物に共通するこのルールは強い者が弱い者を喰い、その強い者を更に強いものが喰う、その連鎖を食物連鎖と呼び、そこに生態系のヒエラルキーが集約される。それは当然、台所裏にも存在する。だがそのヒエラルキーは歪だ。その理由はそこに居る者だけで構成されるためだ。その為、何処にでも入れるゴキブリはその家庭内に限定して上位に入ることが多い。成体のものが多く見られる家庭はこれに当てはまる。だが、彼らが住むのに適している湿気屋敷でも、小型のもの、尚且つほぼ見つけることが無い場所がある。その場所には必ずと言っていいほど奴がいる。そう、Gを喰らうGが、

 

ムカデ網ゲジ目ゲジ科ゲジ、ムカデの仲間だが、攻撃性、毒性はともに弱い、見た目はアレだが、列記とした益虫、………見た目から不快害虫と呼ばれ、殺虫剤のイラストにも書かれてるが、そんな訳で、適当にGのいる場所にGを放つ(後ろのがゲジ)。これで大分減るだろう。それと蜘蛛なんかは見かけても殺さないように言ってある。あれも食うからな、Gを、当然だがGを食う奴でもムカデは駆除だ。カエルは…………縁の下にでも放り込むか、ここからは経過観察だな、っと、まあ、無難に目には目を、歯には歯を、GにはGだ。M○手術のモデルにも使えば良かったのではと思ったが、絶対嫌だわ、ゲジの遺伝子の移植とか、正気の沙汰じゃねえわ、

 

「さて、今日四人を集めたのは、重要な試練を与えるためだ、………この試練は死のリスクが高い、俺が全力でお前らと戦う。そこで暫く、お前らの戦う目的を見つめ直し、闘志を絶やさぬように準備をする。簡単に言うと、生への執着、折れない闘志、死を恐れぬ強い意思、だな」

「全力………」

「まあ、イメージし辛いと思うから少し見せとく、少し距離を開けてくれ」

実際、目安がわからないと覚悟は固めづらい。意識を沈め、集中し、脱力、攻撃軌道と敵を倒すイメージを固め、後はひたすら無心。逆手に取った刀を一瞬で抜き放つ。………ちょい失敗か、鞘に刀をゆっくり納める。

「「「「………………」」」」

四人は言葉を発することなく固まっていた。右からハルト、ロイ、ウィル、キリエ………うん、何か反応してほしい。

「………まあ、これが俺の居合の到達点だな、実際に間合いの中にいるともっと違う感覚を感じると思う」

逆手で握ることで抜刀の速度は上がるが、片手なので力はあまり乗らない。それとリーチが格段に短くなる。守りは固いが攻撃に転じるのは難しい、正面から戦うより、奇襲向きの持ち方だ。ただ、それ故に相手より速ければ決まるため、逆手で白鞘の状態の刀を使う人物がよく映画等でも登場する。白鞘というのはまあ、………昔の刀は武家社会のステータスだったというのは知られているが、それは中身が名刀と言うだけではない。今でいうところ車を改造するのに近いというのだろうか?例えば鍔を家紋を模した物にしたりとか、刀のパーツは複数あるので、自分だけの刀を作れるのだ。で、その改造前の状態が白鞘だ。絵的には芦原さんが肩から担いでそうな奴で鍔などが無く、ただ、木と言う感じのやつだ。飾り気はないがその分軽く、素早く振ることが出来る。その分、鍔迫り合い等の弱点のカバーは出来ないが、

 

《職業に剣士が追加されました》

《職業に刀士が追加されました》

《職業に剣鬼が追加されました》

《職業に剣聖が追加されました》

《職業に剣王が追加されました》

《職業に刀王が追加されました》

《職業に剣帝が追加されました》

《職業に刀神が追加されました》

《下位の職業は刀神に統合されました。》

《北川 龍登は天賦の才の称号を獲得しました》

 

うわ、一気に来た。刀神?天賦の才はなんとなく分かるけど、両方説明してくれ、

 

天賦の才 スキルの成長が早くなる。

 

刀神 刀を使い戦う者の秘奥にして、最終到達点、ここに辿り着いた者に切れない物はないとされている。

 

………いやいや、俺なんてまだまだ、刀の扱いが少し上手いくらいであって、そんな秘奥だの極めた人間の領域に踏み込めるような腕ではないのだが?と言うかステータス全チェックだ、

 

名前 北川 龍登

種族 #%5*;¥

 

パーソナルスキル 真理ノ瞳 万能結界 冒涜 次元切断

 

スキル 芸術10 指導8 武芸5 隠密1 雷光魔法3 火魔法8 水魔法4 土魔法8 錬金術ー 人形作成10 頑丈5 剛力3 体力自動回復3 魔力自動回復2 鎌鼬ー

 

耐性 炎熱無効 低温耐性8 雷撃・突風耐性6 衝撃耐性7 闇魔法耐性5 聖光魔法攻撃耐性6 精神攻撃耐性7 毒耐性4 麻痺耐性2 衰弱耐性5 

 

称号 爆死 稀代の人形師 害虫ハンター 一騎当千 類稀なる表現者 天賦の才

 

剣術10 体術10 棒術5 格闘術7 斧3

 

絵画10 色彩10 造形10 彫刻10 陶芸10 庭園10 鍛冶10 工芸10 華道10 書道10 建築10 演劇10 裁縫10 舞踏10 茶道10 作法10 医術10 料理10 パティシエ10 人形作成10 義体・義肢作成10

 

種族 #%5*;¥ あ?マ

職業 ケ@✝ウ✡ス 教師 デ∠オ∏ソス LEGEND OF HERESY WHO GRAB ALL THE STARS 人形師 祓魔師 刀神

 

何気にヒトが消えてる………。人間辞めてるとか言われたら、結構ショックなんだけど、あと次元切断と鎌鼬が増えてる。説明カモン、

 

《効果は以下の通りです》

 

次元切断 内略

異空間、亜空間を斬る。

 

鎌鼬 物を振り、発生した風を前方に飛ばせる。

 

雑っ!またか、亜空間と異空間に真理

 

異空間 冥界、天界等の別世界や位階の違う空間を指す。

 

亜空間 作られた特殊な空間を指す。収納等はこれに含まれる。

 

はい、意味不、もう放置でいい気がしてきた。代行者が理解してるならいいよ、もう、後で魔法にも手を加えとくか、進化先で使える魔法は変わるしな、………そして、もうちょっとで読めるところまでジョブの文字化けが解消されている。相変わらず種族欄の奴は戻る気配がない。多分片方はディオニソスか?芸術や演劇、酒等の農作物の豊作を司る豊穣神だ。

 

《デ∠オ∏ソスの解明が終了しました。》

美と豊穣の柱神(ディオニソス)を習得》

 

ほう、解けるとこうなるのか、

《職業が完全定着しました。》

 

美と豊穣の柱神(ディオニソス) 内略

制作品の完成度補正 極大

印象操作補正 極大

酒類作成期間短縮

作物成長促進【酒】 極大

 

表示が増えた。と言うことは他の職業にも隠された効果があるかもしれないな、………とは言え、もう片方は俺の記憶に引っかかるものが無い。保留になりそうなので引き続き代行者に解析してもらおう。

「………」

………まだ固まってるな、長くない?手を叩くと四人ともはっ、とした感じで戻ってきた。

「まあ、明日じゃなくても準備できた人からでいいから、しっかり準備してくれ、正直、最終課題みたいなものだしな、じゃ今日はここまで、聞きたい事があったら聞いてくれ、」

 

「それで今日はどちらに?」

綿でできた雲に寝そべるノルンにいつもの様に転移先を聞かれる。

「今日は少し特殊な場所だから、近くの街でいい、クロエとルシアを連れていくから心配ない」

「はい、承りました。では今後も移動できるようにする為にポイントの設置は何処にしましょう?」

「それはしなくていい、多分意味が無い、そこは何せ空中にあるからな」

「では尚更、必要なのでは?」

「………動いてなきゃ、頼んだんだけどな」

ポイントは空間魔法で、場所そのものでは無く、予め設定した座標へ飛ぶ魔法の準備段階だ。例えばだが俺達が利用しているポイント設置箇所に家が建ったとしよう。そこでポイントを使うとどうなるか?答えはそのまま設置したところに出る。壁とかどうなるのか知らんけど、トイレだったらトイレに出るし、キッチンならキッチン…………この例えはわかりにくいな、まあ、あれだ、俺達が帰ってくるポイント部屋は二階にある。もし家を取り壊すと、その二階の部屋の位置に出てきて、空中に放り出されることになる。コレのほうがわかりやすいな、

「そんじゃあ、テストラ帝国から西に30kmくらいの場所にある街に頼む」

「はい」

 

ギャア、ギャア、ギャアギャア………

 

わんさかいるな、あの移動空中都市は主に、翼人、鳥人(手が翼になってる鳥型の獣人)、それと天使(背中じゃなくて腰あたりに翼がある。飛ぶときはどっちかと言えば魔力頼り)みたいな飛べる種族中心に住んでる。もちろん、人もいるが、富裕層の保養地としてで、住んでるのは10人程度、その中に異世界からの人もいるので少し会いに行くことにした。能力的にも味方になってくれるといいが、そこに辿り着くまでに当然の問題に当たった。要はこの都市を守る為に放たれてる飛ぶ魔物に行く手を阻まれている。

 

スカイフィッシュ

いろんな意味でネタの魚、寿司や刺し身にすると美味いが翼は生臭いので食用には向かない。

飛行2

 

ガンッ!カシャ、

 

クロエのショットガンによって纏めて撃ち落とされる鳥の羽の生えた魚達、隔離しとくか、海産物はいつ振りだろうか?異世界人が持つ特殊なスキルをこの世界の外側という意味でアウトサイダースキルと呼ばれている。俺の場合は真理ノ瞳、馴染みが深い所を言えば、芦原さんの最期の一服だ。………まあ、なんだ、原形無いけど、この魚はそう言ったスキルから生み出されたキメラみたいなものだ。空飛ぶ魚を撃ち落としたり、避けたりしながら結界を足場に上昇する。ルシアは唯一の攻撃手段の音響魔法で撃ち落としたり、魚群の動きを乱したりしている。

 

「ノイズ・モスキート!」

 

音響魔法は風魔法の第四位階魔法で、名前の通り音に関する魔法だ。

 

音響魔法 ウインド

     スラッシュ

     ブラスト

     コンプレッション

     ノイズ

     ヴォイス

 

現段階ではあまりできることは無い。元々盾と妨害役なのだ。人選の理由にしても、もし結界から落ちても自前の翼で復帰できるためだ。俺は結界を出せば行けるが、もしもの時に備えての俺の救助要員でもある。視界を横に振ると見たことあるのが羽生えて飛んでた。

 

フライシャーク

いろんな意味でネタの魚、油で揚げたり、練り物にすると美味いが翼はアンモニア臭いので食用には向かない。

飛行3

 

………臭いのか、翼、まあ、本体に影響されるようだし仕方ないことだが、そんなことより、

「これは俺がやる。周りのは任せる」

代行者、クロエが撃ち落とした奴の回収を頼む。

「お任せください」

《わかりました》

まあ、身とかどうでもいいが、高級食材は見過ごせないよな、フライシャーク(フカヒレ)くん、………って逃げるな!ズボンの横に下がっている羽の装飾を取り魔力を流して投げつけ、撃ち落とす。そして隔離、戻ってきた羽の装飾を取り付け直し、目的地との距離を見る。

「キリがないし、突破するか、一気に行くからこっちに集合」

「はい」

「了解でありま………」

この時、俺は忘れていた。こいつらは天然でやらかす奴だと言う事を、返事に気を取られて魚の体当たりで落下するルシア、すぐ飛んで戻ってくると思ったがなかなか飛ばない。あたふたしてる。………飛べるの忘れてるのか?そんなことを考えてたら、ルシア目掛けて、クロエが飛び込もうとした。が、そこは結界の床だ。普通に顔面強打。動かなくなった。

「何やってるんだ………」

仕方ないので結界で隔離してルシアを回収。クロエの近くに行って、その周囲を結界で覆い、一直線に空中都市に乗り込む。そして隔離空間からルシアを出す。

「着いたぞ」

「え?あっ、地面………」

「………痛いれぇす」

もうね、不安しかないね、………とはいえ、ここまで来たのだ。行くしかない。街中はカラフルな屋根の住居が目立つ。緑も多いな、暫く進んで目的地の家のドアをノックする。

「………はい」

中から女性の声とともにローブを被った人物が扉から顔を覗かせる。

「突然で申し訳ありません。私は北川 龍登と申します。ここに私と同郷の方がいらっしゃると聞いたので会ってみたいと思い、お伺いした次第です」

ここの防衛に関わる人物の可能性がある。対応はできるだけ丁寧であることが望ましい。物腰は柔らかく、ほのかな笑みを浮かべる。

「そう、ですか、………ここでは何ですから、どうぞ中に」

 

………………ん?

 

「いえ、ただこちらにいらっしゃると聞いたので挨拶だけでもと………」

「いえ、………あの、こちらの都合で悪いのですが………」

そう言う彼女の視線は俺の肩越しに外を彷徨う。………このあたりの人には言えないことか、

「では、お言葉に甘えて、…………お邪魔します」

「失礼いたします」

「ルシア、入室します!」

「………ルシア、声が大きい」

誰がそんな家全体に響く様な大声出せと、音響魔法は広域の索敵にも使える。まあ、合図を見る限り、この部屋に潜んでいる者はいないと言うことみたいだ。………正直な所隠れて指示をだせるようにサインを複数決めているのだが、まともにこなせるのはアナスタシア、クロシェット、ノルン、レアだけだ。向日葵やアリスはサインを見逃さないが、サインの意味をよく忘れるので、的外れな行動をとる。でクロエとルシアなのだが、こっちはサインを覚えているが、サインを見逃す。音響魔法による索敵は右肩を二回叩くのだが、合計8回は叩いた。さり気なさとかはどこに行ったのか、不自然さが際立つ。

「………お茶を」

「あ、いえ、お構いなく、それより何かお困りなのですか?私にできることなら力になりますが」

「え?!あ、はい………実は海水が必要なんです!お願いします!お金は………」

「あ、いいですよ」

「………あまり無いですし、こんな所で無茶を………え?」

「僕のスキルなら必要な量を直接持って来られるので定期的に届ける事もできますよ?」

 

代行者がな、

 

「そんな!そこまでして頂いても私に出せるものが………」

「いえいえ、海水なんてタダですし、ちなみにどれくらいいりますか?」

ちなみに海水はキメラ作りに必要な材料の様だ。錬金術にも近い要素があるが、錬金術は無機物の枠に囚われる。まあ、作ること自体は無理ではないのだが、分かりやすい例を挙げると塩と砂糖では魔力の消費が全く異なる。まず無機物と有機物の違いだが、炭素を含むかそうでないかだ、砂糖を焼けは炭化するが、塩は炭化しない。ゼロから創り出すクリエイターの錬成には幾つかのルールがある。まず、物質の上位下位、有機物の錬成、それと求める結果の分かりやすさだ、物質関係は長くなるので置いとくが、有機物、特に生物の錬成は神の領域に云々………の話だ。まあ、植物はそこら辺緩いので砂糖なんかは作っても周りから忌避される事もないが、技量や魔力と求められる能力と労力に対して得るものが少ないため、あまり使われない。………まあ、実際問題、歴史でも錬金術(科学の元)は貴族のステータスだった。娯楽だのと、作れるかどうかと言う所を見せたりして、研究者達は出資を募っていたり、貴族側も研究者を囲い込んだりとか、まあ、いろいろだ。最後の分かりやすさについてだが、鉄のインゴットと鉄砲と言われてどっちが完璧にイメージしやすい。まあ鉄のインゴットだ。ただの鉄の塊だし、鉄砲と言われてもライフルなのか拳銃なのか、分からないし、構造が簡単で可動部の少ないリボルバーでも、いや、リボルバーだからこそか、パーツを正しく取り付ける工作精度が要求される。多少(素人の加減だと暴発コース)カタついても撃てるだろうが、弾道はかなりズレる。まともに真っ直ぐ飛んだりはしない。俺も実際ベルナーで銃の現物を入手しなければ作ろうとも思わなかっただろう。

………話を戻すと、クリエイターの場合は作りたい物を語りかける際、出来るだけ初めの状態を錬成する(鉄鉱石とか)方が世界の法則云々の都合で消費魔力が抑えられるらしい。で、その反対、要はキメラを作るスキルは有機物で生物に囚われるのではと思ったのだ。なんせあの魚の元は、海水と鳥の羽根だ。………食料不足か?もしかして、

 

《近い内に陥っていた可能性はあります》

 

……………まあ、これだけ高ければ外敵だのの危険は無いが食料は問題になるよな、温度や気圧、酸素の濃度、地上と違う環境では農耕も牧畜も上手くいかないだろう。それこそそこに適応した動植物以外は、ならいっそ一から環境に合わせた動植物を作っててのが早い。元の世界でもここまで自由は効かないが品種改良だとか、遺伝子組換だのはやってるし、

「これ、困ったことがあったら連絡してください。魔力で動く以外は普通の携帯電話なんで」

「えぇ?!……ケータイ、ですね……………」

………呆然というか、唖然というか、状況に頭が追い付いてないな、

「それと、これは僕の知り合いの番号です。同年代だと、津瀬くんかな?………あと芦原さんは元の世界の物をお金と交換するスキルがあるけど………」

 

《こちらに豪雪龍が接近しています》

 

なんすっか、その豪雪龍って?その事を目の前の人物に告げるべきか、迷ったが倒せば問題ないか、っと思考を切り替えて部屋の外に出た。

 




こんな内容の時ほど進みが早い気がする。
次はガチバトルを予定しております。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。