この世界、あと5年で文明が滅びます。   作:白紫 黒緑

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団体さん

「朝です。ご主人殿。」

「ん………ああ、向日葵か。」

体を起こして周りを見れば、壁紙が途中まで貼られているのが目に付く。なんやかんやあまり進まなかった。無論美味しく無駄無くいただきました。わかっていても出来ない事や納得できない事は多くある。…………わかっているつもりかも知れない。今日はある程度内装を作ってから、自分のスキルとも向き合ってみよう。

 

湖の前に立ち、ステータスっと、

 

名前 北川 龍登

種族 #%5*;¥

 

パーソナルスキル 真理ノ瞳 万能結界 冒涜

 

スキル 芸術10 指導8 武芸5 隠密1 雷撃魔法6 火魔法5 水魔法2 土魔法3 錬金術ー 人形作成10 義体・義肢作成10 頑丈5 剛力2 体力自動回復3 魔力自動回復2

 

耐性 炎熱無効 低温耐性7 雷撃・突風耐性6 衝撃耐性7 闇魔法耐性5 聖光魔法攻撃耐性6 精神攻撃耐性7 毒耐性2 麻痺耐性2 衰弱耐性4

 

称号 爆死 稀代の人形師 害虫ハンター

 

剣術7 体術8 棒術3 格闘術5 斧2

 

………着実に上がる精神攻撃耐性、あと鑑定は冒涜で平等に分けた。俺は真理があるからいらないし、余りは雷撃魔法につこっんで6になった。最近のことから行くか。昨日の祓魔師を取得して思ったが職業(ジョブ)をどうやって確認するのか。

 

《種族の欄に触れてください》

 

このバグってるの?これも気になるけど今は職業の確認。目の前に見える半透明な文字に触れる。………大丈夫かな、えいっ、

 

種族 #%5*;¥ ヒト あ?※

職業 ∅@✝∇ς✡& 教師 ∝∠オ∏∀θ LEGEND OF HERESY WHO GRAB ALL THE STARS 人形師 祓魔師

 

……………止めて、俺のHPもメンタルもゼロだ。いや、HPは微動だにしてないが、精神の方はちょっとゲージが動いた。膝から崩れ落ちたもんorz

 

…………さて、お巫山戯はこのくらいにして、内容を確認していこうと思うが、この文字化けなのかどうかも判断出来ない得体の知れないのが増えた。読めるのは『オ』ぐらいだ。読めたら読めたで英語だし、職業じゃないだろこれ、まずはこっちから、

 

LEGEND OF HERESY

 

レジェンドは伝説だが、もう片方は邪道とかゆう意味があったような………代行者これどうゆう意味?

 

《異端の伝説です。》

 

なんスッかそれ、

 

《元は邪道と生きる伝説のジョブだったのですが、死亡した際、生きる伝説は伝説となり、邪道と引き寄せ合い今のスキルになっています》

 

滅茶苦茶や、もう一個も?

 

《元はREACH FOR THE STARSだったのですが、死亡した際にWHO GRAB ALL THE STARSに進化しました。》

 

星までの距離が全ての星を掴む者になったと、どちらも死んだ事が原因のようだな。文字化けもか?

 

《一部読めるものは元のスキルは、芸術家だったようですが、それ以上の事は分かりません》

 

そうか、じゃあ効果については?

 

《効果につきましては次の通りです》

 

∅@✝∇ς✡&

風魔法系統の魔力消費を0にする。

聖魔法適正、闇魔法適正を極限まで高める。

 

教師

指導、指揮が伝わりやすくなる。

 

∝∠オ∏∀θ

制作品の完成度補正 極大

印象操作補正 大

 

LEGEND OF HERESY

英雄の覇気を纏える。

魔王の覇気が纏える。

 

WHO GRAB ALL THE STARS

成長率、スキル習得率補正 大

スキル、職業取得制限解除

 

人形師

人形の完成度が上がる。

 

祓魔師

アンデッド等に与えるダメージが上がる。

 

………oh、化物ですやん、ライトニングとか消費なしだった訳ね。壊れてるわ、英語のやつもエグい。成長促進と制限解除とか、………現状使い道が無いのはLEGEND OF HERESYと祓魔師ぐらいだ。アンデッドは森から一掃したし、覇気とか分からんし、

 

《森に人が侵入しました》

 

え?今?まだ、種族が3つある事とか問い質したいんだけど、………おっと、それで侵入者と言うのは?

 

《三つの団体です。それぞれ違う方位から進んでいます。このまま直進すると湖に出ます》

 

この森は周囲に山もなく、あるとしても小高い丘ぐらい。少し離れた所には街と言うより村といった方がしっくりくる開拓地が点在している。………何故か森から距離を取っているが、その為森に入る場合、何処かで目撃できる。で?その団体さんは?

 

《映像、共有します》

 

ふむふむ一つは人の子供ばかり、栄養不足だろうか何人か衰弱が見られる。二つ、真理で確認したところ、エルフ、ドワーフ、様々な獣人の団体、見た目で判断し難いがこちらも子供だと思う。さっきの子供達より多い。あと傷などが目立つ者がちらほら、三つ、汚いおっさん選り取り見取り、話してる内容を読唇術で読むと、エルフ等の団体を追ってきたのだろう。奴隷とか、楽しむだの知能の低い単語が並んでいる。ゴテゴテの成金デブも目に付く、荷車やら何やら………代行者さん、こんな怪しいの森を進路にしてる段階から教えて、この辺り開けてるからわかるでしょ?

 

《了解しました》

 

わかっているんだかいないんだか………、湖の方まで来られたら家がバレる。十中八九禄な事にならない。汚物はきっちり森の肥料にするとしても、もう二つの団体さんはどうするか、間違いなく話し合う必要がある。だとすると…………、うーん、

 

傷付いた彼らの前に突如人影が現れた。害意が無いのが余計に反応が遅れた原因だが、片方は白い服(ナース姿)の子供、もう片方は袋を引き摺っている緑の猫獣人。

「取り敢えずヒール」

「甘い物あげるにゃ」

駆けつけ一杯の掛け声に似た言い方をして、アナスタシアは全体にヒールをかける。クロシェットは次々に袋から食べ物を出す。

「後でマスターに状況を報告したい。誰か説明できる代表の人を決めて、貰える?」

 

もう一方では食糧を携帯し、子供たちの前に次々と配っていく。

「わっ、私の方はもう無いです〜!」

「ワタクシの方はまだありますわ。こちらに、」

「好きなのを取っていってね。仲良く分けてよ。」

全員を隔離を使って送り、その様子を見て大丈夫そうだと確認すると、もたれていた木の影から獣道に出る。正面からガチャガチャと金属のぶつかったような音が聞こえる。

「止まれ!貴様何者だ!」

無視して直進、早足に切り替える。それに遅れて剣を抜き放ち、何人かが迫ってくる。

「アース」

彼らの足元、地面を陥没させる。さてここから実験だ。

「スーパークーリングウォーター」

空からバケツをひっくり返したような勢いで水が地面の陥没を埋めるように叩きつけられ、凍り始める。スーパーをアンダーに変えても同じだと思うが、うまくいった。白い氷に覆われた中身を真理で確認する。今使ったのは元の世界でいうところの過冷却水をイメージして水魔法を使った。本来ここまでカチカチにならない(生き物ごとは)と思うが、その辺りは魔法のイメージできっちり凍るようにイメージした。アイシクルでなくとも氷も使える。ただ根幹の水を出す部分は変えられないようだ。氷その物を出そうとしても発動しなかったからな、恐らく上の呪文程、自由度や特化性が上がるみたいだ。

「一応、目的を聞いとこうか?」

氷の塊の横をすり抜け、刀に手を掛け、一歩一歩前に進む。だがその足取りは早足にしか見えないが、先頭がたじろぐくらいの距離に入る、………あっ、こいつ鼻のホクロから毛生えてる。

 

スバッ!

 

上半身と下半身の境目を一閃、切断する。

「ふう、…………念じるだけでも発動するな、」

血は一滴も落ちてない。代わりに残された下半身の断面から煙が上がっている。火魔法を刀に付与出来るか、エンチャントブレイズと念じたのだが効果は抜群、バターを切るように軽い手応えだった。………ただ独特の油の臭いがするのがちょっと、それに刀の方もベトベトだな、複数相手取る時は使わない方がいいな、刀を隔離して、細剣を出す。手近な奴二人の喉を素早く突き、後方に下がる。

「ウインドアシスト」

唱えたほうが効果が高いので唱える。これは、風で動きを補助する魔法で30秒程度だが身のこなしが少し早くなる。その短い効果時間をいっぱいまで使って敵陣を駆け抜ける。防御のない箇所から動脈に切れ込みを入れたり、肋骨の隙間を通し、心臓を一突きしたり、残りは魔法で殲滅、結界で周囲を覆っているので逃がす心配もない。もちろん音もカットする仕様。途中で掴んだ荷物を移動の勢いのまま放ると、それに剣を突き付ける。

「質問1、ここに来た目的を答えろ」

燃えている荷車等を一瞥した後に、質問を投げる。

「ば、化け………」

逃げるな、結界で覆っているから逃げられんけど、足を切る。………しかしこの剣切れ味や強度が凄いな。こんな細身でも、あの短い足を切り落とせるとは、普通突き特化の軽さ重視の剣なら切断出来ないし、折れるぞ、流石は異世界の武器。

「奴隷商だろ?この時期に食い扶持に困って捨てられる子供とかがここに捨てられるのを攫いに来てる。………他にもこの辺りに追い込んでたみたいだけどな。」

調べてわかったが、少し前に獣人の村落が攻撃され逃げ延びた、いや、逃された子供達(女性もいたようだが不明)か、ドワーフは隣国(ゴルドー子爵の領地)から流れてきた色々規制などが緩んだタイミングで出てきたみたいだな、最後はこいつに追われて長い距離を移動してきたエルフ四人、………アレだな、今回の保護した団体全員揃えたら、40人のクラスが出来るぞ、あまり気乗りしないが開いた左手で顔面を掴む。

「………やっぱ、ジョブは無理か」

これは冒涜でも奪えないようだ。同じく称号も、………要らんけども、実験だ。対象は奴隷商と(称号)人攫いを対象にした。こっちも忙しいので存在値にしてから抜け殻を火に焼べる、結界を張り、それに入って小枝を薙ぎ払いながら、アナスタシアとクロシェットの方を目指す。

「マスター…………」

「あっ!お兄ちゃんにゃ!」

アナスタシア………何故涙目、人見知りがキツ過ぎないか?そして安定の飛び付き×2、アナスタシアは駆け寄るように、クロシェットは全力のダイブ、後ろに倒れそうになったので回転して衝撃を受け流し、堪えた。

「おお………ははは、よく頑張った。偉いぞ、」

一旦二人を降ろして、周りに意識を向け直す。

「追っかけて来てたのは追い払ったけど君達はどうする?一応俺はこの先の湖の方に家を作って住んでるんだけど、………あっ、代表はだれかな?」

 

マズッ、話す順間違えた、

 

「わっ、私です。」

ふうー、大丈夫そうだな、代表とか聞いちゃったし、事情を聞く前に話しちゃったし、言い回し一つでもしっかりしないといけないのにー……………はい、反省終了、エルフ(十才前後)の最年長と思われる少女が前に出て来てからは聞き役に徹する。と言っても俺の説明と大差はない話に時折相槌を打ちながら静かに聞くだけだが、

 

そんな訳で内装を急ピッチで作っていく後からでも出来るところは放置して住める状態にする。それと同時に工房スペースも完成させておく。当然一日でできる訳が無いのでテント(布と生えてる木)を張って、過ごしてもらった。万能結界もそれを覆うようにかけておいたが………結果、ここ数日は寝てない。というか寝れない。半分朦朧とした意識の中、手に持った物に糸のように細い金属を縫う様に一本一本付けていく。

「はぁー…………」

根詰めても仕方ない。一つため息を吐いて、凝り固まった部位を伸ばし、目頭を押さえる。何してるかと言われれば、人形作り、ただ、その中で俺が一番苦労する作業、本来は適当に束ねたものを付けるのだが、より人に近付けるため、植毛みたいにちまちまちまちま…………、つむじや生え際には結構拘った。が、今植えてるのは目の前の棒状の物、前、クロシェットで経験したが尻尾だ。ただ今回の毛は長くフサフサとした印象を受ける。が、それが三本、周りに完成品があり、尚且つ一本が中途半端なものがあることが、腕の疲労感を増加させる。魔力で動くというかミシンの傍らには椅子に少女が穏やかに眠っているよう見えるが、頭の上には柔らかそうな狐を思わせる耳が付いている。………俺自身何を血迷ったか、九尾のような人形を作ろうと計画したのだ。止めようと思えば止められたが、一度思いついてしまったものはどうにならなかった、何より妥協はしたくないし、するつもりも無い。

『………お休みになってください。もし、私の体を作って………」

「大丈夫だ、問題ない、…………今日は一応休むつもりだ。ノルン」

温かい色合いの茶色の光を放つランタン、その中の支配する琥珀、ノルン、作ると決めてからは予てから決めていた名前で読んでいる。とにかく作っている分を完成させ、床に就く。


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