この世界、あと5年で文明が滅びます。   作:白紫 黒緑

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データが消えたのでよく変更すると思います。


バウンティハンター 続

しばらくしてパワーの選手が入ってきた。どいつもこいつもでかい、真理を使って構造なんかを覗くと、土ばっかりはゴーレム(魔力を込めてある)、オートマタは燃料やらER流体が入っている。あっ、クロエだ。とここで予想外のことが起きた。運び込まれてきたのは複数のレンガのようなもの、

「これはまずいな」

「何がですか?」

「?」

藤白………もう復活したのか。芦原さんは………あっちで酒飲んでるな。クロシェットは袋(武器)から出したホールのケーキにフォークを突き刺したまま、こっちを見て首を傾げていた。一つの物を持ち上げるならおそらく勝てるだか複数のものとなると、女性のか細い腕と、巨大な機械の腕では持ち上げられる量に差が出る。

「すみません。意気込みの方伺ってもよろしいでしょうか?」

「えっ?!だだだだ大丈夫れふ!」

 

うん、全然大丈夫じゃないね。

 

まあこの中で人と同じサイズのクロエは珍しいだろう。ただここにいる奴らなら質量とか問わずに蹴散らせると思うよ。クロエなら、そんなこんなでパワー部門が始まる。レンガを掬い上げるさまは重機を思わせる。ゴリゴリとか、ガダガタとか音がする。が次の瞬間轟音が響く。簡単に言うとバランスを崩してオートマタが倒れた。それに続くように次々と倒れ、地響きをさせるゴーレムなんかは当たられた衝撃で粉々だ。立つと持ち上げるしかないのだ避ける選択は無い。ロボットの大会なんかではよくあることだが、本番で機械が動かない。コースが微妙に違うとか、当日に問題が発生するなんてザラだ、まあ、これは教師になる前の経験だが、……しかしこの世界本当に滅亡に向かっているのだろうか?クロエの周りは瓦礫が降り積もり所々燃えているところもあり、この景色が世紀末じゃね?と思った。まあ、クロエは動けるので避難もできる。残骸の雨が振り終わる頃にはクロエを除くと残り二体になっていた。クロエはその中でレンガを地道に積み上げていた。あっ崩れた。

 

「チッ」

 

あれ?なんか舌打ちが聞こえたような、

 

「邪魔なんだよ、さっさと棄権しろよ。」

「帰れよオラ、潰されてぇのか?」

「どうせビジュアルと間違えたんだろ、馬鹿な主人だな」

 

ぷちっ

 

あれ?クロエさん?なんか殺気が立ち込めてるんですけど?握られていたレンガが砕かれる。

「おい!何するつもりだ、あいつを止めろ!」

「放っとけ、何もできないだろ。」

クロエは残った二体のうちの一体に近付いていく。妨害は無しだよ。………え?まさか、とか思ってる内にクロエはその巨体の足元に着いた。そして、持ち上げた。会場は一瞬にして静まりかえる。なんか揉めるかもしれないと思ったが、あっさりクロエの優勝だった。

「………………」

 

「おつかれ、よく諦めずに最後まで頑張ったな」

戻ってきたクロエの頭を撫でる。嬉しそう。

「クロシェは?クロシェは?」

「ああ、えらいえらい」

頭に手を置くと耳がペタンとする。さて、今度はビジュアルだ。他の出場者を見るとこれは負けないと思う。ゴーレムは完全に土の塊。フィギュアといったら聞こえはいいが、どっかの砂像を作る祭りを思わせる。移動もできない、なので台車がガラガラ行き交う音がする。うるせぇ、オートマタはそもそもの造形に失敗している。…………負ける要素ないな。

 

《精神攻撃を確認しました。無効化します》

 

おう、頼む。やっぱり露骨な不正か。まあ無効化するだけにしておくが。予め頼んでおいて正解だった。審査員に作用するのが主体の物だ。そんな訳で特に予想外のことも無くアリスの優勝で幕を閉じた。

 

「ご主人様!ワタクシの晴れ姿見て頂けましたよね!」

黒っぽい色のドレスを纏うアリス、綺麗だ。艶やかと言ったほうがいいかな?周りはアレだったが、大会では一際輝きを放っていた。たが今こっちに向かってきているのは親に目一杯褒めてほしい愛娘それ、受け止めて褒めるのが親の義務だろう。

「ああ、よく頑張ったな」

離れてその場で一回転してアピール、吸い込まれるように見入ってしまう。普段から美人なのだが、スーツなんかで身を固めると如何にもできる女の雰囲気が出そうなのだが、中身は言動共にかなり残念な感じ。戦闘は問題ないがそれ以外はあまり任せられない(脳筋)。頑張りは伝わってくるが空回りしている、もっと肩の力を抜げばいいはずなのだが、そんなこんなで宿に着く。

「おかえりなさいませ。ご主人殿!」

部屋に入ると向日葵が飛びついてきた。暫く顔を埋めたあと、フスンと鼻を鳴らしこっちを見上げエヘヘと笑っている。宿の奥から和ロリの上から特注割烹着を着るアナスタシアが見える。調理の際は基本的にこの割烹着を着る。と言うかアナスタシアはいつの間にか服が増えているのだが、お金のカラクリがわからない。

「おつかい、行ってきた。」

「おう、ご苦労様」

この二人には食材よ買い出しと色々必要になりそうな物を頼んでおいたのだ。まあ主な目的は向日葵に付き添いをしてもらうことだが、そんな訳で買ったものをチェックして、美味しいご飯を食べて寝る。


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