それで、どうだ代行者、あっちの情報は掴めたか?
《黒魔術系の魔法、サーチとチェイスの応用系魔法と断定、条件は、痕跡、所持品から、相手の居場所を探す魔法です。精度甘いので街や国単位でしか特定出来ないようです。》
なるほどね、ただ、黒魔術ねー、どう言う魔法なの。
《まず魔法と魔術の違いから、一人でも運用可能な物を魔法、必要魔力が多く、実質一人では発動できない魔法を儀式を用い使うものを総称して魔術と呼びます。》
要するにゴルドーがその黒魔術を使える人員を抱えているってことか、目安としてどの位使える?それと一度使ったら準備がいるものなのか?
《人数を見る限り一日三回が限度ですが、床の魔法陣に依存しているため、6時間以上の間隔を開ける必要があります。》
面倒だな、思ったより間隔が短い、次その魔術が発動するタイミングはわかるか?
《三時間後に発動します。》
となると、目的は生存確認が濃厚だろうな。ここで反応を隠せれば………、代行者、サーチとチェイス、それと発動されたその応用系の魔法の情報をくれ、
《サーチは魔力を動かしてその振動で周囲の生き物を探る魔法です。チェイスは足跡など、痕跡から対象を探す魔法です。合わせる事で魔力の振動、以後波と呼称します。波の届く範囲内の対象の位置を知ることができます。》
そうか、術式に干渉するか、波の相殺、退避、または無効化、俺の持ってる能力と相談して、方法を決める。
で、結界を使って移動。結界には波の干渉を防ぐ効果を追加、でもって、隔離空間を介して冒涜と魔力で作ったデコイを撒く。
「あとは直後に魔法陣の改竄をすれば、時間を稼げるはずだ。」
術式を起動する際に術者の魔法を使えなくするように少し手を加える。………よし、出来た。陸路なら一ヶ月以上は掛かる移動も結界があれば三〜四日程で終わる。それまでに終わってないといいが,………
「おやつ、」
「ああ、ありがとう。」
砂糖等の調味料を錬金術で作れるので、甘い物をいつでも食べられるようになった。前行った店のケーキに比べてこっちの方が美味いが、場所の雰囲気だって大切だし、研究にもなる。………まあ、この空中で食べるのも見晴らしが良くていいが、
のんびり過ごしながら次の人形の案を練る。クラハでは色々あったが、人間観察という意味では興味が尽きなかった。少し実験の意味もあるが、次作る人形については大体決めている。ケーキを味わった後、隔離から前に使っていたランタンを取り出す。
『う~、ぁ~、………キャッ、キャッ、キャッ、』
『おとーうぁま?』
『眠いのですー。』
『わぁーい、………うやー!』
おめでとうございます。元気な機構精霊ですよー。………なんてね、
叡智の翠玉
支配する琥珀
真実の紫水晶
忠誠の金剛石
今回は宝石にちなんだ名前になってるな。一日もあれば自我がしっかり構築されるので今日は様子見。今は人形を作る準備をする。…………しかし、緑や紫はどうしよう?