この世界、あと5年で文明が滅びます。   作:白紫 黒緑

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戦力確認と強化

昨日、ギルドに行ってわかったことがある。芦原さんも受付で普通に文字が書けた。………何故、俺だけ書けない。いやそもそもあんな字元の世界にはないので、思い当たる原因は一つ、

「何が豊穣だ、愚劣さの神だろ、」

ついでに街を行き交う人の言語の違いを聞いたところわからないそうだ、違う言語があることが、…………人の言葉だけでも同じでよかった、通訳とかは二人を頼ろう。数日で言語や文字の習得なんぞ無理だしな、ギルドから帰ってきたら晩ごはんを食べて、街を千里眼で見渡してみた。この街結構闇が深そうだ、夜見た見解を代行者に質問すれば思った通りの答えが返ってくる。密売、密輸の類い、薬物が多いらしい。あと人身売買に、武器が基本のようだ、オークション会場を覗いた感じ、俺には縁がなさそうだ。出来るなら行きたくない場所だ。備えとして戦力の底上げのため、今日は街の外で藤白と実践形式の指導を行っていた。鹿を一撃で倒せたように予想より早く力は水準以上になったが、そのせいで技術が全くついてない、本来もっとゆっくり積んでいくつもりだったのだが、戦神の加護か、俺が言ったことのせいか、心・技・体で言うところの体だけを完成させた状態だ。無いものは身に着けるしかない、

「踏み込みが浅い、」

攻撃を受け流し側面に周り、太股を蹴る。

「脇が甘い、閉めろ、」

攻撃を打つより速く接近し、投げる。

「何で目を瞑ってるだ!相手を見ろ!相手を!」

通り過ぎた所を背中を押すように蹴る。

「全力で降ればいいってもんじゃないぞ。」

迫るメイスを片手で止め、勁力で吹き飛ばす。

「…………少しは対処しろよ、」

相手の反撃の防御の仕方と、実戦を混ぜたものをやっていたが、防御が全く出来てない。筋力は上がっているが、それらを活かした攻撃の仕方、体の使い方も出来てない。もう倒れてるし、この指導では打たれ強さも鍛えてもらわないと困る、が、潰れても意味がない。

「休憩にするか?俺はちょっと狩りに行ってくる、」

まだまだ刀を使うことは無さそうだ、さて、狩りの目的はクロエとアリスがどのくらい戦えるかを見るためだ、まずはクロエから、今回は遮蔽物のない場所、ここから一直線の山の上に、さっき隔離したてのリザードマンを出す。

「あれの頭を打て、」

「わ、わかりました。」

背中から伸び出てきたアダマンタイトが形を構築していき、巨大なライフルになった。他にも拳銃やらショットガンなんかも出せるが、主体は遠距離攻撃、土魔法で打ち出す弾を作り、ブースターと同じ要領で弾を打ち出す。魔法を使っての物理的な発射だ。

 

ズガァン!

 

轟音が響き渡る。………洒落にならん威力だ。千里眼で観測したところ弾丸は顔の中心を捉え、首から上を消し飛ばした。

 

※魔石は後で回収しました。

 

さて、次はアリスだ。アリスは武器が多い、それと別にも武器を与える。

「これとこれだ、片方は俺が作った。結構苦戦したな、」

 

錆びた大剣(ラストプレート)

刃はついていないため重みで潰すように斬る。丈夫、

 

獄鋏・十三枚刃(レーヴァテイン)

変幻自在の鋏、複数の形態に変形する。十三枚目の刃が使われる形態は一つしかない。

 

まあ、中~近距離が主体だ。薔薇の髪飾りも一応武器になる。後は嫉妬、それと魔眼、実際にやってみて貰った所、指定した範囲に黒紫の茨が発生し、その範囲内では、ステータスが7割削られる。敵が弱いのもあるだろうが。ちなみにその範囲内なら茨を使って動きを拘束することもできる。ただ指定できる範囲は視界内と自分の周囲に限るが、それと魔眼、合わせるとエグい。弱っているところに毒なんかを盛る。その上身動きがとれない。欠点があるとすれば二つある。一つは視界内か自分の周囲しか使えない事と、もう一つは魔力がすぐ無くなる。アリスの魔力は向日葵達と比べるとかなり少ない、アダマンタイトは硬く丈夫で、魔力を流すことによって使用者や制作者の意思に合わせて形や性質を変えることができるが、魔力を蓄えることがあまりできない。一番多いのはオリハルコンで、次が緋緋色金と青生生魂、ミスリルはほぼ蓄えられないが、アダマンタイトよりも魔力をよく通す。変形はしないが、

「はぁっ!」

リザードマンをラストプレートで一刀両断する。………刃無いよね本当に、頭蓋骨まで真っ二つなんですけど、いや、刃がないからこそなのか?

「戦いについては合格か、後は、」

俺自身の存在値稼ぎ、魔石回収………は向日葵任せて、アリスにスキルを与えるか。

「アリス、」

「はい!何でしょうか!?」

いい返事だけど、期待とかが重い、そんな蘭々と目を輝かせられても………、頭に手を置き念じる『汝、我主トスルナラバ、汝、破壊ノ使徒ニ任ズル』っと、効果は………どれどれ、

 

破壊ノ使徒 内約

血ト殺戮 浴びた血の量によってステータスが上がる。

 

黒ノ時 一日一回だけ、直径一メートルの時空間属性の球体を作り出し、攻撃できる。

 

強力過ぎませんか?これ、血ト殺戮は不穏な名前だが、黒ノ時、これはどうなの、まず時空間属性、これは何ぞ?

 

《時空間制御を持つもの以外が取り込まれると確実に死に至ります。》

 

そのスキル持ってる奴は?

 

《現在該当者がいません。》

 

実質防御不能の無敵攻撃、使いどころが難しいだろうが、切り札として持っておくには心強いだろう。

「そろそろ戻るか、向日葵、」

「はい、もう少しで全て回収できます。ちょっと待ってくださいね。」

そんなにすぐは無理だわな、…………、向日葵さん?それ生きてる。せめてとどめ……………南ー無ー、強欲で生きたまま抉り取ったよ、魔石を、

「回収出来ました!」

うん、爽やかな笑顔、周り地獄絵図だけどね、

 

「さて、休憩も済んだろう。今度は細剣で相手をしよう。」

「いやいやいや、今日はもう無理です。」

「細剣は当てていくからな、急所は寸止めする。間違っても突っ込むなよ、それも見極めの練習だ。投げ技は使わないぞ、」

「突っ込んだらどうなるんですか?」

「やる前から聞くなよ、アナスタシアに回復してもらう。安心しろ、」

「全然安心できないんですけど、」

「まあ、実戦あるのみ、ちゅうやつやな、」

「ほら、始め、」

 

「…………身体がヒリヒリする。」

「回復したのにか?」

「…………感覚的に残ってるんですよ、攻撃されたら痛いでしょう!」

「じゃあ、頑張れ」

4回は串刺しにしかけた、回避できた攻撃は今のところ皆無、回復は帰る前に一回で十分だった。

「次はコブリンか、オークと戦ってみるか?」

「………そっちでお願いします。」

技術も大事だが、場数を踏ませるのも大事だ、咄嗟の判断は経験がものを言う、明日ギルドに行って魔石を売りに行くか。


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