この世界、あと5年で文明が滅びます。   作:白紫 黒緑

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他意はない。


テロけーかくです。(バグズミックス1号)

今日の指導を終えて、……………いや、ギルマスをボコボコにして、冒険者達に見識を身に付けさせていた。勿論藤白にも、俺もいい刺激になった。

「……………悪鬼を無傷で、」

「現役じゃないにしても………」

なんかヒソヒソ言ってる。悪鬼は多分ギルマス、クラインの二つ名だろう。…………しかし、悪鬼って、何したらそんな、

 

《火魔法を受けようと前に前進し、敵を薙ぎ倒す姿から付いたそうです。》

 

あー、炎熱耐性6あったな、その割りに火傷みたいなのが無いんだよな、この人、

 

《現役を辞めた際に、高値の回復薬で治療しています。なお、異世界人作です。》

 

成る程ね、薬と言えば、藤白にも、薬物毒物関係のスキルがある。それでも作れるか?

 

《同等のものは難しいですが、それに近い物なら可能かと、存在値を振り分けて強化すれば同等かそれ以上の物も作ることが出来ます。》

 

それはいいな、もしもの時の備えは多いに越したことはない。さて、クラインを起こす。気絶してるだけなので、ペチペチと叩いてみる。

「くっ、…………まさか、一撃も当たらないとは、な、」

捨て身の攻撃の思いきりは悪くないが、苦し紛れの反撃なんぞ、牽制程度の役にしかたたない。事実それで姿勢が崩れて、次の攻撃を受けきれずぶっ飛ばされた訳だ。ちなみに今回は鉄パイプのようなもので打ち合っていた。

「明日街を出ようと思う。盗賊の宝については売れた分だけ受けとる。残りはまた来る時に受けとる。」

「わかった、………また、書類と向き合わねぇとな、」

また仕事が増えたと、心底、鬱陶しそう表情を見せると、受付の方に歩いていった。

「さて、俺は俺で準備するか」

「今度は何を………?」

なにその不安そうな、訝しげなその表情、久しぶりに見た藤白は体格がしっかりとしていた。まあ、実験の意味もあったけど、しっかりやってくれているようだ。基礎は出来てきたし、あとは技術や技、そして心(精神論や効率化)、それを教えればあとは実践等を行い仕上げていくだけだ、

「そっちも問題無さそうだし、明日出るまでに世話になった奴等に挨拶して回るだけだ。」

挨拶は大事だ、人との関わり合いの中で第一印象を決める大事な要素だ。どんなものであっても。

 

今回は人形作りではなく、武器兼アクセサリー、ミスリルを使った羽根の形をした投げナイフ。それを紐に通してズボンの右側にチェーンのようにして付ける。魔力を流すと、羽根の状態の際に空いている隙間が閉じ、命中補正、切断強化、当たらなければブーメランのように戻ってくる式を組んである。この式があるので長距離には飛ばないが、咄嗟の際には役に立つ。ミスリルは軽く、魔力が通りやすいため、属性の付与がしやすいのが特徴だ。俺の刀もミスリルとオリハルコンの合金で出来ている。取り合えず一つ作って残りは、それで型をとって残りを作ればいい。ただ大きさがないので付ける属性は一つで強力なものは付けられないが、十分だ。

「ふぅ、………よし、問題ないな、」

藤白用の奴は切断強化を除き、属性と命中補正を強化しておく、刻印は付けたい効果を俺が言って代行者が案を出したもの、後は別で芦原さんの防護式の刻印を入れた首飾り(タグみたいなもの)、一枚には、魔法軽減、もう一枚にはステータス強化だ、藤白の分もある。後はこれを渡して………

「「「……………」」」

『……………』

背後から視線が刺さる。いや、防具みたいなものだからね。アリスは貰ってどうすんの?アレか、早く作れって催促か、ただ目は口ほどに物を言うとは、よく言ったものだ。だが、口にしてしまうと後戻りは出来ない。

「……………アクセサリーが欲しいのか?」

 

いやー、人形とは言えど女の子はやっぱり女の子だわー、金色の薔薇の飾り(大小様々、小物から服のボタンまで、)透明な(以下略)………自分で作っておきながら何だが、各種金属の薔薇だコノヤロウ、…………いや、綺麗だよ、でもこれすげー手間かかるわ!花びらの一つ一つから荊の棘に至るまで全て俺のオーダーメイド、一種類ならやりがいあるなーと思ったが、そこから材質変えて四種類同じものを作る。全部一から、硬てぇのから、脆いのから、付けたすぐからポロポロ取れるのから、メチャクチャストレス溜まるわ。楽しそうにしているので、水を指すのも悪い。空気を読んで集合場所を街の外にして早めに移動してゴブリンやオーガにストレスをぶつけていた。旅をする人に危害を加える魔物を狩っているのだ。文句あるか?オラァ、目の下に隈作りながらすることでは無かろうがな、ふはははは、………寝てないせいで若干変なテンションにもなっていた。さて、ストレスを晴らす最後の仕上げはこれだ、カメムシエキスー、これを夜襲の依頼者、この前の木っ端、図書館での襲撃依頼者の家に隔離で飛ばして撒き散らす。今回はオールブレンドで、さて、スッキリしたしそろそろ終わるか。朝日が昇って辺りが薄明かりに包まれる中、一条の落雷が天を切り裂いた。これがまさか魔石を回収するために撃たれた魔法だと知るものは少ない。


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