この世界、あと5年で文明が滅びます。   作:白紫 黒緑

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ほのぼの系ハードな日々

ちょっと休憩、ゴブリンの残骸がいっぱいあるが、血は一滴も流れていないので、魔物が寄ってくることも少ないだろうし、こっちに連れてきているので縄張り等の外、比較的安全だ。まあ、周囲の警戒は代行者もしているのだが、念には念を入れてだ、何をしていたかといえば、冒涜は触れた者に、触れている間しか、効果がない、リーチの長い武器を持たれると、相手の実力次第だが、遅滞は避けられない。そんな訳で近接戦闘(絞め技多め)の素手での戦闘を行い、立ち回りの確認をしていた。槍持ってる奴を狙って隔離してみたが、稽古台くらいにはなったな。

「………存在値ってなんだろう」

ふと、思ったが結構曖昧なんだよな、オークが10だ、って事は知ってるが、その他がさっぱり、何となくだが魂的なもの、

 

《存在値は、その者が持つ根源的な力です。存在値が大きいほど多くのスキルや高レベルのスキルを習得出来ます。》

 

はい?……………どう言うこと?えーと、ちょっと待って…………………あれか?パソコンで言うところのメモリー記憶領域が存在値、でスキルはアプリケーションやら、といった感じで、メモリー容量を超えるアプリがとれないように、スキルにも同じことが言えるのか?

 

《だいたい合ってます。》

 

雑過ぎない?その返し、

 

《存在値の大きさが取得出来るスキルポイントの量を増やせます。スキルポイントは一定量を集めるとレベルが上がります。主に10を最高としていますが、進化や派生があり、それによって辿る道が決まります。》

 

………そんなのまであるのか。今現在持っているスキルで進化とか派生が出来るスキルはないか?

 

《概ね可能ですが、真理ノ瞳の真理、万能結界の神聖、芸術、義体・義肢作成には、変化を与えることができません。》

 

ふーん、逆にそれ以外は可能、ってか、面白そうだな、進化の先、その結果を知る事や、操作する事は出来るのか?

 

《可能ですが、例外もあります。強い望みにより、特異な進化を辿るものもあります。なお、選択により、消費する存在値の量が変化します。》

 

選択肢はどうやってみるの?

 

《真理を使えば、現在、進化や派生が可能なスキルを表示します。》

 

ほうほう、まず、風魔法からいってみよう。

 

風魔法 旋風魔法

    雷撃魔法

 

この二択か、さらに真理、

 

旋風魔法 ウインド

     スラッシュ

     ストーム

 

雷撃魔法 ウインド

     ライトニング

     チャージ

 

ふーん、…………雷撃魔法一択だな、旋風魔法はライトニングが使えなくなる。怖いのであまり使っていないがもしものために高威力の攻撃手段は持っておきたいし、………ただ、

「チャージってなに?」

いや、溜めるんだろうけど、詳しく見てみよう。

 

チャージ 帯電させたり、電気を一定の場所に留める。

 

いまいちわからんな、電撃何かするようだ、使ってみるか、代行者、雷撃魔法の方に進化させてくれ、

 

《分かりました。雷撃魔法を取得しました。これに伴って風魔法が消失しました。》

 

わかった、早速使うか、

「チャージ」

何も起こらないな………、もしかして、発動してる?

 

《発動していますが、効果は発揮されていません。》

 

はい?どう言うこと?

 

《では、何かに触れてください》

 

何でもいいのか?刀に手を伸ばす。

 

バチッ!

 

痛!静電気来た!………えっ?これだけ?

 

《イメージがない状態だと、発動者が帯電します。》

 

…………そう言えばよかったんじゃないかな?何故やらせた、説明伝わりにくいからやらせたんじゃないか?

 

《魔法を使った時点で何かに触れた時に放電するので、理解を早める意味と、放電させる目的が一致したためです》

 

ああ、どっちにしろか、

「ふう、………チャージ、」

球体をイメージしてみたが、うまくいった。ライトニングでもやったことがあったが、うまくいかなかったのだ、何故か、手から雷を発射してしまう。威力は通常のライトニングと同じ、加減とかさっぱりできなかった。

「後は、何ができて何ができないのか、だ、」

確認は大事、出来なくて困るのは自分だからな、

 

「………おう、帰っ、うお!…………なんやその頭ぁ!あはははは!!実験して爆発でもしたんか!!!」

「………電気を使った実験を少々、」

いやー、大変だった、チャージがどういう魔法なのかは何となく掴めた、かなり疲れたけど、

「お帰りなさいませ、ご主人殿、ご飯にします?それともお風呂?」

反応なしか!これはこれで嫌だな、

「マスター、お風呂、脱ぐ」

こっちは問答無用、

「北川さん…………今度は何やったんですか…………?」

おい、俺が毎回問題起こしてるみたいな言い方すんな、

「あー、腹痛い………死ぬ………」

まだ、笑ってたのね………、

 

そんなこんなでギルドの庭、昨日は色々あった、主に風呂、油断してた、二人の突撃、パワー的に厄介な向日葵に、精神攻撃の観点から厄介なアナスタシア、意識も理性も飛びそうだったが、何とか物損を出さないようにうまく立ち回れた事は誇ってもいいと思う。疲れはあまり取れなかったが、で今三十人一気に相手することになっている。簡単な話、気に入らないからと突っかかってきた。ギルマスは近くで見ている。場所は昨日と同じ、出てこいや!!

「はあ、………俺に刀を抜かせれば勝ちにしとくか?」

「ふざけんな!」

殴りかかってくる若い冒険者(男)、さて、ここで、居合について説明しておこう。居とは座った状態を差す、奇襲された際に、刀を抜く動作で攻撃を行い、それ、または、二のたちで敵を仕留める。剣技である。………という認識では、及第点である。最も居合に必要な地力、それは体幹である。そして、剣技という認識だが、これは間違っている。「鞘の中に勝」という考え方がある。これの意味は刀を抜かずに勝つという意味だ、詰まるところ、

「刀だけじゃない、」

冒険者(男)を投げる。柔術と剣術それを合わせた体術、それが居合だ、まあ、流派やらによって考え方なんかも違うが、剣術主体、体術主体みたいな感じで、そんなことを考えながら攻撃を避けて、鞘で殴る。時より飛び交う魔法を避けながら、10分程で制圧、全体の連携は上手いが、個人の技術がひどすぎる。刀は抜いていない。抜かずとも捌けた、蹴ったり、殴ったりはしたが、

「まともに指導受ける奴がいないのか?それとも、」

「俺はなにもしてないぞ、」

「あんたのせいだとも言ってないぞ、」

過剰反応………では無さそうだな、本当に関わりがないらしい。

「…………じゃあ、今日は帰るわ」

 

今回は鍛治屋の工房を借りる。他の工房だと火力が足りず、アダマンタイトを溶かせない。今の簡易セットでは、緋緋色金や青生生魂しか溶かせない。オリハルコンはギリギリで、溶かせるがすぐに固まる。試しで最初に手を突っ込んだ時、固まったのは焦った。ちなみに簡易セットは鍋の煮炊きに使うコンロを炎熱無効と熱を通すが逃がさない、二つの結界ともう一つの隔離空間から空気を提供する結界を使い温度を上げていたのだが、所詮簡易なので、温度があまり上がらない。多分空気の問題だが、そんなことを考えながら、火の入った炉に肩まで手を突っ込む、ちっさいおっさん(多分ドワーフ)が顎外れそうなくらい口開けてるけど気にしない。

「ふう、」

腕は黒いすすがいっぱいついてる。あんま掃除してないな…………、それより加工だ、加工、刻印については解決したので、できていない手足や、外装を作っていく。今回はその外装の内側にも刻印を掘るので時間がかかりそうだ。

「いつまで借りても?」

ちっさいおっさん、店主の顔を見る限り暫くは戻ってこないな、じっくり作業をさせてもらおう。

 

…………明日組み立てよ、ベットにダイブした、朝を迎えると同時に組み立てを開始した。紫陽花の体は向日葵達より大きい、全体的に、顔立ちは向日葵と同じように美形だが、あどけなさを残す印象だ。青い瞳に小さな星の装飾が施され、覗き込めば夜空のように深い、そこに黒縁の眼鏡を掛けさせる。

「これでよし、後は、………」

『出来たんですか。マスター、』

「出来たが、………気に入ってもらえたか?」

『勿論です!』

青い光をランタンから出す。その光はゆっくりと体に吸い込まれていく。

「お前の名前はクロエだ、期待してるぞ、」

「はい!」

 

クロエ オートマタ

機構精霊 蒼い紫陽花

スキル 水魔法8 土魔法1 自動修復7 変形5

耐性 毒・酸無効

称号 生きた人形

 

尖った所のない安心できる子だ、そう思ったので、何となく、クロエの頭に手を置き、『汝、我主トスルナラバ、汝、調和ノ使徒ニ任ズル』これでよしと、手元の金も心許なくなってきたし、ギルドに行くか、




呼び方が間違っていた所を直しました。

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