この世界、あと5年で文明が滅びます。   作:白紫 黒緑

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名も知らぬ世界での新生活
異世界渡ってすぐに死ぬ事だってある。(死んでないよ)


ゴォォォォーー………

現在、彼は空中に投げ出されている。恐らく、残念神が、トチって飛ばした先が空だったと言う話だろう、取り敢えずステータス、

 

名前 北川 龍登

種族 #%5*;¥

 

パーソナルスキル 真理ノ瞳 万能結界 冒涜

スキル 芸術10 指導8 鑑定5 武芸3 風魔法10

耐性 炎熱無効 低温耐性5 雷撃・突風耐性5 衝撃耐性5 闇魔法耐性5 聖光魔法攻撃耐性5 精神攻撃耐性5

称号 爆死

 

何か冒涜とかいうのが増えてるが、今役に立つ気がしない。耐性がどういうものか分からないが一か八かでぶつかる気はない。一番有力なのは万能結界と風魔法だが…………滞空時間長いな。

ゴォォォォーー

風を切る音がする。耳が痛い。自分を中心に円を描くように薄い膜のようなものをイメージする。

「結界!」

ゴォォォォーー

しかし、何も起こらなかった。恥ずかしい、あー、もう、くそ、………誰もいないからよかったものの、叫ぶのはやめよう。

『すみません、その結界条件を指定しないと発動しないんです。イメージは正しいんですけど……』

居やがった………キレていいよな、これは。

「おい、説明責任を果たさねぇだけで飽きたらず、空中に放り出すのがこの世界の神か? 元の世界に神がいたか知らないが、中途半端に手を出して放り出すのは、そいつらよりもよっぽどの無能らしな、テメェは」

侮辱、蔑み、怒りの三つを込めた声色で目付きを鋭くする。人によってはこれではただ煽っている程度にしか感じない者もいるだろうが、

『ひっ……』

効果抜群、たぶん、というか絶賛落下中だった、

「どうする? 二択だ、この状況をテメェでどうにかするか、それとも、どうにかする方法を俺に教えるか、答えろ」

これ以上文句を言うとどうにもならない事になりそうなのでこの辺りでやめとこう、

『け、けけけけ、結界はぁ! あああああ、ぼっ、うぎょを基本に、えー……………、あっ、衝撃耐性を結界に付与してください!』

どうやんだよ、イメージはそのままでー、衝撃耐性ー!

 

バァァァン!!

 

クレーターができてるし、砂煙がすごい、まあ結界の外のことなんだけど、生きてりゃいいか、

「あーあ、なんだかなー」

幸先の悪さを嘆くべきか、あの神に目を付けられたのを嘆くべきか、頭が痛い。

「何処か拠点になる街に行かねえとな」

《東南東5km先町があります。》

だ、誰!?

《代行者》

ん、何かあったな真理ノ瞳の能力の中に。どうして街があるのがわかるんだ?

《落下中に周囲の地形の情報を集めました》

どういう街?

《視覚情報を開示します。目を閉じてください。》

…………すげぇ、街が見える360度、上からも見ることができる人の往来や出店に並んでる商品も見える。代行者すげぇ、

《いいえ、千里眼です》

そっちかい! いや、真理ノ瞳がすごい事には変わらないな。街の中を歩いているような感覚で街の様子を見ているととんでもないものがあった。

「東南東はどっちだ! 急ぐぞ!」

《左方向に進んでください》

何であんな物がと思いながらもクレーターから這い出しひたすら真っ直ぐ進む、

「周囲の索敵頼めるか?」

《了解しました。》

歩きながらスキルの確認をしようと決めた。索敵は丸投げでいいだろうが、一応自分の体の表面薄皮一枚程の結界をイメージして耐性全てを付与する。

 

大事なことだから二度言おう。金がない、もう一度言おう、金がない、何だったら武器防具の類いもない、結界はあるが。

 

バタバタバタバタ………

 

上を見上げるとヘリが飛んでいる。異世界だよね、ここ、

《元の世界にあった乗り物とは、少々違うようです。》

思うだけでも伝わるのか、代行者便利だけど聞かないと答えないのが難点なんだよなー、どう違うんだ?

《構造を知りたい場合は千里眼を、名前や原理を知りたい場合は鑑定を、》

鑑定と千里眼か、まず原理から鑑定っと、

 

ヘリコプター38号

製作者 チームかんぱち

元の世界の乗り物を再現しようと作られた、試行錯誤がなされているが、作り方が全くわかっていないため、殆ど風魔法で動かされている。その量産型38号機

 

魔法によるゴリ押しでできているようだ、どのくらい魔法に頼っているかは、千里眼で見る。

 

発動させるとヘリの中に乗ってる人まで見える。空中に浮いてるみたいにも見えるな、気になるのは二つ、

 

魔導制御板

風魔法、滞空、推進が刻まれている。

 

旋風刃・38式

チームかんぱちで製作された薙刀、ヘリコプターのプロペラに使われている。

 

暫くすると見たことの無い鳥のようなものがヘリに接近した。ヘリは速度を上げて直進し、プロペラでバラバラにする。当たったものは赤い血煙になった、制御板で浮かせてプロペラは武器、ということらしい。予想通りだったが、武器を付けるのは問題無いとして、体当たりは合理性、効率性に欠く。何よりグロいうえに美しくない。臓腑が大量に付着した機体の掃除とか誰が得するんだ。

《敵接近、オーガ三体》

………………、いや、どうしろと、………デケぇし、三メートルはあるし、風魔法って何ができるんだ、説明早く!

 

風魔法 ウィンド ライトニング

 

えっ、これだけ………、どうしよう、取り敢えず………

「ライトニング」

晴れ渡る晴天の中、草原に一条の稲光が目映い閃光を放ち、響き渡る轟音を置き去りにした。オーガは焼け焦げた残骸と化した。滅茶苦茶焦げた臭いがする。後すぐにここを離れないと他の敵が来るかもしれない。

「どうしよう、ほんと」

ライトニング威力高過ぎ。名前シンプルなのにえげつないわー。

《魔石が有ります、どうしますか?》

何それ? 何かの役に立つの?

《高額で売れます》

はい、回収ー、したいけどどれかわからんー、鑑定ー、

石、石、石、石、石、石、石、石、石、石、石、石、石、石、石、石、石、石、石、石、石、魔石あった、

 

魔石(風)

オーガの魔石、雷撃を受け変質している。

 

三つ回収、離脱、とにかく走る。


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