この世界、あと5年で文明が滅びます。   作:白紫 黒緑

14 / 86
ちょっと長い?




害虫ハンター縮めてガイハン

こう言うときは代行者と相談だ。元の世界では果物やアブラムシを吸う生き物だったがこっちで人を襲わないという保証はない。でも、一番気になるのはやっぱり悪臭、

《冒涜で存在値を吸収する際に悪臭をポイント返還して、別のスキルに振り分け治………》

ちょっと待て、………そうか、触らなきゃいけないのか。しかも冒涜で瞬殺は無理。臭いの確定コースやん、うーん、…………万能結界でなんとかなるか?

《恐らく問題ないかと》

 

そこは断言して、割りとマジで………、それと人を襲うのかこいつらは?

 

《悪臭を出す以外は無害です》

 

それが一番問題なんだけど…………はぁ、無害ならその内藤白の特訓相手にしても大丈夫だろう。その前に幾つか検証しよう。

 

覚悟を決めて一匹召喚、オーソドックスな緑のやつだ。ちなみに藤白には、素振りができなくなれば持久走をするように言ってある。

「まずは、様子見だな。」

結果、襲ってこない。おとなしい。さて、万能結界、臭源遮断!素早く背中に飛び乗り、冒涜で存在値とスキルを奪う。スティ………カメムシでいいや、カメムシは暴れるが、人を振り落とせる程の揺れではない、オークより時間は掛かったが動かなくなった。ここで真理発動。周囲の状態を見る。カメムシの臭い、分泌物を探すと大量に空気中を漂っていた。臭いはしないので結界で防げているようだ。ただ防げるのは臭い物だけ、紫は避けるつもりだ。

《紫以外なら何でもいいですか?》

 

?よくわからんが頼む、そうだ、このカメムシ、素材は金になるか?

 

《素材等は需要がないですが、ギルドに討伐証明すれば、ある程度の金額がもらえるでしょう》

 

どう証明するの?臭い?嫌だよこの死体持ってくの、

 

《触角を削ぎ落として、それを持っていきます》

あー、そうなの、………あれ?だとしたら、ゴブリンとかオークでも似たようなの有るんじゃない?

 

《ゴブリンは耳、オークは足(蹄)、オーガは角、虫は概ね触角です》

前、ライトニングで焼いたゴブリンの総額はいか程?

 

《一体で銀貨一枚ですので、金貨8枚と銀貨7枚です》

決して少なくないが、手間を考えると微妙か?過ぎたこと考えても仕方ない。カメムシの触角を切り、隔離で仕舞う、ついでにカメムシ本体もだ。何かに使えそうだし、さて次のカメムシだ。

 

この時、俺は完全に油断していた。

 

今度現れたのは赤いカメムシだ。何か早そうな気がするが、速度は至って普通だ、同じように飛び乗ると同じように冒涜を使う。その直後、目と鼻を激痛が襲う。

「あーーーー!」

こんな大きい声出したの何年ぶりだろうとか一瞬思ったが、余裕は然程無い。

「目がぁ!染みるぅぅぅ!」

カメムシに止めを刺してから、近くの川の水中に結界をはり、そこから水を隔離していき、俺の頭上に張った結界から水を出させ洗う。まだ違和感があるが幾分マシになった。で、代行者よ、さっきのはなんだ、

 

《スティンクバグです》

そうじゃない、いや、体験したから大体解ってんだけどさ、唐辛子等の刺激物、催涙スプレーのようなものか?

 

《そうです。》

カメムシという概念で、臭いだけだと思っていたが、元の世界とは違うのだ、切り替えないとな、だが、

「涙と鼻水が止まらない………」

 

暫く休憩、ついでに自分の考察を交えながら、代行者に相談してみる。ここでは、元の世界の知識と手持ちの情報を使う。まずカメムシの色だが、元の世界では食べ物によって体色が変わる生き物がいる。他だと警戒色、識別、交尾等があるが、緑と赤で出すものが違う点から他の色も違う可能性がある。代行者わかるか?あと火魔法の適正とスキルを上げといてくれ。適正は40くらいにして残りはスキルに頼む。

《わかりました。臭いについては以下の通りになります》

 

緑 雑草臭 気絶しそうになる。鼻腔に違和感が残る。

 

茶 排泄物臭 間違えなく吐く、ドラゴンさえも吐く。

 

赤 刺激物 悶える激痛、涙と鼻水が止まらくなる。

 

黄 腐敗臭 鼻が曲がる気絶もする。長く臭いが残る。

 

青 魚臭 気合いがあれば吐かずにすむ。なければ吐く。

 

紫 毒物薬物臭 精神的に不安になるが、害はない。

 

《他にもいますが、こんなところでしょうか》

 

他にもまだ見ぬカメムシ達が君を待ってるぜ!知るかボケ!待つんじゃねぇ!なんだまだ見ぬカメムシって!全然心踊らねぇよ!あんだけ毒々しい色して無害なのか紫!

それと茶色、知らずに選んでたら大変な事になってたかもな、あとドラゴンいるのか、

《通常の排泄物の約百倍、放出一秒で直径五十メートルの範囲に広がり、確実に一週間は臭いが残ります》

 

怖!百倍のう○こ臭が一週間………生き地獄だな。この時ほどあの神に感謝した瞬間はないな、さて、再開しますか。

 

結構時間が経ったな、成果を確認しよう。ステータスっと、

 

名前 北川 龍登

種族 #%5*;¥

 

パーソナルスキル 真理ノ瞳 万能結界 冒涜

 

スキル 芸術10 指導8 鑑定5 武芸3 隠密1 風魔法10 火魔法4↑ 人形作成10 義体・義肢作成10

 

耐性 炎熱無効 低温耐性5 雷撃・突風耐性5 衝撃耐性5 闇魔法耐性5 聖光魔法攻撃耐性6 精神攻撃耐性5

 

称号 爆死 稀代の人形師  new害虫ハンター

 

武芸3 内約

剣術7 体術8↑ 棒術3 格闘術2 斧2 扇1 

 

火40水1風19土2聖ー闇ー

 

気が付いたら害虫ハンターになっていた件。

 

内約 害虫ハンター

虫系の魔物に与えるダメージを増やす。(三割増し)

 

……………微妙、これは置いといて火魔法行くか。

 

「フレイム」

 

ゴオォォォォォォォ!

 

…………代行者さん?発火レベルの魔法なんだよね?天を貫かん勢いで火柱があがってるんですけど!?

 

《調整してください》

 

いや無理!初見で上手いこと出来るか!練習でこんなもん出す予定じゃなかったわ!

 

《では、魔力の供給を絶ってください》

 

まず魔力がよくわかりません。………仕方ないし、火柱を消すイメージ。チョトづつ火力を弱める感じ、すると、火が少しづつ小さくなり焦げ跡を残し消えていった。ホッと胸を撫で下ろす。が、その直後、遠くから何かが砂煙を巻き上げながらこっちに来る。千里眼で見てみると向日葵だ、状況はよくわからんが、エーデルワイスと藤白が振り回されている、いや、しがみついているのか?あっという間に目の前に来るとその勢いのまま、飛び込んできた。

「ご主人殿!御無事でしょうか!」

さっきまで何ともなかったがな………骨まで衝撃が浸透したわ、

「さっき、凄い火柱が上がって………」

「………(コクコク)」

藤白はともかくお前らは俺が火や熱の類いが効かない事は知ってるだろうが、

「俺に火は効かん、お前らを作る時、炉に手ぇ突っ込んでただろ?」

「あははは…は…………」

「………それでも、心配、」

 

向日葵は完全に忘れてたな、笑いもしりすぼみに小さくなっている。

 

「そ、そうです。心配です!」

 

本当だろうけど、後から言われても……………

 

「あの?火が効かないとは?」

「…………ああ、効かない、炎熱無効があるからな、お前も毒物が効かないだろ?」

「え?」

「……………ん?」

 

 

 

 

 

 

あれ?なんか噛み合わない。

 

 

「ステータスについては聴いたか?」

「ある程度の金があれば、後は魔物を狩ればなんとかなるだろう、って笑ってましたけど、駄目ですか?」

「………うん、駄目だね。」

 

問題しかない。

 

自分の能力の確認の仕方くらい基本だろ。話を聞く限り脳筋のような…………、そして、こいつに魔物を狩れるがどうか判断しろよと思う。

「まず、ステータスと言う、または思う、念じる。」

「はい!ステータス、」

ついでに俺もチェック。

 

名前 藤白 功徳

種族 人

パーソナルスキル 毒物・薬物効能操作・製造

スキル 棍棒4

耐性 毒無効 健康体

称号 薬殺されし者?

加護 戦神の加護

 

…………にしても、加護ってのが解らん、棍棒のスキル伸びすぎだろ。向日葵の格闘術の二倍成長している。

 

《加護については次の通りです》

 

戦神の加護 武器を含む戦闘系スキルの成長を早める。

 

これのせいか、藤白の努力もあるだろうがこの加護があれば多少鍛えれば即戦力である。が、いくらスキルを鍛えても体力がなければ意味がない。

「持久走に力を入れるか、」

ん?なんか引っ張られてる?後ろを見るとエーデルワイスが服を引っ張っていた。

「私も見て、欲しい、」

 

どういう意味?いや、何となくわかるが言葉のほうがわからない。表情等からただ見て欲しいのではなく、能力を見て欲しいと言う意味だろうが、何故わかったか?と、その疑問は真理で見た結果わかった。

 

No name  オートマタ

機構精霊 雪解けのエーデルワイス

パーソナルスキル 救恤

スキル 聖光魔法9 精霊魔法10 自動修復3 読心6 家事8

耐性 毒・酸無効

称号 生きた人形 良妻賢母?

 

言いたいことがいっぱいあるな、まず救恤これは?

 

《美徳系で強欲と対をなすスキルです》

 

救恤 内訳

救済の聖者 補助、回復系の魔法の効果が格段に上がる。

 

神秘 大罪系、悪魔系の威圧や毒、呪いを退ける。

 

じゃあ次、良妻賢母?は、この短期間で称号?付いてる奴また見るとは思わなかったわ、

 

良妻賢母? 家事8

 

家事8 内訳

料理8 洗濯6 催淫10

 

なんじゃこれゃあ!いや、最初はいい、最後の催淫、それと読心、何か手玉に取らそうな組み合わせだ。

「………」

あっ、こら、読心使っただろ、上目遣いやめい!言葉の違和感は読心で俺の考えを読んでいたか……ちょ、そこからの催淫はヤバいって、軽く拳骨一発でもこの状況では、降り下ろせない。これは孔明の罠か!誰か!ヘルプ!

 

ゴウッ!

 

………あの、すいません。向日葵さん?何かパチパチ燃えてませんか?その炎の塊どうすんの?振りかぶって………投げた!ぐはっ!おい!いや、熱い訳じゃないけど、服が景気よく燃えてんじゃねえか!

「ご主人殿から離れるです」

エーデルワイスは炎が飛んできた段階で離れている。笑顔で威圧を解放している。青黒いのがゆらゆらしてるよ。

「何するの?」

が、効果はないようだ、俺のは何故か効いたが、と言うより避けずに守って欲しかったかな?新しい服着よう、エーデルワイスの周辺には、青白い光のような者が漂っている。そしてこれも天を貫くように上に昇っている。

「あの………大丈夫なんですか、あれ、ただならぬ雰囲気なんですけど」

「対を成しているがために相性が悪いのか?」

「対?あの二人が?」

「いや、スキルがな、あの煙と光を見ればわかるだろ。」

「えー…………、何の事ですか?」

「いや、………全身覆うように出てるし、何より空に………」

いや、待て、藤白と初めて会ったとき、向日葵から出ていたが、周りの人間、つまり店の客、店員、呼びに来た青年、そして藤白、俺以外誰も気付いた者がいなかった。それこそ盛大に漏れ出ていたにも関わらずだ、

「藤白、これ見えるか?」

右手を突きだし、冒涜を発動黒い煙のようなものが上がり始める。

 

「何も乗ってませんよね?」

 

どうやら見えてないらしい。じゃあ次だ、

「あれはどういう形をしている?」

頭上を漂わせ練習している立方体を指差す。

「…………何もないと思いますけど」

何がしたいのかわからないと言う顔をしていたので見えるようにするか、見えてないようだし、万能結界、着色・黒。

「な、なんですかこれ!」

まあ、なんだ、ただネタばらしをしても面白くないので、太陽の光を利用してちょっとした作品を作ってみた。頭上の黒とは別にガラスのような(俺からの見た目では何一つ変わってない)結界をそのまま可視化、太陽の光を乱反射させる、複数の小さな結界を適当に配置する。

「これは俺がもらった能力だ、送られ方は、アレだったが………、もらったスキルには感謝してるよ。あと耐性関係な……………そろそろ止めるか、─おい、帰るぞ、置いてかれたいか?」

「あっ、ま………」

「置いてかないでー!ううぅっー………」

半泣きで鳴き声でこっちに走ってくるエーデルワイスは受け止めなければいけないという義務感を感じた。娘をもつ父親の気持ちがわかった気がする。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。