東方濃薄録   作:キリメ

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別の方で設定がガバガバだと言われましたがこのまま続けていきます




存在というもの

 

「とりあえず貴方の能力から調べましょう」

 

そういうと一枚の長方形の紙を渡してきた。大きさは七夕の短冊ぐらいか、だが両面とも真っ白で何も書いてない。これをどうしろと...

 

「なんすかこれ」

 

「これに霊力を込めてくれるかしら。そしたら貴方の能力がわかるわ」

 

能力がわかるって、まさか紙が二つに割れたりクシャクシャになったりするのか。だがそれはチャクラ性質の話だ...関係ないな、うん。

 

「そもそも霊力ってどうやってこめるんですか」

「......それをいまから説明しようと思ってたのよ、ええ忘れてなんかいないわ」

 

「はぁ」クサッタジトメ

 

「うっうん、で霊力っていうのは...

 

 

*****BB...少女説明中*****

 

 

「よし、じゃあやってみろ」

 

「うす」

 

八雲さんの説明の後霊力トレーニングを受けることになり式神の藍さんに教えてもらうことになった。口調こそきつく感じるが内面は優しい人?だ。

 

霊力や魔力、妖力などは本人の需用量で最大値が上がるそうだ。詳しいことはよくわからんがとりあえず訓練すればいいらしい。まぁ訓練って言っても精神コントロールがメインなんだがな。

 

「よしそのまま浮かぶイメージをしてみろ」

 

イメージが現実に反映されるなんて流石幻想郷だな。

 

 

 

 

 

ある程度時間が経ち霊力の使い方や今の俺の最大値が何となくわかった。霊力は別にそこまで多かったわけでもなかったらしいが成長するスピードが異常らしい。今ではそこらの妖怪よりもはるかに霊力がある。

 

橙とかいう式神か呼びに来て先ほど八雲さんと話していた部屋に連れて行かれる。どうやら今度こそ能力検査をするようだ。目の前の紙に霊力を込めると真っ白でだった紙に紫色の模様が浮かんできた。

 

「趣味悪い柄だな」ボソ

 

「趣味悪いとは失礼ね」

 

裏面を見ると真ん中に文字が書いてある。

 

 

«ありとあらゆるものの濃度を操る程度の能力»

 

 

「ありとあらゆるものの濃度を操る程度の能力?何すかこれ」

 

「文字通り何でも薄くしたり濃くしたりできるのではないかしら。貴方の存在を薄めるとか」

 

「何それ悲しい。てか俺の影が薄かったのってこの能力が原因ですか?」

 

「影じゃなくて存在ね。まぁそうなんじゃないかしら...でも能力の強さで見るとかなりのものよ。”ありとあらゆるもの”って書いてあるってことは使いこなせれば自由に濃度を操れるということよ。今のところ薄くしかできないようだけど」

 

「......能力を使いこなせるようになって存在を濃くきたら元の世界に戻れますか?」

 

「残念だけど無理ね。貴方の外の世界で存在が薄くなったのは能力のせいだけではないわ。能力が発現したのは幻想郷にくる直前、そのせいで両親や部活のメンバーに忘れられたからその人たちは思い出すかもしれない。でも、一度幻想入りしたものが外の世界に行くことは此方での存在にまで影響を与えてそれこそ本当に存在が消えるわ」

 

「じゃあ八雲さんはどうやって両方の世界に入られるんですか?」

 

「それは私が«境界を操る程度の能力»だからよ。境界操作によって私はどちらにも存在しているし存在していない。だからどちらにも行き来できる」

 

「......とりあえず俺が元の世界に戻る事が出来ないってことはわかりました」

 

「別に気にしなくてもいいのよ。自分の存在意義についてならもう嫌という程考えたから」

 

「...それで答えは出たんですか」

 

「結構突っ込んで聞いてくるのね、別にいいわ...そうね...まだ出てないわ。今私は妖怪の賢者という立ち位置だけど私が妖怪かと言われると厳密には違うわ。自分が何者かなんてわからない、それどころか本当に存在しているのかさえわからなくなる時もあるわ。そしてもう存在意義について考えることをやめたわ...怖くてね」

 

「怖い...ですか?」

 

紫「ええ、怖いわ。考えれば考えるほど分からなくなる、答えがあるのかさえわからないことにね。...だからかしらね存在がなくなり始めてから必死に自分の大切なものを見つけて手に入れようとする人間に興味を持ったのは」

 

「それが、俺をここに連れてきた理由ですか」

 

「ええそうよ。貴方は私が見つけた新たな希望、私を見つけることのできるかもしれない。だからそんな貴方が消えるのことは私の希望が消えることでもあった」

 

「希望なんて大したもんじゃないですよ」

 

「そんなことはないわ。少なくとも貴方は見つけようとした、自分の大切なものを。存在するかどうかもわからない"本物"を」

 

「っなぜそれを!」

 

「あら言ってなかったかしら、私達が貴方を観察してたってこと」

 

「..............................は?はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!?」

 

「そんなに騒がないの、大丈夫よトイレとお風呂は覗いてないから」

 

「はあはあ、観察って何時からしてたんですか?」

 

「そうね...今からだいたい1年前ぐらいかしら。ちょうど夏休み前だったと思うわ」

 

「まじですか」

 

「それと今更言うのもなんだけど自己犠牲は自分の存在をも犠牲にすることがあるからあまりしないほうがいいわよ」

 

「 」

 

「さて、少し話しすぎたわね。藍、食事の準備を。後八幡、私のことややこしいから紫でいいわ、八雲さんって違和感がすごいもの」

 

「なら私のことも藍と呼んでもらおう!」ガタッ!

 

「私のことも橙と呼んでください!」バタッ!

 

「バカなこと言ってないで早く準備しなさい」

 

「うっ、はい、紫様、橙行くぞ」

 

「あっ藍様待ってください〜」

 

「全く油断も隙もないんだから。八幡先に行くから落ち着いたらきなさい、あまりまたせないようにね」

 

「はぁ」

 

さすがというか気がついたら会話のペースが完全に握られていたみたいだ。だが八雲さ、紫さんが悩んでいることも事実だろう。俺程度の人間が何かできるとは思えないが俺のことを希望だと言ってくれた。なぜ希望なのかはわからないが俺は俺の求めるものを探すだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side小町

 

 

 

○月9日

 

お兄ちゃんが2日も家に帰ってこない。電話しても繋がらないどころかそんな電話番号存在しませんとなっていた。

お兄ちゃんに何かあったのだろうか。

 

 

○月10日

 

お父さんやお母さんにどこに行ったのか聞いたらそんな奴いないって言われた。今では小町からお兄ちゃんを遠ざけようとしている感じがしたけど今回のはそんな人間存在していない、何言ってんだって感じで不思議がられた感じがした。不安になってしつこく聞いたら逆に物凄く心配された。

 

 

○月12日

 

今日は学校を早退して総武高校に行った。平塚先生に聞いてもお兄ちゃんのことは知らないと言っていた。おかしい、絶対おかしい。ドッキリにしてはおかしいところだらけだ。

 

雪乃さんや結衣さんもお兄ちゃんのことを知らないらしい。小町とは千葉村で初めて会ったって言ってるけどきっかけはお兄ちゃんなんだよ?

 

 

○月13日

 

お兄ちゃんが行方不明になって一週間がたった。誰もお兄ちゃんのことを知らない。それどころかお兄ちゃんの存在している証拠が見つからない。小町のアルバムを見ても何処にもいない、いたはずなのにいない。小町の妄想だったのかな。

 

 

○月14日

 

今日は病院に行った。

お兄ちゃんの特徴を聞かれたけど思い出すことができなかった。前まではしっかりと覚えてたはずなのに

 

 

捻デレ

アホ毛

腐った目

シスコン

 

これ以上忘れないように今覚えていることを書いておこう

 

 

 

 

 

 

 


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