ここの主人公の夜天に「○○○」と書かれた台詞があります。そこで貴方が好きにセリフを入れてあげてね!
※行数は定められていません
※○ネタもオッケーだぜ!(作者は○ネタを考えました)
※※※遊びですこれ重要※※※
ビスコッティ城の図書館的なところに夜天とシンク、エクレはきていた。
「申し負けないであります! このリコッタ・エルマール先進繊維勇者様と柊様がご帰還される方法を探していたでありますが、力及ばず未だなんとも、どうにもこうにも……」
目の前に幼女枠を勝ち取ったリコッタ・エルマール又の名はリコが、あって開口早々に、頭を何度も繰り返し上下に振りながら謝ってきた。
「いや、リコ落ち着け。私も勇者達もそんなにすぐに見つかるとは思ってない」
「えっ!」
「すぐ見つかるようなら勇者召喚なんて、やり放題だしな、まあ急がず焦らずだぜ!」
夜天はペコペコする頭に手をおき、撫でる。
「ですが……」
慰めるつもりでやったのに、まだ落ち込むリコに苛立ちを覚える夜天は、リコの両頬を叩いてこちらに向かせた。
「落ち込んだら敗けだ、今は前を向いて探そうぜ? 俺も手伝うからよ」
「そ、そうだぞリコ。勇者! たしか期限について何か言ってたな。いつまでだ?」
「え、えーと、春休み終了の3日前の前日には家にいないと行けないから……」
「残り16日ってところか」
「16日!! それなら希望が湧いてきたであります!」
尻尾がはち切れんばかりに振り、夜天の顔が当たる寸前まで顔を近づけるリコ。
「か、顔が近いぞリコ!」
「は、これは失礼しましたであります!」
「いや、別に構わないけど……そういえばリコって頭いいよな? もしかして電波を発生させる機械とかあったりしないかな?」
「電波……でありますか?」
リコとエクレは首を傾げたが、シンクは、夜天の考えの意図を瞬時に察した。
場所は変わって、俺とシンクが召喚された場所に今きていた。
「くっ……ぬううぅぅぅーー!!」
「無理そうだな、じゃあちょっと手伝うか」
シンクが来た場所からなら帰れるんじゃないかと考えて、一生懸命召喚された穴の方に手を突っ込んでいるところに、夜空が近付くと、無防備の背中に思いっきり蹴り押す。
「イタッ! なにするの柊くん!」
「いや、押すのを手伝ってやろうと……」
「普通に押してよ!」
「別に構わないぞ? 運が悪いと中から破裂するけど……」
「普通じゃないよそれ!」
「結論、普通に押すことは俺には無理ってことで、それよりどうだった? いけそうか?」
「無理って……まあいいや、やっぱり通れないみたい」
「だから言っているだろうが!」
黙ってシンクと夜天のアホトークを聞いていたエクレが、我慢の限界だったのか、叫んできた。
「いやいや、人は何事も諦めないことが大事だぞ」
「そうそう! ネバーギブアップ!」
シンクはそう言うと、また穴に手を突っ込み、雄叫びをあげながらもう一度入り込もうと頑張り始める。
エクレはその光景を見て、深く溜め息を吐くしかなかった。
「勇者様ー! 準備整ったであります!」
「おお! リコ、そのデカイのはなんだ?」
後からきたリコの横には、セルクルが運んできた、箱形の大きな機械があった。
「これは、放送で使うフロニャ周波を強化、増幅する機械であります。自分が5歳の時に発明した品でありますが。今は世界中で使われているのでありますよ」
「5歳って……軽くノーベル賞ものだぞこれ?」
リコの言葉に唖然とする夜天を横目に、リコは5歳で作った機械のレバーを引いて起動した。
「勇者様と柊様!」
夜天とシンクは頷くと、夜天はポケットから
「って!? 柊くんケータイは?」
「ん? これだけど?」
「いやいやいやいやいやいや! それお札でしょ?!」
「そうだけど? えっ? これが普通じゃ?」
「そんな普通はないから!」
「そんなに驚くなよ、さてと……」
夜天はもう片方のポケットから
「もってんじゃん!」
「中学生の必須アイテムだぞ? 持ってるに決まってる」
「本当に御札で会話するのかと思ったよ」
「出来なくはないけど、それより早く開こうぜ!」
「えっ出来な……えっ!?」
驚きを隠せないシンクを無視して、夜天はケータイの電源をオンにする。
その後すぐに、シンクもケータイを開いた。
互いに画面を覗き、その右上にあるアンテナを見つめると、圏外から一瞬で三本立った。
「うおお! 立った! すごい! リコッタすごい!」
「おお! スゲー! ○○○スゲー!」
「○○○とはなんだ! ○○○とは!」
「エクレは知らなくていいんだよ? 昔流行ったけど、今じゃガキしかやらない時代遅れのネタだから。それにしてもスゲーな、異世界で電話できるとか、リコお前スゲーな!」
「ありがとうであります! 感謝であります!」
「うん! じゃあ早速」
シンクは電話帳を開いて、《ベッキー》と記入されたフォルダーを開くと、耳に当ててコール。
「彼女か?」
「違うよ! ベッキーは小さいときからの知り合いで、幼馴染みなんだよ、それより柊くんは電話しなっあ、もしもしベッキー?……」
相手が出たらしく、シンクは電話越しの相手と話していた。
「夜天は連絡をしないのか?」
「うーん、する相手がいないんだよな、俺ちっさいときに父母を失って、祖父母に引き取られたけど、その祖父母も今じゃ他界してな……」
「そ、そうだったのか、すまない」
「アハハ、エクレが謝ることはないぜ! ……だから」
「なんかいったか?」
「えー、エクレはかわいいなって言っただけだ」
「な、な何をいってるんだお前は!」
顔を、真っ赤にさせそっぽを向くエクレ、その表情は何処か嬉しそうな気がする。
「エクレ、なんか嬉しそうであります」
「リコ、何をいっているんだ! わ、私は別に嬉しくなんて……」
「そうでありますかー!」
「////……私も少し連絡をしてくる!」
そう言うと、エクレはリコの作った電波発信器の後ろに回って姿が見えなくなった。
「エクレ、なんだか明るくなったであります! これも勇者様と柊様が来てくださったからであります」
「そうか? 俺達はなんもしてないけどな、エクレはいつもあんなじゃなかったのか……? リコ、俺の顔になんかついてるのか?」
「あ、いえ、ちょっと柊様に折り入ってお願いが……」
モジモジしながら、チラチラと夜天のケータイを見ていた。
試しにそのケータイを左右に大きく振ると、それにつられて、リコの顔も左右に振る。
「貸してほしいのか?」
「はい! そのケイタイデンワ? を貸していただきたいのです!」
「別に構わんが……何するんだ?」
「分解して調べたいのであります」
そんな笑顔で言われたら一発KOだよリコ。
「うん! 断る!」
ケータイを追っかけるリコと、それを護るために逃げる夜天。
周りから見たら微笑ましい光景だろうが、こっちから見れば、獰猛な犬が、目の前の獲物を追っ掛けているようにしか見えないが、相手がリコなため、そこまで恐怖は感じない。
「なぜ逃げるんでありますか! 先ほど貸してくれるって言ったであります」
「言ってねえよ! しっかりと断るって言ったろ? つか、貸して分解するって言われて貸したがる奴がいるか!」
「大丈夫であります! ちゃんと元通りにするでありますから! だから貸してであります!」
「信用できるかぁ! いくら頭がよくても始めてみるものを直せるわけないだろ」
「捕まえたであります!」
リコのダイビングキャッチで、見事夜天の腰に抱きつくことに成功。
「離せぇぇぇ!」
「嫌であります! ちょっと貸してもらうだけでありますから!」
リコの手が、夜天のケータイに届きそうになったときだった。
「それは心強い!」
電波発信器の横で尻尾を振るエクレが、こちらの視線に気がつくと、礼を言ってから通信を切ってこちらに向かって走ってくる。
「エクレ、何か朗報でありますか?」
「ああ! ダルキアン卿が、戻ってこられるそうだ!」
「ほ、本当でありますか!? なら、ユッキーも一緒でありますね!」
「あぁ!」
話についてこれない夜天に気が付いたエクレは、夜天のために二人の説明をしてくれた。
「二人だけで盛り上がってすまない、説明をするとだな、ビスコッティ最強の騎手、ダルキアン卿と我らが友人、ユキカゼだ!」
「二人とも、とても頼りになるであります!」
この二人の反応をみると、本当にすごい奴だと分かる。
「そんなに強いのか、あってみたいな……」
「お前のことだ、失礼の無いようにしろよ!」
「安心しろ、ちょっとおちょくるだけだ」
エクレの無言の蹴りが飛んできた。
来るのはよんでいたのだが、いざ避けようとするが、夜天の腰に引っ付いているリコが邪魔で、思うように動くことができずに、攻撃を受けてしまった。
「だ、大丈夫でありますか? エクレ、少しは手加減を……」
「「平気だ」」
「この男は、このくらいやらないと簡単に受け止めてしまうからな」
「まあ、あれでも受け止めることはできるがな、案外リコの存在が邪魔で軽く受けちまったけど」
ケロッとした顔の夜天と呆れた顔をするエクレを、交互に見るリコであった。
「おっ待たせー!」
「おお! シンクもう終わったのか?」
「うん!」
いつの間にか連絡を終わらさせたシンクが、手を振ってこちらに駆け寄ってきた。
「もういいのか?」
「うん! まあベッキーには心配されちゃったけど……」
「そうか、んじゃあそろそろいきますか」
「そうだな、ここに長居することもない。一端城に戻るとするか」
「「おー!」」
シンク一行は、その場から出発すると、真っ直ぐ城に向かった。
次回、奴等が……ノワって可愛いよな!