その後、キャラ募集をした特別話を制作予定です。
まだキャラは募集してますのでこぞって参加してください!
「ハァ…ハァ…汚された。お前ら、覚えてろよ、この屈辱、万倍にして返してやる!」
「すまない夜天...その、あまりにもお前の反応が、可愛くてだな...」
「女の子っぽかたよ。今は女の子か」
「にっしても、ベールより大きいんちゃう? 見た目やったらレオ様といい勝負やで」
「もちスベ肌でしたね。毛並みも整ってよかったですよ!」
包帯や服が少しはだけて床に伏している夜天に満足そうに各々感想をのべていた。
「大丈夫夜天君。これからはほどほどにした方がいいよ?」
「シンクよ、やめろ、ではなくほどほどにと言うことは...貴様も楽しんでいるのだな? このムッツリ勇者め!」
「ち、違うよ! もしボクが夜天君に止めろって言ったら止めるの?」
「お前にそんな権限があると?」
「ほらー、だからだよ...」
シンクが項垂れる。夜天は服を着直してからシンクの隣に座る。ちなみに包帯は巻き直すのがめんどくさいのでそのまま解けた状態、つまり服の上からでもその胸の大きさが見えると言うことだ。
「男だから見ても気にしないぞ? 触ることも許可してやろうか、シンク?」
「え、遠慮するよ!」
「にゃはは、恥い奴めぇ」
悪乗りする夜天の背筋がゾッとする三つの視線を感じ取った。
「そんなもの、姫様を助けるのに邪魔になるだけだ」
「育ち盛り...だもん」
「せやせや! ウチが揉みしだいてヤロかぁ!」
「ハッ! やれるもんならやってみロニャッ!?」
『もみもみもみ………「なっ...なっかなかの弾力、柔らかさ、癖になりそうや」もみもみもみ………』
「や、やめ...や...やめろォォォォ!」
夜天はジョーヌの巧みの手つきから逃げ出すことに成功した。
「ハア…ここまでくれば安心だろ。さて......成仏したんじゃねぇのか?」
夜天が目を向ける先には、真っ直ぐと見据えている母キツネの姿があった。
相変わらず透けては声は聞こえない、だがその視線から夜天は母キツネの思いを汲み取ることが出来た。
『───恩返しがしたい。』
夜天はそう言ってきているように感じた。
「子キツネを助けて心残りがなくなったと思えば、今度は犬姫の恩返しをするまで成仏はできないときたか……」
母キツネは申し訳なさそうに頭を垂れ下げている。
「別に頭を下げることはない、恩を返すことは悪いことじゃない、むしろ参照する。……けどま、今の俺じゃあ出来ることが限られちまうが──ん?」
ジッと見詰める母キツネ、しかし見ている先は夜天ではなく、まだ建設中のステージに目を向けていた。
「なるほど、姫様のステージを盛り上げたいと、随分とデカイ貢献を狙っているな。まあ今の俺ができるのはお前を少しの間だけ実体化させることぐらいだぞ」
速答にコクンッと母キツネは首を縦に振る。その返答に夜天も頷き、胸元から一枚の金色の紙を掴み取った。
「5秒だ、お前を実体化させることのできるタイムリミット。本当は亡き者を現世に定着させることは大罪なんだからな! これ一枚しか無い貴重なもんなんだから、タイミングを逃すなよ、実体化をするときはこの紙に念じるだけで良い、すれば実感はわかないが実体化しているはずだから。あとは頑張れ、俺にできることはそれだけだから」
夜天は金色の紙を母キツネの背中に貼り付けると背を向けてヒラヒラと手を振って別れる。母キツネは夜天の姿が消えるまで頭を下げ続けた。
その後夜天は、シンクたちと再び再会しミルヒオーレ姫のコンサートを共にした。そして終わりが近づいてきたとき、最後の盛り上がりに母キツネが手の込んだ演出をしてから、本当に最後の別れとなった。
そしてコンサート中、ずっと姿を現していなかったリコから勇者送還の方法が見つかったと報告があった。
姫様の歌も書こうと思ったんだけどね、表現ができなくてね……諦めました…。