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ビスコッティでミルオーレ姫のお詫びと兼ねたコンサートが開かれた。
時間まで出店が開かれまるでお祭りみたいになっていた。夜天も人気のないところで、呪いのせいで気力を出せなくなったのを補うためこの世界の力の源であるフロニャ力の扱いの練習をしていた。
「今まで使っていたのと使い勝手が違うから難しいな。フロニャ力を体内に取り込むイメージをして、そのフロニャ力を輝力に変え、一点に集中。そして一気に身体から捻り出す!」
夜天の掌から輝力の塊が吐き出される、しかしその輝力は少し進むと跡形もなく霧散する。
「あーまたダメだ! 何がダメなんだ...やっぱり扱う器がないとか...器か、もしかして溜める量が少なかったのか? だとすると...もっと体に溜め込むイメージをする。身体中に隙間なく詰め込んでいく...。そして次に輝力に変え、それを収縮。吐き出す!」
さっきよりも飛距離を伸ばすことができたが、やはりすぐに霧散してしまう。
「うーん。あと一歩て言うところか。にしても輝力の使ったあとの脱力感半端ないな、疲れた」
地面に大の字になって倒れる。動くのも怠いほど輝力を使用すると脱力感が襲ってくる。
さらに消費するエネルギーもバカにはならないのか、夜天の腹の音が鳴りっぱなしであった。
「腹も空いたことだし、出店でも回ろうかな...動くの怠いけど...」
重い腰を上げて立ち上がる、夜天はだらだらと足を動かして人気の多いところに向かっていった。
────ビッ!
「ん? なんの音だ?」
辺りを見渡しても音の元凶はない。気のせいと思い込み、夜天は気にせずその場から離れて出店に向かった。
しかし、あの音の正体を見付けていればあんなことにはならなかったと夜天はあとで後悔することになった。
片手に串カツのような食べ物を頬張りながら夜天は歩いていた。甘辛いタレに分厚いハムのような肉の肉汁が絶妙にマッチして旨い。すっかりハマった夜天はその食べ物を10本ほどまとめ買いをしていた。
「なかなか旨い出店があるな、目移りして大変だぜ」
「そこの銀髪の嬢ちゃん。うちの買っていってくれよ! おまけするぜ?」
声をかけられた。それも女に間違えられて、でも間違ってはいないんだよな...なんか複雑な気持ちになる夜天であった。
しかし、おまけしてくれと言うのなら為りきるのも悪くない...。
「あらおじさま、一体何のお店かしら?」
「うちはグレルプを出してるぜ」
「へえ、どんなのか見せてくれる?」
夜天は鉄板のようなモノに覗き込む。とそのときだった。
「お、おい嬢ちゃん! あんまり屈まないでくれるか!?」
「あら、もしかして覗いちゃいけなかったのかしら? それは悪いことはしたわね」
「だから嬢ちゃん屈まないでくれや!?」
夜天が頭を下げると何故か顔を真っ赤にさせそっぽを向く犬のおじさん。しかしちらちらと目を泳がせてはこっちを見てくる。
「それじゃあグレルプを頂こうかしら」
「お、おう。これがグレルプだ、おまけで今日は代金入らない」
「あら、それは嬉しいですわ。ありがとうございますおじさま」
軽く会釈をしてから夜天はその場からはなれた。そう言えば隣に並んでいた出店の店員も何故か赤い顔をして見てきていたな。一体なんだったんだ?
疑問に思いながら夜天はグレルプを頬張る。見た目は完全にクレープだった。ちなみに味もホイップと中にブドウの実が入っていて、どこからどうみてもクレープであった。
少しあるいていると少しいった先にエクレとシンクの姿を見つけた。それも二人きりで周りに人の気配は少ない。
「いい雰囲気出てるじゃん、エクレはシンクに興味があるようだな」
「エクレが男の子を誘えるまで成長するなんて、このリコ感激であります!」
出店の脇に隠れて二人の様子を伺う夜天とリコにユキカゼ...お?
「お前らいつの間に居たんだ?」
「エクレ達を追い掛けていたらたまたま同じ場所に鉢合わせたのでござるよ」
「なるほどなそれにしても、あの二人があんな関係になってるとはな...」
「ハイであります」
「でござる」
「おお、いい雰囲気だ! そこでもっと攻めるんだエクレ」
「そうでござる! そこでもっと、ググッといくでござるよ!」
「ググッとであります!」
三人でシンクとエクレのなかを見守っていると、後ろから誰かに肩を叩かれた。
三人は同時に後ろを振り返ると、見知った三人の姿が目にはいった。
「はぁい!」
「お三方揃って何をしているんですか?」
「おお、これはガウル殿下の直属秘密諜報部隊のジェノワーズ殿でござるな」
黒猫のノワ、寅のジョーヌにウサギのベールがいた。三人は見知っているリコとユキカゼよりも今は別人のような夜天に目を向けている。
「あの、そちらのかたは?」
「どこかで見たような気がするんだよ、あの男に似ているような...?」
「でも、勇者の友人は、髪は黒かった。別人?」
三人が首をかしげている。別に教えなくとも構わないが、訝しげな目で見続けられるのは居心地が悪いの説明する。のだが、タイミングが悪かった。
「おお! シンクと親衛隊長じゃねえか!」
「ガウル殿下!」
ガウルの登場により、雰囲気はぶち壊し。そこから近くでシートを引くと全員で食事を摂ることになった。
「夜天くんもいたのなら声をかけてくれればよかったのに」
「悪いなシンク。どうもいい雰囲気だったから、声をかけるもかけずらくて」
「せやけど、うちはあんたが夜天とは思わなかったわ」
「そうですね、私も思いませんでした」
「……同意」
「姉さんもなんか会見のあとスッキリした感じだったし、色々と目に見えるものが変わっていくな」
ガウルたちが各々思ったことを口にしていく...それにしてもさっきから
「......やっぱり...」
「うん? どうした黒猫ッ!?」
「不自然に動いてたから不思議に思ってたけどやっぱり、ヨゾラにしっぽと耳がある」
「お、おい! 黒ンッ...猫! しっぽを触るにゃッ!」
「かわいい反応...今までの恨み」
「ギニャァァァアア!」
ノワにしっぽを弄ばれ、いつもの立場が逆転していた。しっぽと耳が夜天に付いているのを目にした他の者。
普段見せない夜天の反応に今まで屈辱を受けていた人物がなにか変わった感情が芽生えていた。
「今のうちに今まで受けてきた屈辱を晴らしてもいいよな?」
「せやな...いつもの状態やったら逆に返り討ちになってしまうんやけど」
「どうやら今は使いたくても使えない見たいですね...」
「えっ、あの。お三方? 顔が怖い、マジで怖いんだけど、てか近づいてこないで、え、えっ! ...シンクゥゥゥウ!」
「あはは...ガンバレ!」
「テメェらぁァァア! あとで覚えとキャッ!」
その後、圭は野生本能を解放した四匹の獣に身体中をまさぐられたのはまた何処かで...。