私はあの女が嫌いだ   作:yudaya89

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第49話「最後の試合」

全車両全速で敵本陣へ!!隊列は単縦陣!!急げ!!格下の砲撃など無視だ。今から本陣に突撃を実施する」

 

 

 

 私に恥を欠かせたあのクソッタレに目に物見せてやる!!

 

相手の本隊まで残り1500!!

 

「相手の砲撃で注意するべき箇所は足回りだけです。しかしそれだけです。側面、正面装甲は抜けません。それに最高速度では相手の行進間射撃も命中率は低下します!!」

「「「了解!!」」」

 

 

 

 結果は・・・私は彼女に敗れた。18対6で私は・・・

 

 

 

 

 そして

 

 

 『聖グロリアーナ女学院 フラッグ車戦闘不能!! 黒森峰女学院の勝利!!』

 

 

 

 

 

 確かに我が高は優勝した。周りの隊員達も大喜びしている・・・しかし渡しは喜ぶ資格がない。18対6で対峙した結果、8両を撃破した時点でこちらの車両は弾切れを起こし撃破された。相手の車両に体当たりを実施したが残念ながら撃破にはいたらなかった。

 

 

 

 

 そして閉会式後に私は隊長に大会会場の会議室に呼び出された。

 

「水樹?」

「はい!!」

「彼方への教育は本日を持って終了しました」

「・・・」

「どうしました?」

「私は・・・結果を出せたのでしょうか?」

「残念ですが、今日は赤点ですね」

「・・・そうですか。では私は隊長を・・・他の隊員に・・・」

「え?」

「え?」

「水樹?彼方が隊長よ?」

「でも私に帰る場所が・・・」

「ああ、帰る場所が無いって話ね。教育の一環ですよ。精神を極限まで追い詰めないと人間の本質は分からないからね」

「そうだったんですね」

「でも結果は赤点。私の合格ラインには届いていないわ。これからも精進しなさい。自分の弱点をしっかり把握し、それの対策も行いつつ利用しなさい」

「はい」

「それと相手の隊長がもう少しでここに着ます。彼方も同席しますか?」

「いえ。遠慮しておきます」

 そう言い私は退席しようとしたとき

「そういえば伝え忘れていたが、今年の10/1より水樹へ隊長を譲ります。1ヶ月弱で隊長業務を覚えてください」

「え?しかしそれは模擬戦を「模擬戦は行いません」!!何故!!」

「まだ彼方は私には勝てません。なので・・・100回」

「え?」

「100回連続勝利しなさい。但し負け回数は10回未満とします」

「しかしそれでは」

「10年以上掛かりますか?」

「はい」

「ならば5年で今の条件をクリアしなさい」

「・・・」

「出来ませんか?」

「・・・条件は?」

「彼方が指揮を、もしくはレギュラーで出場した試合を換算します。例え上が無能でも関係有りません。上が無能であればさっさと昇進しなさい」

「わかりました。そのときは全力でお相手お願いします」

「全力を出すかは私が決めることです。まぁ精々頑張りなさい」

「はい!失礼します」

 私は退室した。この時退室したことを後悔するのはもう少し先になる。

 

 

 

 霧島

 水樹が退室後数分後に目的の人物が到着した。

「本日はいい勝負だったね。ペコさん?」

「彼方にとって今日の試合はいい試合だったのですか?」

「勿論です。彼方の独断で伝統を捨ててまで勝ちに着たのですから」

「・・・」

「別にそれが悪いとは言いませんよ?しかし誰にも相談せず試合中に独断で「カップを捨てて戦いなさい」・・・OG、OBは黙っていないでしょうね」

「なぜそれを!!?」

「戦い方を見れば分かりますよ。水樹を追い詰めたのですからね。カップなんかもっていては勝負にもなりませんよ」

「流石ですね」

「ええ、過去私の指揮する部隊の車両をここまで減らされたことはありませんでした。アールグレイにもダージリンにも・・・分かりますか?」

「褒められていますか?」

「絶賛です。もう一度彼方と勝負がしたいですが、叶わぬ願いですね」

「私は遠慮しておきます」

「残念です。私をここまで追い込んだペコさんに一つプレゼントを渡したいと思いますが?如何ですか?」

「どのような?」

「これからペコさんは「少々辛い立場に」なるかもしれませんよね?それを少しでも緩和するためのものです」

「・・・・」

「別に必要なければ・・・断っていただいても」

「それは・・・私のためですか?」

「以外にありますか?」

「・・・・」

 

 

 

 

 

 

 大会終了後

 

 

『それでは11連覇を成し遂げた黒森峰隊長霧島エリさんです』

『どうも』

『今回はおめでとうございます』

『ありがとうございます』

『試合中盤に一部隊が相手に撃破される場面がありましたが・・・如何でしたか?』

『あれは予想外の展開でした。私も聖グロの伝統、『ティーカップを持ちながらの戦闘』をやめるなど想定外でした』

『私も試合の無線を聞いていましたが、驚きを隠せませんでした』

『戦闘の状況からティーカップを持ったままでは実行できない作戦でしたので・・・あの時私がティーカップをもっていたら間違いなく落としていたことでしょう』

『なるほど』

『聖グロのオレンジペコさんの判断は間違っていなかったと私は思います。何せウチの水樹を撃破したのですから・・・このまま「問題なく」彼女が隊長を続ければ来年は・・・名将に育っている事でしょう』

『という事は』

『そうだからといって我が高が敗れることはないでしょう。今日失敗した事を次に生かす・・ウチの水樹にはそれが出来ます』

『オレンジペコさんの評価がそこまで高いとは!!』

『今日の試合は私の戦車道生活でベスト5に入る試合でした。最後の最後でこのような試合が出来た事に私はこの試合に関わった人たちに感謝したいと思います。改めて・・・・「ありがとうございます」」

『・・・』

『出来るなら、この気持ちを・・・この私に正面から堂々と向かってきたオレンジペコとの試合を終えたままの気持ちで卒業したかったですけどね』

『え?霧島さん!!それはどういうことでしょうか?』

『そろそろ時間ですね。では私はこれで』

 

 

 

 5日後

 

「エリ!!」

「どうしたの?」

「大学選抜からの試合申し込みよ!!それも相手は!!」

「島田流でしょ?」

「なんで知っているのよ!!」

「エリカ、今までの私の行い・・・国相手にそれも文部省辺りの不祥事暴露。エリートさんたちのプライドズタズタよ?分かる?なんとしても潰しに来る。まずは聖グロを・・それがダメなら島田流・・・どう?」

「でも試合が終わって2週間後なんて・・・私達の車両状況を見て!!」

「半分正解。まず聖グロ戦で文部省の手がある程度入っているのは分かる。木を倒して車両撃破なんて聖グロらしくない。まぁペコは知らないと思うけどね。流石に無傷で試合終了は相手も油断しないから水樹の教育という名目で12両撃破されたけど、効果抜群ね♪」

「あんた・・・あれ全部・・・演技だったの・・?」

「あれ?気付かなかった?」

「・・・もしも・・・ちゃんと試合をしていたら?」

「え?完全試合だよ?あの程度の敵に「私が率いる部隊が撃破される」事は無いよ」

「・・・・」

「でも」

「え?」

「気持ちいい試合だったことは確かだよ?そしてそれを台無しにしてくれた人間共に殺意が沸いていることもね」

「!!!」

 

 

 

エリカ

 

 

 

 

 それから2週間エリの機嫌はすこぶる悪かった。そんな状態の隊長から業務の引継ぎを受けている水樹が毎日ヘロヘロで練習している姿を見ていると何だか可愛そう。でも今のエリにそれを注意できる人間は今この世には居ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 霧島

 

 

 

 まったくウザイ連中だな。ようやく静かに産休(単位と出席日数は問題ないのでズル休み)に入ろうと思ったのに。それに以前の症状を主治医に相談したら(妊娠は秘密)精査するからなるべく早く来い・・・お前は何様だ!!主治医様だけどな!!

 

 

 そろそろお腹も大きくなってきてるし・・・コートで誤魔化すのも限界?来てる。おまけにネットで『戦車道 妊娠 乗る』って検索したら流産の可能性大!!島田流との試合どうするかな・・・それに出産後に戦車道続けるつもりないから西住しほに伝えないと。さっそくアポとっておこう。

 

 

 最後の試合ぐらい俺の理想の試合をしてもいいよな?

 

 




最終章見ました
①OPのダージリン様のラスボス臭ヤバイw
②生シラスドンのカトラス・・・え?なんで一人だけ丼?
③継続のシーン→試合の時のリーゼントの生徒が・・・・リーゼント?
④BCの隊長のセリフ中に砲撃するシーンありましたげど・・・あの時かなりノックバックしたと思います。あれケーキ服についてますよね?

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