私はあの女が嫌いだ   作:yudaya89

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第42話「結果」

「皆様こんにちわ。解説及び実況の森です※(22話参照)いや~始まりまりましたね」

「そうですね。あ、皆様始めまして、黒森峰女学院2年霧島エリです」

「霧島隊長がどうして実況中かを簡単に説明していただけますか?」

「一言で言えば、けが人なんで試合に出させてもらえません。なので今日は実況及び解説その2として呼ばれました」

「ありがとうございます。いや~まさかこのような試合が行われるとは・・・如何ですか?」

「最初は「え?」と思いましたが、よくよく考えると面白い試合ですね」

「今日は勿論黒森峰の勝利を?」

「いえいえ。勝負は時の運と言います。それにいい機会です」

「と、言うと?」

「今までは録画などで試合を確認していました。しかし今日はリアルタイムで彼女達の動きを見ることが出来ます。それが私にとっていい機会です」

「なるほど、録画では分からない事が見て分かると?」

「その通りです」

「さてテレビを御覧の皆様。試合開始まであと20分となりました。それでは戦車前から選手達の現在の気持ちをレポートしてもらいましょう。戦車待機所の木村さん~」

 

 

 試合開始まで残り20分。選手のインタビューへ番組は移行する。

「本日はよろしくお願いします。霧島さん」

「不慣れなところもあると思います。ご指導のほどよろしくお願いします」

「処で」

「はい?」

「今日の黒森峰の動きや連合高の動き、試合展開などを先読み可能でしょうか?」

「先読みですか?」

「はい」

「難しいですが、ある程度全体の動きを見て解説できると思いますが・・・外れたときのフォローはお願いしますねw」

「はははwそこは何とかしましょうw」

「お願いします」

  

 

 

 実況の森さんとある程度打ち解けたと思う。しかしこの森と言う人間は今回の試合がどれほど馬鹿げてきて、そしてどれだけ今後の戦車道の試合に影響するか分かっているのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて試合開始5分前!!11連覇を達成した黒森峰に対し各校の隊長、副隊長を含めた連合高。黒森峰の大隊長は逸見エリカ選手!!対する連合高は西住みほ選手。この2人は黒森峰で隊長、副隊長同士でしたよね?」

「そうです。当時私と逸見選手は副隊長代理、西住選手は隊長代理でした。手の内はお互い把握しているかと思います」

「なるほど。しかしそうなると長期戦か短期戦のどちらかになると思いますが?」

「そうですね。今回の作戦に関しては私は殆ど関与していません。逸見選手が私と同じ考えであれば、この試合は3時間以内に決着が着く短期戦となる可能性があります」

「逸見選手は黒森峰では斥候を担当していたからでしょうか?」

「残念ですがそれはありません。一昔前ならまだしも、彼女は現在の黒森峰の副隊長です。そのような人間が務まる職務ではありませんよ」

「なるほど。西住選手が知る逸見選手ではないと」

「その通りです。西住選手が昔の逸見選手の手の内しか把握していないのであれば、あっさり勝負が着くでしょう」

「もしも把握していたら」

「面白い・・・いや、皆さんが期待する黒森峰の敗北する姿が見れることでしょう」

「!!」

「さて、試合開始ですよ」

 

 

 

 

 

 そして黒森峰VS連合高の試合が始まった。

 

 

 

 

「まず黒森峰が動きましたね」

「まぁ当然ですね」

 

 試合の動きは各車両に搭載してるGPSをモニターリングしている。原作で試合中にモニターに映し出されていたアレと同じだ。俺と森さんはそれを見ながら実況、解説している。

「この動きからして、一気に敵に近接し、分散を阻止すると?」

「その通りです。まず連合高・・・連合と今後は省略します。まず連合は各校の車両が入り混じっています。よって最初はフラッグ車のⅣ号は後方、その他は足並みをそろえて進撃することはある程度予想できます。そしてある程度したら分散する。しかし分散する前に見晴らしのいい草原で撃ち合いをする。これで連合の動きを止められます」

「そうなると連合は不利になるのでは?」

「勿論これを黙っている連合ではありませんよ。御覧ください」

「これは」

「横に伸ばしていた隊列を密集隊列に?」

「いえ、一瞬密集隊形にした後足の速い車両は森林及びフラッグ車の元に戻るでしょう。足の遅い装甲が厚い車両はそのまま反撃」

「確かに仰るとおり・・・しかし分散すると黒森峰にとっては厄介なのでは?」

「いえいえ、よく御覧ください。今から分散した車両、特に森林に逃げ込んだ車両を見ていてください」

「え?・・・あれ?これは・・・・

 

 

 

 

 

 

 どうしてそこに黒森峰の車両が?え?どうして」

 

   『連合高 M4シャーマン1両、マチルダII1両 走行不能!!』

 

「この隊列の横に配置している車両から森林に分散した車両の種類、そして台数を正確に後方に待機していたパンターGへ報告。このパンターGはご存知の通り足がかなり速いです。後は見ていた通りです」

「これで森林地帯の連合は全滅と言うわけですね」

「そうですね。後2両居るみたいですが、

 

 

 

 『マチルダII1両走行不能』 まぁ壊滅しましたね。残っていた1両は何とか逃げ出したようですね。」

「本隊は山間部へ向かっているようですが」

「まぁ問題ないと思います。この程度は予測可能ですから」

「予測?」

「一部分ではなく全体を見ていて下さい。ほら後方の車両が向きを変えましたよ?」

「これは砲撃?」

「そうです。この砲撃する車両の砲撃士は私直々に指導し、観測者も別に搭乗しています。それに加え正確に・・・ここの車両から正確な位置を報告しています」

「敵の逃げ道付近に偵察隊を?30両同士の試合ならではですね」

「正面から速攻で近づき、相手を多少混乱させる。その際に黒森峰の車両が予定の位置に移動する。片側の側面を押さえ逃げ道をなくす。そして逃げている敵に対し正確な砲撃」

「戦術の定石ですね」

「そうです。しかしその定石とやらをここまで正確に出来る人間は少ないと思います」

「・・・」

「そして着弾観測射撃。前回の決勝戦から今まで彼女達は血の滲む努力をしてきた。だから

 

 

 

 

 『連合高 T-34/76 1両、九七式中戦車2両 走行不能!!』

 

 こういう場面でその成果を発揮します」

 

「恐ろしいですね」

「そう思っているのであれば、我々の術中に嵌っているという事です」

「術中?」

「西住選手はこの事態を容易に予想していたと思います。しかし如何せん急造チーム・・・映画等であれば何とかなると思いますが、これは現実。多分これからが本番かと」

「しかしこの孤立した車両は・・・」

「それは諦めるのが最も正しい判断です。先の混乱で逃げ遅れた装甲が厚くて足の遅い車両、KV-2、IS-2、ファイアフライはここで脱落ですね」

「この車両は強力ですからね。ここで失うには勿体無いですね」

「逆に黒森峰はこれを狙ったかもしれませんね。強力な戦力ですが、足の遅い車両。後々厄介な相手を序盤で無効化する・・・まぁ偶然かも知れませんが」

「偶然?いえ作戦通りと思います」

「なぜ?」

「今霧島さんが全て言い当てているから。多分あなたは1を見るだけで10を知る事が出来る。だから偶然などあり得ない」

「ん~それは少し評価しすぎではないでしょうか?」

「でわ、これからの試合展開を予想してみてください」

「簡単ですよ。黒森峰らしく正面から堂々と進撃しますよ」


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