昔の方がシンプルで面白い。アイアンボトムサウンドだったけ?懐かしい。
あと・・・・
「少しゆっくりしたい。裏手の休憩場にいる」
「私も行ってもいい?」
「ああ、先に行ってる」
「ええ」
エリカと別れコーラを購入した。
誰も居ない休憩所。其処から見える富士山は絶景だ。コーラを開けて一気に飲む。炭酸が喉を刺激する。
「!!やっぱこれだな!!」
誰も居ない休憩所で一服・・・最高だ。
しばらくエリカを待っていた。
「エリカ・・・遅いな」
もしかして、あれか?忘れられているのか?もしそうなら少し寂しいぞ?
後ろで扉が開く音がした。 遅いじゃないか。
「エリカ、おそ」
その瞬間背中に激痛が走り、俺は意識を失った。
次に目を覚ました時、体に違和感があった。背中に痛みが走り、少し呼吸もしにくい。それになにより寒い。今日はそこそこ暖かかったはずなのに、妙に寒い。
「エリカ?」
「エリ!!」
「寒い」
「大丈夫よ」
「それに少し背中と胸が痛い。息も少ししにくい」
「もう少し頑張って!もうすぐ救急車が到着するわ!」
「どういう・・・」
自分の体がどうなっているか確認するため俺は立ち上がり毛布を取り自分の体を見た。そこには
「見ちゃダメ!!」
「マジか」
胸から鉄の刃・・・包丁?が、突き刺さっていた。いや、持ち手がないので、貫通しているのか?背中の激痛は包丁か何かが刺さっている。胸が痛いのはそれが貫通しているため。呼吸しにくいのは肺が損傷しているため。少しの傷口から空気が漏れているか・・・もう暫くすると漏れた空気が呼吸の邪魔をして呼吸困難になる。寒いのは動脈系を損傷したため、其処から出血しているのだろう。
「エリカ?」
「ダメよ喋らないで」
「大丈夫。それより私が刺されてからどのくらい経過したの?」
「30分よ」
「OK。犯人は?」
「そこで確保されているわ」
「連れて来て」
「でも!」
「大丈夫。色々聞きたい事がある」
「何故!!何故!!生きている!この悪魔め!!」
「OK。何となく状況は分かった」
「あなたを刺した時からこんな感じよ」
「この悪魔め!!聖遺物でも殺せないのか!!」
「聖遺物って・・・これ包丁よ?」
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」
「分かった分かった」
「エリ?大丈夫?顔色悪いわよ?」
「ええ、多分出血が大分進んでるみたいね。まったく私とした事が、こんな精神疾患野郎如きに刺されるなんて、自分で油断大敵と言いながら・・・とんだ失態ね」
俺は野郎を見ながらベンチに座る。それにしても寒い。
「神よ!!再度私めにお告げを!!力をお与えください!!!」
「神など居ない。居るとすれば厄病神が死神だけよ」
俺は答える。
「神よ!!この悪魔の心臓を!!左胸にある心臓を!!臓を!!もう一度私めにチャンスを!!」
「黙りなさい!!誰かこの男をここから連れ出して!!」
「待て!!」
俺はエリカの言葉で連れ出そうとした警備員に待ったをかけた。
「なぁ?お前何か勘違いしているぞ?」
「なんだと!!」
「その神もお前も、私を殺せない。なぜなら
私の心臓は、右にあるからな」
「そんな筈は!!確かに神は左胸を刺せと!!」
「だから私は生きている。お宅の神様は色々と間違っているみたいだ」
「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!!」
「本当さ。まずなぜ私は生きている?左胸を刺された場合、特にあなたが刺した箇所は左心室・・・一瞬で出血死する箇所。なのに生きている。なぜなら其処には左心室が無いから」
「そんな事あり得ない!!」
「あり得ないなんてことはあり得ない。そもそも悪魔とか言いながら、人間と同じに考えている時点でダメ。悪魔は人間と同じになれない、だから人間とは逆なの」
「ああああああああああああああああ!!!!」
「残念だけど、あなたの神様は偽り、あなたが作り出した妄想の産物・・・OK?」
それから男は項垂れて何も言わずただ下を見ている。そして警備員に連れて行かれた。
「エリカ?」
「何?って!!エリ!!顔色真っ青よ!!もういいでしょ。救急車が到着したわ。立ち上がれる?」
「・・・」
「エリ!?」
「私は助からない。かなり出血が進んでる。さっきから寒くて・・・呼吸もね?もうあまり喋りたくない」
「なら!早く「さっきの話は覚えてる?」臓器の位置の事?」
「そう」
「逆なの?」
「うん。全臓器反転症、普通の病院じゃ見てくれない・・・違うね。見れないの」
「じゃあ今までは?」
「ある医者にお世話になってたけど・・・」
「けど?」
「ケンカした」
「・・・あなたね」
「多分他のDrじゃ今の私を治療できない。だからエリカ?」
「何よ」
「あとは頼んだよ」
俺は其処までしか意識を保てなかった。
真っ白の空間。前にも来た白い空間が目の前に広がっている。
「出来て着なさい。くそったれの神様もどき!!」
空間に叫ぶ
「神様もどきとは、酷い言い草だな」
「その通りだと思うけど?」
「まぁそう思うのは勝手だけどな。処でどうしてここに着たか分かるか?」
「死んだから?」
「その通り」
「卑怯じゃない?」
「何が?」
「あの男に囁いたこと。貴方が関与することは約束にはいっていないと思うけど?」
「それはお前の勘違いさ。俺は関与するともしないとも言っていない。「死」を回避するのが条件としか言っていない」
「・・・」
「残念だが、お前は死ぬ。出血死だ」
「あの男に殺されるのはごめんだったんだけどね」
「仕方ないさ。それがお前の運命なのだから」
「そう」
しばらく黒いのと向かい合ったまま時間が過ぎた。
「そういえば」
「ん?」
「何で左胸?」
「ああ、そのことか」
「あんたなら、そのぐらいのこと分かっていたはずだよね?」
「あれな。あれは即死より、ジワジワ死が近づいてきたほうが恐怖を感じるだろ?」
「・・・・殺す!」
「残念だがそれは無理」
「それで?」
「何が?」
「これから俺はどうなる」
「それがさ~~」
「何だよ」
「まぁ言いにくい事なんだけど・・・」
「さっさと言えよ」
「君のかかりつけのDrいるだろ?」
「ああ、あの主治医ね」
「何かの因果で君を治療してるんだよ」
「はぁ?」
「おかしいんだよね?どう考えても」
「何が」
「霧島エリは1年前に死ぬ運命だった。元々存在しない人物だからね。因果的にそうなる予定だった。。でも死ななかった。だからそれを修復するために今回死ぬ事になっていた。予定では主治医はドイツに出張になっている。しかし翌日にフライトをキャンセルしている。だから日本で君を治している。どう考えても主治医もイレギュラーな存在」
「なるほど俺の死ぬには彼が邪魔と」
「一言で完結させるなら、その通り」
「彼もまた転生者?」
「そうなると話はかなりややこしい。この世界の管理人は俺だ。しかしそこに他の神が関わっている転生者を送り込む事自体ルール違反だ。もしそれをやった場合、そいつに俺の権限が行使できない」
「確かに」
「で、彼に関して調べたところ面白い事が分かった」
「何?」
「実は彼・・・この世界の抑止力みたいなものなんだ」
「はぁ?」
「簡単に表現するなら、俺はお前を殺したい、でもそれに反して抑止力が働きお前は助かる。世界の安全装置といえば分かりやすい。ようはお前が死ねば、世界で何かが起こり、それを阻止するために世界がお前を救うんだ」
「その抑止力を無効にするには?」
「世界をなくせばいい。しかしそれは不可能」
「だよな?それはお前のルールに反するのだろ?」
「勿論。自分の世界を破滅させるなんて、神失格だ。それこそクビだ」
「ということは?」
「クソたれな事だが、俺にはお前を殺せない。おめでとう。もうここには来ることは無い」
「主治医は?」
「勿論殺せない」
「そうか」
「あまりうれしそうではないな?」
「そうか?」
言っている側から、体が薄くなってきた
「まぁそういうわけだ。これでさよならだ」
「そうか」
「さよならは言わないのか?」
「そんな間柄じゃないだろ?」
「そうだな」
「しかし、まぁ最後だ」
「ああ」
「ざまぁw」
「!!!」
俺は目を覚ました。見慣れた?白い病室、心電図に点滴。
「あ~ただいま」
カレンダーを見ると大会から10日しか経過していなかった。
愛車のGDBのエンジンがブロー・・・
それに伴って投稿は亀から不動になるかもしれません。
最近ドライカーボンのトランクに変えて、ゼロのフロントバンパーを手に入れたばかりなのに・・・
抑止力の使い方・・・間違っていませんか?