私はあの女が嫌いだ   作:yudaya89

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 久しぶりに原作見ましたが・・・

 黒森峰の戦い方に異議あり。



第36話「決勝戦(中編)」

 

 

 次にみほは山間部に陣取り、高地より砲撃を行い、我々の数を減らしにくる作戦だったはずだ。確かに砲撃戦で高地に陣取る事で若干有利に試合を運べる。しかしリスクもある。それは敵がそれに反する場合だ。なぜ原作ではワザワザ相手の作戦に付き合ったのか?俺は理解出来ない。砲撃戦とは何も正面から打ち合うのではない。

 

『赤星?』

『了解です。ヤークトティーガー、ヤークトパンターは私に続きなさい。Lポイントに急行』

『『了解』』

『エリカはJポイントに』

『わかったわ』

『直下?』

『はい』

『今の我々の弱点は?』

『弱点ですか?』

『そう』

『車速が遅い、車体が大きいので小回りが利かない、燃費が悪い、とかでしょうか』

『じゃあ次に相手が行う可能性が高い作戦は?』

『市街地戦?・・・だから先にエリカさんを?』

『少しは賢くなったね』

『うれしいような・・・悲しいような』

『来年は赤星の補佐よろしくね』

『本当ですか?』

『あなたより優秀な人間がいたら交代』

『ありがとうございます』

 

 

『こちら赤星、準備完了です』

『わかった』

「全車前進」

「了解」

 

 射程の長いヤークトティーガー、ヤークトパンターを別部隊とし、市街地とは別方向に配置させる。射程が相手よりも長いためはっきり言ってやりたい放題だ。砲身の角度については車体を上方向に向ける事でこれを解決できた。事前の下見で過去の砲撃で出来ただろう穴に車両を進ませる。これにより穴から出るときに少しだけ上方向に車体が向く。あとは事前に計算する事で、砲身をどのくらいの角度に向ける事で山の頂上にいる相手に砲撃が当たるかだ。これは着弾観測で解決できる。

 

 

 原作で「予想よりも陣地を構築するのが早い」など、そんな考察は不要だ。こちらはこちらの優位な点を最大限生かす作戦を実施するまでだ。

 

『赤星砲撃を開始せよ。着弾観測班と連携は密に行え。砲弾には限りがある。限りがある中で結果だせ』

『了解しました』

『もしもそちらに敵が進行した場合は作戦通り、そのまま通過させよ。相手の砲撃で、ヤークトティーガー、ヤークトパンターは撃破できない』

『了解しました』

 

 

 砲撃戦が始まった。着弾観測が影響してか、かなり近い場所に着弾している。みほの対応はかなり素早い。長距離砲撃が開始さされ、しばらくすると急に車両を動かし始めた。こちらが着弾観測しているのを読んでの行動だろう。しかしこの状況下でそれを判断し、指示するのは流石だ。その指示に正確に従っている他のメンバーもそこそこだ。しかし俺がその状況を黙ってみているわけがない。

「全車両砲撃開始」

 

 

 遠距離から砲撃を開始し、

 

『ルノーB1bis  走行不能』

 

 1両撃破か。この試合で始めて導入した着弾観測ももう少し訓練する事で命中率が上昇するだろう。流石に戦車程度の大きさに命中させるには、訓練不足だ。しかし他の車両へ多少のダメージは入っているだろう。

 砲撃戦を開始しルノーB1bis を撃破直後に相手は山頂から一気に市街地方面へ抜けていった。其処に関しては予め抜けやすいように車両を配置してた。ご丁寧に煙幕を巻きながらな。

『各車両追撃は不要。こちらの機動力では追いつけない』

『了解。しかし隊長』

『ある程度追撃しているフリは必要なのでは』

『普通ならね。でも多分エリカを先に配置している事もバレている』

『でも挟撃のほうが効率がよいのでは?』

『OK。なら追撃して下さい。ただし』

『ただし』

『無様な姿は晒すなよ?』

『はっはい!』

『水樹に3両まかせる。相手を追撃し、エリカと挟撃せよ』

 水樹は選出時に途中から隊長をしていた選出だ。俺の新体制で唯一1年だ。それゆえ慢心、油断、驕りが見える。仕方ないので

『赤木?』

『はい』

『水樹のフォロー』

『了解しました。』

 赤木は選出以来見違えるように才能を伸ばした。水樹とも仲はいい。

『エリカ作戦少し変更。水樹、赤木と共に挟撃』

『それまずくない?』

『多少のリスクはある。でも水樹の教育という事で』

『わかったわ。でも状況が悪化したら退却するわ』

『了解』

 

 そういえば、先ほどの相手の砲撃戦、何か変だった。四号の砲撃がいつもと何か違った。命中率?いや、それよりもポルシェティーガー の命中率が良かった。撃破されることはなかったが、全弾命中だ。あれ?自動車部ってそんなに錬度あったけ?

 いや、そんなはずが無い。彼女達はこの試合から参戦している。戦車を動かす練習で一杯一杯のはず。それが本番であの命中率・・・

 

 俺の脳裏にあることが浮かんだ。ヘッツァーを大破させたときだ。角谷と河嶋は確認している。あの時、あの時だ。

「もう一度聞くぞ?お前戦車道にみほを強制的に入れたのか?」

「しかたなかったんだ!!」

 そうこの時のやり取りに違和感がある。いつもなら

     「桃ちゃん!」

 

 このセリフがあるはずだ。なのに言わなかった・・・いや言えなかった。彼女はあの時既にヘッツァーに居なかったとする。なら誰がヘッツァーを操縦していた。俺がヘッツァーを撃破しないとみほが読んでいたなら?予め自動車部のメンバーをヘッツァーに乗り込ませていたなら・・・ポルシェティーガーの戦力を最大限生かすために、五十鈴華と秋山優花里を乗せているなら?:IV号戦は最後まで逃げ切れば問題ない・・・

 

 

 

 しまった!!挟撃に関してはそこまで考慮していない。

 

『水樹、赤木後退!!というか作戦中止!!』

『『え?』』

 

 そのときだった

 

『黒森峰女学院 パンターG 走行不能』

 

 なるほどポルシェティーガーを前面に置き、防御と攻撃を両立させる。中々理にかなった作戦だ。しかしポルシェティーガーが撃破された場合、中の人間は移動できない。その時点でそちらの負けとなる。

 

『すみません、お預かりした3両のうち1両を撃破されました。まさか急に方向転換してくるとは』

『隊長申し訳ありません。待ち伏せ付近で急にUターン。そのまま我々に砲撃。逸見副隊長の待ち伏せポイントを迂回し、市街地に移動しました』

『水樹!!』

『エリカ、水樹は悪くない』

 そう悪くない。悪いのは私。

『全車両集結しなさい。それと先ほどのミスは全て私の責任』

『赤星です。そちらに向かいます』

『そちらに合流するわ』

『赤木です。逸見副隊長に合流し、そちらに向かいます』

『了解。それと2両、先ほどのヘッツァーを大破させたところに向かい現場の状態を報告して下さい』

『どういう事?』

『嫌な予感。それも結構』

『私の部隊から『いや、水樹と赤木』エリ!!』

『エリカ落ち着きなさい。まずこの2人にも落ち着いてもらう。水樹?』

『は・・はい』

『何が悪かったか、何が良かったのか。車長を他の者に交代し、ゆっくり考えなさい。そうすれば、自分の行動が間違っていたのか、それとも正しかったのか、わかる。それが整理できていない状態で、私達に合流しても撃破されるのがオチ。赤木?』

『はい』

『頼みました』

『了解しました』

 

「甘くない?」

「今エリカと言い争いしたくない」

「そう。それにしてもルール違反スレスレの行為ね」

「何が?」

「乗員の交代よ」

「何で?」

「それは・・・」

「エリカ、去年の決勝戦覚えてる?」

「ええ」

「私は撃破される直前に落下した。乗っていた車両は撃破されるが、私はそのまま別の車両に乗った。それに関して特に連盟は言わなかった・・・それに大洗とプラウダの一戦でも選手の一人が車両を乗り換えてる。これだけ前例があれば、途中で車両を乗り換える事は、ルール上OK」

「・・・」

 

 

 

 赤星が合流するまで沈黙が続いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 赤星が合流した。今頃あの川のシーン?だったけ?あれだ川の真ん中でエンストした奴。生で見たかった・・・原作と違い、やばい状態になってないかな?少し不安だ。

 

 

 

 

 

 

 うわ~~。ちょうど何かみほが飛んでる!!うわ~・・・・おっと

 

『全車両停止』

 

 この名場面は邪魔してはいけない。相手から砲撃されているが、まず当たらない。

 

 

 

 俺・・・戦車道やってて良かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 オチョクリ作戦のときに、そんなに脅威か?ヘッツァー・・・

そもそもヤークトティーガー の導入が遅い。あの作戦ならはじめから、防御、攻撃力が揃っているヤークトティーガー を前面にだして突撃するのが正しいように思う。


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