私はあの女が嫌いだ   作:yudaya89

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 最近眠くて眠くて仕方ありません。

 


第32話「模倣」

 

 

ダージリン

 

 

 

 あの屈辱的な練習試合の後、私とアッサムは再びOG会へ新車両の導入を申請するため再度資料をまとめていた。

 

「ダージリン?」

「どうしたのアッサム」

「新戦力の導入だけで彼女に勝てるでしょうか?」

「アッサム・・・それは私も同感よ」

「ではなぜ先に新戦力を?彼女の言う通り皆の士気を上げるためですか?」

「それもあるわ。我が校が負ける理由をOG、OBのせいにする風習があるのは確かですわ。ならまずその風習を消し去るのが先と考えたまでですわ」

「なるほど。因みにどのような車両を検討しているんですか?」

「それは・・・○○○ですわ」

「なるほど、その車両であれば浸透強襲戦術の強化が可能という事ですね?」

「そうですわ」

 その時、扉がノックされた。

「どうぞ?」

「失礼します」

 入ってきたのはオレンジペコを筆頭にローズヒップ、ルクリリ、他の幹部生徒が入ってきた。

「どうしたんですの?」

「ダージリン様、私達にもお手伝いさせてください。お願いします!!」

 一同は頭を下げた。

「どういう事オレンジペコ?」

「先の黒森峰との練習試合前に相手の隊長に言われました。「負けた理由をOG,OBのせいにしている」「何もせず紅茶を飲んでいるだけ」・・・ここまで言われても私達は何も言えませんでした」

「・・・」

「何も言えなかった自分達自身が情けなく、悔しかったです。なので私達にも手伝わせてください!!」

「皆さん・・・分かりました」

 

 

 

 

 それから私達は一丸となってOG、OBへ打診した。そしてその苦労は実った。

 

 

「これが新しい戦車・・・」

 オレンジペコが新車両を見て呟いた。

「ええそうよ」

 ダージリンは新車両4台を前にそう答えた。

「レンタル車両ですが、十分問題ないかと」

「え?購入ではなく?」

「どうしてですか?」

「時間が無かったのよ」

「「「あああ~」」」

 

 新規に車両は導入している。しかし納車までに色々手続きがあり時間が掛かる。ならばとダージリンは強引に手続きの間はレンタル車両にて練習する事にしたのだ。ダージリンの政治力がここで発揮された。

 

 

 そして新戦力を温存し、2回戦まで勝ち進んだ。その間新車両は正式に導入され、隊員の錬度も運用に問題ないレベルまで仕上がった。そして

 

 

 

 

 

「ごきげんよう」

「あ、どうも」

 あの憎たらしい霧島エリと試合前に対峙した。しかしいつもと何か違う。

「あら?何か元気がありませんわね?」

「え?あ~まぁいつも通りです」

「そう?何か疲れているようにみえますわ」

「ええ、まぁ少し」

「そんな事で私達に勝てるとでも?」

「まぁどうですかね。あ、そろそろ失礼します」

 そういって霧島は逸見の方へ向かって行った。不気味だ。いつもの彼女らしくない。いつもなら嫌味の一つは吐いて行くのに・・・それにあの目。あの目を私は見たことがある。ただ何処で、どんな状況で見たかは思い出せない。

 

 

 

 

 

 試合が開始された。私達は何時も異常に落ち着いていた。どの隊員も指示をされる前に自分の成すべき事を、居るべき所に向かった。そして

「アッサム?」

「何でしょう?」

「今日と言う日がどういうものか分かりますか?」

「勿論です。新しい伝統の始まり」

「その通りです」

「私達がこの日のためにどれだけ苦労してきたか・・・それが今日報われますわ」

「データ上、今の我々の戦力であれば黒森峰といい勝負ができます」

「いい勝負?違いますわ。勝利ですわ」

「失礼しました」

 

 

 私は

『皆さん、これよりあの下品な隊長率いる黒森峰との勝負です。何があっても優雅に対応して下さい』

『『『了解しました』』』

『パーシングを先頭に陣形を再編成』

『『了解しました』』

 

 新戦力として

 M26パーシング3両

 

 原作では大学選抜チームが使用していた車両である。その車両1両ならまだしも、3両導入した事は並大抵の苦労ではなかった。OG、OBはいい顔をしなかった。そこで陣形に関しては彼らの意見を取り入れた。しかしクルセイダーがその陣形に適しておらず、泣く泣く今回は外れている。だが今までの運用では居ても居なくても同じであり、逆に居ないほうが陣形を維持しやすく、また空いた車両枠にマチルダを追加する事ができる。今回の彼らの打診はダージリンが得意な浸透強襲戦術をより強化するものであった。勿論クルセイダーを押すOGからは楽しい言葉を頂いた。だがダージリンの根強い説得でどうにか納得してもらえた。

 今回のダージリンの熱意は戦車道のメンバーだけではなく、OG、OBの人間にも届き、彼女を支援する人間も現れた。その支援する人間の中に昨年の隊長アールグレイが居た。

 

 以後彼女を筆頭に打倒黒森峰を考える会が結成されることになるが、それは先の話である。

 

 

 

 

 

 そして再編成を行っい、打倒黒森峰のため進撃していた。そして試合が動いた。

 

 

『左側面より敵車両砲撃!!』

『砲撃開始!』

 左側面に展開していた車両は側面の森へ砲撃を開始した。しかし

『敵車両目視出来ず!!』

『どういう事?』

『おそらく移動したかと・・・』

 余りにも突然すぎた。しかし

『慌てず再度隊列を元に戻します』

『『了解』』

 ダージリンの選択は正しい。彼女の浸透強襲戦術は陣形が命である。それは乱れることは、即ち敗北と言っていい。しかしそれを阻止するかのように再び砲撃が隊列を襲う。

『左右側面より砲撃!!』

 そして

 

 『聖グロリアーナ女学院 マチルダII 2両走行不能!!』

 

 彼女達にあの女の魔の手が忍び寄る。

 

 

 

『状況を報告しなさい!』

『こちら右側面!!先ほどより断続的な砲撃があります。しかし敵車両目視できず!』

『左側面、同じく!!』

 訳がわからない。砲撃があるのに敵車両が居ない。じゃあ何処にいる?ダージリンに焦りが見え始める。そして決断する。

『全車両、敵の砲撃は無視しない。我々の編成を乱すための撹乱です』

 この決断は正しい。しかし

『聖グロリアーナ女学院 マチルダII 3両走行不能!!』

『すみません!後方やられました』

 状況は悪くなる。そしてダージリンに最も酷な通信が入る。

『こちら左側面!!敵車両突撃してきます。数2両!』

『右側面!!同じく2両突撃してきます!!』

『こちら先頭!!敵本隊が突撃してきます』

 同時に敵は動いた。敵本隊を撹乱、ある程度霍乱し終えたら本隊と同時に突撃。悪くない計画ですわ。しかしこの計画は側面から突撃してくる4両を撃破することで、ある程度防止できる。

 

 確かに上記の作戦は側面からの敵車両を撃破し、本隊とタイマン張ればいい。しかし

『側面の敵!!動きが早すぎて撃破できません!!』

『同じく!!敵のパンターは早すぎます』

『このままでは編成の中に入られます!!』

 

 そう撃破出来ればの話であって、出来なければ編成の中に入られ撹乱される。そして陣形が乱れた状態では敵本隊には勝てない。

 

「まさかこれは・・・・」

 ダージリンは言葉を失った。そうあの忌々しい霧島は、あの強豪高の黒森峰が自分の最も得意とする『浸透強襲戦術』で我々を打倒しようとしているのだ。この行為はダージリンのプライドを唾を吐きかけ、踏みつける以上の行為であった。

「あの女」

 誰にも聞こえない小さな声で、しかしその言葉には殺意、怒気が含まれていた。オレンジペコにでも聞こえていたら、恐怖で動けなかっただろう。

 

 

 陣形が崩れた状態の聖グロは瞬く間に黒森峰に蹂躙された。ダージリンの必死の抵抗空しく

 

 

 『聖グロリアーナ女学院! フラッグ車行動不能!! よって黒森峰女学院の勝利!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『今回の勝因は何でしょうか?』

『相手が油断していた事が一番と思います』

『油断ですか?お言葉ですが、新車両を導入し、相手校の隊長ダージリンさんの得意とする浸透強襲戦術を強化しています。お言葉ですが、油断はしていないかと』

『彼女達の敗因は、その浸透強襲戦術を強化したことで。強化といっても攻撃力、防御力、機動力があります。今回彼女は防御力を強化しました。しかしそれでは何の意味もありません。浸透強襲戦術をより効率よく運用するには、相手高の陣形を乱す必要があります。その結果が今日の試合の結果です。聖グロが新戦力を導入したことは早い段階で確認できていましたが、運用方法が未確定でした。もし今日クルセイダーを採用し、我が高と同じ事をされた場合、今ここで答えているのはダージリンさんだったかもしれません』

『・・・なるほど』

『よって防御を固めた事で満足していたこと自体、私から言えば怠惰としか言えません』

『分かりました。ではもう一つ』

『何でしょうか?』

『なぜ浸透強襲戦術を?』

『聞きたいですか?』

『ええ』

『私も話したいですが、この答えはダージリンさん以外に話すつもりはありません。残念ですが』

 

 そこで私はテレビを消した。あれから試合が終了し、メンバー全員を集め、私は頭を下げた。

「本当にごめんなさい。今日の敗因は私の作戦ミスです」

 

 

 誰しも『そんな事はない!』と申してくれた。でも私は頭を上げる事が出来なかった。なぜなら目から涙が止まらなかったからだ。

 

くやしくてくやしくてくやしくてくやしくてくやしくてくやしくてくやしくてくやしくてくやしくてくやしくてくやしくてくやしくてくやしくてくやしくてくやしくてくやしくて

 

 今ここで頭を上げるのは優雅であるべき聖グロの伝統を汚すからだ。私はこれ以上伝統を汚すわけにはいかなかった。

 

 

 アッサムに連れられ自室に着き、シャワーを浴びていた。鏡に映っている自分の顔は涙でグチャグチャになり、目は赤くなっていた。今日のこの気持ちは絶対に忘れない。この屈辱は忘れない!!少し落ち着いてきた私はもう一つの疑問を思い出す。試合前のあの目だ。あの目は・・・・・

 

 

 

 

 

 

 あの目は「興味が無い目だ!」

 

 

 自分でも興味のないときにしている目だ。

 

 そのことを思い出した瞬間、目の前の鏡へストレートをお見舞いしていた。

 

 

 

 

 

 「この屈辱、いつか晴らしますわよ!!」

 

 

 

 

 

 





多分艦これイベントが原因ですね。

 掘りが鬼畜だ。海域クリアよりも堀で資材が消えました。

 バケツE7クリア時点で1900個とか・・・開始時2800個だぞ?

 各資材30万開始→燃料13000とかw ボーキ24000w

 笑えない!

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