「自衛隊 パンターG、ヤークトパンター、III号戦車J型2両・・・走行不能」
俺が搭乗するパンター小隊は敵の小隊と出会い頭に先頭を行った。戦闘ですね勿論結果は圧勝した。通常より速度が速いパンターの動きに相手が着いて来れなかった。このパンターのは相手を混乱させるには十分すぎる存在だ。勿論相手もプロだ。すぐさまこの情報は各車両に伝わり対策されるだろう。だが所詮その場しのぎの対応だ。
「自衛隊 パンターG 2両 走行不能!!」
その対応が少しでも遅ければ俺達の餌食になる。そしてまた一両俺達の餌食となる。
「自衛隊 ヤークトパンター 走行不能」
パンター4両は単縦陣にて進撃する。狭い木々を抜け、相手の本隊を補足した。しかしここまで酷使したエンジンは既に限界を迎えていた。
「パンターγ、エンジンブローにて走行不能!!」
頭上で車長が叫ぶ。
「各車両!!停止!」
俺は車長に指示を出した。ゆっくりと車両が停止した。そして
「各車両、ダメージレポートを!」
「了解」
各車両の車長より手信号で車両の状態が伝わる。
「βより・・・我水温上昇・・・ブロー寸前!! σより・・・異常なし!!」
「了解。ではこのまま本隊へ突撃する。しかし正面からは我々αが、両崖・・・いやβ、σ、正面から突っ込め、我々は崖より敵本隊へ突撃する。突撃をされたら突撃し返すぞ?βはブローしても構わん、全開で突撃せよ!」
「了解、各車両へ通達します!!」
結果的に我々は初の敗北を味わった。
正面から突撃した2両は問題なく相手の本隊に突撃した。βは突撃し、1両撃破したがその直後にブローした。σは相手を撃破する事はなかったが、相手を十分混乱させる動きをした。そして俺はその混乱している本隊へ崖をもうスピードで駆け下りた。しかしその行為が足回りに止めをさせた。車両を制御できなくなり、相手の車両を巻き込み大破した。この時相手1両を道連れにした。
「黒森峰残存車両なし、自衛隊の勝利!」
俺はその放送を回収車の中で聞いた。余りにも不甲斐ない結果に、心の底から落ち込んだ。そして久しぶりに俺は目から汗が流れた。
それからは各車両のダメージ別に修理を整備科に依頼、使用した装備の確認そして補充を行った。勿論今回の試合の反省会などで3日が経過した。問題なのは全国大会が目前で我が高の主力車両の修理が遅れている事だ。自衛隊へレンタルしている車両は相手側が修理、整備してから返却する事が条件であったため、今だ返却されていない。真面目に困った。今かなり頭を痛めている状況であるにもかかわらず、更に頭が痛くなる事態が俺を襲う。
「西住本家より呼び出しです」
「・・・・・・・・・エリカ?」
「何よ?」
「胃薬が欲しい・・・あと休み・・」
「はい!」
ドッンと机に胃薬が置かれた。しかし
「休み?今から迎えが来る30分間休めるわよ?」
ニヤニヤしながら言われた。勿論ムカついたので、後ろから胸を鷲づかみした。これは癒される。しかし次の瞬間俺に衝撃が襲った。俺はその衝撃で気を失った。
俺が目を覚ましたのは西住家だった。なんでも俺は銀髪の女の子に抱えられながらタクシーに乗せられ、西住家の前についても目を覚まさなかったらしい。困り果てた運転手が西住家に相談し俺はお手伝いさんに抱えられ、ここに運ばれた・・・
エリカ!!!!
それから俺は前に緒方のババアと言い争った部屋に案内された。勿論予想通り緒方のババアと西住しほが既に座っていた。何となく嫌味の一言でも言われると思った。
「あら?白雪姫?王子様のキスなしで目を覚ましたの?」
一番ムカつくババアから一言言われた。
エリカ・・・この恨み・・・いつかお前の体で払ってもらう!!
次回の更新は・・・遅くなると思います。