私は両方好きです。でもどちらか1台しか所持できない場合
あなたはどちらを所持しますか?
私は・・・
この試合はスポーツではない。死合・・・戦争だ。だからそこに付け入る隙はある。
事態が終息に向かい試合参加車両について話合いが行われた。相手は我々と同じ車両を使用する。そして西住流を極めた緒方千夏が率いるエリート自衛官・・・勝ち目など最初からない。そう俺は最初から負け戦を隊員達に強制しなければならない。しかし無残に負けるわけにはいかない。いかに負けるか・・・いかに相手に勝ったと思わせない勝利を与えるか・・・そこが重要だ。俺の尊敬するヤン提督もそうだ。
参加車両
パンターG 18両
ティーガーⅠ 1両
ティーガーⅡ 1両
ヤークトパンター 4両
III号戦車J型 5両
マウス 1両
計30両とした。俺は最後までマウスの運用に疑問を抱いていたが、マウス乗員からどうしてもこの試合に出たいと何度か申し出があり、渋々承諾した。今回の試合ではマウスの運用自体難しいからだ。
試合当日・・・
試合開始前に各車両入念に整備を整えた。隊員達は終始無言で整備を行っていた。緊張、不安・・・ある隊員は何度か道具を落としていた。落とすたびにエリカが睨んでおり、睨まれた時の表情が小動物ににており少し可愛かった。
整備後俺は隊員達を整列させた。
「諸君、整備ご苦労。昨日はキッチリ眠れたか?私は眠れたぞ?試合前にはしっかり休息するのは基本中の基本だ」
俺は軽く挨拶する。
「さて今日はいい訓練が出来るな」
俺が軽く放った言葉で何人かの隊員がびっくりした表情をしていた。
「あの・・・」
「なんだ?」
「訓練とは・・どういう意味でしょうか?」
「言葉通りだが?」
「でも・・今日の試合は・・・」
「??ああ、試合といえば試合だ。しかしこの試合に意味はない」
「「!!!」」
「ああ、勘違いしてはいけないので、簡単に説明する。今日の試合に勝ったら我々はどうなる?」
俺は一人の隊員に尋ねた。
「あの・・・えっと・・申し訳ありません、わかりません」
「そう、その通り!では負けた場合どうなる」
「緒方様に・・・怒られる?」
「負け方によるが、まぁ近いな」
俺は隊員達を見回す。
「今日の相手はプロだ。それもプロの中のプロ。しかも「戦車道」ではない「戦車乗り」のプロだ。世間では我々の相手はプロでも難しいと言われている。しかし今日みたいに本物の戦車乗りと試合出来るなんて事は後にも先にも今日しかない!!」
俺は再度見回した。
「そのプロの戦車乗りに勝つのは難しい・・・しかし一泡吹かす事は出来る!!そうなれば緒方様の怒りも少しは収まるだろ。世間に見せてやろうじゃないか。高校生がプロの戦車乗りに一泡ふかす所を!!そして緒方様を見返してやろうじゃなか。我々は浮かれてなんかいない事を!!」
「「「「ヤヴォール」」」」
「良し!!全員いい目になった。私は皆がその目になるのを待っていた。そういう目をしている人間は必ず、必ず成功する。だから私は皆に一つだけ命令する。「絶対に怯えるな」
俺は笑った。
「どうだ?何考えてるか分かるか?わからないだろ?そう、それでいい。怯えは、おびえているのが分かる。相手に自分より状況が上だと思わせてしまう。それではダメだ。常に相手にこちらが上だと思わせない。だから特に車長は常に笑え。どんな状況でも笑え。これは命令で厳命である」
これで少しは緊張が取れたかな?
試合開始前
対戦相手と向かい合い整列する。流石にプロだな。オーラというか雰囲気が高校生と比較にならない。試合開始15分前に整列、挨拶を行う。その時間まで後少しだ。その時
「あなたが霧島エリ?」
一人の女性が声を掛けてきた。
「そうですが」
「まったくあなたのせいでこんな面白くも無い試合をさせられてこっちはいい迷惑よ」
何だよグチかよ。
「緒方様の命令だから仕方ないけど、こっちは忙しいの。貴方達のような子供相手に遊んでる暇はないわ」
「そうね。早く終わらせて、任務の報告書書かなくちゃいけないの。分かる?」
「それにあなた尾方様のお誘いを断ったそうね?いい度胸ね」
この発言で少しこちらの隊員がざわついた。しかし俺は何も言わない。時間が経過するのを待つ。そう待つ。
「あれ?ダンマリ?面白くないわね?それとも怯えてる?緒方様の怒りを買ってビビッてる?」
その時
「全員整列!!」
審判員が号令を掛けた。そして緒方のババアが俺の前に整列した。服装は自衛隊と同じ、車椅子での整列だった。90歳台の老人だから仕方ない・・・なんて俺が思うと思うか?
「れ「待って」?どうしました?」
俺は審判の号令を遮る。
「一人座ってますが?」
相手が騒然となる。
「椅子に座るのは相手への侮辱では?それが西住流の流儀なら仕方ありませんが。この場で座って居る者は居ません」
「しかし・・・「分かりました」!!」
緒方はゆっくり車椅子から立ち上がった。
「審判殿」
「あ・・はい。 一同礼!!」
「「「「「「「「「「お願いします」」」」」」」」」」
そして解散の流れだったが、先ほどのお礼がまだだ。
「今日はよろしくお願いしますよ。緒方様」
「・・・・」
「そうそう先ほどそちらの選手より色々「助言」を頂きました。まぁ殆どは、忙しいとか?高校生相手に本気出さなくても余裕とか?まぁ色々教えていただきました」
緒方は自分の教え子を睨む。
「そう睨まないで上げてください。まぁ有言実行って言葉知ってますよね?実行して下さいね。「余裕」なんですよね?まぁそちらの方達はお遊びらしいので、是非とも遊んでいただきたいですね」
「・・・そう思っても仕方ありませんね」
「まぁこちらとしては、ババアのご機嫌取りで来ている人間ばかりでガッカリです。せめて本物を連れてきて欲しかった。まぁ我慢します」
その時
「貴様!!口が過ぎるぞ!!」
「怒るなよ。ババアのご機嫌取りでここに居る人間に興味はない。そんなに昇進したいか?お遊び?こちらを舐めるなよ?確かに錬度はそちらが上だ。しかしこちらは「高校生」だ。舐めて掛かると今日ここに来た事を後悔するぞ?」
俺はそう言い放ち、後ろを向いて
「搭乗準備!!!」
そして
「精々無様な姿を晒すなよ?」
そこまで毒を吐き俺は自分のティーガーⅠに向かった。
試合開始が宣言された。
「全車パンツァー・フォー。エリカ前進し相手に奇襲を。奇襲後はエリカの判断で行動しろ。赤星はパンター6両を引き付けエリカの後方より援護しろ。ただし状況次第で援護をやめ挟撃しても可。直下はパンター、Ⅲ号を引きつれ偵察行動。相手は格上だ。こちらの戦法はある程度読まれてる。だが、読まれている=失敗するではない。諦めるから失敗するんだ。最後まで足掻けよ!!」
「「「「「ヤヴォール」」」」
さてどうなるか・・・
ランエボSTIを作ればいいじゃないか。
昔R324とか後ろは34、前は32とか言う車があった。
前はエボ、後ろはインプ・・・いい考えだと思う。
勝手ながら誤字脱字等は、投稿後に修正します。