私はあの女が嫌いだ   作:yudaya89

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 幼女戦記が終わった・・・・


 ベルセルク続編だと?


第19話「就任」

 

 

 

 

 

 

 

 

            「黒森峰をやめる」

 

 それを聞いた俺は訳が分からなかった。

 

「何を言っているの?第一やめる理由は?」

 何とか言葉を振り絞った。みほからは

「決勝戦後に何があったか聞いた?」

「ああ、エリカから聞いたり、ノンナ先輩からも聞いた。色々迷惑をかけた」

「迷惑だなんて・・・色々聞いてるなら話が早いね。決勝戦後の黒森峰の対応・・・違うね西住流の対応は覚えてる?」

 何が言いたい?

「確か『撃てば必中 守りは固く 進む姿は乱れ無し 鉄の掟 鋼の心。彼女、霧島エリ、および彼女を支援した隊員はまさしく西住流の手本である』だったか?」

「・・・うん」

「これの何がおかしい?」

「わからないの?」

「みほ・・・何を言っている?さっきからおかしいぞ?」

「エリちゃん・・・・エリちゃんは・・死んだんだよ?」

 あ・・・わかった。今回の事件は確かに死人は出なかった。西住流の対応も俺が目が覚めた後の対応だった。俺が意識不明の時は一切コメントは出さなかった。

「・・・」

 俺はみほに何も言えなかった。

「エリちゃん・・・私・・夢を見るの」

「夢?」

「そう夢、夢の内容は色々と違うんだけど、でも夢の最後は必ず一緒なの」

「それは?」

「黒森峰が10連覇を逃すの」

 

 

 

 

 

 

 みほが語った夢を簡単に分けると

①私が大けがを負ったのち、すぐに大会本部に運ばれる。しかし運ばれたことで、挟撃を防げなかった。そしてその責任は私とみほに及んだ。そして私が後日自殺した。

②なぜか『私』が居ない状態で決勝戦が始まり、①と同じように挟撃しようとした。①と違うのはその際前衛の戦車が川に落ちた。それを救助したことで負けた。そして責任はみほに及んだ。

 

 

 

 確かに①も②も負けている。①はともかく②は本来の・・原作の流れだった。そう、みほは『もし負けた場合の黒森峰、西住流の対応』に落胆したんだ。原作では体験して落胆、絶望した事をこの世界では『夢』の中で体験した。しかしそれだけか?それだけそこまで落胆するものなのか?そこまでみほのメンタルは弱くないと思っていた俺の予想が外れただけなのか?俺は

 

「みほ・・・考え直せ。所詮夢だ。全部夢じゃないか」

 何がみほをそこまで追いやった?それを聞き出さなくては。

「エリちゃん・・・違うんだよ」

「何が違うんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

「私も所詮夢だ。現実じゃあない。本当にさっき言った事が起こっても西住流はその行動を起こした生徒を守るって・・・信じてたんだよ・・・」

 ああ・・・・・まさか・・・・みほ・・・・お前はそれを聞いてしまったのか?

 

 

 

 

 

みほの言葉・・・次に言う言葉が分かる。涙ながらにみほは次の言葉を発した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『そのような行為は西住流の流儀から外れる邪道です』って」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・それは家元が?」

「今日聞いたんだ」

「・・・」

 

 俺は何も言えなかった。確かに家元は『そう答える』だろう。しかしそれは西住流の家元として答えただけのはず・・・しかし・・家元の・・・みほの質問の意図、真意を見抜けず、ただ単に答えたその『答え』が!!!みほの心を傷つけた!!

 

 

 

 

 

 

 

 家元への怒りを堪え、私はみほに関して考える。このまま黒森峰に残ったところで、何も解決しない。逆に溝を、大きな溝を他の隊員やOGと作るかもしれない。それはそれで大問題だ。それとも原作通りみほの戦車道を見つけてもらうために大洗に転校してもらうか・・・

 

 

 

「みほ?」

「何?」

「私はみほと、そしてエリカとこれからの黒森峰を導こうと考えていた。。勿論それだけじゃあないよ?女子高生らしく買い物いったり、お茶したり・・・でもその夢はもう叶わないんだね。すごく残念だよ」

「エリちゃん」

「みほ、私はあなたの事応援する。みほの西住流を探して。でもね・・・」

「何?」

「もしもみほが戦車道をするなら、その時は全力で行くよ。私は黒森峰だから」

「わかってる。でも多分会わないよ」

「どうして」

「戦車道から少し離れてみようと思ってるからかな?」

「そう。でも私はみほと戦車道で戦うと思うよ?勘だけど」

 みほは病室から出て行った。

 

 

 

 

 

 くったれが!!家元のクソッタレが!!しかしおかしいな?家元もまほ先輩からみほの様子は聞いているはず・・・もしかして世界から何かしらの干渉されているのか?それともただ単に家元がアホなのか・・・まぁ仕方ない。

 

 

 

 

 俺は明日の事を考え、就寝することにした。あれ?みほが隊長しないとなると誰が隊長するんだ?・・・・エリカだな。うん。エリカ以外絶対いない!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日俺は早朝に家元に呼び出された。迎えのタクシーに乗り込み西住家へ向かった。家の前にはお手伝いさんと思われる女性が立っており、タクシーから降りた俺を家元の元へ案内した。家元の部屋にはまほ先輩と家元の西住しほの2名が座っていた。

 

 

 

「退院おめでとう。霧島さん。こうして会うのは入学前の試験以来ですね」

「ありがとうございます。そうですね、その時以来かと」

「今日はあなたに伝えたいことがあります」

「なんでしょうか?」

「あなたに黒森峰の隊長を務めてもらいます」

「では副隊長には逸見エリカを推薦したいと思います」

「大丈夫です。既に逸見さんは副隊長に就任するように伝えてあります」

「わかりました。用事は以上でしょうか?」

「ええ」

「では」 

 俺は立ち上がろうとした。

「あなたは聞かないの?その・・・・みほの事を」

 エリカは聞いたんだろ。

「はい。既に本人から聞いていますから」

 家元もまほ先輩が驚いている。

「そうですか」

「ひとつ質問してもよろしいですか?」

「ええ」

「みほの質問に答えましたよね?母親としてですか?それとも家元・・西住流の師範代として答えたのでしょうか?」

「西住流師範としてです」

「そうですか」

「それが何か?」

「私はあなたが許せません」

 この言葉は実質西住流への反逆である。それを訂正させようとまほ先輩が声を上げようとしたが、

「なぜ?と思ってますか?では答えましょう。あなたは実の娘の悩みさえ見抜けなかった大馬鹿者だからです。あなたが少し考えてみほの質問に答えていれば、今ここに私は居なかったでしょう。あなたの心無い返答でどれみほが西住流に、あなたに!失望したか・・・考えたことがありますか?考えませんよね?だから私はあなたが許せません」

「そうですか」

「それでも私を隊長に任命しますか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

  西住しほと睨み会う事5分。最初に口を開いたのは西住しほだった。

「あなたが何故私を嫌っているかは解りました。隊長に関しても就任してもらいます。しかし隊長と相応しくない場合、若しくは相応しくない行動を取った時、あなたより優秀な人材がいた場合には交代して頂きます」

「了解しました」

 俺は返事をした後立ち上がり部屋を出た。お手伝いさんに玄関まで案内され、待機していたタクシーで黒森峰女学院へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 黒森峰に到着後、寮に戻り着慣れたパンツァージャケットに着替えた。メールで今日は訓練は行われていないこと、ミーティングルームで隊員は待機していること、みほが黒森峰をやめたこと、次期隊長は未定などの事をエリカから聞いた。ある程度の事は伝えた。隊長の事は伏せている。ミーティングルームに到着し、中に入った。

 

「エリ!!」「え?」「今日退院!!?聞いてない」

 今知ったが、私は結構心配されていたんだ。少しうれしい。

「本日より戦車道に復帰することになりました。皆様にはご迷惑をおかけしました」

 俺はその場で頭を下げた。周りからは「もう無茶をするなよ」と投げかけられた。少しの間話をしていたが、

「あんた何かしらない?みほの事。今日部屋に行ったら荷物がなくて・・・」

「昨日夜中に出て行ったのは知ってるんですけど、帰って来ないんです」

 エリカ、赤星にそう言われた。その瞬間周りが黙った。そうかだから訓練どころでなかったのか・・・エリカも混乱するのを避けて、あえて黙っている。OKOK理解した。

 

 

「少し皆に話がある。席に座ってくれるか?」

 俺の言葉で皆席に着いた。

「エリカ?エリカは前に来て」

 

「まずみほの事だけど。彼女は本日付けで黒森峰を退学しました。理由は明かされてません」

 皆呆然としている。当たり前の反応だ。

「だからもう彼女はここには帰ってこない。そして2つ目だ。本日より副隊長は逸見エリカ。そして隊長には私、霧島エリが就任しました。後日西住師範より正式に発表されます。」

 

 

 

「なぜですか?」

 隊員の1人より質問があった。

「どういう質問ですか?」

「なぜ西住みほ隊長は辞めたんですか!!?」

「それは本人に聞いて下さい。残念ですが師範ですら理由を存じていませんでした」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後隊員は混乱した。なぜやめたのか?なぜ1年の2名が隊長、副隊長なのか?1.2年生そして卒業予定の3年生からも質問を受けた。俺はそれに対し一つ一つ丁寧に返答した。やがて質問がなくなったのか、質問するものは居なくなった。そして

 

「諸君が不満、不安に思うのは当たり前だ。隊長が1年であり、西住流の門下生でもない。分かる。私が諸君と同じ立場であればそう思う。この感情は極々当たり前だ。しかし理解しろ。目の前の状況が諸君が直面している現実だ。」

 

 一呼吸おいて

 

「だから私も考えた。どうしたら諸君が私が隊長をする事に納得するか。私を隊長として認めてくれるか。その答えは『諸君を倒す事』だと。我々は強者だ。しかし強者を率いるのは強者では役不足だ。そう『絶対強者』が必要だ。だから私より実力がある者、私を倒せるという者は今ここで前に出ろ」

 

 

  10分経過したが誰も出てこない。

 

 

 

 

「諸君は私が隊長でいいのか?全員私を隊長として認めるのか?私が隊長となったら、とんでもない事をしでかすかもしれないぞ?」

「でもそれは何か意味があって行動していることですよね?」

 隊員から質問される。

「頭から決めつけるのはよくない。その行動が何を意味しているのかを理解してもらわないと意味がない。諸君は優秀だ。誰一人として無能者は居ない。だからもう過去の黒森峰のやり方は捨てる。今から考える戦車道をしてもらう。そしてこの先諸君らが、歴代の黒森峰の先輩達が、自分たちの後輩ですら『味わった事のない』体験を味わうことになるだろう」

「それは一体?」

「それをこの先皆で考えてくれ。後悔するかもしれないが、それは黒森峰を変えるための一つだと思ってくれ」

「なぜ今まで通りではダメなんですか?」

「それはいずれ分かる。話はそれたが、他に私が隊長を務めることに反対なものは居ないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「では諸君。この先我々の周りは敵しかいない。どの戦車道の高校も我々を潰すために必死に挑んでくる。そうだな昔の、そう昔のある国のように、四面楚歌と思っていい。しかし我々は強者、いや『絶対強者』として、そんな高校を軽く蹴飛ばさないといけない。そう野良犬を蹴飛ばすような感じだ。」

 

 

 

 

 

「では諸君、明日からの訓練頑張ろうじゃないか。野良犬を蹴り飛ばすために、そして11連覇のために」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 悪いが新しいベルセルクはベルセルクではない。ファンとして許せない所がいくつかある。声優の変更には異議はない。

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