まだまで未熟ですが、今後ともよろしくお願いします。
先輩達と約束したのは準決勝に勝利する事。普通に考えても無理難題だ。それに加え
対戦相手が優勝候補の聖グロリアーナであり、対戦時の車両編成数が10両 VS 15両という無理ゲー状態。この状況を少しでもマシにするには編成数を10→15両へ変更することだった。だった・・・うん、先輩達に却下されました。却下ついでに嫌味も言われました。頭にきました。
その後屋上で気分転換しているときに思い出した。よくよく考えれば原作では戦車道未経験者が大半の集団で、相手より少ない数で挑んで優勝したんだよな?なら問題ないんじゃね?・・・俺無駄に精神疲労しただけじゃんか!!まぁ仕方ないよな16年も経てば記憶も薄くなるわ。
俺は青空を見ながら、タバコがあれば今の気分をリセットできるな~・・・なんて考えているところに
「霧島さん」
「ん?あ~西住か。どうした?」
「えっと、少しお話がしたくて」
「いいよ」
珍しいな。みほから話掛けてくるなんて。
「あのね・・・」
「・・・どうした?」
少しの沈黙の後
「あ、ありがとう」
「・・・え?私何かしたか?」
「今回の件、霧島さんが考えたんだよね?」
「どうしてそう思った?」
「な・なんとなく・・かな?」
「まぁ、確かに私が提案した。でもこの提案を採用し、みほを隊長代理に昇格する事を決断したのはまほ隊長だ。私は何もしていない」
「隊長代理に就任する前夜にお姉ち・まほ隊長から、ある程度の流れは聞いてたんだけど、誰の提案かは教えてくれなくて・・・」
「あの人らしいな・・・みほ」
「何?」
「ごめんね」
「どうしてあやまるの?」
「私は・・・みほが先輩に嫌がらせをされていたのを知ってた。でもそれをどうする事も出来なかった。本当は戦車でタイマン申し出てボコボコにしたかったけど、綾波先輩に止められるし、闇討ちしようと準備してたらエリカに見つかって、止められるし・・・」
「いやいや、最初のタイマンはいいかもしれないけど、闇討ちって・・・」
少し呆れられた。
「で、考えた末に出た考えが「私を隊長代理にすること」正解」
「悪いと思ってる。突然隊長代理にされて、決勝まで行かないと切腹。ほんとごめん」
「いいの」
「え?」
「まほ隊長からも「この隊長代理の就任は分岐点だ。みほ、一晩考えて決断しろ。どちらを選んでも大丈夫だ」って。で、私今まで周りの流れに流されてばっかりだったから・・・だから今回初めて自分で決断したんだ」
「・・・そうか・・・怒ってなくてよかった。」
「どうして?」
「私がこの状況に追い込まれたら、絶対ブチキレるよ」
「そうなの?でも私少し追い詰められたほうが、考えとかがまとまるんだよ?すごいでしょう?」
あれ?何か原作と違うような気がする。
「そうだな。さぁそろそろ帰ろう。エリカに殺される」
「そうだね。ここに来る前に逸見さんに「早く帰って来なさいよ!」って言われたの。」
「・・・さぁ、早く帰ろう」
なんでそんなに暢気なんだ?勿論その後エリカに無茶苦茶怒られました。
大会前日
ミーティング
「隊長代理!!本当にこの作戦を実行するんでしょうか?」
一人の隊員が発言した。このミーティングには準決勝メンバーしか出席していない。
「はい。問題ありますか?」
問題あるかって・・・あるだろうな。いっぱい。
「こんな作戦・・・見たこと無い」
「はい、今まで誰も実行していない作戦です」
「リスクが高いのでは?」
「高いです。成功の秘訣は戦車が始動するか、そしてそれに隊員が耐えられるかというところです」
「グズグズ言っていないで最後まで資料を読め。それからだ」
俺は文句の多い隊員たちに作戦資料を最後まで読むように注意を行った。それに従い隊員たちは最後まで資料を閲覧する。せっかく徹夜して作成したんだ!最後まで読まんと精神的に殺すぞ?
「一つ質問があります」
「なんだ?」
「今回の開催地が砂漠ということですが、この特殊砂塵フィルター、及び冷却液に関しては手配が間に合っているのでしょうか?この2つは我が校で使用しているものではないので納期等が間に合わないと思いますが?」
「その点は問題ない。整備班には既に装着を依頼している」
俺がその疑問に返答した。
「ならこの砂嵐というのは?」
「気温、湿度、風速、前日の天候等から明日は砂嵐の発生する確率が高い」
「なら相手校の編成に関してですが」
「アールグレイのこれまで6年間の公式試合及び練習試合から推測した編成よ。流石に完璧に予測ができないわ。でも参考程度にはなるわ」
逸見が答える。
「私が相手校の情報担当。その情報から隊長が作戦の立案。そしてその作戦に必要な装備の手配を霧島副隊長が担当したわ」
逸見の発言を聞いたメンバーから質問が途絶えた。俺は
「・・・どうした?他には無いか?他に先輩達から作戦に関してイチャモン付けろと言われた奴は居ないか?」
「「「!!!」」」
暫く沈黙が続き、解散を宣言しようとした時
「霧島副隊長代理」
「何でしょうか?綾波先輩」
「率直に聞く。成功率は?」
「75%ってところです」
「そうか。西住隊長」
「なんでしょうか?」
「私はこの作戦に異議はありません」
「ありがとうございます。」
「しかし」
「何でしょうか?」
「この作戦の要は一言で言ってしまえば「運」ではないでしょうか?」
「そうでしょうか?」
「砂嵐、戦車の始動する確率、相手の編成・・・この3つだけでもかなりの運が必要かと」
「ではこの作戦を取りやめて新しい作戦を考えろと、綾波先輩は考えるんでしょうか?」
「いえ違います。この3点に関して説明していただきたいと思います。そうでなければここにいる大半のメンバーが納得しないと思います」
綾波先輩の言う通りだ。現在我々の見方は私の戦車に乗る3年生メンバー4名のみ。あとのメンバーは主に3年生の息が掛かっている。まぁ立場が逆なら私も3年生に付く。我々は四面楚歌状態で、今ここで他のメンバーを説得できないと、本番でボイコットされる可能性もある。
「分かりました。ではまず砂嵐に関してですが・・・・・・
・・・・・これで以上です。いかがでしょうか?」
「西住隊長!?」
「何でしょうか?綾波先輩?」
「いつからでしょうか?」
「どういう意味でしょうか?」
「この作戦を「いつから」考えていたのでしょうか?」
「綾波先輩?」
「はい!」
「それに関しては「Need not to know」」
「・・・・・・分かりました」
「他に質問は?」
「・・・・・・」
「では、解散」
我々の説明でメンバーからある程度の信頼は得られたと思う。最初と最後の表情が違っていたからな。
準決勝当日 現地にて
「ごきげんよう。副隊長に就任おめでとう」
試合開始前にアールグレイ先輩から話しかけられた。
「あ、アールグレイ先輩。ありがとうございます。本日はよろしくお願いします」
「彼方達もたいへんね。西住まほは何を考えているのかしらね?」
エリカ~怒るな怒るな。安い挑発だ。
「アールグレイ先輩」
「なにかしら」
「もし今日我々が勝利したらお願いを聞いてもらいたいのですが」
「あら?それは黒森峰副隊長として?それとも個人的に?」
「個人的にです」
「いいわよ。でも無理ですわ♪」
「そんなことはありません。先輩には黒森峰が用意したVIP席で決勝戦を「観戦」していただきます」
その瞬間、アールグレイ先輩の雰囲気が変化した。
「・・・」
「・・・」
無言で両者は見つめ合う。にらみ合いではない。2人共相手をただ見ているだけだ。
しかしその場に居たものは後に語る。
「窒息するかと思った」と
試合開始
「前車前進」
「パンツァー・フォー」
準決勝が始まった。
アールグレイ・・・OVAで出してくれないかな~