HAPPYきんいろモザイク   作:naogran

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イギリス・コッツウォルズ。この町に、ある少女の家がある。それは、アリス=カータレット。

アリス「待って、ポピー。」

愛犬のポピーと散歩へ行く前に、母に伝えた。

アリス「マム、いってきます。」

アリスのママ「遅くならないでね。」

アリス「うん。」




ポピーと一緒に散歩へ。




イギリスに帰って初めての夏休み。日本の高校を卒業して、もう4ヶ月が経った。

彼女が日本にホームステイしたのは、大宮忍に会いたかったから。

彼女はカータレット家にホームステイしたこけしみたいな少女。この時のアリスは、忍の住む日本はどんな所だろうと思っていた。

その後アリスは、日本語を沢山勉強して、忍の家へホームステイした。

忍は外国と金髪が大好き。

照れ屋でツンデレな小路綾。

食べるの大好き、元気な猪熊陽子。

クールでツッコミ気質の香川圭太。

ボケでテンションが高い白川浩輔。

アリスを追ってイギリスからやって来た幼馴染みの九条カレン。

忍と金髪同盟を組む松原穂乃花。

魔法少女が好きな日暮香奈。

烏丸さくら先生や、久世橋朱里先生。

皆と過ごした日々は、アリスの宝物。




彼女はポピーと一緒に、丘の上へ向かった。ここは、アリスが大好きな場所。出会いがあれば、別れもある。だけど、季節は巡るように、きっとまた会えると。アリスは今日も元気です。

アリス「・・・シノ・・・」

???「アリス・・・」

アリス「シノ・・・会いたいよ・・・」

???「アリスー!」

アリス「ん?あ!」

後ろを向くと、忍の姿があった。

忍「ハロー!アリスー!」

アリス「シノー!会いたかったー!」

シノ「散歩に行くなら起こして下さい。」

アリス「気持ち良さそうだったから。」

忍「ん?どうしました?」

アリス「え?」

忍「ちょっぴり寂しそうに見えたので・・・」

アリス「えへへ。日本の事を思い出してたんだ。」

忍「ああ。大仏ですか?」

アリス「大仏じゃないよ!!!」


『HAPPYきんいろモザイク Thank You』

アリスがまだ日本に居た頃。3年生となった彼女達はいよいよ修学旅行。忍とアリスがギリギリで新幹線に乗り込んだ。

 

修学旅行の舞台は、京都。

 

バスの中で陽子がお菓子を食べ、綾が怒る。

 

圭太は景色を眺めてる。

 

アリスも京都の景色を眺めてる。

 

 

 

 

バスが目的地に到着。

 

綾「私が班長だから、迷子にならないようにちゃんと付いて来て!」

 

陽子・カレン・浩輔「了解デース!」

 

穂乃花「カレンちゃんと白川君はこっちだよ!!」

 

圭太「お前何こっちに入ってんだよ!!」

 

 

 

 

奈良県。

 

忍「ここが京都で有名な奈良公園ですか〜。」

 

アリス「シノ!何言ってるの!?奈良だよ!?」

 

陽子「ヤギとか羊とか居るのかな〜?」

 

圭太「お前も何ってんだ!?ここに居るの鹿だぞ!?」

 

アリス「奈良公園に鹿が居るのはね、鹿の神様の御使いなんだよ?春日大社にお祀りしている神様が、白鹿に乗っていたって言う伝説があってね。だから鹿は、神聖な存在なの。」

 

圭太「おぉ〜。アリス、更に賢くなったな。」

 

アリス「そうかな?」

 

するとカレンがアリスの左手に鹿せんべいを置いた。

 

カレン「鹿せんべいあげマース。」

 

アリス「因みに、その神様のお名前は・・・武甕槌神(たけみかづちのかみ)・・・」

 

鹿せんべいを持ったアリスに鹿達が群がる。

 

陽子「うわああーー!アリスーーー!?」

 

圭太「大丈夫かー!?」

 

その光景を忍がデジカメで撮った。

 

忍「アルプスの少女みたい〜♪」

 

陽子「言ってる場合かーーー!!」

 

圭太「お前は呑気だな!!」

 

何とかアリスを救出した。

 

 

 

 

 

 

次に訪れたのは、法隆寺。

 

アリス「阿修羅様の3つの顔には、それぞれ意味があるんだよ?」

 

陽子「阿修羅像って、ちょっと綾に似てるな。」

 

圭太「はい?」

 

綾「な!?ど、どう言う意味!?」

 

陽子「ほめ言葉だよ。ほら、さっき買ったお守りあげるから。」

 

お守り貰って綾が喜んだ。

 

忍「確かに3回表情が変わりました。」

 

圭太「そう言う意味じゃねーよ。」

 

 

 

 

 

 

奈良の大仏では。

 

穂乃花「カレンちゃん!奈良の大仏だよ!」

 

浩輔「うっひょー!デッケェー!」

 

カレン「WOW!超強そうデース!この大仏様は、夜になると奈良の空を飛びパトロールするデス!」

 

香奈「おい!」

 

浩輔「嘘吐け!」

 

穂乃花「えー!凄い!そうなの!?」

 

浩輔「信じてる!?」

 

カレン「YES!奈良の大仏様は、奈良の平和を守っているのデース!操縦は私のパパでー・・・」

 

久世橋先生「コラー!!」

 

アリス「カレン!嘘教えないの!!」

 

圭太「周りが誤解するだろ!!」

 

香奈「・・・」

 

陽子「香奈。頑張れ。」

 

香奈「え?あ、はい。(同情の眼差し!?)」

 

 

 

 

 

 

二月堂。

 

圭太「やって来ました二月堂!」

 

アリス「ここは二月堂!お水鳥って言う伝統が行われるのよ?」

 

綾「わぁ〜!」

 

忍「OH!」

 

 

 

 

春日大社。

 

圭太「この春日大社は、平城京の守り神として創建されたんだ。」

 

綾「綺麗ね!」

 

忍「Beautiful!」

 

 

 

 

夫婦大国社。

 

アリス「ここは夫婦大国社だよ。」

 

綾「ハートの絵馬可愛い!」

 

忍「Pretty」

 

圭太「そして向こうが・・・」

 

忍「Exotic Japan!!」

 

陽子「逆だよね!?」

 

圭太「お前日本人だろ!?」

 

 

 

 

 

 

旅館で夕食。

 

 

 

 

それぞれの班が部屋に入って就寝。

 

綾「こう時でしか出来ないもの・・・ねぇ、皆起きてる?」

 

皆寝てる。

 

綾「寝てるわ・・・」

 

 

 

 

 

 

翌朝。バスが高速道路を走る。

 

烏丸先生「 B組の皆さ〜ん!おはようございまーす!」

 

B組生徒「おはようございます!」

 

カレン「おはようございま・・・」

 

烏丸先生「修学旅行2日目は自主研修です。」

 

穂乃花「・・・」

 

まだ寝てるカレンを穂乃花がジッと見てる。

 

 

 

 

 

 

京都。

 

圭太「扇子。良いね。」

 

アリス「うん。」

 

扇子を持ったアリスを忍が写真を撮った。

 

忍「アリス イン 京都。」

 

圭太「お前抜け目ないな。」

 

カレン「シノー!一緒に行きまショウ!」

 

忍「カレン!おはようございます!」

 

カレン「オハヨウゴジャイマース!」

 

浩輔「おいカレン落ち着けよ。よう圭太。」

 

圭太「浩輔、お前もここか。」

 

陽子「カレン達の班も、私達と全く同じ所を回るなんてな。」

 

綾「偶然じゃん。」

 

カレン「シノを独り占め出来ると思ったら大間違いデスよ?アリス。」

 

アリス「もう!カレンってば!」

 

圭太「俺達って、強い絆で結ばれてるのか?」

 

浩輔「一心同体だな。」

 

香奈「さぁ皆!時間厳守!」

 

綾「世界遺産を巡るツアーに出発よ!」

 

浩輔「よっ!班長コンビ!」

 

カレン「最初は何処デース?」

 

忍「清水寺です。」

 

清水寺へ向かう。

 

穂乃花「・・・カ、カレンちゃん!!」

 

カレン「ン?」

 

穂乃花「し、写真!」

 

カレン「OH!撮りマスカー!」

 

 

 

 

デジカメを持ったカレンが忍達の写真を撮った。

 

穂乃花「ありがとう・・・?」

 

カレン「どう致しマシテ〜。」

 

 

 

 

穂乃花(修学旅行の思い出に、カレンちゃんと2人で撮った写真が欲しいのに・・・上手く言い出せないな・・・昨日も撮れなかったし・・・)

 

香奈「ううん!今日こそ勇気出さなきゃ!」

 

心の声を代弁してあげただけ。

 

穂乃花「何で分かるの!?カレンちゃん!香奈ちゃんが心を読んでくるよ!!」

 

カレン「WOW!エスパーカナ!」

 

香奈「さぁ!今がチャンスだよ!」

 

彼女を後ろを押してあげた。

 

穂乃花「あ、あの!カレンちゃん!!しゃ!しゃ・・・しゃ・・・」

 

カレン「ン?」

 

穂乃花「シャンプーって何処の使ってる?」

 

香奈「穂乃花ー!」

 

浩輔「仲良いな。」

 

 

 

 

 

 

清水寺。

 

忍「良い眺めです〜。」

 

アリス「4階建のビルと同じ高さなんだって。」

 

カレン「高いデース!」

 

圭太「清水寺行ってみたかったんだよね〜。」

 

忍「こう言う所に来ると、俳句を詠みたくなってきますね。」

 

アリス「シノが日本文化に触れて、日本人らしい事を。」

 

圭太「いや忍は日本人だぞ?」

 

忍「アリスはね 金髪碧眼 プリンセス♡IN 清水寺。」

 

圭太「清水寺関係ねー!!」

 

アリス「季語も入ってない・・・それ所か英語が入っているけれど・・・何故だろう・・・こんなにも心が動かされる・・・」

 

この俳句、10点。

 

陽子「甘過ぎだろ!!」

 

浩輔「どんだけ忍が好きなんだよ君は!!」

 

カレン「甘いデース!」

 

 

 

 

楽しい7人組を、穂乃花がジッと見てる。

 

穂乃花「・・・」

 

 

 

 

次に訪れたのは、銀閣寺。

 

 

 

 

アリス「シノもちゃんと目に焼き付けてる?」

 

圭太「折角の京都なんだし、世界遺産いっぱい見れて楽しくなれるぞ?」

 

忍「私はアリスと言う名の世界遺産にクギ付けですよ。」

 

アリス「シノ?私は世界遺産に登録されてないよ?ちゃんと勉強して!」

 

忍「あ、はい・・・すみません・・・」

 

圭太「大人しくなった。」

 

カレン「シノー!あっち行きまショー!」

 

忍を連れて走り出した。

 

アリス「ああ!待ってー!」

 

圭太「おいカレン待てよ!!」

 

穂乃花「あ・・・」

 

香奈「!!」

 

浩輔(頑張れ松原!)

 

 

 

 

 

 

バスに乗り、次の場所へ。

 

陽子「結構撮った?」

 

忍「はい!お姉ちゃんにいっぱい撮って来てって頼まれたので。」

 

綾「あ!見せて!」

 

忍「赤と金のコントラストが、美しく撮れました!」

 

陽子「金髪しか写ってねぇ!」

 

圭太「2人にしか目がない・・・」

 

綾「勿体無い!カメラは私に任せて!」

 

忍「き、金髪が勿体無いとはどう言う事ですか!?」

 

圭太「京都に来てもアリスとカレンばっかり撮ってるお前がそれを言う資格があるのか!?」

 

穂乃花「はぁ・・・タイミング逃すとどんどん言い辛くなるね・・・」

 

香奈「まだ撮れてないの!?」

 

浩輔「どんだけ緊張してんだよ!!」

 

穂乃花「だって!想像の中の私が変態っぽくなっちゃうの!!」

 

浩輔「はい・・・?」

 

 

 

 

想像の中の穂乃花。

 

穂乃花「ゲヘヘ〜。ツーショット欲しいな〜。」

 

 

 

 

香奈・浩輔「何で!?」

 

穂乃花「そこで、名案が浮かんだんだけど。コレ!」

 

香奈「自撮り棒?」

 

浩輔「それをどうするんだ?」

 

穂乃花「コッソリ2人が入る角度で隠し撮りするの!!」

 

香奈「いや!!正真正銘の変態だよそれは!!」

 

浩輔「変態が具現化した!?」

 

 

 

 

 

 

金閣寺。

 

陽子「金ピカだー!」

 

圭太「金閣寺来たぜ!!」

 

綾「まるでアリスとカレンの髪みたいだわ!」

 

浩輔「確かにな!」

 

忍・穂乃花「確かに美しいけれど、2人の金髪はもっと柔らかく品やかな輝きで・・・」

 

綾「美しいユニゾン!?」

 

浩輔「金髪同盟の見事なハモり!?」

 

陽子「神社とお寺って何が違うんだっけ?」

 

圭太「そんな事も分かんねえのか!?」

 

アリス「神社は神様!お寺は仏様だよ!」

 

カレン「ホノカ!お参りするデス!」

 

穂乃花「・・・!!」

 

 

 

 

賽銭箱に5円玉を入れる。

 

カレン「お賽銭デス。」

 

穂乃花「・・・!」

 

両手を拝んで願いを言う。

 

穂乃花「カ・・・カ・・・カレンちゃんと一緒にツーショット写真撮れますように!!」

 

カレン「!?」

 

香奈「声に出ちゃってる!!」

 

浩輔「バラしてどうすんだよ!!」

 

穂乃花「カレンちゃん!私と一緒に写真撮ってくれないかな!?」

 

カレン「勿論!喜んでデス!」

 

穂乃花「・・・・!!」

 

天使の笑顔が、穂乃花を圧倒した。

 

穂乃花「召されそう・・・」

 

カレン「ホノカ?戻って来るデース。」

 

 

 

 

金閣寺をバックにツーショット写真を撮った。

 

穂乃花「ありがとう・・・神棚に飾るね・・・」

 

香奈「重いわ。」

 

浩輔「泣く程?」

 

綾「カレン!私とも撮って?金閣寺と金髪ってご利益ありそう。」

 

カレン「確かに!」

 

圭太「はいチーズ。」

 

綾、アリス、カレンのスリーショットを撮った。

 

陽子「・・・次私も!」

 

忍「私もお願いします!」

 

香奈「わ、私も・・・」

 

穂乃花「私ももう1回!」

 

カレン「行列が!?」

 

圭太・浩輔「アイドルの握手会!?」

 

 

 

 

 

 

旅館に到着。

 

アリス「わぁ〜!」

 

綾「今日の宿も素敵ね〜!」

 

アリス「同じ日本なのに、シノの部屋と全然違う!日本に来てこんなに日本文化に触れた日はないよ!修学旅行Excellent!!」

 

忍「西洋被れですみません・・・」

 

陽子「自分で言うなよ!」

 

すると隣の部屋の戸が開いた。

 

カレン「ヘイ、アリス!Let's go Hot Spring!!」

 

陽子「ホット?」

 

アリス「英語で温泉って意味だよ。」

 

 

 

 

 

 

男湯。

 

圭太「あ〜。やっぱ温泉は最高だなぁ〜。」

 

浩輔「確かにな〜。今日の疲れが溶けてく〜。」

 

圭太「今日の松原、ぶっ飛んでたな。」

 

浩輔「カレンとツーショット撮りたいが為のお願いがようやく叶ったんだな。」

 

 

 

 

 

 

女湯。

 

穂乃花「はぅ〜・・・」

 

カレン「ホノカ!居ないと思ったら先に入ってたデスか。」

 

穂乃花「か、カレンちゃん!?」

 

カレン「お湯加減如何デスか〜?」

 

穂乃花「えへへ・・・いい感じだよ?」

 

彼女が入ってる湯船にアリスが手を入れた。

 

アリス「カレン!これ水風呂だよ!?」

 

カレン「エ?」

 

穂乃花「・・・・」

 

顔が真っ赤になって水風呂に湯気が出た。

 

カレン「ホノカの熱で温くなってるです!」

 

アリス「何で!?」

 

穂乃花「カレンちゃんと温泉に行くのは、温泉掘り当ててからって決めてたのに!!心の準備が!!」

 

 

 

 

温泉を掘り当てたイメージ。

 

穂乃花『掘ったよ!カレンちゃんの為に!』

 

カレン『OH!!』

 

 

 

 

女湯・露天風呂。

 

アリス「露天風呂最高〜♪」

 

忍「アリス。前から入りたがってましたものね。」

 

アリス「本当は、お猿さんと入るのが夢だったんだけど。」

 

忍「残念ながら猿は居ませんね。」

 

そこに陽子が来た。

 

アリス「あ!ヨーコ!」

 

忍「ちょっと来て下さい!」

 

陽子「何?」

 

忍「陽子ちゃん猿っぽいので、ウキーって言ってみて下さい。」

 

アリス「ワクワクワクワク!」

 

陽子「突然のディスに私はどうしたら良いの・・・?」

 

 

 

 

しばらくして、カレン達も来た。

 

香奈「この温泉は何に効くんだろう?」

 

カレン「ホノカ!当ててみて下さい!」

 

穂乃花「え?」

 

カレン「入ってみて、何か実感ありマスか?」

 

穂乃花「えっと・・・し、幸せ〜。」

 

カレン「幸せな湯!」

 

綾「良いわね!素敵!」

 

香奈「それ!」

 

綾・カレン・穂乃花・香奈「はぁ〜・・・」

 

 

 

 

 

 

部屋に戻った。

 

忍「そろそろ限界なので寝ます・・・」

 

綾「ちょちょちょちょっと待って!こんなに早く寝たら勿体無いわ!もっと修学旅行あるあるで盛り上がりましょうよ!!」

 

カレン「その通り!!」

 

香奈「修学旅行と言ったら枕投げ!」

 

穂乃花「これをやらなきゃ旅は終わらないよ!!」

 

陽子「な〜んだ綾。枕投げやりたかったの?」

 

綾「違うわ!!こんな野蛮な遊び・・・」

 

カレン「最後まで生き残った人は、何でも命令出来る権利が与えられマス!」

 

その言葉に綾が乗った。

 

カレン「それではヨーイスター・・・」

 

だが持ってる枕が一瞬で消えた。

 

カレン「あれ?枕は?」

 

両脇に大量の枕を抱えた綾が現れた。

 

陽子「うわああ!?」

 

カレン「アヤヤ!?」

 

綾「オリャアアーーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

圭太「何か綾の叫び声が聞こえたぞ。」

 

浩輔「またカレンが怒らせたのか?」

 

 

 

 

 

 

枕投げの勝者は。

 

綾「勝ったわ!私が王様よ!!」

 

恋バナへの執念が綾を勝利へ導いた。

 

 

 

 

恋バナスタート。

 

綾「それじゃあ皆で恋バナしましょう!」

 

陽子「いや、急に言われても特に話題は・・・」

 

綾「カレンの初恋はいつ?」

 

カレン「ファ!?」

 

陽子「え!?うわっ!指名が入った!」

 

カレン「私のFirst Loveは・・・アリスデス!」

 

アリス「え!?」

 

カレン「なんちゃって〜。」

 

陽子「おい真面目に答えないと怒られるぞ・・・」

 

綾「続けて!」

 

陽子「いいんだ!?」

 

 

 

 

 

 

時間は22時40分になった。

 

穂乃花「消灯時間が過ぎてるし、そろそろ戻った方が・・・」

 

カレン「大丈夫デス!布団被って静かにしていればバレマセン!それに先生達、旅行で浮かれてますのでチェックも甘いハズ。」

 

しかし彼女の予想は外れた。

 

久世橋先生「誰が浮かれてるって?」

 

穂乃花・香奈「ヒィィ!?」

 

久世橋先生「自分の部屋に戻りなさい!」

 

カレン「NOーーーーー!!」

 

 

 

 

香奈の班が行った後。

 

アリス「電気消すよー。ん?」

 

忍のカバンからイギリスの旅行本が出て来た。

 

アリス「これ。」

 

綾「間違えて持って来ちゃったのかしら?」

 

陽子「あはは。そう言えばシノは修学旅行の行き先イギリスだと思ってたんだよな。」

 

 

 

 

 

 

修学旅行前。

 

忍『え!?イギリスじゃないのですか!?』

 

圭太『当たり前だろ。』

 

忍『そんな・・・私・・・この時の為に英語をマスターしたのに・・・』

 

陽子『え、英語を・・・』

 

綾『マスター・・・?』

 

浩輔『忍が・・・?』

 

忍『すみません!!ちょっと盛りました!!』

 

陽子『知ってるよ!?』

 

圭太・浩輔『だろうな!!』

 

 

 

 

 

 

忍「えへへ・・・」

 

アリス「・・・・」

 

 

 

 

 

 

翌日の京都タワー。

 

カレン「コータとミッキー。寂しがってマスかね?」

 

陽子「え〜?」

 

浩輔「そうは思えないな。」

 

カレン「猫は3日で飼い主を忘れると聞きマス。」

 

浩輔「え?」

 

陽子「おい止めろ!ウチの兄妹に限ってそんな事!」

 

綾「そうよ!」

 

 

 

 

空太・美月『お姉ちゃん誰?』

 

 

 

 

陽子「ガクッ・・・」

 

綾「陽子!?」

カレン「ヨーコ!?」

 

浩輔「おい陽子しっかりしろ!!」

 

 

 

 

忍「修学旅行ももう終わりですね。」

 

圭太「そうだな。」

 

アリス「シノは修学旅行楽しかった?」

 

忍「勿論!楽しくなかったですか?」

 

アリス「ううん。シノはイギリス旅行へ行きたがってたから。」

 

圭太「まだイギリス諦めてなかったのか?」

 

忍「確かにそうですが、たまには日本文化にも触れたくなります。普段生活や食事スタイルが洋風ですので。今は録画している世界の旅番組が観たくて・・・震えが止まりません・・・」

 

アリス「禁断症状!?」

 

圭太「依存症が抜けてないな。」

 

忍「でも、私はアリスと圭太君と、皆と一緒なら何処だって楽しいです!」

 

アリス「私もだよ!じゃあ次は、北の大地に行こ?」

 

忍「北極ですね!」

アリス「北海道!」

 

忍「オーロラが見たいです!」

 

圭太「ハモってない!!」

 

アリス「冗談だよ。次こそ、皆でイギリス旅行へ行こ?」

 

忍「え!?良いんですか!?」

 

カレン「いつ行きマスか?」

 

忍「来週にも!!」

 

浩輔「いきなりかよ!!」

 

陽子「そこは卒業旅行とかだろ!」

 

綾「まぁその前に・・・受験があるんだけどね。」

 

圭太「受験ね。」

 

忍「綾ちゃん!圭太君!皆と一緒なら受験だって楽しいですよ!」

 

陽子「ポジティブって言うか。」

 

浩輔「頭の中が旅行だらけだな。」

 

7人「あははははは!」

 

 

 

 

 

 

夜。香川家。

 

圭太の母「おかえり圭太!」

 

圭太「ただいま母さん。」

 

圭太の母「修学旅行楽しかった?」

 

圭太「もうはしゃぎ回ったよ。これ、お土産。」

 

圭太の母「あらまあこんなに!」

 

 

 

 

 

 

大宮家に忍とアリスが帰って来た。

 

忍・アリス「ただいま!」

 

勇「おかえり〜。」

 

アリス「ただいまイサミ〜!」

 

 

 

 

買ったお土産を出した。

 

勇「ちょっと!お土産これだけ?欲しい物リストもっとあったでしょ?」

 

アリス「流石に全部は・・・」

 

忍「お姉ちゃん!両手いっぱいの思い出がお土産です!お土産話しなら尽きませんよ!」

 

勇「お土産話も良いけど!」

 

アリス「あはは。日常に帰って来たって感じがするね。」

 

忍「あ!まだお土産がありました!」

 

勇「京都で拾った石とかだったら怒るわよ。」

 

忍「違いますよ〜。」

 

何も入ってないビニール袋。

 

忍「清水寺の神聖な空気です。」

 

アリス「いつの間に・・・」

 

勇「・・・・」

 

清水寺の空気が入ったビニール袋を持った勇が。

 

”バァン!!!”

 

無惨に割った。

 

忍「酷い!!!」

 

 

 

 

 

 

夏の学校。

 

忍「綾ちゃんって、前より素直になれましたよね。」

 

綾「な、何突然?」

 

忍「表情豊かで、柔らかくなりました。」

 

アリス「うんうん。」

 

圭太「何か垢抜けたって感じ。」

 

綾「そうかしら?自分ではよく分からないんだけど・・・」

 

忍「図にするとこんな感じです!」

 

ハイライトに桜の花が咲いてる。

 

綾「間違い探し!?」

 

忍「そして今の表情はこんな感じです!」

 

満面な笑みの綾。乙女の季節〜。

 

綾「アホ面になってない!?聡明さは何処へ!?」

 

アリス「見た目だけじゃなくて、綾は中身も成長したと思うよ?」

 

綾「成長?そう言って貰えると何だか嬉しい。」

 

陽子「何の話?」

 

浩輔「話題は何だ?」

 

忍「綾ちゃんの顔が変わったって話です。」

 

綾「顔は変わってないわよ!?」

 

陽子「え?そお?」

 

ジッと綾の顔を見る。

 

綾「・・・近いわーーーー!!!」

 

圭太「突き飛ばした。」

 

忍「あれ?あんまり変わってないかもです。」

 

陽子「ってか、もしかして綾寝不足?」

 

綾「ああ、少しだけ・・・陽子とカレン用にノートを纏めてて・・・」

 

アリス「頑張り過ぎはダメだよ!夜は寝なきゃ!」

 

圭太「いずれ不眠症になるぞ?」

 

綾「ええ・・・でもやっぱり今は頑張らなきゃ。」

 

陽子「頑張るって私達の為にだろ!?綾は綾の勉強を頑張ってよ!体壊したら元も子もないんだし!」

 

綾「・・・だって・・・」

 

照れながら泣きそうになりそうな顔。

 

陽子「どう言う表情!?」

 

浩輔「照れと泣きの中間!?」

 

綾「何でもないの!!」

 

教室から飛び出した。

 

陽子「何処へ!?」

 

綾「職員室!!」

 

 

 

 

職員室へ走る。

 

綾(だって・・・折角同じ志望校なんだもの!でもそう思ってるのは、私だけなのかも知れない。)

 

 

 

 

陽子『そんな必死にならなくても〜。』

 

カレン『滑り止めはありマスし〜。』

 

 

 

 

綾(はっ!もしかして私が勉強を教えてるのも・・・実は迷惑!?)

 

様子を見に来た陽子が、落ち込んでる綾を発見した。

 

陽子「(露骨に落ち込んでるな・・・)綾〜。私も一緒に職員室へ行ってもいい?」

 

綾「え?いいけど・・・」

 

 

 

 

2人で職員室へ向かう。

 

綾(シノは素直になったって言ったけど、そんな事ない・・・陽子の前では全然素直になれないし・・・本当は聞きたい事があるはずなのに・・・)

 

陽子「何?」

 

綾「あ!何でもないわよ!!バカ!!私のバカー!あああーーー!!」

 

陽子「寝不足なのに元気だなぁ〜。」

 

 

 

 

しばらく進むと。

 

香奈「宜しくお願いしましゅ、あー!!」

 

穂乃花「頑張って!」

 

陽子「ほのかのコンビだ!」

 

綾「カレンも居るわ!」

 

カレン「アヤヤにヨーコ!」

 

綾「3人共何してるの?」

 

穂乃花「面接の練習だよ?香奈ちゃん推薦入試だから面接あるんだ。」

 

陽子「推薦!!」

 

穂乃花「練習なのに噛み噛みなんだよね〜。」

 

陽子「へぇ〜。以外〜。」

 

香奈「あがり症なの。」

 

カレン「私が面接官だったら、ギャップ萌えで絶対合格デス!」

 

穂乃花「カレンちゃんのお墨付きなんて羨ましい!!」

 

香奈「全然嬉しくない・・・」

 

穂乃花「陽子ちゃんは面接得意っぽいもんね!」

 

陽子「そお?」

 

香奈「堂々としてるもんね。」

 

カレン「聞かれた事には何でも正直に答えちゃいそうデス。」

 

陽子「それはあるかも。嘘吐けないし。」

 

綾「あ!」

 

 

 

 

3人と別れた後。

 

綾「・・・」

 

陽子「あれ?職員室はこっちじゃ?」

 

綾「それより私達も面接の練習をしましょう。」

 

陽子「え?だって私達面接ないよね?一般だし。」

 

綾「そうだけど、いずれ必要になるわ!バイトとか就職とか!それに圭太には卒業後は俳優になるんだし、オーディションが待ち受けてるんだもの!」

 

陽子「え?でも・・・」

 

綾「でもじゃない!本当にもうこの子ったら!!」

 

陽子「私が我儘言ったみたいになってるー!?」

 

 

 

 

 

 

誰も居ない教室で面接の練習。

 

綾「どうぞ。」

 

陽子「失礼します。猪熊陽子です。宜しくお願いします。」

 

綾「敬語陽子かぁ。成る程、悪くない。」

 

陽子「あのぉ〜?」

 

練習再開。

 

綾「ではまず、大学の志望理由を。」

 

陽子「えっと、パンフとか見て良さげだったので。」

 

綾「それだけ!?そんな浅い理由で・・・」

 

陽子「じゃあ綾は?」

 

綾「私は大学行くなら、前からここがいいなって思ってて。よく大学生になった時を妄想していて、その舞台がそこだったから。私も動機が不純過ぎて・・・人の事言えないわ・・・」

 

陽子「どんな理由!?」

 

綾「コホンッ。じゃあ次。あなたには小路綾と言う友人が居ますよね?」

 

陽子「はい目の前に。」

 

綾「正直に彼女の事はどう思っていますか!?」

 

陽子「ええ!?どうって・・・」

 

綾「本当は、勉強を教えられるのも・・・ありがた迷惑だし・・・正直嫌いと思っているとか・・・ウザいとか無理とかーーーー!!」

 

泣いてしまった。

 

陽子「ネガティブワードが続々と・・・そうだなぁ〜。綾は友達と言い難いなぁ。」

 

綾「友達ですらない!?」

 

陽子「勿論親友だと思っているよ!それよりも、腐れ縁って感じかなって思ってて。」

 

綾「それって、良い意味で言ってる・・・?」

 

陽子「うん!出会った頃から、いつも隣に居る気がして。そしたら行きたい大学も同じで。何となくだけど、これからも仲良くしていくんだろうな〜って。」

 

綾「陽子は本当は・・・一緒に大学に行きたくないんだって思った・・・」

 

陽子「何で!?」

 

綾「だって、勉強教える時凄く嫌そうなんだもん・・・」

 

陽子「それは勉強が苦手だからだよ!!綾が私やカレンの為に頑張ってるんだから!私も頑張るよ!大丈夫!絶対合格してみせるから!これからも宜しく〜!」

 

手を差し伸べた。

 

綾『当たり前でしょ!感謝しなさいよ!!』

 

こんな台詞を予想していた。しかし。

 

綾「う、うん・・・」

 

素直に握手してくれた。

 

陽子「・・・!」

 

綾「こちらこそ。いつも隣に居てくれてありがとう!」

 

陽子「・・・所で、綾が気付いてない事を言っても良い?」

 

綾「え?何よ。遠慮しないで言いなさい?」

 

”キーンコーンカーンコーン”

 

陽子「もう午後の授業始まってるみたいなんだけど。」

 

綾「それを早く言いなさいよ!!バカーーーー!!」

 

 

 

 

 

 

放課後。カレンが外を眺めている。

 

カレン「私とアリスは、小さい頃からずっと一緒。ずっと・・・ずーっと・・・今も!きっと、来世も一緒です。」

 

陽子「急にどうした!?」

 

浩輔「何かを悟った雰囲気!?」

 

忍「陽子ちゃんは、サマータイムって知っていますか?」

 

陽子「サマー・・・夏休み的な!?」

 

忍「あはは。違いますよ〜。まぁ、上手く言う事は出来ませんが・・・」

 

陽子「絶対分かってないだろ!!」

 

圭太「何で知ったかぶりしたんだ!?」

 

アリス「シノったら・・・」

 

カレン「イギリスでは、今日はアリスタイムなのデスヨー!」

 

アリス「え!?」

 

忍「アリスタイム!?」

 

浩輔「どんな意味なんだ?それ。」

 

カレン「今日は1日アリスを独り占め出来るのデス!!」

 

圭太「何だそれ!?」

 

忍「ほほ〜。」

 

浩輔「それはそれは。」

 

アリス「ちょっともう!シノとコースケ信じちゃうから!」

 

綾「そうなの!?それは知らなかったわ!」

 

陽子「へぇ〜!」

 

圭太「信じちゃってる!?」

 

アリス「嘘だよ!?そんな日ある訳ないよ!!」

 

カレン「まぁまぁそんな怒鳴らないで下サイ。昔パンケーキ焦がした事まだ怒ってるデスか?」

 

アリス「いつの話してるの!?」

 

忍「(何だか、カレンの元気がないような・・・)成る程!アリスタイムですね!今日の所は、アリスを独り占めして下さい!ただし!明日からは私のアリスフィーバータイムですよ!!」

 

今日はカレンがアリスを独り占め。

 

アリス「もおお!私の意志はあ!?」

 

綾「喜んでるわね・・・」

 

 

 

 

 

 

九条家にアリスがお邪魔する。

 

カレン「髪型!昔Versionデス!」

 

アリス「わあ!懐かしい!どうかな?少しマムに似てきた?」

 

カレン「う〜ん・・・」

 

カレン・カレンのママ「5年後に期待。」

 

アリス「わあ!!親子揃って!!」

 

 

 

 

その後2人で遊ぶ。

 

アリス「はぁ〜。久し振りに英語喋ったような気がするよ〜!咄嗟に英語出て来ないね。」

 

カレン「アリス。日本に慣れ過ぎデス。そんなんじゃ、イギリス帰った時、あ・・・」

 

アリス「やっぱり元気ないね。」

 

カレン「あ!アリスには隠し事出来ないデスね・・・」

 

アリス「皆気付いてたよ?いつもより目の角度が下がってたよ?」

 

カレン「そんな細かい違いで!?実は昨日・・・」

 

 

 

 

 

 

昨日の学校。

 

穂乃花『カレンちゃんは、卒業したらイギリスに帰っちゃうの?』

 

カレン『え?』

 

穂乃花『ご、ごめんね!ちょっと気になっちゃったって言うか・・・』

 

カレン『進路・・・卒業・・・NGWordだと思ってたデス。』

 

穂乃花『何が!?』

 

 

 

 

 

 

そして今に至る。

 

カレン「今が楽し過ぎて・・・先の事はあまり考えてなかったデス・・・だから考えてみたんデスが!!oh my Godになってしまってーーーーーー!!」

 

アリス「カレンがそんなに悩むなんて・・・」

 

カレン「その内に、私は考えるのを止めて寝マシタ!」

 

アリス「寝ちゃった!?確かに。未来の事は分からないけど、少し先の事は考えた方がいいのかも。」

 

カレン「アリスはキッチリしてて偉いデス。」

 

アリス「カレンこそ。何が起きても明るく楽しめちゃうじゃない。」

 

パンケーキを焦がした時や、くノ一になった時も。

 

アリス「それに巻き込まれるのは・・・全部私だけどね・・・」

 

カレン「今から謝っておくデース!!!・・・フフッ。」

 

アリス「元気出た?」

 

カレン「デタデタ!出マシタ!高校最後の夏も楽しみデス!!」

 

すると母親に頭を掴まれ。

 

カレンのママ「遊んでばかりじゃダメよ?」

 

カレン「はひぃ・・・」

 

アリス「勿論勉強もね。」

 

 

 

 

 

 

一緒のベッドに入った。

 

カレン「ホノカナは、地元で同じ大学を目指してるって言ってマシタ。」

 

アリス「アヤとヨーコは女子大だって。コースケも大学、ケイタは俳優だって。」

 

カレン「アリスは?小学校?」

 

アリス「何で義務教育に戻ってるの!?うーん・・・私は何となく決まってはいるけれど。まだ迷っている最中だから、今は言えないの。」

 

カレン「エー?いけずデース!」

 

 

 

 

 

 

後日。アリスの部屋。アリスが母親宛にエアメールを書いてる。

 

『マム。夏休みは皆でカレンの別荘へ行って勉強合宿をしたよ。花火綺麗だったな〜。もう夏休み最後の日なのに、シノは外国の旅番組ばかり観ています。卒業後の進路が決まっていないのは、シノとカレンだけ。』

 

アリス「・・・・」

 

忍『キャーーーー!!』

 

アリス「っ!?」

 

突然の忍の叫び声。

 

 

 

 

 

 

その理由は。

 

忍「ヒャアアーーーーー!!!ヒィィーーーー!!!オォォーーーー!!!」

 

それは、忍の母とアリスの母の大学時代の写真を見て叫んでいたからだった。今日は圭太と圭太母が泊まりに来てる。

 

アリス「あ。それ大学の時の写真?」

 

忍の母「片付けてたら出て来てね。」

 

圭太「おばさん若い!」

 

勇「若いなぁ〜。」

 

圭太の母「本当ね〜。」

 

忍「ウッヒャーーーー!!」

 

アリス「シノしっかり!!人語を喋ってーーー!!」

 

勇「動物園・・・?」

 

忍「い、1回休憩しましょう・・・過剰摂取は体に毒です・・・ママは1日1回ですね・・・」

 

勇「何言ってるの・・・?この子・・・それにしても、親同士が国境を越えて友達で、その娘同士も友達で一緒に住んでいるなんて、運命的ね。」

 

忍「運命・・・とてもロマンティックな響きです。」

 

アリス「私達が友達になるのは運命だったんだね!」

 

忍「そしてきっと、前世は恋人同士だったんですよ!!」

 

アリス「そこは友達同士じゃないの?」

 

圭太「何?百合なの?」

 

忍「やっぱり、アリスとアリスマムは似ていますね。」

 

アリス「あ。」

 

圭太「確かに。アリスが大人になったみたいな容姿。」

 

忍の母「私からすると、アリスとマムはタイプが違うわね。」

 

アリス「え?どんな風に?」

 

圭太「何それ聞きたい!」

 

忍の母「アリスマムは、天然のお嬢様ってイメージね。蝶々追い掛けて戻って来ないような。」

 

アリス「へぇ〜!シノみたいだね!」

 

勇「一気にイメージダウンしたわ・・・」

 

圭太「想像に時間費やしたい・・・」

 

忍「どう言う意味です?お母さん!もっと大学時代のお話聞かせて下さい!」

 

忍の母「いいわよ。アリスマムは、出会った初日から仲良くなったんだよね。私から話し掛けて。」

 

アリス「コミュ力の高さは流石親子だよ!」

 

圭太の母「私の時も声掛けられてね。」

 

圭太「凄いなおばさん。」

 

忍「アリス。コミュ力とか関係なく、金髪少女を前にしたら話し掛けずにはいられなくなるのです!ね?お母さん。」

 

忍の母「同意を求めないで。」

 

 

 

 

 

 

大学時代。

 

忍の母『き、金髪少女!』

 

アリスの母『ん?』

 

忍の母『ひゃー・・・!!』

 

アリスの母『キンパツショウジョ?』

 

忍の母『ウッヒャーー!可愛いーー!!』

 

これが2人の初めての出会いだった。

 

 

 

 

 

 

忍の母「萌えたわよね〜。不覚にも。」

 

勇「全然娘の事を言えないじゃない!!」

 

圭太「血は争えないとはこの事か。」

 

忍の母「国の話や家族の話。親友みたいに色んな話をしたわ。そうそう!恋の相談も受けたのよね〜。」

 

 

 

 

 

 

大学時代。

 

アリスの母『あのね、実はこのあいだ告白されて・・・』

 

 

 

 

 

 

忍「一体何処の馬の骨ですか!!!!」

 

突然忍が父親みたいにキレ出した。

 

アリス「ダッドだよ!!」

 

圭太「アリスの親父さん!!」

 

忍の母「大学を卒業して、日本に帰ってから色々忙しくて全然会えなかったわ。住んでる所が違うと中々ね。」

 

アリス「そ、そうだよね。やっぱりイギリスと日本は遠いよね・・・」

 

忍「確かにそうかも知れませんが、どこにでもいけるドアがそろそろ開発されている頃なので。」

 

アリス「そんなものはないよ!?」

 

圭太「ドラえもんか!!」

 

忍の母「あはは。でも、今はこうやって繋がっている。それがとても嬉しいの。」

 

アリス「会えなくても、心は通じているんだね。」

 

忍の母「そう!後、インターネットでも通じてる!」

 

タブレットを出した。

 

圭太「タブレット!」

 

アリス「ハイテク〜!」

 

忍の母「定期的にビデオ通話で情報交換してるのよ?」

 

アリス「娘達の方がアナログだよ!」

 

手に持ってるエアメール。

 

忍の母「さて。そろそろ買い出しに行かなきゃ。」

 

アリス「私も行く〜!」

 

忍「荷物持ちしますよ!」

 

圭太「おばさん、俺も行くよ。」

 

忍の母「助かるわ〜!」

 

 

 

 

 

 

4人で買い出しに出掛けた。

 

忍「今日はアリスマムのお話を沢山聞けてお腹いっぱいですね〜!」

 

アリス「そうだね〜!」

 

圭太「アリスマムの意外な一面を聞けて新鮮だった〜。」

 

忍の母「ん?アリスマムだけじゃなくて、お母さんについては何かないの?」

 

忍「あわわわ!違うんです!!」

 

圭太「今のは誤解だよ誤解!!」

 

忍の母「今日は夕飯作らなくていいかな〜?お腹いっぱいだし。」

 

忍「お母さん!!」

 

圭太「ごめんって!!」

 

忍の母「あはは!冗談だよ冗談!」

 

忍「お母さんは凄いんです!!」

 

忍の母「ん?」

 

アリス「シノ?」

 

圭太「どした急に?」

 

忍「英語も喋れて、大学へ行って、尊敬しているんです!私なんていつもぼんやりしてて、金髪少女の事ばっかり考えてて・・・」

 

忍の母「確かに。」

 

忍「確かに!?」

 

忍の母「でも、悩んでる事は知ってる。だから大学時代の話を聞いたんでしょ?」

 

忍「あ!」

 

アリス「あ!」

 

忍の母「忍は実は色々考えている事も、忍の中に答えがあるのも知っているわ。いざって時に何でも頑張れる事もね!」

 

忍「私に出来るでしょうか?」

 

忍の母「出来るわよ!だって、私の娘だもの!」

 

アリス「シノマムーー!!」

 

圭太「おばさーーーん!!」

 

何故かアリスと圭太が号泣した。

 

忍「どうしてアリスと圭太君が泣くんですか!?」

 

アリス「何だかマムに会いたくなってきたよ・・・」

 

忍の母「じゃあビデオ通話してみる?」 

 

 

 

 

 

 

夜。タブレットを操作してビデオ通話開始。

 

アリスの母『ハーイ。』

 

圭太「アリスマムー!お久し振りですー!」

 

忍「アリスマムです!動いて喋ってます・・・!これリアルタイムですか!?」

 

勇「当たり前でしょ?」

 

圭太の母「幻だと思ってるの?」

 

アリス「ヒィィーー!!まさかこんなに文明が発達しているなんて!!!」

 

勇「若者の発言じゃない!?」

 

圭太「逆ジェネレーションギャップ!」

 

 

 

 

 

 

翌朝。

 

アリス「ふぁ〜・・・シノ起きて〜・・・今日から学校だよ〜・・・あれ?」

 

起こしに行ったが、ベッドに忍の姿がない。

 

忍「おはようございます!アリス!」

 

制服に着替え終えた忍が部屋のドアを開けた。

 

アリス「シノ!?シノが自分で起きるだなんて!あ、そっか。これは夢だね。早く起きなくちゃ。」

 

布団に潜って夢から覚めようとした。

 

忍「アリス!!遅刻してしまいますよ!!」

 

 

 

 

 

 

学校。アリスが落ち込んでる。

 

圭太「アリス。」

 

アリス「ケイタ・・・」

 

圭太「どうしたんだ?元気ないけど。」

 

アリス「うん・・・はぁ・・・」

 

ため息した瞬間。忍がアリスのため息をキャッチした。

 

忍「アリス!ため息つくと幸せが逃げてしまいますよ!勿体無いです!ああ・・・貴重なアリスの幸せが・・・私はどうしたら・・・スゥ〜。」

 

ため息を胸に当てた。

 

アリス「吸収した!?」

 

圭太「貴重なアリスのため息を取り込みやがった。」

 

忍「アリスの幸せは、私の幸せですので。」

 

アリス「そんな、お前のものは俺のものみたいに・・・」

 

圭太「何処のジャイアンだよそれ・・・」

 

忍「代わりに私の幸せを差し上げますよ!」

 

ギュッと抱き締めた。

 

圭太「お前アリスをもふもふしたいだけだろ。」

 

忍「・・・あれ?アリス、今日は何だか元気がないですね。」

 

アリス「うっ!そんな事ないよ!全然いつも通りの私だよ!?」

 

忍「いえ!アリスの平熱から金髪の本数を把握している私には分かります!」

 

アリス「そんな事まで!?」

 

圭太「ストーカー!?」

 

忍「それよりも、何か悩みがあるなら言って下さい。」

 

圭太「何があったのか聞かせてくれ。俺も協力する。」

 

忍「そうですよ。私達の仲じゃないですか。」

 

アリス「う、うん・・・あのねシノ・・・ケータ・・・実は・・・After I graduate, I'm going to university in the UK.But I can't bear living away from you. What should I do?」

 

英語で本心を打ち明けた。

 

『私、高校を卒業したらイギリスの大学に行くの。でもシノと離ればなれになるのは嫌だ。どうしよう!』

 

圭太「アリス・・・」

 

忍「え?何て?」

 

アリス「あうぅ!伝わらなきゃ意味がないよ!」

 

忍「ふふっ。やっぱりアリスの英語は癒されますね。」

 

アリス「シノ・・・もう1度!After I graduate, I'm going to university in the UK.But I can't bear living away from you. What should I do?」

 

圭太(私、高校を卒業したらイギリスの大学に行くの。でもシノと離ればなれになるのは嫌だ。どうしよう。アリス・・・)

 

心の中でアリスの英語を翻訳した。

 

忍「・・・まぁ!おかわりありがとうございます!!」

 

圭太「何が!?」

 

アリス「違うよー!私のバカバカーーーー!!」

 

伝われなくてヘアバンドした。

 

忍「アリス!?大丈夫ですか!?」

 

 

 

 

 

 

その後アリスは皆と距離を取る。

 

綾「確かに様子が可笑しいわ。」

 

浩輔「でも圭太は理解して傍に居てあげてる。」

 

 

 

 

アリス「はぁ・・・」

 

圭太「元気出せよ。」

 

 

 

 

カレン「凄く悩んでマス!」

 

陽子「1年の時、ちょっとホームシックになった時に似ているな。」

 

忍「マムともビデオ通話で話していますし。それはなさそうですよ?」

 

陽子「まぁそうだよね。」

 

浩輔「じゃあ一体何が・・・」

 

綾「だとしたらやっぱり・・・恋の悩み以外考えられないわね!!」

 

陽子「言うと思ったよ。」

 

浩輔「恋の悩みって、もう恋まっしぐらだな。」

 

綾「アリスは恋しているのよ!でも告白する勇気が出ないの!」

 

陽子「アリスが・・・大人になったもんだ。」

 

浩輔「んで、告白する相手は?」

 

綾「恐らく圭太ね。いつもアリスの相談相手になっているし、その時に距離が縮んだとか。」

 

陽子「まさか。」

 

浩輔「ないない。圭太に限ってねぇよ。」

 

綾「出会った頃は、あんなに小さかったのに。あんなに・・・あんなに小さかったのに・・・」

 

何故か赤ん坊時代まで遡った。

 

陽子「その頃は知らないだろ!!」

 

浩輔「扱い酷くね!?」

 

綾「何かショックね。アリスは全世界の妹なのに・・・」

 

陽子「アリスの事で皆悩み出した!!」

 

浩輔「1年の頃の俺かよお前!!」

 

忍「あの・・・実は私も、アリスに告白したい事があるんです。」

 

綾「アリスに告白!?何そのシチュエーション!?少女漫画みたいだわー!!」

 

陽子「ベタだなぁ〜。」

 

浩輔「全くだな。」

 

綾「そうだわ!アリスが告白する前にシノが告白すればいいのよ!!」

 

忍「あ、えっと・・・私は別に愛の告白ではなく・・・どうぇ!?」

 

綾「セッティングは任せて!!」

 

忍「綾ちゃんがイキイキしています!?」

 

陽子「お、おい!!」

 

浩輔「待てよ綾!!おい!!」

 

 

 

 

 

 

図書室。

 

忍(今朝のアリスは、私に何かを伝えようとしていました。圭太君はすぐ理解してくれました。あれは何て言っていたのでしょう?単語は幾つか聞き取れたのですが・・・早口はネイティヴ過ぎて難易度高過ぎです!)

 

綾「ねぇシノ。勝負服コーデについてだけど。」

 

着物の雑誌を見せた。

 

陽子「勉強の邪魔をするな!」

 

 

 

 

 

 

一方アリスと圭太は。

 

圭太「アリス。おいアリス。」

 

アリス「はっ!悩んでたらいつの間にかもう放課後だよ!!」

 

圭太「物凄い時間食ったな。そろそろ帰ろ?」

 

アリス「うん。」

 

綾「アリス!圭太!」

 

アリス「アヤ!」

 

圭太「お前らどうした?」

 

綾「今日は私達用事があるから、しのと3人で帰ってくれる?」

 

アリス「え?いいけど。」

 

圭太「ってか何で俺も?」

 

 

 

 

2人が教室から出ると。

 

アリス「うわっ!?」

 

圭太「はえ!?」

 

忍「はぁ・・・はぁ・・・アリス圭太君帰りましょう・・・」

 

苦しい着物が勝負服。

 

アリス「何で着物着てるの!?」

 

圭太「よく持って来れたな!それ!」

 

忍「アリスが好きな服なので・・・」

 

アリス「好きだけど!!」

 

 

 

 

 

中庭。忍が告白のセリフをメモったメモ帳を読む。

 

忍「月が綺麗ですね。」

 

※I love youの意。

 

アリス「シノ・・・」

 

忍とアリスが同じベンチ。その隣に圭太が距離を取って座ってる。

 

 

 

 

綾「きゃー!いい感じだわ!」

 

浩輔「圭太に告白される前の勝負・・・」

 

 

 

 

アリス「シノ・・・今日は1日ボーッとしててごめんね・・・」

 

忍「いえ。私もアリスの悩みに気付かなくてごめんなさい。」

 

アリス「・・・・」

 

忍「伝わりましたよ。アリスの英語。」

 

2人がベンチから立ち上がって歩き出す。

 

忍「アリスは卒業したら、イギリスへ帰ってしまうのですね。」

 

アリス「あ!」

 

圭太(やっと翻訳したか。)

 

アリス「わ、私の英語を理解出来るなんて!!何奴!?」

 

忍「忍ですけど。正確には言葉ではなく、心を読み取ったのですが。」

 

アリス「翻訳してない!?」

 

圭太(意味ないじゃん!!)

 

忍「それでアリス。」

 

アリス「ん?」

 

忍「私の告白を、聞いてくれますか?」

 

アリス「ええ!?何・・・?」

 

忍「私・・・お母さんの通ったイギリスの大学へ行きたいんです!!」

 

アリス「っ!!」

 

忍「ずっと考えていたのですが・・・言い出せなくて・・・アリス達と離ればなれになるのが怖かったのかも知れません・・・」

 

アリス「私も・・・シノと離れたくなくて言えなかったの!!」

 

忍「・・・私達、考えてる事は一緒だったのですね!」

 

 

 

 

綾「ちょっと!!」

 

 

 

 

忍・アリス「わああ!?」

 

圭太「綾!?」

 

綾「告白のベクトルが違うわよ!!」

 

茂みから他の3人も出て来た。

 

アリス「皆居たの!?」

 

浩輔「すまんアリス!!」

 

 

 

 

アリス「びっくりさせちゃってごめんね。」

 

陽子「確かに驚きの大告白大会だったけれど。」

 

綾「うん。何とか納得だわ。」

 

浩輔「中学の時にイギリス留学って言ってたもんな。」

 

 

 

 

7人で下校。忍は制服に着替えた。

 

綾「それにしても、海外留学ね。」

 

圭太「中学の頃の伏線が回収されたな。」

 

陽子「アリスは兎も角、しのは心配だな。」

 

圭太「通えるのか?お前。」

 

忍「大丈夫です。私イギリスの料理大好きですので。」

 

陽子「食文化の心配じゃなくて学力の心配だよ!!」

 

綾「後進路が決まってないのは、カレンだけね。ん?カレンは?」

 

圭太「あれ?さっきまで居たんだが・・・」

 

 

 

 

 

 

学校に戻ってカレンを探す。

 

陽子「カレン何処だー!」

 

浩輔「カレン出て来ーい!」

 

教室、廊下、図書室を隈なく探すが何処にも居ない。

 

 

 

 

居なくなったカレンは、暗い空間に隠れて泣いていた。

 

カレン「うぅ・・・」

 

アリス・圭太「カレン。」

 

カレン「ギャアーー!!」

 

蓋を開けてカレン発見。

 

カレン「な、何故バレたデス!?」

 

アリス「こんな不自然な段ボールがあったら普通気付くよ。」

 

圭太「屋上にでっかい段ボール。ってかその段ボール、1年の頃にやったかくれんぼの時俺が使った奴じゃねえか。」

 

カレン「・・・・」

 

圭太「何で隠れたのか、話してくれるか?」

 

 

 

 

 

 

段ボールから出て、2人に話した。

 

カレン「私・・・アリスとシノのイギリス留学応援したいです・・・でも・・・私本当は・・・アリスと離ればなれになるのは嫌です・・・なのにアリスは私を置いて遠くへ行くのデス・・・嬉々として・・・」

 

圭太「ブッ!」

 

アリス「語弊があるよ!!ってカレン・・・もしかして・・・」

 

カレン「いつもなら、アリスがイギリス帰るって言うなら私も付いて行くって言ってたと思うデス・・・でも私・・・日本での生活が楽しくて・・・まだもう少し日本でしか出来ない事をやりたいのデス・・・アリスも好きですが・・・日本も好き・・・私はどうしたら・・・」

 

アリス「国と天秤にかけられてる・・・!?」

 

圭太「それがカレンの本音か。」

 

カレン「はい・・・」

 

アリス「カレンはカレンのやりたい事をして欲しいな。それに、日本とイギリスって思っている程遠くないんだよ?」

 

カレン「OH・・・」

 

そこに忍達4人が来た。

 

陽子「居た!」

 

忍「カレン!居ました!」

 

浩輔「心配したんだぞ!」

 

 

 

 

 

 

下校中。

 

綾「それじゃあカレンは日本に残るのね。」

 

陽子「よく決断したな。」

 

浩輔「またアリスと離れちゃうのに。」

 

カレン「寂しくなったら会いに行きマス。隔週位で!」

 

アリス「隔週!?」

 

陽子「九条家の財力だったらやりかねない・・・」

 

忍「私達の方が寂しくなってしまうのかも。」

 

アリス「それは大丈夫。」

 

カレン「日本の大学でアリスみたいな小ちゃい子と仲良くなっちゃいマス。」

 

アリス「ちょっと何それ!?カレン!!」

 

逃げるカレンをアリスが追う。

 

陽子「弄ばれてる。」

 

綾「今度はアリスがカレンを追い掛けに行きそうね。」

 

圭太「そう言やカレン。志望校はどうなった?」

 

カレン「ン?えっと・・・この大学とか。」

 

スマホで志望校を見せる。

 

陽子「って私達の行きたい女子大じゃん!!」

 

カレン「大学行っても宜しくデス!」

 

陽子・綾「軽!!」

 

浩輔「どんだけ余裕持ってんの君は!?」

 

陽子「そうだよ!私と成績変わんないのに!」

 

カレン「まぁ、何とかなると思って。」

 

圭太「心配だ・・・」

 

アリス「アヤ。カレンを宜しくね。」

 

綾「任せて。」

 

 

 

 

 

 

図書室。いよいよそれぞれの進路に向けて、圭太を除いた忍達6人は受験モードに入った。

 

浩輔「ここがこうで・・・ここが・・・これだな。」

 

陽子「あ・・・」

 

綾「あ!」

 

突然陽子がダウンした。

 

綾・浩輔「陽子!」

 

忍「陽子ちゃん!」

 

アリス・カレン「ヨーコ!」

 

陽子「あはは・・・昨日ちょっと頑張り過ぎたかな・・・?」

 

HPが残り僅か。

 

カレン「ヨーコが瀕死状態デス!」

 

忍「ゲッソリしてますね。」

 

浩輔「やる気スイッチが限界に達したか!?」

 

アリス「アヤ!これ以上ヨーコの生気を奪わないで!」

 

綾「私のせいなの!?」

 

 

 

 

 

 

冬の夜の大宮家。

 

勇「金髪立ちねぇ。」

 

忍の母「そう。アリスちゃん達に頼り過ぎるからって。」

 

 

 

 

忍の部屋を覗く。

 

勇(え?)

 

忍はまだ勉強をしていた。

 

勇(いつもならとっくに寝ている時間なのに。)

 

ドアをそっと閉じた。

 

勇(忍は昔から好きなものに一直線で・・・イギリスのホームステイも、私の心配とは裏腹に一回りや二回りも外国愛を大きくして帰って来た。ちょっと羨ましい。)

 

 

 

 

忍「ん〜・・・!・・・アリス。待っていて下さいね。」

 

”コンコン”

 

忍「はーい!」

 

勇「優しいお姉様が夜食を作ってあげたわよ。」

 

忍「ええ!?あ、あの、あの・・・」

 

勇「大丈夫よ!お母さんに手伝って貰ったんだから。」

 

忍「それならば・・・ありがとうございます!

 

勇「失礼過ぎるわ。・・・忍の好物にしてみたの。」

 

フィッシュ&チップス。

 

忍「夜食のメニューじゃないです!」

 

でも頂く。

 

忍「あ!でも美味しいです!良い感じです!」

 

勇「当然よ。ま、本場の味には敵わないだろうけど。勉強頑張ってイギリスで食べて来なさい。」

 

忍「お姉・・・ちゃん・・・?」

 

勇「私だって一応・・・応援してるんだから・・・」

 

忍「・・・優しさが怖い!!」

 

勇「怯える場面じゃないわよ・・・」

 

 

 

 

フィッシュ&チップス完食。

 

勇「っで、金髪立ちはどう?」

 

忍「頑張って集中しているのですが・・・そろそろ金髪少女が・・・」

 

金髪少女の人形に手を伸ばす。

 

勇「ダメじゃない。」

 

忍「やっぱり私には、好きなものが近くにあった方がパワーを貰えます。金髪少女。外国の本。友達。家族。お姉ちゃん。」

 

勇「私?」

 

忍「はい!いつも沢山パワーをくれてありがとうございます!」

 

勇「・・・お、おかわり作ってあげるわ!!」

 

忍「それはもう結構です。」

 

勇「ん?何ですってーー!?」

 

忍「ご、ご、ごめんなさーーい!!」

 

 

 

 

リビングで忍の母が紅茶を淹れていると。

 

忍の母「あ。」

 

外に雪が降り始めた。

 

 

 

 

 

 

お正月の神社。

 

烏丸先生「気合入ってますね。」

 

久世橋先生「はい!今年は生徒達にとって大事な年ですから!センター試験目前ですし。私に出来るのは神に祈る事だけ!」

 

烏丸先生「ああ!お財布落としちゃった。」

 

久世橋先生「落ち!?」

 

烏丸先生「あらあら色々落ちまくり。」

 

バッグから物を落としてる。

 

久世橋先生「わざとですか!?」

 

烏丸先生「まぁまぁ。先生が受験する訳じゃないんですから。」

 

久世橋先生「それはそうですが・・・」

 

烏丸先生「お賽銭幾ら入れます?」

 

久世橋先生「っ!」

 

一万円札。

 

烏丸先生「一万円!?奮発し過ぎでは・・・?」

 

久世橋先生「これは九条さんの分!これは猪熊さんの分!これは・・・小路さんの分・・・これは・・・」

 

大量の一万円札。

 

烏丸先生「まさか生徒皆の分!?止めて下さい!破産してしまいます!!」

 

 

 

 

 

 

お参り終えた後。

 

久世橋先生「結局一万円札のみにしましたが・・・これで皆の願いが叶うのでしょうか・・・」

 

烏丸先生「充分過ぎます!気持ちは分かりますが、もっと生徒の力を信じて下さい!」

 

久世橋先生「そうですよね・・・すみません!烏丸先生は受験の時に願掛けとかしました?」

 

烏丸先生「しましたよ?1日1回、合格の舞を踊っていました。」

 

久世橋先生「合格の舞?」

 

烏丸先生「実際に合格しましたし。効果はあったと思うわ。」

 

久世橋先生「成る程!是非教えて下さい!」

 

合格の舞。

 

烏丸先生「ホッホッホー!ホッホッホー!ホッホッホー!ホッホッホー!ホッホッホー!ホッホッホー!ホッホッホー!ホー!」

 

久世橋先生「あ、もう始まってます・・・?」

 

烏丸先生「恥を捨て、煩悩を取り払う為です!!」

 

久世橋先生「は、はい!!」

 

烏丸先生・久世橋先生「ホッホッホー!ホッホッホー!ホッホッホー!」

 

合格の舞を踊る。

 

 

 

 

それを見てる陽子の弟の空太。

 

美月「空太。何見てるの?」

 

空太「うん。何か変な踊りを踊ってる人達が居たから。」

 

美月「あんまり見ない方がいいよ。」

 

空太「絵馬書けた?」

 

美月「一応。比奈は?」

 

比奈「私は女子力アップ!」

 

空太「そう言えば比奈のお姉ちゃんって、もう受験合格してるんだよね?」

 

比奈「うん!」

 

彼女の名前は日暮比奈。香奈の妹である。

 

美月「優秀ね。」

 

比奈「美月は何て書いたの?」

 

美月「え!?えっと・・・身長アップ・・・かな・・・?」

 

比奈「何で隠すの?」

 

美月「別に!特に意味はないけど!」

 

空太(嘘だな。)

 

美月「もういいから!早くおみくじ引きに行くよ!」

 

比奈「えー?」

 

 

 

 

美月の絵馬には、『お姉ちゃんが合格できますように』と書かれてあった。

 

空太「被った。フッ。」

 

美月「空太ー!早くー!」

 

空太「はいはい。」

 

彼も姉の合格祈願を書いたのだった。

 

 

 

 

湊「お参り何願った?」

 

勇「妹の学力が上がるように願っておいたわ。」

 

湊「あはは。優しい。」

 

 

 

 

若葉「これでお願い叶えられそうです。」

 

智流「だからって札束持って来んなよ。」

 

光明「あはは。若葉ちゃん相変わらず〜。」

 

真魚「ねぇねぇ、おみくじ引きに行くっすよ!」

 

 

 

 

烏丸先生「カレンさん達は初詣来てるでしょうか?」

 

久世橋先生「いえ!人混みは出来るだけ避けるべきです!!風邪でも引いたら大変!受験生こそいつも通りの生活を心掛けないと・・・」

 

その時、『HAHAHAHAHAHA』と言う笑い声が聞こえた。

 

久世橋先生「!?」

 

 

 

 

陽子「うわあ!やったなー!?」

 

雪合戦してる陽子とカレン。その近くに忍とアリスと圭太。

 

 

 

 

久世橋先生「いつも通り・・・コラー!この大事な時期に何してるんですか!!」

 

カレン「久世橋先生!!」

 

圭太「烏丸先生まで!!」

 

忍・アリス「明けましておめでとうございます!」

 

カレン「久世橋先生も初詣に・・・ヘ・・・ヘ・・・ヘクチッ!」

 

久世橋先生「ヒィッ!?ほら言わんこっちゃない!そんな薄着で遊んだりするから!!」

 

自分のコートとマフラーでカレンを温めてあげた。

 

久世橋先生「全く!受験生としての自覚が足りないんですよ!はっ!また私が生徒に酷い事を・・・」

 

カレン「3年になって担任の先生が変わったので、何だか久し振りデス。やっぱり久世橋先生に叱られると背筋が伸びマース!」

 

久世橋先生「九条さん・・・だったら!!もっともっと叱ってあげます!!」

 

ギリギリとカレンを抱き締める。

 

カレン「もう充分デス・・・!」

 

圭太「先生!カレンが苦しんでます!!」

 

綾「わーーーー!!」

 

おみくじを引いた綾が笑顔になって戻って来た。

 

アリス「アヤ?どうしたの?」

 

綾「聞いて?さっきおみくじ引いたんだけど、何と大吉だったのー!」

 

アリス「いいなー!私も引こっと!」

 

圭太「俺も引くか。」

 

 

 

 

2人がおみくじを引くと、2人共大吉が出た。

 

アリス「私も大吉だった!」

 

カレン「私もデス!」

 

圭太「俺も大吉だ!」

 

忍「ヒャー!私もですよ!」

 

綾「もしかして大吉しか入ってない!?」

 

陽子「ギャアアーーーーー!!」

 

浩輔「ウギャーーーーーー!!」

 

しかし浩輔と陽子は凶だった。

 

陽子「凶じゃん!!」

 

浩輔「最悪じゃん!!」

 

綾「え!?嘘でしょ!?運だけあると思ってたのに!?」

 

忍「陽子ちゃん!浩輔君!しっかりして下さい!私去年大凶でしたが、幸せな1年でしたよ?」

 

圭太「ポジティブだな。」

 

陽子「受験の年に凶を引いた事が問題なんだよ・・・」

 

浩輔「どうしよう・・・神様に見放され・・・」

 

陽子「私は・・・」

 

浩輔「俺は・・・」

 

2人が真っ暗になった。

 

忍「あわわわ!陽子ちゃんと浩輔君が細長く!」

 

久世橋先生「大丈夫です!良い方法があります!」

 

浩輔「久世橋先生・・・?」

 

久世橋先生「烏丸先生の合格の舞です!これを踊れば合格間違い無しです!」

 

陽子「マジで!?教えて!!」

 

浩輔「久世橋先生!お願いします!」

 

久世橋先生「さぁ!私に続いて踊って下さい!!」

 

合格の舞を3人が踊る。

 

陽子・浩輔・久世橋先生「ホッホッホー!ホッホッホー!ホッホッホー!」

 

綾「何これ・・・?」

 

陽子・浩輔・烏丸先生・久世橋先生「ホッホッホー!ホッホッホー!ホッホッホー!」

 

 

 

 

周りの参拝客の注目を浴びながらも踊り続ける。

 

比奈「美月、何見てるの?」

 

美月「え?何も・・・」

 

空太「現実から目を逸らすなよ・・・」

 

 

 

 

勇「湊、どうしたの?」

 

湊「ううん・・・(何やってるのよあの弟・・・)」

 

 

 

 

智流・光明「・・・」

 

萌子「智流君?どうしたの?」

 

直「何だあの踊り?」

 

智流「何でもない。行こ?」

 

光明「見なかった事にしとこう。」

 

 

 

 

 

 

数日後の大宮家。

 

アリス「そわ・・・そわ・・・そわ・・・そわそわそわそわそわ・・・」

 

今日のアリスはそわそわして落ち着きがない様子。そわそわアリスを忍がビデオで撮ってる。

 

アリス「うわああ!?ちょっとシノ!!何撮ってるのー!?」

 

忍「アリスがそわそわしているので、お手洗いを我慢しているのかなって。」

 

アリス「違うよ!!それで撮るってどう言う事なの!?」

 

忍「では何故そわそわダンスを?」

 

アリス「センター試験だよ。今日でしょ?私とシノは起きないけど皆が心配で・・・」

 

忍「ああ、成る程。それならきっと大丈夫ですよ。それより、卒業旅行についてなんですけど!」

 

アリス「軽!?シノ!今皆はそれ所じゃないの!!全員無事に合格出来なかったら旅行は無しだよ!!」

 

忍「え!?お、踊らなきゃ!!合格の舞を!!」

 

アリス「そわそわ〜・・・」

 

そわそわダンスと合格の舞のコラボ。

 

勇「2人共何で踊ってるの・・・?」

 

 

 

 

 

 

女子大の試験が終わった。

 

陽子「うぅぅ・・・何とか終わった・・・帰りにどっか寄ってく?お腹ペコペコだよ。」

 

綾「それより、しのとアリスと圭太に無事終わったって連絡しなきゃ。」

 

穂乃花「あれ?彼処に居るのって。」

 

校門前でバテてる忍とアリスが居た。

 

陽子「アリス!!」

 

綾「しのも!」

 

陽子「何があった!?」

 

アリス「うぅぅ・・・み、皆の為に・・・私達も何かしたくて・・・踊り続けたんだよ!合格の舞を!」

 

綾「どうしてそんな無意味な事を!?」

 

浩輔「お。皆終わったみたいだな。」

 

綾「浩輔!試験は終わったの?」

 

浩輔「まぁな。後は合格を待つのみ。」

 

陽子「丁度良かった。浩輔も一緒にどっか寄ってく?お腹ペコペコで。」

 

浩輔「頭の使い過ぎで空腹が増したか。圭太も誘うか。」

 

 

 

 

 

 

松原家が営むレストランへ。

 

アリス「皆お疲れ様〜。」

 

綾「アリスもね。」

 

忍「センター試験が終わったら、次は二次試験ですね。」

 

綾・カレン・穂乃花「ウッ!」

 

浩輔「うわぁ・・・」

 

陽子「それな・・・」

 

忍「ああ!陽子ちゃんが細長く!」

 

圭太「お前が抉ったせいだろ?」

 

綾「頑張って陽子!後1ヶ月の辛抱よ!」

 

陽子「受験が終わるか・・・私が消滅するかのデッドヒート状態だよ・・・」

 

圭太「凄えバトルだな・・・」

 

カレン「HAHAHA!ヨーコ消えるデスか!」

 

陽子「何が可笑しい!!!」

 

浩輔「陽子堪えろ!!」

 

穂乃花「カレンちゃん、いつも以上にテンション高い気が・・・」

 

綾「まだ受験が終わってないのに緊張感がないわ。」

 

アリス「ん〜・・・」

 

カレン「HAHAHAHAHAHA!」

 

アリス「あれは空元気だと思うよ?」

 

綾「そうなの?」

 

圭太「本当だ。目が真っ黒。」

 

穂乃花「そう言えば、いつもより目尻が下がっているかも。」

 

アリス「それによく見て!お団子はいつもより逆だし!靴下もバラバラだよ!」

 

お団子ヘアーは逆。靴下は左右別々のを履いている。

 

綾「本当だわ!」

 

穂乃花「分かり易く同様している!」

 

浩輔「違和感の正体はこれか!」

 

アリス「カレン!ボーッとしている場合じゃないよ!」

 

カレン「ボーッとなんてしてマセン!」

 

アリス「本当?二次試験でうっかり忘れ物なんてしない?」

 

カレン「アリスが心配せずとも忘れ物なんて!」

 

アリス「はい。私の鉛筆貸してあげる。これなら忘れないでしょ?」

 

カレン「?」

 

陽子「何それいいな!私にも!」

 

綾「言い値で買うわ!」

 

圭太・浩輔「必死!?」

 

カレン「アリスのエンピツ・・・イギリスに居た時にも貸してくれマシタネ。」

 

アリス「返すのは、合格してからで良いからね。」

 

カレン「お守りになりマス!アリガトウゴザイマス!早速エンピツ転がす用に数字を書くデス。」

 

アリス「止めて!!」

 

陽子「ん!お守りなら私も持ってる!中学の時に綾に貰ったヘアピン!」

 

綾「陽子!まだ持っててくれてたの!?」

 

陽子「私の完璧な計画を聞いてくれ!これを身に付けて綾の生き霊を憑依させる!そして綾に良い点を取って貰うんだ!!」

 

圭太「憑依させんなよ!」

 

忍「その間綾ちゃんはどうなるんですか?」

 

陽子「えっと・・・寝てる?」

 

浩輔「ダメじゃん!!」

 

綾「何処が完璧な計画よ!!冗談じゃないわ!!」

 

穂乃花「私も!カレンちゃんから貰ったリボン着けて頑張るからね!」

 

ユニオンジャックカラーのリボン。

 

カレン「YES!カレンPOWERで絶対合格間違い無しデース!」

 

穂乃花「カレンちゃん大明神様ー!」

 

圭太「浩輔はお守りあるのか?」

 

浩輔「これだ!姉ちゃんから貰った合格祈願のお守り!これを肌身離さず合格してやるぜぃ!!」

 

圭太「湊さん流石。」

 

綾「わ、私だけお守りがない・・・ちょっと待って!誰か私にも何か頂戴!!」

 

お守りがない綾に、忍がお守りをあげた。

 

忍「綾ちゃん。私の作ったお守りを受け取って下さい。」

 

綾「しの・・・!」

 

忍「このこけしの髪飾りに、私の金髪愛を込めました!」

 

綾「ヒィ!?」

 

アリス「わぁー!綾いいなー!」

 

圭太「欲しいんだ。」

 

綾「・・・・・・」

 

忍「あれ?あんまり嬉しくないですか?」

 

綾「え!?ううん、あ、ありがとうしの。きっと力になってくれるわ。」

 

こけしの髪飾りを着けた。

 

綾(何だか、邪念が流れて来るような・・・)

 

陽子「無駄にハンデ背負ってない!?」

 

 

 

 

 

 

後日の学校。

 

生徒「先生!大学受かったよ!」

 

烏丸先生「おめでとう!!」

 

 

 

 

職員室。

 

烏丸先生「うぅぅ・・・合格報告が続々と・・・嬉しいですね!」

 

久世橋先生「はい。ですが嬉しい報告だけではないのもまた事実・・・運命は神のみぞ知るものです・・・」

 

カレンのぬいぐるみを見詰めながら悟る。

 

烏丸先生「それ手作りですか?そう言えば、カレンさん達の二次試験って明日ですよね?」

 

久世橋先生「う、嘘ぉー!?」

 

烏丸先生「何で把握してないんですか!?」

 

久世橋先生「合格祈願のぬいぐるみ作りに没頭し過ぎて!」

 

カレンの他に陽子、綾、浩輔、穂乃花のぬいぐるみも作ってた。

 

烏丸先生「作り過ぎです!!」

 

他にも圭太と忍とアリスと生徒達のぬいぐるみも作ってた。

 

久世橋先生「どうしよう!!九条さん!!大丈夫ですか!?何とか言って下さい!!」

 

烏丸先生「久世橋先生。それはぬいぐるみです。」

 

 

 

 

 

 

後日の大宮家。

 

カレン「アリスー!」

 

アリス「カレン!皆も!」

 

二次試験を控えた陽子達がお邪魔した。

 

忍「どうしたんですか?今日は二次試験の日じゃ。」

 

カレン「やるだけ頑張ったので、アリスのPOWERを貰いに来マシタ!」

 

陽子「皆!アリスの学力を吸収するんだ!」

 

アリス「えええーーー!?」

 

4人がアリスを抱き締めて学力を吸収しようとしてる。

 

忍「私の金髪愛も差し上げますよ〜。」

 

陽子「止めろ!余計なものを入れるな!!」

 

 

 

 

外に出た。

 

綾「2人の顔を見ると、緊張が解れたような気がする。」

 

陽子「やるだけやって来る!」

 

穂乃花「朝からお邪魔しました。」

 

カレン「行って来るデース!」

 

アリス「皆!待ってるね!」

 

忍「全力で応援しています!」

 

4人が二次試験へ向かう。

 

アリス「大丈夫かな?私の方が緊張するよ。」

 

忍「大丈夫ですよ。皆すっごく頑張っていましたから。絶対何とかなりますよ!」

 

アリス「相変わらず軽いけど・・・うん!シノが言うと大丈夫な気がしてきた!」

 

忍「はい!」

 

 

 

 

 

 

4人が二次試験へ向かう途中。

 

陽子「お!圭太!」

 

前を横切る圭太の姿を発見。

 

圭太「よう皆。今日は二次試験だな。」

 

綾「ええ。浩輔は大丈夫なの?」

 

圭太「ああ。昨日の二次試験を終わった後すっごいグッタリしてた。」

 

穂乃花「香川君はどう?」

 

圭太「ああ。卒業後は俺をスカウトした事務所へ所属する。タレントは初めてで緊張する〜・・・そうだ皆、俺からのパワーを分けてあげようか?」

 

カレン「OH!ケイタPOWER!」

 

圭太「これを使ってくれ。」

 

4人に紺色の石をあげた。

 

穂乃花「石?」

 

圭太「パワーストーンだ。そいつはソーダライト。学力・理解力・判断力・話術の向上、理想的な行動に導く意味が込められてる。これで二次試験を突破出来る事を願ってるぜ。」

 

陽子「凄ぇ!」

 

綾「ありがとう圭太!」

 

カレン「ではケイタ!行って来るデース!」

 

穂乃花「頑張るね!」

 

圭太「おう!」

 

 

 

 

 

 

女子大。二次試験会場。

 

陽子「よし皆!!持てる力の全てを出して頑張るぞ!!」

 

綾・カレン「オーーー!!」

 

陽子「お守りも着けて来た!」

 

カレン「私はアリスのエンピツデス!」

 

綾「・・・・・」

 

カレン「アヤヤ大丈夫デスカ?」

 

陽子「そして私達には、圭太から貰ったパワーストーンがある!これで絶対合格だ!」

 

 

 

 

 

 

二次試験が始まった。彼女達はお守りの力を借りて次々と解答する。

 

 

 

 

 

 

夕方の大宮家。

 

忍「お・・・お帰りなさいませ・・・」

 

そわそわダンスと合格の舞を踊り続けていたこの2人。

 

アリス「し・・・試験どうだった・・・?」

 

4人は泣いてる。

 

アリス「結果が出る前から!?」

 

陽子「何かもう・・・全然自信ない・・・」

 

アリス「・・・カレンは?」

 

カレン「滑り止めは落ちてるし・・・手応えもゼロで・・・何の自信もありません・・・」

 

忍「標準語です!?」

 

カレン「もし大学落ちたら・・・遊び人になります・・・」

 

その場で倒れたが、綾が受け止めた。

 

綾「嫌よ!カレンも一緒じゃなきゃ!2人が落ちたら私も一緒に落ちる!!!」

 

陽子「おい!勝手に不合格にするな!まだ分かんないだろ!」

 

綾「陽子と一緒の大学行けなかったら、私の女子大生ライフはどうなるの!?」

 

陽子「そんな事言われても・・・」

 

忍「大丈夫ですよ。皆あんなに頑張ってましたから。お守りの力を信じましょ?」

 

綾「そ、そうね。」

 

アリス「合格発表が楽しみだね〜。」

 

忍「そうですね〜。」

 

陽子「他人事だと思って・・・」

 

カレン「・・・アリス・・・」

 

アリス「どうしたの?カレン。」

 

カレン「合格発表・・・アリスに確認して貰いたいデス・・・」

 

アリス「もう、仕方無いな〜。」

 

忍「弱ってるカレンも美しい!何かに目覚めそうですね!」

 

陽子「しのはもう色々目覚めてるだろ?」

 

 

 

 

 

 

女子大の入試合格発表日。

 

綾「遂に・・・この日が・・・」

 

陽子「震えが止まらねえ・・・」

 

カレン「アリス!宜しくデス・・・!」

 

アリス「任せて!!」

 

妖精コスチュームのアリス誕生。

 

陽子「何だその格好!?」

 

忍「特製!桜咲くコスチュームです!!全ての受験生へ合格の願いを込めました!!」

 

陽子「落ちたらどうするんだ!!!」

 

アリス「行って来る!」

 

人混みの前に立って、頑張ってジャンプして数字を見ようとしてる。

 

アリス「・・・・」

 

陽子「諦めるな!!」

 

綾「ファイトーーーー!!」

 

 

 

 

人混みの中を掻い潜って合格発表へ目指す。

 

アリス「!」

 

後ろでは陽子と綾とカレンが拝んでる。

 

 

 

 

アリス「・・・!!」

 

 

 

 

綾「戻って来たわ!」

 

陽子・カレン「っ!!」

 

アリスが涙目になりながら戻って来た。

 

陽子「え?どっちだこれ・・・!?」

 

戻って来たアリスが泣いてしまった。

 

カレン「アリス!!はっきり言って下サイ!!」

 

綾「私達!もう覚悟出来てるから!」

 

アリス「・・・あった・・・!番号!!!」

 

陽子・綾・カレン「・・・!!!!」

 

3人は無事合格出来たのだ。

 

陽子・綾・カレン「ヤッターーーーー!!!!!」

 

忍「おめでとうございますカレン!!!」

 

アリス「良かったーーー!カレンーーー!!」

 

カレン「私より2人の方が泣いちゃってますデス!!」

 

陽子・綾「ヤッターーー!!ヤッタヤッター!!」

 

アリス「あ!!ごめんヨーコ!アヤ!2人の番号はまだ見てないの!!!」

 

陽子・綾「ぬか喜び!?」

 

確認出来たのはカレンの番号だけで、陽子と綾の番号はまだ未確認。

 

 

 

 

自分達の番号を確認しに行く。

 

綾「怖い!陽子見て来て!!」

 

陽子「こんな序でみたいな感じで良いのか!?」

 

2人の番号は『363』と『365』。その番号が合格発表にあった。

 

陽子「あ・・・あ・・・あったーーーーー!!2人共あったよ綾ーーーー!!」

 

合格出来て綾を抱き締めた。

 

綾「な、何するのよバカーーー!!」

 

抱き締める陽子を突き飛ばした。

 

陽子「何で!?」

 

 

 

 

こうして3人は無事合格出来た。

 

アリス「本当に、皆合格出来て良かったよ。」

 

カレン「これでアヤヤの闇落ちは免れマシタネ。」

 

綾「ええ。危ない所だったわ。」

 

アリス「否定しなんだ!?」

 

ダークアヤヤ。Lv.99。

 

カレン「これで晴れて卒業旅行に・・・ン?何か視線を感じるような・・・あ!」

 

その視線の正体は、木の後ろから覗いてる穂乃花と香奈だった。

 

カレン「ホノカ!カナ!」

 

香奈は手を振り、穂乃花は泣いてる。

 

カレン「ホノカ!どうしたデス!?」

 

綾「まさか大学落ちたんじゃ・・・」

 

穂乃花「カレンちゃんの合格が嬉し過ぎて・・・!」

 

綾「だから紛らわしいんだよ!!」

 

香奈「穂乃花は皆より前に合格したよ。」

 

穂乃花「自分の合格より嬉しいよーーー!!」

 

カレン「穂乃花は私中心に世界が周り過ぎデス。」

 

陽子「よーし!今からおめでとうパーティしようぜ!!」

 

綾「あ。」

 

桜の花びらが風に乗って舞った。

 

綾「桜の花びら・・・季節外れな・・・」

 

アリス「わわわわわ!!」

 

その花びらはアリスの妖精コスチュームから舞ったものだった。

 

綾「アリスのスカートがああーーー!!」

 

忍「縫製が甘過ぎました!!」

 

陽子「拾えーーー!!」

 

 

 

 

その花びらは、たまたま近くを通った圭太と浩輔にまで飛んだ。

 

圭太「桜の花びら?まだ冬なのに。」

 

浩輔「ん?圭太、あれ。」

 

圭太「ん?」

 

忍とアリスと無事合格した陽子達を覗く。

 

カレン「桜!咲きマシタデース!!」

 

圭太「どうやら皆、合格出来たみたいだな。」

 

浩輔「俺達、4月から大学生か。」

 

合格出来た陽子達を、烏丸先生と久世橋先生も覗いて涙を流してる。

 

 

 

 

 

 

そして、遂に卒業式。

 

アリス「シノ!朝だよ!起きて!もう今日は大切な日なのに!朝が弱いのは克服したんじゃなかったの?」

 

まだ寝てる忍を起こして制服を着させる。

 

忍「すっかりイギリス時間に体が慣れてしまったみたいで・・・」

 

アリス「ここは日本だよ!!目を覚まして!!」

 

 

 

 

学校へ走る。

 

アリス「行って来まーす」

 

忍の母「後で見に行くからねー!」

 

今日はアリスの母も来ていた。

 

 

 

 

忍「今日って何の日でしたっけ・・・?」

 

アリス「え!?寝ぼけ過ぎだよ!!今日は卒業式だよ!!」

 

 

 

 

駅前で皆が2人を待ってる。

 

陽子「来た!」

 

圭太「遅いぞ2人共!」

 

カレン「シャキーン!九条カレン!卒業式Formal Mode!」

 

アリス「おはよう!カレン!ヨーコ!ケータ!コースケ!ん?アヤどうしたの?」

 

綾「う・・・うぅ・・・」

 

陽子「式も始まってもないのにこの調子だよ。」

 

浩輔「涙脆いな本当。」

 

カレン「アヤヤ。沢山泣いてもいいようにトイレットペーパーあげマス。」

 

綾「いらないわ!!何で持って来てるのよ!!」

 

 

 

 

7人揃って学校へ向かう。

 

陽子「一緒に登校するのも今日で最後か。」

 

圭太「あの頃に戻りたい気持ちだ。」

 

綾「この道を通る度、思い出すのね。この輝かしい日々を。」

 

穂乃花「カレンちゃん!皆おはよう!」

 

綾「あ!」

 

公園で玉乗りしながら回転してる穂乃花と、それをドン引きして見てる香奈と会った。

 

穂乃花「見て!いつもより多く回ってるの!」

 

陽子「あの光景しか思い出せなくなりそう!!」

 

綾「思い出が上書きされる!!」

 

圭太「あはは!卒業式よりインパクトあるね〜!」

 

 

 

 

 

 

アリス「日本に来てから3年。長いようであっと言う間だったね。」

 

忍「そうですね。」

 

アリス「ちっちゃかった私も、立派な卒業生!富士山位大きくなれたかな?」

 

圭太「いやデカイな・・・」

 

陽子「卒業生って言うか、新入生に見えるな。」

 

忍「初々しいです!」

 

綾「変わらない素晴らしさもあると思う!」

 

アリス「ガーン!?」

 

圭太「最後までアリスの扱い酷くね?」

 

陽子「しのはちょっと変わった?」

 

忍「そうですか?」

 

綾「前より英語が出来るようになったわ。」

 

陽子「大学の自己アピール英語で出したんだっけ?」

 

忍「はい!何とか!」

 

アリス「シノ!すっごくよく書けてたよ!シノの金髪愛が伝わって来るような内容だったよ!」

 

圭太「変わらねえなぁ・・・」

 

綾「それで受かったのが不思議だわ。」

 

忍「合格出来たのは、アリスのお陰です。」

 

アリス「シノが頑張ったからだよ!」

 

久世橋先生「A組の皆さん!体育館へ移動します!」

 

A組「はーい!」

 

圭太「行こっか。」

 

アリス「うん。」

 

 

 

 

 

 

体育館で卒業式が挙行された。卒業生が入場。

 

カレン「やっ!ドーモドーモ!」

 

香奈「手を振るな!」

 

穂乃花「・・・見える・・・見えるよ!カレンちゃんの足元にレッドカーペットが!」

 

高速拍手。

 

香奈「穂乃花!後ろ痞えてるから!」

 

 

 

 

烏丸先生「学校長式辞。」

 

校長「卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。」

 

綾「うぅぅ・・・校長先生・・・!」

 

陽子(校長先生の話でめっちゃ泣いてる・・・)

 

忍「・・・・」

 

3年間の楽しい思い出とアリスと出会った日の思い出が、忍の頭にフラッシュバックした。

 

アリス「うぅぅ・・・」

 

隣でアリスが泣いてる。

 

忍「アリス、大丈夫ですか?」

 

アリス「シノ・・・シノは何で笑顔なの・・・?」

 

忍「色んな事を思い出しました。アリスと出会った日。高校生活の3年間。そうしたら、涙より笑顔の方が出て来ちゃいました。」

 

アリス「シノらしいね。私もシノに習って笑って卒業するよ。」

 

笑う所か、また泣いた。

 

アリス「えへへ・・・うぅぅ・・・」

 

忍「泣き笑い!?無理しないでいいですよ!」

 

 

 

 

校歌斉唱。綾はトイレットペーパーを持って涙を拭きながら歌ってる。

 

 

 

 

卒業式が終わって教室に戻った。

 

陽子「良い式だったな!」

 

圭太「だな!」

 

忍「あれ?卒業証書は?」

 

綾「この後貰えるわよ。」

 

そこに久世橋先生が、怒った顔をして入った。

 

圭太「久世橋先生・・・?」

 

A組(うわあ・・・こ、これは・・・)

 

久世橋先生「皆さん。ご卒業・・・お・・・おめ・・・お・・・おめでとう・・・」

 

陽子「涙を堪えてる!?」

 

綾「先生!頑張って!」

 

久世橋先生「うぅ・・・それでは卒業証書を・・・って九条さん!?」

 

何故かカレンがそこに居た。

 

久世橋先生「あなたは隣のクラスでしょ!?」

 

カレン「たった今烏丸先生から貰ったデスが、いっぱい迷惑掛けた久世橋先生からも貰いたくて。」

 

久世橋先生「ああああーーーー!!!九条さーーーん!!!」

 

アリス「カレン!これ以上久世橋先生を泣かせないで!!」

 

圭太「早く自分のクラスに戻れ!!」

 

 

 

 

卒業証書を授与後、外では生徒達が烏丸先生と久世橋先生に花束を差し出していた。

 

綾「いよいよ卒業なのね。簡単に会えなくなっちゃうのも、寂しくないって言ったら嘘になるけど。」

 

陽子「まぁ同じ地球上に居る訳だし。」

 

圭太「会いたくなったらいつでも会いに行けるんだし。」

 

浩輔「俺達は強い絆で結ばれてる仲間なんだし。」

 

綾「そうね。イギリスって、昔は凄く遠い世界だと思ってたけど、今は近くに感じるのはアリスとカレンが私達と親友になってくれたお陰ね。」

 

カレン「YES!」

 

アリス「卒業しても親友だよ!」

 

カレン「これからもずっと一緒デース!」

 

忍「しかし、これで卒業式が終わるのも味気ないですね。異国情緒が足りません。」

 

綾「そう?」

 

忍「海外ドラマでよく見る帽子を投げる奴をやりたいです!」

 

圭太「海外にハマりまくりだな。」

 

綾「でも投げる物がないわ。」

 

穂乃花「帽子の代わりに金髪を投げるのはどうかな?」

 

金髪のカツラを出した。

 

忍「名案です穂乃花ちゃん!!」

 

陽子「台無しだよもう!!」

 

金髪のカツラを投げた。

 

穂乃花「卒業おめでとう!!」

 

全員「おめでとう!!」

 

忍「序でにアリスも投げましょう!!」

 

カレン「OH!胴上げデスネー!」

 

アリス「止めて!!」

 

圭太「あはは・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

卒業後のイギリル・コッツウォルズの丘の上。忍とアリスがティータイムしてる。

 

忍「桜の咲く頃に我が家にやって来て、3年間色んな事がありましたね。」

 

アリス「そうだね。」

 

忍「こうしてイギリスに、ホームステイでも旅行でもなく住んでるなんて不思議です。」

 

アリス「シノ・・・」

 

忍「アリス。」

 

アリス「?」

 

忍「改めて、これからも宜しくお願いします。」

 

アリス「うん!!」

 

忍「それじゃあ帰りましょうか。」

 

アリス「うん!!スコーンの材料買わないと。」

 

ポピー「ワン!」

 

忍・アリス「ん?」

 

遠くから、陽子と綾とカレンと圭太と浩輔がやって来た。

 

陽子「おーーーい!」

 

カレン「アリース!!」

 

陽子・綾・カレン「しのー!!」

 

圭太「忍ー!アリスー!」

 

浩輔「おーーい!」

 

アリス「カレン!」

 

忍「陽子ちゃん!綾ちゃん!圭太君!浩輔君!」

 

再会した7人が喜び合う。

 

カレン「久し振りデース!」

 

陽子「って卒業式から半年も経ってないんだけどな。」

 

アリス「夕方に着くんじゃなかったの?」

 

綾「思ったより早く着いちゃって。」

 

圭太「早い便に乗って来たんだ。」

 

陽子「いやぁ〜、イギリスと日本って近いんだな〜。」

 

綾「飛行機で殆ど寝てたからでしょ?」

 

浩輔「相変わらずだな陽子は。」

 

7人「あはははは。」

 

カレン「2人共元気デシタか?」

 

アリス「うん!」

 

忍「イギリスは満喫中です!」

 

綾「こっちの大学は秋からよね。」

 

陽子「しのは何とかコースに入るんだっけ?」

 

忍「ファウンデーションコースですね。大学に入る前に、1年間英語の勉強をするんです。」

 

アリス「シノと一緒に入学したかったな〜。」

 

忍「教室は違いますが、同じキャンパスですから。」

 

圭太「いつでも会えるんだし良いじゃないか。」

 

カレン「と言う事は、アリスはシノの1年先輩になるんデスネ!」

 

アリス「フフッ♪先輩・・・」

 

カレン「そして!私はアリスの先輩デス!」

 

アリス「え!?そこは一緒でしょ!?」

 

カレン「日本の大学はもう始まってマス!」

 

 

 

 

丘を下りる。

 

忍「日本の大学生活はどうですか?」

 

綾「ようやく慣れて来たわ。」

 

陽子「うん!大学の近くに部屋借りてさ。」

 

カレン「アヤヤとヨーコは一緒に暮らしてるんデスヨ!私は入り浸ってマース!」

 

浩輔「ほぼ居候。」

 

忍「圭太君と浩輔君は?」

 

浩輔「楽しいぞ?大学って素晴らしいぜ。」

 

圭太「俺はもうドラマの主演に抜擢されてな。色んな番組に引っ張り凧状態。今はフリー貰ってる。」

 

アリス「今度遊びに行って良い?」

 

カレン「勿論デース!」

 

綾「ってカレンが答えてどうするの!」

 

圭太「機会があったらドラマの撮影現場の見学に来るか?スタッフさん達に話しておくから。」

 

陽子「面白そうだな!」

 

忍「そうだ!見せたい物があるんです!日本から持って来た写真なんですけど。金髪と黒髪のコントラストがまるで大聖堂のモザイク画のよう!」

 

綾「大聖堂の?」

 

陽子「モザイク画?」

 

忍「はい!更にドンドン貼って行って、思い出で壁を埋め尽くすのが目標なんです!」

 

圭太「金の大聖堂のモザイク・・・きんいろモザイクか。」

 

浩輔「何だそれ?しっくり来る。」

 

カレン「WOW!早く見に行きまショウ!!」

 

陽子「あ!待てカレン!」

 

綾「危ないわよ!」

 

浩輔「待て待てー!」

 

圭太「俺を置いて行くなー!」

 

忍「私達も行きましょう。」

 

アリス「うん!シノ。」

 

忍「ん?」

 

アリス「これからも、いっぱい思い出作ろうね!」

 

忍「はい!」

 

『Thank You!!』




         キャスト

       大宮忍:西明日香
アリス・カータレット:田中真奈美
      猪熊陽子:内山夕実
       小路綾:種田梨沙
     九条カレン:東山奈央
      香川圭太:相葉裕樹
      白川浩輔:羽多野渉

     烏丸さくら:佐藤聡美
       大宮勇:田村ゆかり
     久世橋朱里:大西沙織
     松原穂乃花:諏訪彩花
      日暮香奈:中津真莉
       白川湊:川澄綾子
      猪熊空太:藩めぐみ
      猪熊美月:村川梨衣
      日暮比奈:奥井ゆうこ
       忍の母:高橋美佳子
      圭太の母:桑谷夏子
    アリスのママ:大原さやか
    カレンのママ:木村亜希子
      校長先生:金野恵子

      朝香智流:八代拓
      古橋光明:村田大志
      小橋若葉:小澤亜李
      時田萌子:井澤美香子
      黒川真魚:M・A・O
       真柴直:村川梨衣

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