HAPPYきんいろモザイク   作:naogran

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イギリスの小さな町のコッツウォルズ。この町はアリスの地元。アリスの実家に1通のエアメールが来た。アリスのママがエアメールの封筒を開ける。

アリスのママ「ポピー、待って。」

飼い犬のポピーを優しく撫でる。エアメールの中に1枚の写真が入ってた。そこには7人の姿が写っていた。

アリス『マム。お元気ですか、アリスです。私は高校2年生になりました。』






日本では朝が来た。アリスが忍の部屋のカーテンを開けた。

アリス「起きて、朝だよ?」

忍を起こす。忍が起きた。

アリス「シノ、おはよう!」

忍「おはようございます。アリス・・・」

アリス『シノは相変わらず朝が弱くて、私が何時も起こしてあげています。』

2人は起きたがまた寝転んだ。そこに忍の母が2人を起こす。

忍の母「忍!アリスちゃん!学校!」

アリスの目が完全に覚めた。忍は眠たそうに起きた。




リビングで忍がトーストにジャムを塗る。アリスが海苔をご飯に巻く。食べて2人はほっこりした。

勇「アーリス。」

アリス「え?」

勇がアリスの頬を突っつく。

忍「おはようございます。」

アリス「イサミ!おはよう!」

勇「おはよう。」

アリス『勇は大学生。』

勇「あらアリス、何だか1年前より金髪が燻んだ気がするわ。」

アリス「え!?」

忍「きゃーー!!!嘘!嘘です!!そんな事ないです!アリスの髪は輝きを増してます!!」

泣きながら勇に訴えるが勇は余裕に微笑む。

勇「冗談よ。」

すると勇はソーセージを盗んで食べる。

忍「お姉ちゃん、この世には言って良い冗談と悪い冗談があるんです!!お姉ちゃんは何時もそうやって私をビックリさせて楽しんでるんですから!!」






その頃駅前では、陽子達が忍とアリスを待っていた。

陽子「お!」

丁度2人が来た。

アリス「おはよー!」

陽子「おう!」

浩輔「おっすー!」

綾「おはよう。」

忍「おはようございます・・・」

だが忍は勇の事で不機嫌になっていた。

綾「しの、どうしたの?」

圭太「調子でも悪いのか?」

忍「いえ、お姉ちゃんが朝から意地悪を・・・」

陽子「アハハ。勇姉は相変わらずだなー。」

アリス『友達のアヤとヨーコとケイタとコースケも元気だよ。』

カレン「おはようゴジャイマース!!」

丁度カレンが来た。

忍「カレン!おはようございます!今日も素敵な金髪です!」

陽子「おはよう。」

綾「おはよう。」

圭太「おはようカレン。」

浩輔「おはよっすー!カレン!」

カレン「アリスもー!」

元気一杯のカレン。アリスに抱き付く。

アリス『カレンは元気過ぎ!もう・・・』

綾「もう!騒いでないで学校行くわよ!」






7人は学校へ向かった。

アリス『学年があがって、教室の場所が変わって、シノとはクラスが離れ離れになっちゃったけど・・・』

カレン「おはようゴジャイマス!!」

クラスメイトの穂乃花に抱き付く。

穂乃花「わあ!カレンちゃん!」

女子生徒「おはよー!」

香奈「カレンちゃんおはよう!」

カレン「おはようゴジャイマス!」

浩輔「おっす!松原に日暮!」

穂乃花「あ!白川君おはよう!」

香奈「おはよう白川君!」

綾は陽子を見て不安になっていた。

カレン「おはようゴジャイマス!」

綾は教室に入る。

忍「では私も。」

アリス「うん・・・」

だがアリスは元気低下してる。

忍「あ、アリス。また休み時間に。」

アリス「あ・・・うん!!」

陽子「アリスー!行くぞー!」

圭太「早く入ろうぜ!」

アリス「うん!」




3人も自分達の席に着く。すると窓から桜の花びらが入って来た。

アリス『日本での二度目の春。シノ達と一緒に、めいっぱい楽しみます!』

そう心掛けてるアリスだが。

アリス「はぁ・・・シノに会いたい・・・」

陽子「早っ!?朝礼もまだだよ!?」

圭太「早速元気が失われてるぞ!?」

こうしてまた新しい日常が始まった。


Episode13「はるがきたっ」

その頃忍達のクラス。カレンが雑誌を読んで目をキラキラさせていた。

 

カレン「アヤヤー!」

 

綾「ん?」

 

カレン「ブーン!チュー!!」

 

綾「え!?何いきなり!?」

 

突然カレンが綾の元まで走って来てチューしようとした。

 

カレン「今流行りのアヒル口デス!」

 

綾「色々違うし、別に今流行りでもないと思うんだけど。」

 

穂乃花「カレンちゃん、お菓子あげる。」

 

カレンにクッキーをあげる穂乃花。

 

カレン「Oh!!ホノカ!ありがとデス!」

 

快く受け取る。

 

綾「ごめんね。カレンが貰ってばっかりで。」

 

穂乃花「ううん。」

 

カレン「1年生の時によくしてくれてたデス!」

 

綾「貰う事が当たり前になっちゃダメよ?」

 

浩輔「そうだ。カレンも松原に何かお返ししないとダメだぞ。」

 

穂乃花「そ、そんな、気にしなくても・・・」

 

カレン「Oh!そうデスね!チュー!!」

 

穂乃花にチューする。

 

綾「こらー!!」

 

すると担任の先生が入って来た。全員席に座る。

 

忍「起立!」

 

全員起立。

 

忍「礼!」

 

全員「おはようございます!」

 

忍「着席!」

 

全員着席する。担任の名は「久世橋朱里」。カレンは怯えていた。

 

久世橋先生「皆さんおはようございます。それではホームルームを始めます。」

 

 

 

 

 

 

その頃C組では、女子生徒達がアリスと会話していた。

 

女子生徒A「アリスの髪って本当綺麗!」

 

女子生徒B「ふわふわー!」

 

陽子「おーいアリスー!」

 

アリス「ん?」

 

陽子「ちょっとここ教えてー?」

 

アリス「うん、良いよ。それじゃあまた後でね。」

 

女子生徒B「うん。また。」

 

 

 

 

陽子に勉強を教える。

 

アリス「新しいクラスの皆と仲良くなれて楽しいね!」

 

陽子「そっか!良かったな!」

 

圭太「なら心配いらないな。」

 

アリス「デモ、シノ、イナイ・・・」

 

陽子「おおもう、頼むから早く慣れてくれよ・・・」

 

圭太「アリス元気出せよ・・・」

 

アリス「あ!そこ間違ってる!」

 

間違ってる所を指す。

 

陽子「あ、どうすれば良い?」

 

アリス「ヨーコ、九九を一の段から言える?」

 

陽子「アリス、ちょっとバカにしてるだろ?」

 

圭太「その笑顔で言われると怒りそうもないな。ってか鬼畜だな君は。」

 

そこに担任の烏丸先生が入って来た。

 

烏丸先生「はーい、朝のホームルーム始めますよー。」

 

全員が席に座る。

 

陽子「担任一緒だと学年変わった気がしないなー。」

 

圭太「分かる分かる。俺もそう思う。」

 

アリス「そう?担任が烏丸先生で嬉しいよ。」

 

圭太「まあそうだな。烏丸先生は生徒達の人気者だからな。」

 

 

 

 

 

 

そしてA組では古典の授業。

 

忍(アリスは今頃どうしてるでしょうか?そうだ!アリス、アリス!私の声が聞こえますか?アリス!)

 

綾(しのが大変だ!)

 

 

 

 

 

 

その頃C組では英語の授業。アリスが何かを感じた。

 

アリス「あ!今、シノの声が聞こえたような!」

 

陽子「マジで!?」

 

圭太「本当か!?」

 

アリス「うん!確かに聞こえた!」

 

陽子「そっか、何て言ってた?」

 

アリス「今日の晩御飯はグラタンですよって言ってた。」

 

陽子「しのじゃなくてお母さん!?」

 

烏丸先生「ん?」

 

圭太「ああ先生、お気になさらず。授業を続けてどうぞ。」

 

 

 

 

 

 

その頃綾は不安を抱いてた。

 

綾(3人は勉強が全然ダメだから、私がしっかり見てなくちゃ!)

 

そして浩輔は睡魔に襲われてた。

 

浩輔(ヤバい、睡魔が俺の体を支配しようとしてる・・・いや諦めるな!睡魔との本当の戦いはこれからだ!)

 

すると忍は何かを見て微笑む。綾がそれを見ると。ドン引きした。寝てるカレンの髪型がツインテールになっていた。忍の仕業だ。

 

忍「良い感じです!」

 

今度はお団子ヘアー。

 

忍「これはこれで!」

 

これには綾は完全にドン引きした。

 

男性教師「では、次を九条さん。」

 

カレン「あ!はい!」

 

起きたカレンが立つ。だが寝ていた為、戸惑っている。

 

忍「綾ちゃん、伝言ゲームで伝えても良いでしょうか?」

 

綾「伝言ゲーム?」

 

忍「はい!」

 

すると忍は人差し指でカレンの背中をなぞって伝言する。

 

カレン「っ!?アハハハハハハ!!!!」

 

逆にカレンがくすぐられてるかのように笑う。

 

浩輔「ヤバいぞこりゃ・・・」

 

綾「先生!大宮さんと私の席チェンジしても良いですか!?」

 

浩輔「先生!俺からも頼みます!!」

 

忍「綾ちゃん!?浩輔君!?」

 

 

 

 

そして古典の授業が終わった。綾はカレンの後ろの席に固定し、忍が綾の後ろの席に固定した。忍は泣いてる。

 

忍「何故・・・?」

 

綾「勉強出来る環境じゃなかったでしょ?」

 

浩輔「カレンに目が無えなお前は。」

 

カレン「今度こそ進級出来ないかもデス!」

 

忍「え!?」

 

浩輔「次のテストの点数、マイナスになっても知らねえぞ?」

 

忍「マイナス!?そんな事が!?」

 

浩輔「圭太と綾に怒られても知らねえぞ?」

 

 

 

 

次の授業でも、忍はカレンをジッと見てる。

 

綾(これでようやく・・・何だか、1時間が長い・・・そう言えば、陽子とクラス離れたのって初めてだわ。あ!!何で陽子の事ばっかり!!遠距離恋愛じゃあるまいし!)

 

それでも陽子の事で頭が一杯になってる。

 

 

 

 

そして授業が終わり、4人は急いでC組に向かう。

 

圭太「あ。」

 

アリス「!!」

 

陽子「ん?」

 

綾「アリスに会いに来ただけなんだから!勘違いしないでよー!!」

 

陽子「何が?」

 

理解が掴めてない陽子。

 

 

 

 

 

 

7人は外でお話する。

 

アリス「授業中、殆どシノの事考えてたよー。」

 

忍「離れていると余計考えてしまいますね。私達きっと今、心のシンクロ率マックスですよ!」

 

陽子「じゃあ、今食べたい物は?」

 

忍「えっと・・・」

 

アリス・忍「エビドリア!(みたらし団子!)」

 

アリス「あ!間違えたー、エビドリアみたらし団子添えって言おうと思ったのにー。」

 

忍「ありましたねー。」

 

綾「無理矢理・・・」

 

陽子「不味そう・・・」

 

圭太「食いたくねえ・・・」

 

浩輔「おえ・・・」

 

カレン「Oh・・・」

 

アリス「それでね、新しいクラスで自己紹介した時、皆にシノの事を紹介したよ!」

 

 

 

 

 

 

自己紹介の時。

 

アリス『シノはとっても素晴らしいです!』

 

 

 

 

 

 

忍「えー?恥ずかしいですー。」

 

浩輔「何で忍を紹介したんだ?」

 

綾「私達のクラスでもしたわ。」

 

忍「そうそう、カレンがいっぱい喋っちゃって、止めても聞かなくて、それで。」

 

浩輔「絶賛怯え中。」

 

カレン「反省してるデス・・・」

 

ガタガタ震えてるカレン。

 

アリス「カレン?」

 

カレン「トラに、会ったデス・・・」

 

アリス「トラ?」

 

忍「担任の久世橋先生に怒られちゃったんですよね。」

 

陽子「家庭科の先生だっけ?」

 

カレン「C組は烏丸先生が担任で羨ましいデス!」

 

綾「久世橋先生、真面目で私は好きだけど。」

 

浩輔「俺も久世橋先生を気に入ってるぜ。ちょっと厳しいけど、優しいしな。」

 

カレン「怖いデス!動物で例えるなら、まさにトラデス!生徒の何人かは、きっと既に胃袋の中デス!」

 

途中で6人が怯えた。

 

綾「カ、カレン・・・」

 

浩輔「後ろ後ろ・・・」

 

後ろにカレンが振り向くと。

 

 

 

 

 

 

カレン「久世橋先生!?」

 

何時の間にか久世橋先生が立っていた。

 

 

 

 

 

 

久世橋先生「九条さん!今日提出のプリント出してないのはあなただけですよ!後居眠りが多い!制服もちゃんと着なさい派手過ぎます!長い髪は束ねる!」

 

カレン「で、でも可愛いデス!よね?」

 

だが更に睨まれた。

 

カレン(食べられる!!)

 

陽子「あの、すみません、カレンに悪気は無いので・・・」

 

綾「いや100%カレンが悪いかと・・・」

 

カレン「(流石ヨーコ、堂々としてマス!はっ!!クマだから!?クマとトラってどっちが強いデスかね!?)そうデス!グリズリーなら勝てる気がシマス!」

 

陽子「何の話だ同志社!!」

 

圭太「ヒグマかよ!」

 

久世橋先生「コホン、服装と授業態度気を付けて下さい。プリントは放課後まで提出する事。良いですね?」

 

カレン「はーい・・・」

 

久世橋先生はその場を歩き去った。

 

陽子「良さそうな先生じゃん。」

 

圭太「俺もそう思う。」

 

カレン「えー!?」

 

綾「カレンの事も注意してくれるし。」

 

カレン「えーー!?」

 

アリス「うんうん。」

 

浩輔「確かに良い薬になるな。」

 

カレン「えーーー!?怒られるの怖いデス・・・実は、午後の家庭科も忘れ物しちゃって・・・」

 

忍「カレン。」

 

カレン「ん?」

 

忍「人間、忘れてしまう事はよくあります。話せばきっと、久世橋先生も分かってくれますよ。」

 

カレン「シノ・・・!」

 

陽子「まあ、どっちにしても怒られると思うけどなー。」

 

圭太・浩輔「正論。」

 

カレン「Noーーー!!!」

 

さっきの言葉でまた怯えてしまった。

 

カレン「良い事考えマシタ!!先生を尾行して弱みを握るデス!怒るに怒れない状況に!!これで!!」

 

陽子「いや他にやる事あるだろ!?」

 

圭太「まず忘れ物したって言いに行けよ!!」

 

 

 

 

 

 

その頃久世橋先生は廊下を歩いてた。

 

久世橋先生「こら、廊下を走らない。」

 

女子生徒「あ、はい。」

 

階段を降りる。気付かれないように久世橋先生を尾行する7人。

 

カレン「Target発見デス!」

 

アリス「尾行なんてやめようよもー。」

 

忍「あ、行ってしまいますよ。」

 

久世橋先生は途中でゴミを拾ってゴミ箱に捨てる。

 

男子生徒「え!?」

 

階段に居る7人に驚く男子生徒。

 

 

 

 

その後廊下に貼られてるポスターを貼り直す。

 

カレン「弱みってどうしたら握れるデス?」

 

忍「そうですねー。」

 

アリス「あ!」

 

久世橋先生「何か用ですか?」

 

完全にお見通しされてた。

 

カレン「ななな何もありません!何もありません!!」

 

久世橋先生「なら良いのですが。大宮さん。」

 

忍「はい!」

 

久世橋先生「今日日直ですよね?終礼時に課題を集める事。事前に皆に伝えておいて下さい。」

 

忍「はい!」

 

すると久世橋先生が忍を睨むかのように見る。

 

忍「あの、その・・・成し遂げます!この命に代えても!いざ!!」

 

ダッシュで教室に向かう。

 

アリス「シノ!そっちはA組じゃなくて体育館だよー!!」

 

カレン「あ!待って下サーイ!!!」

 

アリスとカレンもダッシュして忍を追い掛ける。だが久世橋先生は何か悔しそうな表情をした。

 

 

 

 

 

 

午後の家庭科の授業。

 

久世橋(見てただけなのに・・・ううん!見詰められたら誰でも困るものね!でも、生徒が可愛くてついジッと見ちゃう・・・)

 

女子生徒「ヒィ!?」

 

見詰められて女子生徒が怖がる。

 

 

 

 

 

 

その後廊下を移動中。烏丸先生とアリスを見付けた。

 

烏丸先生「動かないで。瞼にゴミが。」

 

アリスの瞼からゴミを取り除く。

 

烏丸先生「はい。良いわよ。」

 

アリス「先生ありがとー。」

 

久世橋先生(同じ見てただけなのにこの違いは・・・!!)

 

 

 

 

 

 

その後の職員室。

 

烏丸先生「久世橋先生、何時もスーツで格好良いわ。」

 

久世橋先生「教師は生徒の手本にならないといけないので、だらしない服装は出来ません。」

 

烏丸先生「そうよね。そうよねー。ジャージはちょっとよねー。」

 

ジャージを脱ごうとする。

 

久世橋先生「あ!烏丸先生はそのままで良いんですよ!?あの先生、生徒に好かれる為に何かアドバイスとか無いですか?」

 

烏丸先生「え?」

 

久世橋先生「私、何時も生徒を怖がらせてしまって、どうすれば良いかと・・・」

 

烏丸先生「そうねー、あ!うさ耳!あれを着けたらクラスの人気者に!可愛い!ね?やりましょ!」

 

久世橋先生「いやいや!私はそう言うの似合わないので!」

 

 

 

 

 

 

その後久世橋先生は手洗いをする。

 

烏丸先生『うさ耳はともかく、笑顔で接したら大丈夫ですよ。』

 

鏡の前で笑顔を作ろうとするが、出来なかった。それをカレンが見ていた。

 

 

 

 

 

 

その頃アリス達は弁当を食べ終えてた。

 

アリス「シノは久世橋先生、どう思う?」

 

忍「うーん、私も居眠りが多いので、怒られないか心配で、でもちょっとお姉ちゃんに似てるかもしれません。」

 

陽子「勇姉に?」

 

アリス「分かるよ!目だよね!怒ったりからかったりするけど、目の奥には愛情で溢れてるんだよ!」

 

 

 

 

 

 

その頃勇は。

 

勇「へくちっ!!!」

 

クシャミをしてた。

 

 

 

 

 

 

浩輔「それはどうかと思うが。」

 

そこにカレンが戻って来た。

 

アリス「あ。」

 

忍「お帰りなさい。」

 

カレン「ただいまデス。」

 

陽子「おかえりー!」

 

アリス「おかえり!」

 

綾「どうだった?」

 

カレンは顔を横に振った。

 

陽子「そっかー。」

 

カレン「でも、久世橋先生と仲良くなれる気がシマス。先生は私が、日本に来た頃に似てマス。皆と仲良くなれなかった私に。きっと眉間のシワを伸ばそうとしてたデスねー!」

 

だが皆また怯えた。

 

綾「カ、カレン・・・」

 

カレン「あ・・・!」

 

圭太「・・・・」

 

 

 

 

 

 

その後家庭科の授業で、カレンが忘れ物をした事を話す。

 

久世橋先生「九条さん!また忘れ物ですか!?全くあなたは何度言ったら!」

 

カレン「(大丈夫なはずデス!先生は優しい目をしたトラデス!)ドンマイ!次は忘れないデス!」

 

だがこれは逆効果だった。

 

久世橋先生「反省が足りないようですね!九条さん!」

 

最終的に廊下に立たされた。

 

カレン「Oh・・・トラはやっぱりトラでした・・・」

 

 

 

 

 

 

その後家庭科の授業が終わって、久世橋先生は、また鏡の前で笑顔を作ろうとするが、上手く出来なかった。女子トイレから出ると、後ろから。

 

???「久世橋先生。」

 

久世橋先生「?」

 

後ろに振り向くと、圭太が立っていた。

 

久世橋先生「香川君。」

 

圭太「前から思ったんですが、先生何か悩みでもあるんですか?何時もキリッとした顔で接してますが。」

 

久世橋先生「え?いえ、悩みはありません・・・」

 

圭太「俺分かっちゃったんですよ、久世橋先生の悩みを。」

 

久世橋先生「え?」

 

圭太「この前から周りの生徒達をジッと見てる所を見て思ったんです。きっと笑顔で接したら良いなとか思ってるかな?って。」

 

久世橋先生「・・・」

 

圭太「まあ何事も経験ですよ。人間誰しも最初から上手くない。少しずつ練習すれば良い成果を得られますよ。だから久世橋先生も頑張って下さい。くれぐれも無理はしないように。何か生徒が先生にアドバイスするって何かちょっと気不味いかなー?アハハ。」

 

久世橋先生「香川君・・・」

 

圭太「じゃあ久世橋先生、これで失礼します。」

 

その場を歩き去る。

 

 

 

 

 

 

後日、アリスは忍をこっそり観察していた。

 

アリス『大宮忍。出身国日本。正確は温厚。外国マニアで、将来の夢は通訳者。思考が読めず、少々謎めいた人物である。』

 

すると忍は壁にくっ付いた。

 

忍「冷た〜い。」

 

アリスはこっそり観察しながらノートに書く。

 

陽子「何やってるの?」

 

アリス「うわぁ!?」

 

カレン「とー!!」

 

アリス「あ!!」

 

カレンがアリスのノートの中身を見る。

 

アリス「見ちゃダメーー!!」

 

即座に取り上げる。

 

陽子「しのの事を調べてるの?」

 

アリス「うう・・・番号!!」

 

陽子・綾「え!?」

 

アリス「1!!」

 

カレン「2!!アヤヤとヨーコも!」

 

陽子「え!?3!?」

 

綾「4!?」

 

カレン「ケイタもコースケも!」

 

圭太「5!?」

 

浩輔「6!!」

 

綾「何でいきなり点呼を?」

 

アリス「私達、忍もといシノファンクラブの会員でしょ!?」

 

陽子「入った覚えないよ!?」

 

圭太「何故俺達まで!?」

 

綾「それでしのの何が知りたいの?」

 

アリス「・・・・・・」

 

カレン「シノの事全部デス!私達皆とても仲良くなれたけど、シノだけは考えてる事ちょっと分かりづらいデス。」

 

陽子「まあ確かに・・・」

 

浩輔「俺達でも検討が付かないな・・・」

 

綾「何時もにこやかだけど、実は裏では・・・」

 

 

 

 

忍『今まで騙していてごめんなさい。私実は・・・・悪の組織の一員だったのですよ!!』

 

 

 

 

陽子「格好良い!!!」

 

圭太「テロリストの典型だな。過激派も良い所だ。」

 

陽子「面白そうだな!協力するよ!!」

 

綾「ええ!」

 

カレン「それでは、シノ極秘調査開始デス!!」

 

6人「おーー!」

 

 

 

 

 

 

こうして6人は忍を調査する事に。忍は教室に居た。アリスが問い掛ける。

 

アリス「Hello Shino How are you?」

 

忍「あ!オーイエス!ハッピーハッピーです!」

 

アリス「あのね、シノって外国好きだけど、他には好きな物って無いの?」

 

忍「そうですね・・・私が好きなのは、アリスですよ!」

 

するとアリスはショートしてしまった。

 

アリス「もー!そうじゃないんだよー!嬉しいけどー!」

 

陽子「ダメだ!次!」

 

 

 

 

今度は綾がチャレンジ。自販機でジュースを買ってる忍に問い掛ける。

 

綾「しの、ちょっと良い?」

 

忍「はい?」

 

綾「何か悩んでる顔をしてるわ。私で良ければ相談に乗るけど?」

 

忍「そうですか?綾ちゃんこそ何か悩んでいませんか?」

 

綾「え?」

 

忍「クラス替えしてから元気が無いような気がして、私で良かったらお話聞きますよ?」

 

綾「そうなの!聞いてくれる私の悩み!?」

 

陽子「こらー!」

 

圭太「忍は口説き上手のスキル持ってるのか?」

 

 

 

 

次はカレン。何故かホームズの格好で現れた。

 

カレン「全く、皆不甲斐ないデス!ここは名探偵カレンに任せるデス!」

 

女子トイレに忍を発見した。

 

カレン「シノ!」

 

忍「はい!?」

 

突然呼ばれてびっくりした。

 

カレン「あなたの好きな柄は・・・ズバリ!!ドット柄デス!!」

 

忍「水玉好きですよ?カレンが好きなのはユニオンジャック柄ですか?」

 

カレン「な!?何故それを!?」

 

陽子「皆知ってるよ?」

 

 

 

 

 

 

そして放課後になった。忍はゴミ捨て場でゴミを捨ててる。

 

 

 

 

 

 

陽子「えー、調査で分かった事、『好きな柄・ドット柄』『嫌いな物・強いて言えば虫。後吠える犬』。」

 

綾「それしか分からないなんて・・・」

 

浩輔「情報少ないな。」

 

陽子「もっと内面的な事が知りたいよね。」

 

カレン「シノの小さい頃にヒントが隠れてるかもデス!」

 

陽子「成る程ね!そう言えば昔・・・」

 

圭太「確か小学校の頃・・・」

 

 

 

 

 

 

小学生の頃、公園で陽子達4人が一緒に遊んでる時。忍はずっと空を見ていた。

 

陽子『今何考えてるか当てっこしよ?』

 

忍『はい!』

 

圭太『やるか!』

 

浩輔『よっしゃ!』

 

陽子『えーっと、お腹空いたなー!』

 

忍『違いますよ。』

 

圭太『空が青いなー!とか?』

 

忍『それも違いますよ。』

 

浩輔『良い事あれば良いなー。じゃないのか?』

 

忍『いいえ。今私が考えてたのは、世界平和についてです!』

 

3人『え?』

 

小学生の頃を思い出しても全く分からなかった。

 

 

 

 

 

 

陽子「あ、ダメだ・・・やっぱり私には理解出来そうにない・・・ごめん・・・」

 

圭太「すまん・・・俺もダメだ・・・」

 

アリス「諦めないでヨーコ!ケイタ!ちゃんと思い出して!まだヒントはあるはずだよー!」

 

綾「打つ手無しみたいね。」

 

カレン「残念デス、迷宮入りデスねー。」

 

アリス「ダメだよ!!私もっとシノの事知りたいの!!」

 

綾「アリス・・・」

 

アリス「シノと一緒に喜んだり、シノが困っていたら力になりたい!心の友に私はなりたい!!」

 

陽子「そこまで・・・」

 

カレン「アリスこの間も、もしかしたら自分と出会う前に、仲の良い別の金髪少女が居たのでは?と悩んでいたデス!」

 

アリス「違うよ!それとこれとは別でしょ!もうカレンったら!」

 

圭太「完全に浮気調査になっちまったな。」

 

アリス「!?」

 

綾「どうしてそう思ったの?」

 

アリス「・・・シノ、金髪が好きでしょ?」

 

 

 

 

部屋で金髪少女倶楽部と言う雑誌を読んでる時。

 

忍『素敵ですー!』

 

アリス「よく考えてみたらね、シノとイギリスで初めて会った時。」

 

それは忍が初めてホームステイでアリスの家に来た時の事。

 

忍『金髪!金髪少女!!』

 

金髪少女で興奮忍からアリスは逃げ回る。

 

 

 

 

アリス「既に金髪が好きだったんだよ・・・」

 

それを思い出したアリスは泣きそうな表情になってる。

 

陽子「しのは金髪が好きって言うより、外国が好きなんだよ。金髪も好きだけど。」

 

浩輔「それは言えてるかもな。」

 

アリス「うわああああん!!!」

 

カレン「シノが外国好きになった理由デスか。」

 

綾「外国によりハマったのはホームステイからだと思うけど。それ以前となると・・・」

 

 

 

 

 

 

忍「それは、ユニオンジャックって可愛いなと思いまして。」

 

 

 

 

 

 

全員「ん?」

 

アリス・陽子・綾・カレン「わああああああ!?」

 

圭太「どわああああああ!?」

 

浩輔「アイエエエエエエ!?」

 

何時の間にか忍がもう来ていた事にびっくりした。

 

忍「ん?お待たせしました。帰りましょう。」

 

 

 

 

 

 

7人で下校する。

 

忍「今日は皆が何だかコソコソしていて、私も仲間に入れて欲しかったです。」

 

アリス「あ!ごめんねシノ!」

 

カレン「極秘調査だったから!」

 

綾「ユニオンジャックが可愛いって理由でホームステイまでしたの?」

 

忍「それもありますが、小学校の頃、駅で困ってる外国人のお婆ちゃんに出会ったのです。」

 

それは外国人のお婆ちゃんが忍に英語で訪ねてる時だった。

 

忍「でも言葉が全然分からなくて。」

 

するとそこに1人のお姉さんが英語ペラペラで外国人のお婆ちゃんに尋ねた。

 

忍「困っていた時に、英語ペラペラのお姉さんが助けて下さいました。それ以来私も言葉で人を繋ぐ人になれたらなと思ったんです。」

 

6人「おー!!」

 

陽子「何かしのらしいな!」

 

6人が忍に拍手する。

 

アリス「それで通訳者になりたいって私の家でホームステイしたんだね!」

 

カレン「アリス!良かったデスね!!」

 

アリス「うん!疑ってごめんね!シノは大空のように広い所の持ち主だね!!私の汚れた心が洗われるようだよ!感じる!感じる!マイナスイオンを!!」

 

カレン「空気が美味しいデス!!」

 

忍「どうしたんですか2人共?」

 

陽子「しのの事ちょっと分かったな。」

 

綾「ええ。しのは好きな物に正直で真っ直ぐ。何の裏表も無いのよ。」

 

圭太「俺も忍にちょっと見習おうかな?」

 

浩輔「金髪がどれ程良い物なのかを?」

 

圭太「馬鹿野郎。」

 

カレン「シノ!パーカー着てみマスか?」

 

忍「えー!?良いんですかカレン!?」

 

カレン「私の温もり付きデス!」

 

アリス「もー!カレン!!」

 

怒ったアリスがカレンを止めようとするが避けられた。

 

カレン「捕まえてご覧なさいデス!!」

 

陽子「待てー!綾行くぞ!」

 

綾「えー!?」

 

陽子「エヘヘ!こら待てー!」

 

浩輔「俺も混ぜろー!」

 

3人がカレンを追い掛ける。だがアリスはちょっと膨れっ面になっていた。そんなアリスを忍は微笑んで見てる。

 

忍(でも通訳者になろうと本当に決意したのは、アリスと出会えたホームステイが切欠だったんですよ。)

 

アリス「ん?シノ?」

 

忍「うふふ。」

 

アリス「何?」

 

忍「何でもありませんよー!」

 

2人は走って4人の所へ向かう。

 

圭太「楽しい事がいっぱい起こりそうだな。」

 

それに続いて圭太も6人の所へ走った。

 

「END」




         キャスト

      香川圭太:相葉裕樹

      白川浩輔:羽多野渉

       大宮忍:西明日香
アリス・カータレット:田中真奈美
      猪熊陽子:内山夕実
       小路綾:種田梨沙
     九条カレン:東山奈央

     烏丸さくら:佐藤聡美
       大宮勇:田村ゆかり
     久世橋朱里:大西沙織
     松原穂乃花:諏訪彩花
      日暮香奈:中津真莉
       忍の母:高橋美佳子
    アリスのママ:大原さやか
     女子生徒A:鈴木絵理
     女子生徒B:多谷結衣
     女子生徒C:下地紫乃
      男子生徒:河西健吾
      男性教師:堀越富三郎
      お姉さん:国仲奏絵
      お婆さん:宮沢きよこ

忍「クラスが離れてさびしいですね」

アリス「でも登下校や休み時間は一緒だよ!」

忍「そうです!距離を近付けるために二人三脚で登下校しましょう!」

綾「どうしたの!?」

忍「バッドアイデアでした・・・」

次回「プレゼント・フォー・ユー」

アリス「see you・・・」

綾「しっかり!!」

作者『と言う訳でハロー編がスタートしました。私の欲で、アリスとカレンの英語の所を全部日本語に変えました。』

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