もう一人の十六夜咲夜 Another person of Sakuya Izayoi   作:DIO UT

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第⑨話 “フランドール”の決意

咲無「では、フラン様でよろしいですか?」

フラン「んー。その“様”というのはどうにかならないの?」

咲無「まぁ、職業柄というか・・・職業上の問題が正しいですね。」

フラン「ふーん。じゃあ、これから、様付けと、敬語なしで。あ!これ命令だから。」

咲無「わかったわ。フラン。」

フラン「じゅ、順応が早いわね・・・」

咲無「これくらい出来なくてメイドとしてどうします?」

咲夜(いや、あなた今日から始めたばかりでしょ・・・。)

咲無「あ!フラン、私が此処に来たことは内密に。」(仕方ないじゃない。都合上今私は紅魔館のメイドだし。)

フラン「いいよ?でも、何で?」

咲無「後で面倒なのよ。お嬢様とかお嬢様が。」

フラン「お嬢様・・・。ああ、あいつのことか。」

咲無「ええ。そうね。」

フラン「・・・私は生まれてから殆ど・・・いや、ずっとこの部屋で過ごしてきたわ。理由はいわなくても知ってるでしょ?」

咲無「聞きましたわ。何でも気がふれてるとか・・・。」

フラン「一番の原因は、私が産まれて直ぐにお母さんを能力で殺しちゃったからだってさ・・・。」

咲無「・・・」

フラン「そして、この地下室に閉じ込められた・・・。」

咲無「・・・おかしいわね。」

フラン「?」

咲無「少なくとも、あなたが母親を殺した時点では、あなたは狂気に侵されてはいなかった・・・。」

フラン「???どういう?」

咲無「あなたが産まれて直ぐ母親を殺してしまったのはただの能力の暴発でしかない。」

フラン「じゃあ、何で私に狂気何かが・・・」

咲無「この部屋に閉じ込めらたせいね。長い年月この部屋に閉じ込められれば誰でもああなる。」

フラン「そんな・・・。それじゃあまるで、狂わされたのも同然じゃない・・・。」

咲無「そうなってしまうわね・・・」

フラン「・・・どうすれば、狂気を消せるのかしら・・・」

咲無「それは無理ね。狂気も一つの感情よ。誰もが大きかろうと小さかろうと持っているもの。」

フラン「・・・」

咲無「だけど、乗り越え自分のものにしてしまえばいいのよ。」

フラン「自分のものに?」

咲無「狂気も一つの負の感情。強い決意や精神を持ち、自分の狂気を認めれば狂気を克服することが出来る。」

フラン「強い・・・意志・・・。咲無にはあるの?」

咲無「ええ、あるわよ。私の場合は守りたい人だけどね。お嬢様ではないけど。」

咲夜(・・・)

フラン「守りたい人か・・・いいなぁ。」

咲無「フフ」ニコリ

フラン「強い意志ね。ありがとう咲無。ああ、一つ頼みが・・・」

咲無「ええ、いいわよ。」

フラン「今日の22:30ぐらいに暖かいミルクを持ってきてほしいな。寝る前に飲みたい。」

咲無「わかったわ。そろそろ仕事もあるし、今日はもう戻るわね。」

フラン「うん。今日はありがとう咲無。」

そういう彼女の顔は何かを決意したような顔をしていた。

咲無「それじゃあねフラン。」ガチャン

咲無(それじゃあ、咲夜身体返すわね。)

咲夜「うーん。」(・・・割と直ぐに戻るのね。)

咲無(さて、食器洗いがこの後待ってるわよ。)

咲夜(そうね。また、手伝ってもらえる?)

咲無(勿論。30分で終わらせるわ。)

 

~食器洗い後~

 

咲無(今日の仕事はもう終わりね。)

咲夜(ええ。あなたのおかげで大分楽になったわ。)

咲無(それはどうも。)

サクヤー

咲無(仕事はまだ、終わらないようね。)

咲夜(そのようね。)

 

~レミリアの部屋~

 

咲夜「お嬢様。」コンコン

レミリア「入りなさい。」

咲夜「失礼します。」キィィ

レミリア「咲夜異変の内容が決まったわ。」

咲夜「左様ですか。」

レミリア「吸血鬼らしく、太陽を遮る異変にするわ。パチェ。」

???「画面の前の皆が誰だ?って顔してるから、名乗るぜ、私はヴワル図書館の引きこもりのパチュリー・ノーレッジ。」

レミリア「?何言ってるの?いや、まぁ確かに魔法による通信機越しだけど・・・」

パチュリー「何でもないわ。それより、異変の準備には3日ぐらい掛かるわ。・・・喘息のせいで。」

レミリア「という事よ。もう、下がっていいわ。」

パチュリー「咲夜。」

咲夜「はい。」

パチュリー「後で、図書館に来なさい。」

咲夜「?わかりました。では。」パチン

~紅魔館廊下~

咲夜(異変は3日後か・・・)

咲無(気にする必要はないわ。それより、パチュリーは何の用があるのかしら?)

咲夜(さぁ?)

咲無(ま、その時になればわかるか・・・)

 

~ヴワル図書館~

 

パチュリー「・・・来たわね。」

咲夜「用件は何でしょうか?」

パチュリー「あなた、妹様の部屋に長時間入ったでしょう?」

咲夜「!?」(マズい。咲無どうする?)

咲無(この状況を脱する方法は二つ。一つは私がフランにふざけてやった、口に料理を突っ込んだ云いを話してごまかす事。もう一つは私の事を話すこと。どちらにするかは任せるわ。)

咲夜(うーん。後者について聞かせて?)

咲無(後者だと、とりあえず私が説明する上にパチュリーを口止めする感じね。その方が楽だし。)

咲夜(うーん。前者で任せていいかしら?)

咲無(わかったわ。)

咲夜(咲無)「確かにいましたが。」

パチュリー「どうやって、脱したの?普通即能力で殺される筈だけど。」

咲夜(咲無)「能力を使われる前に料理を口に突っ込みました。いわゆる強制あーんというやつです。」

パチュリー「!?は?え!?そ、そんなんで大丈夫なの!?」

咲夜(咲無)「かなり動揺して、狂気が抑えられたようです。後は刺激させないようにするために少し話してから部屋を出ました。」

パチュリー「そ、そう。もう良いわよ。仕事に戻っていいわ。」

咲夜(咲無)「わかりました。それでは。」パチン

 

~紅魔館廊下~

咲夜(咲無助かったわ。)

咲無(構わないわ。それより妹様の部屋にはこれから時を止めてから入りましょうか。後、暖かいミルクを用意しないと。)

咲夜(そうね。うーん濃い1日だったわ。)

 

To be continued

 




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