前回は二度目の料理地獄回だったのです...。
新たに入った方達と料理を作る司令官さんですが、空母の赤城さんの大活躍?で状況は一気に悪化していき...。
今回は司令官さんの知り合いの方が来るみたいなのです。
いったいどんな方なのでしょうか?
side上条
オッス、上条当麻だ。
今は司令室で任務の資料をかたずけている最中なんだが...。
「やっぱ編成の任務だけは貯まっちまうんだよな...」
そうなのだ、開発や建造のものならすぐに済ませられるのだが...。
編成はそうもいかない。ある特定の艦娘を編成しなければならないのだ。
「ただでさえ艦娘が少ないってだけで大変なのにこれじゃな...」
一人頭を抱える...。
よくよく考えれば簡単なことではあるのだ、資材は腐るほどあるのだから建造を繰り返せばいい。
傍から煮ればそう思うだろう...。
だが現実はそこまで甘くはない。
むやみやたらに建造を繰り返せば今度は艦娘が多くなりすぎて面倒が見切れなくなる。
それに、今でさえ調理に相当手を焼かされているのにそんなことをすればこの鎮守府はあっという間に潰れるだろう。
そう言った理由などで頭を悩ませているのだ...。
「はぁ~、不幸だ...」
大きくため息を吐き、何か方法が無いか思案し始めた時だった。
不意に戸を叩く音が聞こえてきた。
「ん?開いてるから入って来ていいぞ」
『失礼します...』
ドアが開き、入ってきたのは赤城姉だった。
「赤城姉か、どうかしたのか?」
「いえ、提督にお客様がお越しになられたのでご報告にと...」
その言葉に俺は首をかしげる。
「俺にか?どんな奴だった?」
「えっと、たしか白い髪に真っ赤な瞳、それともやしみたいに細い少年でした。」
白髪に赤い瞳っていえばアイツか?
「分かった、そいつは今どこに?」
「門のところにいます。そこまで時間はないから...と」
「門の所か、サンキュ!」
俺は急いで門まで走った。
門の所に着くとそこには白髪頭の細い少年が壁に背を預けて待っていた。
俺は少年に近づき声をかける。
「よっ!一方通行、久しぶりだな。」
すると、一方通行と呼ばれた青年は気だるげにこちらを一瞥、口を開いた。
「あァ、久しぶりだなァ、ヒーロー...」
「俺、誰にも知らせてないのになんでここにいることが分かったんだ?」
「学園都市の上の奴らから聞いたんだ...オマエがここで働いてるってなァ...」
なるほどな、それなら分かる気がするぞ。
「そう言えば今日はどんな用だったんだ?時間が無いって聞いてんだけど…」
「あァ、悪いがコイツを預かってほしインだ...。オイ、隠れてないで早く出て来いバカが...」
誰もいない後ろに声をかける。
すると、木陰からひょっこりと一人の女性が現れる。
「なあ、誰だ?あの子」
俺は一方通行に尋ねる。
「あァ、ついさっき出撃してた時に深海棲艦共をぶちのめしてたらよォ
偶然見つけンだ。いつもなら上に預けンだがその上の奴らが...。
『これからはそう言った子は江の島鎮守府に預けてくれ』とか何とか言いやがってよォ、ついでにそこに誰がいるのか聞いたらオマエがいるって聞いたから顔を出した...」
なるほど、ってことはあの子も艦娘なのか?
すると、少女は俺のもとにやってきてじっと俺を見つめる。
「な、なんだ?」
気恥ずかしくなって俺はそう問いかける。
「えっと...あなたが私の提督さんですか?」
俺はどう答えていいのか分からず一方通行の方を見る。
一方通行は小さくため息を吐いて少女に話しかける。
「...あァ、ソイツがオマエの提督だ、迷惑かけンじゃねえぞ」
それを聞いた少女はこくんと頷き、再度こちらに向き直ると微笑みながらしゃべりだした。
「提督さん、お疲れ様です。練習巡洋艦鹿島、着任です。うふふっ」
「鹿島っていうのか。俺は上条当麻だ、一応ここで提督をやってる。よろしくな」
「はい、よろしくおねがいします。ふふっ」
なんというか、見た目の割に子供っぽいのか?
「用は済ンだし俺は帰るぞ...」
一方通行が背を向けて歩き出す。
「もう帰るのか?少しくらいゆっくりいていけばいいじゃんか」
「俺は忙しィンだよ...こォみえてもな...」
それだけ言うと一方通行は行ってしまった。
「相変わらずだよな、アイツも...」
「仲が良いんですね。お二人は」
俺達はそんなことを言いつつ帰っていく一方通行を見送るのだった。
オッス、上条さんだ。
一方通行から託された艦娘、鹿島を寮へと案内する俺はいつもの不幸でトラブルに巻き込まれ早々に司令室に退散する。
一方鹿島はある艦娘出会い...
次回、鹿島と空母と江ノ島鎮守府。
幻想殺しと艦娘が交差する時、物語は始まる!