前回は調理補助の艦娘達を募った上条提督。
そこで駆逐艦の娘達を宥め部屋へと帰して残った者達と厨房へと向かうのだった。
side上条
「さて、やるか!」
厨房についた俺は、腕をまくり気合いをいれる。
「私達も頑張らないと行けませんね!」
「私達は何をしましょうか…。」
「提督、何をやれば宜しいですか?」
三人も気合いが入ってるみたいだ。
「とにかく大量に料理を作っておかないといけないだろうし、思い付く物を全部作ってくれ。質より量優先でいきたいからな」
『分かりました!』
俺達は早速調理に取りかかった。
「よし、とりあえずこんなものだろ…」
「ふう、結構作りましたね」
「これなら大丈夫じゃないかしら?」
「きっと大丈夫です!」
目の前には料理の山が並んでいる。
「さて、後はあいつらが来るのを待つだけだな!」
そうこうしている間に他の艦娘達がちらほらと現れ始めた。
「良い匂いデース!テイトクの料理ネ!」
「香ばしい香り…上々ね」
『美味しそう!(なのです!)』
「そうね~美味しそうだわ~」
「提督の料理はいつ見ても美味しそうです…。」
続々とやってくる艦娘達。
「よお!来たな…。飯はできてるから好きなのを持っていって食べてくれ」
『いただきます!』
全員が席につき食事をとりはじめる。
皆、美味しそうに食べているが、俺は少し違和感を覚える。
「あれ、料理ってあんなに少なかったか?」
そう、並べられていた料理が異常なほどは少ない。
気のせい…だよな?まさか!
嫌な予感がして、赤城姉の方を見ると皿に山のように盛られた料理を物凄い勢いで平らげていた。
「おいおい…あれは反則だろ…」
危機感を覚えた俺は急いで三人に声を掛ける。
「三人とも!至急、料理の追加だ!早くしないと無くなっちまう!」
『は、はい!』
まさかあれだけ作ったのにまた作らないといけないとは…。
赤いと通常の三倍っていうのはマジらしい…。
「提督、出来ました!」
榛名が声をかけてくるけどそれどころじゃない!
「出来たらすぐに持っていってくれ!俺も今手が離せないから!」
そう声をかけ、俺は自分の調理に戻る。
「提督、料理が無くなってしまったのですが…おかわりいただけますか?」
座席の方から赤城姉が声をかけてくる。
はっ!?もう平らげちまったのかよ!なんて大食いだよ!
「すぐに持っていくんでもう少し待っててくだs..くれ!」
「そうでしたか、分かりました。」
再び席に戻る赤城姉。
「三人とも、もっとスピードをあげるぞ!」
『はい!』
それからは時間との勝負だった。
料理を作りども作りどもすぐにまた催促が来る。
俺達は限界突破でもしてるんじゃないか思うくらいのスピードで料理を作っていった。
「ふぅ、ごちそうさまでした。美味しかったですよ、提督」
「提督の料理はいつ食べても最高デース!」
『とっても美味しかったですよ(にゃ~)(なのです!)』
「美味しかったです…。またお願いします」
「また来るわね~」
よ、ようやく帰っていったか…。
「ふ、不幸だ…。」
俺達はグッタリとしていた。
三人なんか真っ白になっちまってるし…。
「燃えつきました…真っ白に…」
「も、もう限界です…。」
「まさかこれほどまでだなんて…」
駄目だ、まさかこの人数でもこれとは…。
これだとインデックスの大食いの方がまだ可愛く思えてくるぞ…。
それからしばらく俺達はその場から動けなかったのだった。
おっす、上条さんだ。
あの後、なんとか司令室に戻った上条だが、そこにある人物が訪ねてきた。
その人物は誰かを連れているようで…。
次回、とある訪問者とドロップ艦
幻想殺しと艦娘が交差する時、物語は始まる!