とある鎮守府の幻想殺し   作:榛猫(筆休め中)

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榛名です。

前回は提督のご友人の方が、新たな艦を連れてきてくださいました。
そのご友人の方はすぐに帰ってしまわれましたがそんなに忙しいのでしょうか…。


鹿島と空母と江ノ島鎮守府

side上条

 

一方通行を見送った俺達…。

 

 

「さて、そんじゃ、鹿島が住む寮に案内するからついてきてくれ」

 

 

「はい、提督さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達は艦娘の寮のある部屋に来ていた。

 

 

「ここだ、部屋はこんな感じになってru…」

 

そう言って部屋を開けた時だった。

 

 

「キャッ!て、提督…?」

 

着替え中の榛名とバッタリ出くわした。

 

 

「わ、悪りい…」

 

 

「い、イヤァァァァッッ…!!!!」

 

近くにあった櫛を思いきり投合する榛名。

 

 

「ちょっ!待っ!ギャァァァァ!!不幸だーーー!!!」

 

人間には出し得ない豪速球で櫛は見事、上条の顔面に命中…。

 

見事に吹っ飛ばされ、部屋の外に投げ出される。

 

 

「あら、倒れてしまいました…。大丈夫ですか?」

 

倒れている俺をしゃがみこんでツンツンつつく鹿島。

 

大丈夫ならこんなところで倒れてねえよ…。不幸だ…

 

俺が悲観に暮れていると…。

 

 

「あら、提督?どうしたんですか?こんなところで…」

 

声のした方を向くと、翔鶴がこちらに来ていた。

 

俺は体を起こして立ち上がる。

 

 

「翔鶴か、いや…ちょっと新しい艦が来たから寮を案内しようとしてたんだ。」

 

 

「そうだったんですか…。じゃあそちらの子が?」

 

 

「あぁ、新しく着任した鹿島だ」

 

 

「練習巡洋艦、鹿島です。今日からこちらに配属となりました。よろしくお願いします」

 

ペコリと頭を下げる鹿島。

 

「鹿島さんと言うのね.私は翔鶴、正規空母よ、よろしくね」

 

それに返すように頭を下げる翔鶴。

 

 

「紹介も済んだところで…翔鶴、後は任せていいか?」

 

 

「え?構いませんけど…何をすればよろしいですか?」

 

 

ここ(鎮守府)の案内だな、簡単によく使うところを案内してやってくれ、俺は司令室に戻ってるから」

 

 

「了解しました。お任せください!」

 

翔鶴の返事を聞いた俺はその場を後にし、部屋へもどっていった。

 

sideout

 

 

 

 

 

 

 

side鹿島

 

提督さんが去ってしまってそこには私と翔鶴さんだけになってしまいました。

 

 

「さあ、それじゃあ提督に言われた通りここの案内をしますね…。寮は…提督が教えたと思うから…そうね、食堂に行きましょう、ついてらっしゃい」

 

そう言って歩きだす翔鶴さん。

 

私はすぐに後を追います。

 

 

 

少し歩くと、ある大きな部屋に連れてこられました。

 

みたところ何か集まる所みたいですけど…。

 

 

「ここは食堂、補給するときはここに来てね」

 

 

「あ、はい!」

 

なるほど、ここは食堂だったんですね。

 

すると、厨房の方から声が聞こえてきました。

 

 

「あら、翔鶴さんじゃないですか、そちらの方は?」

 

その声に厨房の方をみると短髪の優しそうな女性がこちらに来ていました。

 

 

「千歳さん、この子は今日新しく来た鹿島さんよ」

 

翔鶴さんの紹介に合わせるように私は千歳と呼ばれた女性に自己紹介する。

 

 

「ご紹介に預かりました、練習巡洋艦の鹿島です。よろしくお願いします」

 

ペコリと千歳さんに頭を下げる。

 

 

「まあ、ご丁寧にどうも…。私は水上機母艦の千歳です。

よろしくお願いしますね」

 

にこやかに返してくれる千歳さんに内心少しほっとする。

 

良かった…。怖そうな人じゃなくて…

 

 

「今は千歳さんだけしかいないけれどお昼時と夕食時は他の方も厨房に入ってるの」

 

 

「誰が入ってるんですか?」

 

私のその問いに翔鶴さんが少し考えてから答えてくれます。

 

 

「私と後、榛名ちゃん、それと提督ね」

 

その言葉に私は驚いてしまいます。

 

 

「えぇっ!?提督さんがお料理をなさってるんですか!?」

 

私の反応にクスクスと笑う二人。

 

 

「えぇ、最初は提督が一人で厨房を切り盛りしていたそうよ」

 

て、提督さんって意外と凄いことやってたんですね…。

 

 

「さて、それじゃ次に行きましょうか」

 

 

「はい!お願いします。あ、千歳さんそれじゃ失礼しますね」

 

 

「えぇ、また来てくださいね…。」

 

そうして私達は食堂を後にしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次にやって来たのは演習場でした。

 

 

「ここは演習場よ、まあ説明はしなくてもわかるわよね」

 

 

「はい、私はこれの為にいるようなものですから!」

 

 

「そうね、もしかしたら貴女にはここの教官になってもらうかもしれないわね…。それじゃ次に行きましょう」

 

私達は次の場所へと向かいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次に連れてこられたのは立派な扉の前でした。

 

扉の横には司令室と書いてあります。

 

 

「ここが司令室よ。提督がいつもいる所ね」

 

そう言うとコンコンとノックをする翔鶴さん。

 

 

「どうぞ」

 

と声が返ってきて翔鶴さんは扉を開け入っていきます。

 

私もそれに続いて中に入ります。

 

 

「失礼します。」

 

 

「あら?翔鶴さん。それに貴女は…?」

 

中に入るとそこには長髪のおしとやかな感じの女性がいました。

 

翔鶴さんが千歳さんのときと同じように紹介してくれます。

 

 

「赤城さん、紹介しますね、この子は新しく来た鹿島さんです。」

 

すると赤城と呼ばれた女性はあぁ…と納得したような表情を浮かべます。

 

 

「貴女が新しく来た方でしたか、提督から話は聞いています。私は正規空母の赤城です。よろしくお願いいたします」

 

 

「はい!こちらこそよろしくお願いします」

 

 

「そういえば赤城さん、提督はどちらに?」

 

翔鶴さんに言われて私は初めて提督さんがいないことに気がつきました。

 

 

「提督なら工厰のほうに行くと言っていましたよ?」

 

 

「そうですか。なら、そちらを伺ってみますね…。行きましょうか鹿島さん」

 

 

「あ、はい!それじゃ赤城さん失礼します」

 

赤城さんに挨拶すると私はすぐに翔鶴さんの後を追うのでした。

 

 




よっ!上条さんだ。

また工厰に来ていた俺は建造するために資料に資材の数を書き込んでいく…。
するとそこに明石がやって来て…。

次回、大型建造と不幸少年

幻想殺しと艦娘が交差する時、物語は始まる!

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