しかし無理やり感と場面転換が酷いのでひろーい心で読んでいただけるとありがたいです。
いつもお気に入り等ありがとうございます
そしてついでなのですが、前回の話の投稿後、一瞬だけランキングに載っているのを発見いたしました!
読んでくださる皆様のおかげです!ありがとうございます!
「お前、オールマイトとどういう関係なんだ?」
「……え?」
予想以上の想定外。
入学初日の個性把握テストという試練を乗り越えたと思ったら、思わぬところから最大のピンチ発生。
緑谷は逆廻の質問にかなり動揺し、混乱していた。
(なんで!?なんでバレたんだ!?……いやまだバレてない。逆廻君の質問からすると僕とオールマイトととの間に何かしらの繋がりを感じているだけ?ならまだ誤魔化せる!ここで変な動揺を見せたりしたらダメだ!)
「関係と言われても…、ただの、大ヒーローとそのファン……だと思うけど?」
少しの間フリーズしたものの、すぐさま現状の状況と打開策を理解した緑谷は思い切りとぼけた。
逆廻の発言には少し動揺し顔などに出てしまったが、今なら急な話題変換に戸惑った、という風に誤魔化せると踏んだからだ。
どこで勘づかれるようなヘマをしたのか、緑谷は昨日から今までのことをザッと振り返るが、そんな覚えはこれ一つもない。
自分でも気づかないまま重大なヘマをやらかしたのか、はたまた逆廻が鋭すぎるのか、今の緑谷にはわからない。
(昨日の除籍処分の危機とは比べ物にならないぞ…!)
雄英から除籍されてもそれは緑谷個人の問題だけで済むが、オールマイトとの秘密がバレてしまったらタダでは済まないだろう。
オールマイトは存在自体が敵に対する抑止力になる程の力をもつ平和の象徴だ。
そんなオールマイトの個性が『代々受け継がれてきたもの』だと世間に広まってしまったとしたら。
世の中は混乱し、暴れる敵の総数も多くなることだろう。
それだけは、絶対に阻止しなければならない。
逆廻が勘づいたとして、世間に言いふらすとは思わないが、言いふらさないとも限らないし誰が聞いているかもわからない。
自分が、この手強そうな逆廻を相手にどれだけ立ち回れるか。
かなり身構えて逆廻の反応を待つ。
「ふうん。そうか。」
案外あっさりと引いた。
「え、……あ、うん。」
拍子抜けした。
「なんだ?物足りなそうな顔してんじゃねえか。」
「え、いや!?随分改まって聞かれたからもっと突っ込まれるんじゃないかと思っただけ!」
気の緩みが顔に出ていることを指摘されて咄嗟に声が裏返ってしまったが、なんとか誤魔化せたのではないだろうか。
少し緑谷が安心していると、ドアを開ける音がして何人かの生徒が騒がしく入ってきた。
「おっ、2人とも早いなー!」
「おっす!」
軽く声をかけてくれた。
緑谷は返しつつもチャンスと思った。
「みんな来始めたね。なんか僕トイレ行きたくなっちゃった!ちょっと行ってくるよ、ありがとう逆廻君!」
逆廻の反応を見ずにそそくさと廊下にでた。
特に引き止められなかった辺り、上手くいったのだろう。ドアを閉める際にチラリと確認してみたが、僕には一つも目を向けず、肩にかかっていたヘッドフォンを耳にあてがい読書を再開していた。
結局逆廻の個性について一つも聞いていないことに緑谷が気づくのは、トイレで用を済ませたあとだった。
○o。..:*・・*:..。o○
(あいつ、俺の個性について知りたいんじゃなかったのか?)
トイレに行ってくる と言い足早に廊下へ出ていってしまった緑谷に呆れつつ、騒がしくなった教室でヘッドフォンを耳栓代わりにして読書を再開した逆廻は一つの確信を得た。
(やっぱり何か隠してんな)
本人はうまく誤魔化せたと思っているらしいが
逆廻が、緑谷とオールマイトに何かしらの繋がりがあるのではと疑い始めたのは昨日のボール投げからだ。
実は、建物の影から覗くオールマイトの存在に逆廻だけは気づいていた。
ばれないようにコソコソとする大ヒーローの姿は、逆廻の目にはどうしても面白く見える。
誰にも言わずオールマイトをそれとなく観察していたら、オールマイトの視線の先にはいつも緑谷がいることに気がついてしまった。
そして緑谷がボール投げで大記録を出したときの嬉しそうな顔。
何か関係がある、と思わないほうが無理だろう。
そして先程の緑谷の反応を見て、その疑問は確証に変わる。
ではその関係とは、どのようなものなのか。
早速逆廻は推測をしはじめた。
どうやら緑谷は隠しておきたいらしいし、そのほうが答えを教えてもらうより俄然燃える。
が、しかし。
大体の答えは逆廻の中では既に出ていた。
思い出すのはボール投げのときのこと。
緑谷と、あの爆破の個性を使うかっちゃんという奴はどうやら幼馴染みらしい。
そんなかっちゃんは緑谷がボール投げをやる前、エンジンの個性を使うメガネと話している時、こんなことを言っていた。
『あ゙あ゙?無個性の屑だぞ!当たり前だろうが!』
無個性。それは現代世界において約八割が持つ特殊能力、通称個性を持たない人に使われる言葉。
しかし緑谷はボール投げで個性を使い、そこそこな記録を出した。
そしてそのことにめちゃくちゃ驚くかっちゃん。
普通ならただ爆豪がおかしなことを言っているだけだと思うだけだろう。
しかし。
かっちゃんは、緑谷が個性を使ったことに対して本気で驚いていたし、なぜか本気で怒っていた。
もしかしたら緑谷出久は、本当に無個性だったのではないか。
緑谷はボール投げ以外で個性を使わなかった。
実は入試試験のときの緑谷を見ていた逆廻は、その時から密かに緑谷に目をつけていたのだが、そのときも個性を使った後に大怪我をして、ボール投げのときも怪我をしている。
おそらく個性の制御ができていないのだ。
そう、まるで個性を発現させたばかりの幼児のように。
考えられるケースは大きく分けて2つ
①単純にかっちゃんが緑谷の個性を知らなかった。
② 最近になって個性が発現した。
ケース①の場合には、『緑谷が隠していた』『発現はしていたが本人も気づいていなかった』などが有力だろう。
ケース②の場合、個性の発現はもれなく4才までとされているが、まだまだ個性については分かっていないことが多いし、有り得ない話ではない。
そしてもう一つ、『何からの方法で個性を手に入れた』
一見ありえない話だが、逆廻は実はこのパターンが、一番今の状況にはあっていると思っている。
個性を人為的に発現させる方法など知らないが、特殊能力だし『個性を与える個性』とか、それと似たような個性があってもいいだろう。
そしてオールマイトとのことを考えると、面白いことが想像できた。
緑谷は何らかの方法でオールマイトから力を授かったのではないか?
そして師弟のような関係になって今に至るのなら、テストの際のあの見守るような行動にも説明がつく。
オールマイトの個性は世間に明かされていない。
そして緑谷の個性はオールマイトと同じパワータイプ。
それも指一つだけで700m以上ボールを飛ばせるくらい強力な。
緑谷があの個性を使いこなせるようになれば、オールマイトのようなヒーローになれるだろう。
緑谷の個性発現の秘密はオールマイトの個性にありそうだ。
まあ、この仮定が本当だったらの話だが。
確かにこの話が本当だったら世間にバレるわけにはいかないし、色々と辻褄も合う気がするが、少々強引すぎる。
(あの2人が特別な関係なのは確かに分かったことだし、決めつけるのはやめてもっと柔軟に考えてみるか。)
ここまで考えて逆廻は考察をやめて、読書に集中することにした。
○o。..:*・・*:..。o○
なんとか危機を脱した緑谷が教室に戻ると、出欠時間まで5分ほどで、随分教室も賑わっていた。
逆廻は未だに窓際の一番後ろに座って読書をしていた。
(そこの席の人かわいそうに……、まだ来てないのかも。)
緑谷は自分の席に座って周りを見渡した。
座席表と逆廻を交互に見つめて疑問符を浮かべる黒髪の女の子を見つけて少し可哀想に思った。
ついにその女子が意を決して逆廻に話しかけようとした瞬間、本をまとめて逆廻が立ち上がった。
1点を見つめてニヤリとしている。
視線の先には、たった今教室に入ってきた爆豪が。
(なんかやばそう)
緑谷がヒヤヒヤしている間に逆廻はヘッドフォンをしたまま本を抱えて爆豪に接近。
爆豪が近づいてきた逆廻に気がついたようで怪訝そうな顔をすると、ついに爆弾が投下された。
「おはよう、昨日はよく寝れたか?かっちゃん!」
ビシ、
教室の時間が止まった。
昨日の1件で爆豪がどれだけキレやすく気難しいのかをクラス中が知っている。
もちろん逆廻もわかっているはずなのだが……?
みんなが目を見開いて2人を見つめている。
「…あ゙あ゙?今なんつったてめぇ。」
「おはよう、昨日はよく寝れたか?かっちゃん♡」
ご丁寧にそのまま、プラスで語尾に♡までつけた逆廻。
ブチン、と何かが切れる音がした。
「それだそれ!そのかっちゃんっつーのやめろや気色わりぃ!!!」
BOOM!!!!
爆豪が盛大にキレて爆破を起こしても逆廻は止まらない。
「なんだよ、別にいいだろ?そんなに怒んなよかっちゃん。」
「そーゆー問題じゃねえんだよ!!!俺ん名前は爆豪勝己だ!!!呼ぶならそっちで呼べや!!!」
「え?なに?ごめんヘッドフォンしてて全然聞こえない。」
「……!!!!!!!」
爆豪を煽りまくる逆廻。
爆ギレな様子の爆豪は、目をこれ以上ないほど釣り上げて、今にも大爆発を起こしそうな勢いだ。
そして対象的に鼻歌でも歌い出さんばかりに機嫌がよさそうな逆廻。
相澤先生……、助けて……!!!
クラスの願いが一つになるときと、相澤先生が教室とドアを開けるのはほぼ同時だった。
(逆廻君……、やっぱりとんでもない問題児だ!!)
○o。..:*・・*:..。o○
雄英のカリキュラムでは午前は普通の授業。
英語に数学、物理や古文現代文。
ヒーロー科に入ったにも関わらず、普通すぎる授業にほんのすこしの落胆の色が隠せないクラスメイトたち。
そんなちょっと退屈な時間。
でも一つだけ分かったことがある。
「じゃあ、この問題を……逆廻十六夜!」
逆廻十六夜は、とんでもない天才である、ということだ。
「ハッ、答えは――――――――、だな。」
「うっ、…正解だ。」
逆廻には悪いが、彼は絶対に勉強ができない所謂『脳筋』だと思っていた。
真面目に授業を受ける気がない様子の逆廻に、先生がキレて問題を出しまくるが、逆廻は何ともないように答え続ける。
「……え?お前勉強できるの?」
「ああ?どこからどう見ても俺は頭脳派だろ?」
(((((どこが!?!?!?!?)))))
流石に勉強できるようには見えないです。ごめんなさい。
(かっちゃん以上の才能マンに出会えるとは……。)
爆豪勝己も才能に恵まれているが、それ以上に努力家でとてもストイックである。
逆廻のことは問題児だということしか知らないが、彼も陰で努力をしていたりするのだろうか?いや、そんな風には見えない。
結局その授業は逆廻の完全勝利で終わった。
午前の授業はこれで終わり。
お昼を食べれば、午後はお待ちかねのヒーロー基礎学だ!!!
○o。..:*・・*:..。o○
「私があぁぁぁ……!」
「普通にドアから来たあぁぁぁ!!!!」
ついに始まった午後の授業。
教室にやってきたオールマイトに、みんなが興奮していた。
『オールマイトだ!』
『画風が違いすぎ!』
『とりあえずやばい!』
緑谷だってもちろん興奮しているが、逆廻からの視線を感じて少し冷や汗をかく。
(あとで逆廻君のこと、オールマイトに相談しなきゃ……)
「私の担当はヒーロー基礎学!ヒーローとしての素地を整える授業だ!単位数も最も多いぞ!そして早速だが、今日は戦闘訓練だ!」
「「「おおお!!!」」」
「戦闘!!!」
爆豪が嬉しそうにしていることに緑谷はさらに冷や汗をかいた。
「その戦闘訓練に向けて……!!」
オールマイトがスイッチらしきものを押すと、教室の壁から棚のようなものが次々と出てきた。
その棚に入っているものは……!
「「「ヒーロースーツ!!!」」」
「さあ、これを着て早速出掛けよう!!!」
はい、これは酷い無理やり感と場面転換ですね!!!(やけ)
だってどうしても十六夜にかっちゃんを弄ってほしかったんだもの!!!
自己満ですねすみません。
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