問題児のヒーローアカデミア   作:わたくしメガネ

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今回も短めです

なるべく原作キャラ(主にデク)の見せ場は残しておきたいと思ってるのですが、なかなか上手くいきません
クロスオーバーって難しいですね


2話

 

 

 

 

「よし クラス全員集まったところで個性把握テスト再開すんぞー」

 

 

 

逆廻君のあまりに豪壮な自己紹介に唖然としていた僕だったが、相澤先生の言葉で一気に現実に引き戻された。

 

(そうだ、テスト...!僕はまだOFAを100か0でしか使えないのに...っ)

 

 

総合最下位は問答無用で除籍

 

 

(やっと夢へ1歩踏み出せたところなのに、こんなところで...!)

 

 

僕の思いなど露知らず、テストは始まってしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

50m走 握力 立ち幅とび 反復横とび

 

この4つの種目が終わった時点で、僕らは逆廻君の圧倒的な力に開いた口が塞がらなかった

 

 

まず50m走

飯田君が3秒代という凄い数値をたたき出したり、それぞれが自分の個性を駆使していい結果を出していく中、逆廻君は格が違いすぎた

 

 

 

スタートの合図が聞こえたとき、逆廻君は既にゴール地点にいたのだ

 

 

見ていたみんなが『ん?』と疑問符を浮かべた瞬間、爆風に襲われた

 

 

 

......速すぎて目が追いつかなかった。

 

 

 

その事実にみんな度肝を抜かれた

記録は規格外すぎて数値化できなかったらしい

 

 

 

その次に握力

 

ヒーロー科はやはりみんな体を鍛えているようで、パワー系の個性ではない人も握力は強く、パワー系の個性の人中には500越えの記録を出す人もいた

 

 

しかし、ここでも逆廻君は凄かった

 

 

あのダイナミックな登場と50m走での規格外の速さに、僕は逆廻君の個性はスピード系や瞬間移動系だと思ったが、どうやら違ったらしい

彼が測定器を手にもち力を入れた瞬間、測定器はあっけなく壊れてしまった

 

それを見たみんなは コイツやべぇな と視線で訴えていたし、逆廻君本人はヤハハ!と豪快に笑っていた

 

ここでも彼の記録は数値化できなかった

 

 

立ち幅跳び 反復横とびでも逆廻君の無双は続いた

 

立ち幅跳びは近隣の方々へ迷惑のかからないように、と言いながら校庭の端まで軽々飛んでいたし、反復横とびは砂ぼこりが凄すぎて見えなかった

 

 

クラスが彼を賞賛する

 

 

そんな中僕はただ焦っていた

 

(力をコントロールできない...、イメージは出来るのに...)

 

みんなが何かしらの種目で大記録を出しているのにも関わらず、僕はすべて平凡な記録しか出せていない

 

このままでは本当に除籍処分に

 

 

 

 

 

そしてボール投げが始まった

 

みんながいい記録を出す中、あの心優しい女の子...麗日さんの個性は触れたものを無重力にする個性らしく、投げられたボールはいつまで経っても落ちてくることはなく、遥か彼方へ消えていった

 

『記録∞!?』

 

『これはやべぇ!』

 

 

そしてもう一人、∞を出した生徒が。

 

想像がつくだろうが、逆廻君だ

 

彼が投げたボールは風を巻き起こしながら、あっという間に空の向こうへ。

彼はボールを投げたあと、空を見上げ

 

『宇宙までいってるかもな』

 

それか燃え尽きたかも

 

と、呟いた

 

 

 

凄い 凄すぎる

流石の相澤先生も、∞とでた測定器を見つめて唖然としていた

 

(この人はもしかしたらオールマイトと同じか、あるいはそれ以上の個性を...、いや、そんなことを考えている場合じゃない)

 

 

 

ついに僕の番がきてしまった

 

 

「緑谷君はこのままだとまずいぞ」

 

そんな飯田君の声が聞こえた

 

「あ゙あ゙?無個性の屑だぞ!当たり前だろうが!」

 

それにかっちゃんが反応する

 

「無個性?君は彼が入試時に何を成したか知らんのか」

 

「はあ?」

 

 

「まあそんなことはあとでいいじゃねえか。今はちゃんと見とけ」

 

 

2人の会話に割って入ってきたのは逆廻君だった

チラと様子を窺ってみると、彼は変わらず軽薄な笑みを浮かべたまま、ただじっと僕を見ていた

 

(そうだ...、今は色んなこと気にしてる場合じゃない)

 

(やろう!やらなきゃ本当に最下位だ!)

 

ボールを手に、入試のときのあの感覚を思い出す

電子レンジに入れられたタマゴのような...

 

(絶対になるんだ!ヒーローに!)

 

そして腕を振りかぶって、全力で投げた

 

 

 

 

 

 

 

 

コロン

 

『46メートル』

 

 

!!????!!?!!??!?

 

(なんで!?確かに個性は使ったはずなのに!)

 

 

 

 

「個性を消した」

 

その声に振り返ると、髪を逆立て目を紅く光らせた相澤先生が。

 

「つくづくあの入試は合理性に欠くよ... お前みたいなやつも合格できてしまう」

 

「個性を、消した...?」

 

その言葉に何かがひっかかる

そして、先生の首から下げられたゴーグルを見つけた

 

「そのゴーグルは...!見ただけで相手の個性を消す抹消ヒーロー、イレイザーヘッド!」

 

 

周りが知ってるか否かを議論する中、僕は混乱していた

 

(先生はなぜ僕の個性を...?)

 

「お前まだ個性の制御ができないんだろう」

 

「!?」

 

「またズタボロになって誰かに助けてもらうつもりだったのか?」

 

「そ、そんなつもりは!」

 

否定すると、先生の首に巻かれた包帯のようなもので体を引き寄せられた

 

「!!」

 

「お前がどんなつもりであろうと結果的に周りはそうせざるを得ないんだ」

 

「っ...!」

 

「いつだか、たった1人で大勢の人々を救い出して伝説になったヒーローもいるが、お前の場合は1人を助けてボロボロになってそこでおしまいだ」

 

 

 

「お前の力じゃヒーローにはなれないよ」

 

 

 

「っ、」

 

「個性はもどした ボール投げは2回だ。さっさと済ませろ」

 

 

頭の中で お前の力じゃヒーローにはなれないよ という言葉がぐるぐると回る

 

『きみはヒーローになれる』

 

オールマイトに言ってもらった言葉

 

オールマイトに与えてもらったこの個性

 

(そうだ、このままじゃ僕はヒーローになれない)

 

 

1度使えば体をボロボロにしてしまう、まだ制御しきれないこの力

 

たぶんこのまま個性を使って大記録を出しても体が、ボロボロになってアウト

 

だからといって、それをこわがって個性を使わずに平凡な記録を出してもアウト

 

 

...なら

 

(個性を使っても、動ければいい...!)

 

まだ僕は個性を制御できない。けど、この方法なら...!!

 

ボールを握りしめる

 

そして、

 

 

 

「行っけえええええええ!!!!」

 

腕を大きく振りかぶり、ボールを投げるタイミングで ()()()()()()() 個性を使った

 

 

 

 

 

 

 

『705メートル』

 

 

 

「なっ...」

 

今まで平凡なタイムしか出さなかった僕の好記録に、周りがざわつく

かっちゃんなんかは無個性のはずの僕に個性があることを目の当たりにして愕然としている

 

自分の人差し指をみると、入試の時みたいに赤く腫れ上がっていた。が

 

(あのときほどの、痛みじゃない!)

 

「先生! ...まだ、動けます!!!」

 

その時の先生の顔は、なんだか愉快そうに笑っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、

 

「緑谷出久...、やっぱり面白そうだ」

 

誰かがそう呟いたように聞こえたが、誰だったかまではわからなかった

 

 

 

 

 




最後に呟いたのはもちろん...

感想 評価お待ちしております

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