問題児のヒーローアカデミア   作:わたくしメガネ

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こんにちは!この作品も気づけばお気に入りが1000を超えておりました!ありがとうございます!
今回は少し長めで、USJ編も終わります。
この辺から原作と少し変わった展開が多くなりますが、極力デクくんの活躍は少なくならないようにするつもりです。
十六夜の活躍も増えていきます。
それではどうぞ!


11話

 

 

 

 

 

 

 

 

声が出なかった。

 

 

 

 

 

 

 

脳無と呼ばれた脳剥き出しの黒い生き物が、目にも止まらないスピードで相澤を地面に叩きつけ、腕をへし折った。

 

 

 

 

「個性を消せる。素敵だけどなんてことはないね。圧倒的な力の前ではつまりただの無個性だもの。」

 

 

死柄木がふらりと立ち上がり、不気味に笑う。

 

 

 

やばい。

 

もはや人とは思えない脳無を見て、緑谷たちは身じろぎ一つすることができなくなっていた。

 

 

 

 

 

そのとき。

 

 

 

「お前ら、間違っても助けに行こうなんて思うんじゃねえぞ。」

 

逆廻が一言を残して、消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相澤は、簡単にへし折られた自身の腕を掴む黒い手を見ながら考える。

 

(小枝でも折るかのように・・・!身体の一部でも見れば個性は消せる。つまり、素の力がこれか!オールマイト並みじゃねえか・・・!)

 

脳無は相澤の頭を掴んで軽く持ち上げる。

 

(頭を叩きつけられる・・・!)

 

相澤が歯を食いしばった途端、奴はやってきた。

 

 

 

 

 

「さすがのアンタも、やべーんじゃねえか?この状況。」

 

気づけば相澤は逆廻に抱えられていた。

 

 

「・・・は?」

 

相澤は状況が把握出来ずに目を大きく見開いた。

 

 

「・・・は!?ついさっきまでそこに・・・!!」

 

少し離れた湖でも、3人が先程まで逆廻がいた場所と、今逆廻がいる場所を見比べて口を開けている。

 

脳無は10mほど離れたところで蹲っていた。

 

 

「へえ、なかなかやるじゃねえか。手加減したとはいえ、この演習場の外まで吹っ飛ばすつもりだったんだがな。」

 

逆廻の言葉に、相澤は自分が逆廻に助けられたことを知る。

 

「何やってんだ逆廻、避難しろと言っただろうが・・・!」

 

「指示に背いて悪いとは思っているが、あの後色々あってな。それに、その腕じゃもう戦うのは厳しいだろ。」

 

逆廻の指摘に相澤はバツの悪そうな表情を浮かべる。

 

逆廻は相澤を少し離れたところへ丁寧に置くと、死柄木と脳無の方へ向き直る。

 

死柄木はそんな逆廻を見て非常に焦っていた。

 

(脳無を吹っ飛ばした・・・!?あの脳無をか!?)

 

死柄木はじりじりと後退する。

逆廻は死柄木があけた距離を詰めようとすると、黒い影が現れた。

 

「死柄木弔。」

 

「黒霧、今結構やばい状況なんだ。ていうか13号はやったのか?」

 

「行動不能にはしたものの、散らし損ねた生徒がおりまして・・・、1名逃げられました。」

 

「は?」

 

死柄木はつい逆廻への警戒を緩めて、間抜けな声を出してしまった。

 

「はー・・・、はあーーーー。黒霧お前、ワープゲートじゃなかったら粉々にしたよ・・・。」

 

ガリガリと首筋を掻く死柄木。

どうやら奴らの作戦上でまずい事態が起こったらしい。

 

「さすがに何十人ものプロ相手じゃ敵わない。ゲームオーバーだ。帰ろっか。なんかこっちもヤバいやつがいるしね。」

 

死柄木は逆廻を見ると少し悔しそうな声を出した。

 

 

 

 

_________________バアアアン!!!

 

 

突如、大きな音が演習場に響き渡った。

 

 

 

 

「もう大丈夫。私が来た。」

 

 

「この声は・・・!」

 

その姿を見た生徒は、安堵の表情を浮かべずにはいられない。

 

 

 

「あー、コンティニューだ。」

 

死柄木が楽しそうに笑う。

 

オールマイトは笑っていなかった。

 

 

 

 

オールマイトは近場の敵どもを一瞬で蹴散らすと、真っ先に相澤の元に向かう。

 

「相澤くんすまない。」

 

相澤は気を失っていた。

怪我の状態を見て、オールマイトは相澤が1人で頑張ったことを知る。

 

死柄木たちから目を離さないまま、逆廻が後方にいるオールマイトに話しかける。

 

「遅かったじゃねぇかオールマイト。」

 

「逆廻少年。すまない。君にも怖い思いをさせてしまったね。」

 

逆廻はそんなことどうでもいい、とでも言いたげに、早急に脳無を指す。

脳無は先程の逆廻の攻撃がなかったかのように無傷で立っていた。

 

「あの脳むき出しのやつ。多分アンタでも危ない。オレが対処にするからオールマイトはほかの生徒たちを・・・」

 

「いや逆廻少年。君がそんなことをする必要はない。」

 

 

 

オールマイトは一瞬で湖から緑谷たちを連れてきた。

 

 

 

「逆廻少年は、緑谷少年たちと相澤くんを安全なところまで運んでくれないか。」

 

「「・・・・・・!!??」」

 

緑谷たちは自分の状況が理解出来ずに混乱する。

 

「大丈夫なのかオールマイト。」

 

逆廻はオールマイトに念を押す。

 

「逆廻少年。君がいくら強大な力を持っていようと、君は生徒なんだ。君たちを守ることが我々の仕事なんだよ。」

 

「・・・わかった。相澤教諭のことは任せろ。」

 

オールマイトの言葉に逆廻は納得のいく様子を見せないが、丁寧に相澤を担ぐ。

 

「緑谷たちも手伝ってくれ。」

 

「・・・う、うん!」

 

状況を理解できないまま、逆廻に言われた通りに行動する3人。

 

逆廻と緑谷の二人がかりで相澤を持ち上げ、蛙吹と峰田は2人の補助につき、安全に相澤を寝かせることができるところまで歩き出す。

 

 

 

その様子を見届けると、オールマイトは死柄木たちに向き直った。

 

「さすがに速いや、目で追えない。けれど思ったほどでもない。やっぱり本当だったんだ。弱ってるって話。」

 

「それはどうかな。」

 

死柄木の指摘を笑って吹き飛ばすと、オールマイトは脳無に突っ込んでいった。

 

 

物凄い勢いで攻防を繰り返す2人。

 

しかし、オールマイトの攻撃が全く脳無に効いていない。

 

「マジで全然効いてないな!」

 

逆廻の言葉を思い出すオールマイト。

 

その言葉に気を良くした死柄木がペラペラと語り出す。

 

「効かないのは個性がショック吸収だからさ。さっきの金髪には吹っ飛ばされたけど、脳無にダメージを与えたいならゆうっくりと肉を抉りとるとかが効果的だね・・・。それをさせてくれるかは別として。」

 

 

オールマイトが脳無にバックドロップを決める。同時に轟音と凄まじい砂埃が舞い上がった。

 

 

その現場を目の当たりにしながら、相澤を運ぶ4人。

 

「なんでバックドロップが爆発みたいになるんだろーな!さすがだせオールマイト!」

 

「授業はカンペ見ながらの新米さんなのにね。」

 

オールマイトが来た安心感からか、軽口を叩けるようになった2人が喋り出す。

 

逆廻は黙って相澤を担いだまま先を急ぐ。

 

緑谷は、オールマイトのことが心配だった。

 

 

 

緑谷は、オールマイトが既に限界まで活動していることを、ネットニュースや授業に顔を出さないことから察していた。

 

オールマイトが無理を圧して戦っているのを、緑谷は知っている。

 

 

 

 

「っ~〜~〜~!!!そういう感じか・・・!!!」

 

オールマイトのうめき声が聞こえた。

緑谷は振り返る。

 

 

バックドロップを決められたはずの脳無は、黒霧のワープによって上半身をオールマイトの真下に転移させ、オールマイトの両脇腹を強く掴んでいる。

 

「いたた!」

 

脳無が指を食い込ませるたび、オールマイトの悲鳴が聞こえてくる。

 

オールマイトが咄嗟に左の脇腹を庇うのを見て、緑谷は思い出す。

 

あそこは、オールマイトの酷い古傷がある所ではないか、と。

 

 

(僕だけが知ってる秘密・・・。)

 

 

数年前の大きな戦いによって、左の脇腹に大きな傷を負ったこと。

 

その傷のせいで、活動の限界を迎え始めていること。

 

だから、次の後継者を探していたこと。

 

それに、緑谷出久が選ばれたこと。

 

今日は既に一日の活動限界を迎えていること。

 

オールマイトが笑うのは、ヒーローの重圧や恐怖から己を欺くためだということ。

 

 

 

「蛙吹さん!相澤先生担ぐの代わって・・・!」

 

「いいわよ緑谷ちゃん。けどなんで・・・。」

 

緑谷は素早く蛙吹と代わる。

 

「おいお前まさか・・・!!!」

 

逆廻が制止の声をかけるがもう遅い。

 

緑谷は既に飛び出していた。

 

(嫌だよオールマイト。教えて欲しいことがまだ山ほどあるんだ!!!)

 

緑谷も、ここでオールマイトのことを信じるべきだと知っていた。

 

しかし、オールマイトが殺されてしまうかもしれないという不安が、オールマイトの苦しそうな声が、どうしても緑谷をかき立てた。

 

 

「オールマイトォ!!!」

 

(緑谷少年!君ってやつは!!!)

 

オールマイトが焦る。

 

黒霧が、ワープゲートを緑谷に向ける。

 

「っ、あのバカ!」

 

逆廻は緑谷を止めに行きたいが、相澤を任された以上、無責任に飛び出すことはできない。

 

BOOOOM!!!

 

「どっけ邪魔だデク!!!」

 

緑谷がワープゲートに突っ込む寸前、横から爆豪が現れ、黒霧を爆破した。

 

爆豪はその勢いのまま黒霧を地面に叩きつけて押さえつけた。

 

それと、同時に今度は脳無のほうに異変が。

 

脳無の身体が、オールマイトに影響がない程度に凍り始めた。

 

「てめぇらが、オールマイト殺しを実行する役だと聞いた。平和の象徴はてめぇら如きに殺れねぇよ。」

 

冷静に轟が歩いてくる。

 

「だあー!!!」

 

そして、今度は死柄木のほうには切島が現れ、硬化した腕で攻撃する。

 

「くっそ!いいとこねー!」

 

死柄木に避けられた切島は悔しそうに言う。

 

「かっちゃん・・・、みんな・・・!」

 

緑谷が情けない声を出す。

 

轟の氷結のおかげで脳無の手が緩み、オールマイトが拘束から逃れる。

 

 

 

「先を急ぐぞ!」

 

その様子を見た逆廻は止めていた足を動かし始める。

 

「だ、大丈夫なのかよ逆廻!あいつら・・・!」

 

峰田が不安そうな声をあげる。

蛙吹も何も言わないが不安げに緑谷たちを見つめている。

 

「大丈夫ではないな。でも、かっちゃんや轟たちがいるなら今すぐ殺されるっつーことはないだろうし、オールマイトも死ぬ気で守るだろう。でも危ないことには変わりはない。だから急いで安全なところまで運んで、すぐ助太刀に行く。」

 

「お前まで行くのかよ!オールマイトに任せようぜ!」

 

「お前ら2人は死んでもついてこようと思うなよ。」

 

逆廻はそれだけ言うと足を速めた。

 

本当は逆廻も、オールマイトが活動の限界を迎えているのを、先生たちの会話を盗み聞きして知っていた。

 

本来ならオールマイトに任せたいところだが、今のオールマイトがどれだけ踏ん張れるのかわからない。

 

(頑張ってくれよオールマイト。)

 

今はオールマイトに頼るしかないのだ。

 

 

 

 

 

 

「このウッカリヤローめ!やっぱ思った通りだ!モヤ状のワープゲートになれる箇所は限られてる!そのモヤゲートで実体部分を覆ってたんだろ!?」

 

爆豪は黒霧を押さえつけたまま凶暴に語りかける。

 

「全身モヤの物理無効人生なら『危ない』っつー発想は出ねぇもんなあ!!!」

 

爆豪に押さえつけられているのがその証拠である。

全身モヤでできているのならそもそも触れることなどできないのだ。

 

「ぬうっ・・・!」

 

黒霧が悔しそうに呻く。

 

「っと動くな!怪しい動きをした、と俺が判断したらすぐ爆破する!」

 

「ヒーローらしからぬ言動・・・。」

 

切島が呆れた様子で爆豪を見る。

 

 

「出入口を塞がれた・・・。すごいなぁ最近の子どもは。恥ずかしくなってくるぜ敵連合・・・!」

 

攻略されているのに、余裕そうな振る舞いで呟く死柄木。

 

「脳無、爆発小僧をやっつけろ。出入口の奪還だ。」

 

死柄木の言葉で、身体の半分以上を凍らされているはずの脳無が動き出す。

 

凍った状態で無理して動くため、体がボロボロと崩れ始める。しかし脳無は止まらない。

 

「身体が割れてるのに動いてる・・・!?」

 

「皆下がれ!ショック吸収の個性じゃないのか!?」

 

脳無の個性を知っている緑谷とオールマイトが特に驚く。

 

死柄木は何ともないように言って見せた。

 

「別にそれだけとはいってないだろう。これは超再生だな。」

 

「「「!?」」」

 

個性を複数もっていることなど通常はありえない。

 

だが現に、脳無の身体の崩れた部分はすぐに気持ち悪い動きで再生し始める。

 

これには脳無のことをよくわかっていない爆豪たちも驚いたようだ。

 

「脳無はお前の100%にも耐えられるよう改造された超高性能サンドバック人間さ。」

 

 

再生を終えた脳無が瞬間的な速さで爆豪に襲いかかった。

 

 

脳無は拳の一振りで、十数m後方まで吹っ飛ばした。

 

「かっちゃん!!!」

 

脳無の攻撃の余波に吹き飛ばされそうになりながらも、緑谷は爆豪を心配する。

 

が、爆豪は緑谷のすぐ隣にいた。

 

「かっちゃん!!?避けたの!!?すごい・・・!!!」

 

「ちげぇよ黙れカス。」

 

爆豪はいつも通り緑谷を罵るが、表情は硬い。

 

(何も見えなかった・・・!)

 

爆豪がここにいるということは。

 

脳無に吹っ飛ばされたのはオールマイトだった。

あの瞬間的な攻撃から爆豪を庇ったようだ。

 

「加減を知らんのか・・・」

 

何とか踏ん張った様子のオールマイトだが、口からは血が零れている。

見た目に違わず、とんでもない威力の攻撃だったようだ。

 

 

そんな攻撃を目の当たりにしても、ヒーロー志望の4人は怯まない。

 

「3対5だ。」

 

「モヤの弱点はかっちゃんが暴いた・・・!」

 

「とんでもねぇ奴らだが俺らでオールマイトのサポートすりゃ撃退できる!」

 

轟、緑谷、切島が順に言うが、オールマイトがそれを許さなかった。

 

「ダメだ!逃げなさい。」

 

「・・・。さっきのは俺がサポートに入らなけりゃやばかったでしょう。」

 

轟が不服そうに言う。

 

「それはそれだ轟少年!ありがとな!しかし大丈夫!プロの本気を見ていなさい!」

 

(時間はもう1分とない・・・!力の衰えは思ったよりも早い!しかしやらねばなるまい!)

 

「脳無、黒霧や、やれ。俺は子供をあしらう。クリアして帰ろう!」

 

死柄木が子どもたちに向かって突っ込んでくる。

 

 

 

 

 

 

 

(なぜなら私は、平和の象徴なのだから!!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

オールマイトのあまりの覇気に、死柄木は突っ込む前に後退してしまう。

 

死柄木だけではない。緑谷たちもその迫力に圧倒されていた。

 

オールマイトと脳無が、また目にも止まらなきスピードで攻防を繰り返す。

 

「ショック吸収だってさっき自分でいってたじゃんか。」

 

「そうだな!」

 

死柄木の呟きにオールマイトはこたえた。

しかしその言葉とは裏腹に、オールマイトは攻撃の手を緩めるどころか、さらに猛攻を始める。

 

そのあまりの勢いと余波に、誰も近づくことができない。

 

「無効ではなく吸収ならば!限度があるんじゃないか!?私対策!?私の100%を耐えるなら!さらに上からねじ伏せよう!!!」

 

血を吐きながらも攻撃をやめないオールマイト。

 

「ヒーローとは、常にピンチをぶち壊していくもの!敵よ!こんな言葉を知ってるか!!?」

 

 

 

「 Plus ultra!! 」

 

 

 

 

脳無はついに耐え切ることが出来ず、演習場外まで吹っ飛ばされる。

 

「・・・コミックかよ。ショック吸収をないことにしちまった。・・・究極の脳筋だぜ。再生も間に合わないほどのラッシュってことか・・・。」

 

切島はほぼ放心状態で呟く。

 

「やはり衰えた。全盛期なら5発も撃てば十分だったろうに。300発以上も撃ってしまった。」

 

いつも通りの、人々を安心させる笑顔で言い放つ。

 

(そして、時間切れだ。)

 

「さてと敵。お互い早めに決着つけたいね。」

 

「チートが・・・!」

 

死柄木が悔しそうに首筋を掻く。

 

「衰えた?嘘だろ完璧に気圧されたよ。よくも俺の脳無を・・・!全然弱ってないじゃないか!あいつ、俺に嘘教えたのか!?」

 

「どうした?来ないのかな!?クリアとかなんとか言ってたが・・・。出来るものならしてみろよ!」

 

オールマイトは敵を睨みつける。

 

 

 

「さすがだ・・・。俺たちの出る幕じゃねえみたいだな・・・。」

 

「緑谷!ここは退いたほうがいいぜもう。却って人質とかにされたらやべぇし・・・。」

 

轟と切島が安心して撤退を提案する。

 

しかし、緑谷はオールマイトの異変に気づいていた。

 

(違う、あれは虚勢だ!土埃に紛れてるけど・・・、マッスルフォームからトゥルーフォームに変身するときの蒸気みたいなものが出てる!)

 

緑谷の予感は的中していた。

 

(もう動けんぞ・・・、脳無とやらが強すぎた!ぶっちゃけもう一歩でも動けば力むのも維持出来ん!トゥルーフォームに戻ってしまう・・・!)

 

「さぁどうした!」

 

オールマイトはそれでも虚勢を張り続ける。

 

「脳無さえいれば!奴なら何も感じずに立ち向かえるのに・・・!」

 

死柄木は首を掻くのをやめない。

 

しかし、黒霧が冷静に、気づいて欲しくないところに気づいてしまう。

 

「落ち着いてください。よく見れば脳無に受けたダメージが確実に表れている。子どもたちも棒立ちの様子。あと数分もしないうちに増援が来てしまうでしょうが、あなたと私で連携すればまだ殺れるチャンスは充分にあるかと。」

 

黒霧の言葉に、死柄木は首を掻く手を止める。

 

「・・・、うん。うんうん。そうだな。やるっきゃないぜ。目の前にラスボスがいるんだもの・・・。」

 

 

敵たちの会話は小声で行われているため、オールマイトにも生徒にも聞こえていない。

 

「主犯格はオールマイトが何とかしてくれる!俺たちはほかの連中を助けに・・・。緑谷?」

 

その場を立ち去ろうとする3人。

 

しかし緑谷だけは動かない。

 

(僕だけが知っているんだ。危険度でいえばモヤのほうだ。オールマイトはおそらく限界を迎えてしまっている。モヤに翻弄されればきっと・・・。)

 

そのとき、敵たちが動いた。

 

「脳無の仇だ。」

 

(来るんかい!!!)

 

オールマイトは笑みを浮かべたまま焦る。

 

(はやくみんな逃げてくれ!)

 

敵たちがもう目の前に迫っている頃、オールマイトは横目で生徒たちを見る。

 

すると、すでに避難をはじめているはずの緑谷が、すぐそこに居た。

 

(速い・・・!)

 

死柄木が焦る。

 

「な・・・緑谷!?」

 

ついさっきまでそこにいた緑谷がオールマイトのもとへ一瞬で移動したことに切島たちが驚く。

 

「オールマイトから離れろ!!!」

 

力の反動で折れた足をものともせず、緑谷は黒霧の実体部分を狙う。

 

しかし浅はかだった。

 

「2度目はありませんよ!」

 

黒霧はすぐさまモヤで実体部分を覆うと、死柄木の手を緑谷の目の前に転移させる。

 

死柄木は触れたものをボロボロに崩す個性をもっている。

 

その手が、緑谷の顔面に触れる直前。

 

 

 

 

奴は戻ってきた。

 

 

 

 

「ぐえ!?」

 

そいつは勢いよく跳んでいる緑谷の腹を掴んで止め、伸びてきている死柄木の手のひらを上腕で受け止めた。

 

 

 

 

「間違っても助けに行こうと思うなって言っただろ緑谷。でもまあ今回ばかりはよかったんじゃねえか?」

 

 

 

「さ、逆廻君・・・!?」

 

「腹はちょっと痛えだろうがそんくらいは我慢しろよ。」

 

右腕で緑谷を抱えた逆廻が呆れたように緑谷に笑いかける。

 

緑谷は突如現れた逆廻に驚くが、それよりも気になることが。

 

「う、腕が・・・!!!」

 

緑谷を庇うために死柄木に掴まれた逆廻の左腕の袖が既に崩れ始めている。

 

「・・・!?コイツ・・・!?」

 

しかし逆廻は慌てた様子を微塵も見せず、むしろ死柄木が手をすぐさま離すと逆廻から距離をとった。

 

「腕?オレの腕がどうかしたか緑谷。確かに服はボロボロになっちまったけどな。」

 

これでもかというくらい緑谷に左腕を見せつける逆廻。緑谷はその腕を見て驚愕する。

 

「なっ・・・!?個性が効いてない!?」

 

逆廻の腕は、かすり傷ひとつ存在しなかった。

 

「確かに五指で腕に触れたはずだ・・・!個性無効化か・・・?いや、お前の個性はパワー系のはず!」

 

死柄木は逆廻に脳無を軽く吹っ飛ばされたときのことを思い出す。

 

脳無はオールマイトの100%に耐えるこもができる。つまり、少しでも吹っ飛ばされた時点でオールマイトの100%を超えたことになる。

 

「別にオレは自分の個性がパワー系なんて誰にも、一言も言ったことはないぜ?」

 

脳無の個性複数持ちが発覚したときと同じような会話が繰り広げられていることに死柄木は気づかない。

逆廻の言葉にその場にいる誰もが確かに・・・いやでも、と心の中で突っ込む。

 

「逆廻君の力って一体・・・?」

 

抱えられた緑谷が逆廻を見上げる。

 

「その話はまた後でだ。」

 

逆廻は緑谷を下ろした。

 

 

 

「絶好のチャンスだったのに邪魔が入ったと思えば、またチート登場かよ・・・!」

 

死柄木が苛立たしげに逆廻を睨みつける。

 

敵は逆廻をとても警戒している。

あとはこのまま敵が撤退さえすればこの場を乗り切ることができるのに。

 

緑谷が祈るが、この場はそれだけでは終わらなかった。

 

 

 

死柄木弔がとあることに気づいたのだ。

 

 

「・・・おい黒霧。アイツの力と、髪と目の色。なにか思い当たらないか?」

 

「・・・さて、あんな子ども私は・・・。いや、1人だけいましたね、そういえば。」

 

黒霧は逆廻を見つめ直した。

2人で話し合う様子に逆廻は、まさかと、ある可能性を心配する。

 

逆廻の心配とは裏腹に、敵はとうとう答えにたどり着いてしまった。

 

 

 

「あの馬鹿力に加え、癖毛の金髪に、アメジスト色の瞳。年齢もちょうど同じくらい。もしかして彼は本当に・・・!」

 

「ああ間違いない!こいつ、逆廻十六夜だ!」

 

 

「「「!!?」」」

 

敵が逆廻のことを知っている様子に、逆廻とオールマイト以外が驚く。

 

(sit!気づいてしまったか!)

 

オールマイトは必死でマッスルフォームを維持しながら、心の中で舌を打つ。

 

 

先程までの不機嫌が打って変わり、随分とご機嫌になった死柄木が嬉しそうに名前を呼ぶが、逆廻はいつもの不遜な笑みを崩さないままだ。

 

「へえ。お前、オレを知ってるのか。」

 

死柄木と逆廻の会話が始まる。

 

「ああ、もちろん知ってるさ。つーかコッチ側じゃアンタはちょっとした有名人だよ。まさかこんな所で会えるなんて!」

 

死柄木は嬉嬉として語る。

 

「なんでお前が逆廻のことを・・・!?」

 

いきなりの展開についていけない緑谷は、この場にいる誰もが疑問に思っていることを口にした。

死柄木は上機嫌にそれに応える。

 

「有名な話さ。かつて、齢10歳程にして、活動不能にさせたヒーローは数知れず。圧倒的な力で徹底的にヒーローを叩き潰し、社会的にも抹殺する、敵らのヒーロー!逆廻十六夜!」

 

 

逆廻はなにも応えない。反論もしない。

 

 

死柄木の話を聞いた生徒らが、動揺しはじめる。

 

チャンスだと思った死柄木はいきなり話を切り出した。

 

「なあ逆廻十六夜。オレらの仲間になれよ。」

 

「逆廻少年!聞いてはダメだ!」

 

オールマイトが死柄木の話を遮ろうとするが、死柄木はやめない。

 

「なんで雄英なんかにいるか知らないけどさぁ、退屈だろこんな所。アンタに合ってるのはコッチの世界だ。なあ、そうだろ?」

 

ニヤニヤと不快な笑顔を浮かべる死柄木。

 

 

 

逆廻がようやく口を開いた。

 

「お前の言い分なんざ知ったこっちゃねぇな。」

 

ハッ、と鼻で死柄木を笑う。

 

 

 

 

「・・・は、」

 

 

 

 

そのとき、パァンという軽い破裂音とともに、死柄木の身体が斜めに傾いた。

 

「なっ・・・!?」

 

なんとか踏ん張るものの、2発目3発目と銃弾が死柄木を襲い続ける。

 

「来たか!!」

 

オールマイトが振り返る。

 

 

「1-Aクラス委員長飯田天哉!!ただいま戻りました!!!」

 

入口の方向から飯田の声が聞こえる。

どうやら飯田が抜け出してヒーローをかき集めてきたらしい。

 

銃声が鳴り止まない。

 

どうやらここだけではなく、散らばった生徒たちの援助も行われているようだ。

 

 

「あーあ来ちゃったなゲームオーバーだ、帰って出直すか黒霧・・・。」

 

銃弾の雨を浴び、呻き声をあげながら死柄木は黒霧のモヤの中に入っていく。

 

「今回は失敗だったけど、今度は殺すぞ平和の象徴オールマイト。・・・また来るよ逆廻十六夜。」

 

その一言を残すと、モヤは収縮し消えていった。

 

 

 

 

とりあえず脅威は去っていき、安心した緑谷はズキズキと痛み出した足に顔を顰めながら、先程のことを振り返っていた。

 

(もしあのとき逆廻君が間に合わなかったら・・・、もし逆廻君が奴の個性でボロボロになってしまっていたら・・・。)

 

 

「・・・、何も出来なかった・・・!」

 

悔しさの滲み出るその言葉に反応したのはオールマイトだった。

 

「そんなことはないさ。」

 

「オールマイト・・・。」

 

顔を含めた右半身がトゥルーフォームに戻っているオールマイトの身体はとても歪だ。

しかしその笑顔はいつもとなにも変わらない。

いつも緑谷を励まし、安心させてくれる笑顔だった。

 

「君が敵を引き付けたあの数秒がなければ私はやられていた・・・!また、助けられちゃったな。」

 

 

緑谷は黙って涙と鼻水を溢れ出させる。

 

「無事で、よかったです・・・!!!」

 

 

 

 

 

 

「まさかあのオールマイトがこんな状況になっていたとは・・・。」

 

 

「「!!??」」

 

 

すっかり2人の世界に入り込んでいた緑谷とオールマイトはいきなり聞こえてきた逆廻の声に、さぁっと顔から血の気がひいていく。

 

逆廻はまじまじとオールマイトを見つめて目を見開いている。

 

 

「こっ、これには訳がありまして・・・!?」

 

「ど、どうしたのかな逆廻少年!?私は至って普通だが!?」

 

必死に言い訳を考えようとする緑谷と、トゥルーフォームになってガリガリに痩せてしまった部分を不自然に隠すオールマイト。

 

その様子を少し微笑ましげに笑うと、逆廻は周りを見渡して一言告げる。

 

「切島がこっちに来そうだが、大丈夫なのか?」

 

「「ええ!!?」」

 

焦って逆廻が指す方向を見れば、「大丈夫か緑谷ぁ!」と切島が駆け寄ってきている。

 

逆廻にトゥルーフォームを見られ、切島にもバレそうになっている。

 

あまりにてんこ盛りな状況に、2人は許容量がオーバーしたらしい。慌てる様子は見せるものの何も出来ていない。

 

呆れた逆廻が足を振り上げる。

 

「ああっと足が滑ったあ!」

 

衝撃が走り、砂埃が一気に舞う。

 

「お、おい!?大丈夫かよ!?」

 

切島がより心配そうな声をあげるが、足は止まっている。どうやらちゃんとオールマイトたちを見失ったようだ。

 

「こっちはオレだけで大丈夫だ!2人を保健室まで運ぶから、切島はほかの奴らの様子を見てきてくれ!」

 

逆廻がらそう叫ぶと、わかった!と去っていく様子の切島。

 

「「・・・?・・・!?」」

 

2人して、その行動に疑問詞を浮かべる。

 

逆廻はいつものようにヤハハと豪快に笑うと緑谷とオールマイトと担ぎ上げる。

 

「バレたらまずいんだろ?さっさとずらかるぞ!」

 

歯ァ食いしばれよ!

 

その言葉を最後に逆廻はとてつもない速さで跳躍し、オールマイトが脳無をぶっ飛ばした時にできた穴から演習場を出る。

 

「うわあああああああ!?!?」

 

慣れないスピードに緑谷は目を回す。

 

保健室にはあっという間に着いた。

 

 

 

 

リカバリーガールに治癒してもらった緑谷とオールマイトは並んだベッドに仲良く寝転がっていた。

 

リカバリーガールが席を外したのと入れ替わるように保健室にちゃんとノックをして入ってきた逆廻に、緑谷とオールマイトはどうしたものかと頭を抱えたくなった。

 

「逆廻少年・・・、この姿には少々訳があってね。」

 

「ああ、そのことならもう大体察してるから大丈夫だぞ。」

 

あっさりと言い放った逆廻に、2人はもう誤魔化すことすらできないのだと悟った。

 

「逆廻君。どこまで・・・?」

 

「そうだな。大まかに言えば、緑谷の個性のことと、オールマイトの活動限界のことくらいか。オールマイトの消耗した姿がここまでとは思ってはいなかったがな。まあ、本人の口から詳しく教えてくれや。」

 

2人のベッドの間にある椅子に腰掛ける。

 

「ほとんど全部知られてる気がするけど・・・。」

 

オールマイトは『ONE FOR ALL』が長い間引き継がれてきたものだということ、自分に活動限界がきたこと、その後継者に緑谷を選んだことを逆廻に話した。

 

逆廻は対して驚いた様子は見せなかった。

 

「へぇ、じゃあ今度はお前が次期平和の象徴ってわけか。」

 

「恐れ多いけど、そういうことに、なるのかな・・・?なれるように頑張るけど・・・。」

 

圧倒的な力を持つ逆廻を前に、自分が次期平和の象徴になる男だと胸を張っては言えず、声がしぼんでしまう。

 

緑谷は言葉を濁した。

逆廻からどんな言葉がかえってくるのかが怖かった。

オールマイトに認められたからには、死んでも強くなるつもりでいるが、緑谷は、既に逆廻の強さにも憧れてしまっている。

その逆廻に否定されることが、少しだけ、怖いのだ。

 

「いいじゃねえか。」

 

逆廻はあっさりと笑った。

 

「・・・え?」

 

「無個性の木偶の坊から平和の象徴に成り上がったヒーロー。うん、なかなかにロマンがある。」

 

逆廻は1人でうんうんと頷くと唖然とした緑谷をおいて、勝手に話を進めていく。

 

「ならまずは力の制御からだな。毎回怪我ばっかしてると、近いうちにその体使い物にならなくなるぞ。」

 

いきなり現実味を帯びた言葉に緑谷はハッとする。

 

「お前が平和の象徴と呼ばれるヒーローになれたとして、身体ぶっ壊してすぐ引退して次の平和の象徴は君だー!っつーのは、あまりに無責任じゃないか?」

 

今まで目の前のことだけを必死にこなしてきた緑谷にとって、その言葉は考えようもないことだった。

逆廻十六夜は、いつでも先の未来を見つめているのか。

力を授かってから今までの自分の行動に後悔はしていない。でも、あまりにも考えなしだったことに気づかされた緑谷は、『ONE FOR ALL』を引継ぐ者としての重圧を改めて感じた。

 

「お前は次の平和の象徴としてこの世界に貢献し、充分に力を育み、次へ引き渡す義務があるってことだ。なら、無駄な怪我は極力避けて、未来の自分を大切にするこった。」

 

逆廻は言い切ると頭の上で手を組みくつろぎ始める。

言いたいことは言い終えたようだ。

緑谷は逆廻に言われたことを重く受け止め、もっと強くなろうと決心する。

 

そんな2人に挟まれて、オールマイトは(逆廻少年かっこいい!頑張れ緑谷少年!)と思っていた。

 

 

 

「逆廻君、僕も君に聞きたいことがあるんだけど、いいかな。」

 

「ああ、なんでも聞いてくれ。」

 

あやふやになっていたが、緑谷はずっとあることが気になっていた。

 

「さっきの、敵が言ってたこと。あれって本当なの?」

 

「・・・他にも聞きたいやつがいるみたいだし、丁度いいか。」

 

オールマイトは隠れてろ、と逆廻がオールマイトに布団を被せる。

 

「「え?」」

 

逆廻の突然の行動に驚く2人。

そのとき、バタバタと騒がしい足音が複数聞こえてきた。

 

逆廻の意図を察したオールマイトは息を潜め、緑谷はなんとなく自分の佇まいを正す。

 

逆廻は手早くオールマイトがいたと分かりそうな物を隠すと椅子に座り直ると同時に足音が保健室の前までやってきた。

 

 

間髪入れずにドアを荒々しく開けたのは爆豪だった。

 

「おい!てめぇここにいたのか!!さっきのこと説明しやがれ!!」

 

「ちょ、爆豪落ち着けって!!ここ保健室だし!!」

 

切島が小声で宥めながら、爆豪に続く形で保健室に入ってくる。

最後に静かに轟がドアを閉める。

死柄木の問題発言のとき、近くでそれを聞いていたであろう3人だ。

 

「逆廻、俺もあの死柄木ってやつが言っていたことが気になって来た。」

 

マイペースに自分の意見を告げる轟。

 

「敵が嘘こいただけだと思ったけど、クラスメイトとして変な疑い持ちたくねー!こういうのは本人の口から聞くのが1番だぜ!それに緑谷とオールマイトのことも心配だったしな!」

 

そういやオールマイトいねぇな、とキョロキョロする切島。

オールマイトは布団の中でヒヤっとしながらも、切島の素晴らしい心持ちに感動していた。

 

「ありがとう切島君。僕は大丈夫だよ。オールマイトも。今はいないけど。」

 

「ちょうど緑谷に説明するところだったんだ。まあ座れって。」

 

手頃なところに椅子がなかったため、緑谷に一言かけてからベッドに腰掛ける轟と切島。

 

爆豪は無遠慮に、空いているように見えるオールマイトがいるベッドに勢いよく座った。

 

(ひいいいいい!)

 

 

「早く吐けやおら。あの話本当なんか。」

 

オールマイトは焦るが、爆豪は気づいていないようだ。険しい顔つきで催促する。

 

 

「まあまあ急くなって。・・・事実ではあるが、言い方が悪いって感じだな。」

 

余裕そうに笑いながらも事実だと認める逆廻。

 

緑谷と切島は切なそうな、轟と爆豪は怪訝そうな表情を浮かべる。

 

「詳しく話すとなると、結構時間がかかるが仕方ないよな?」

 

問いかけるようで答えを聞くつもりはない逆廻は語り出した。

 

 

 

「オレは幼い頃から、施設で育てられていた。」

 

逆廻十六夜という男の過去を。

 

 

 

 

 




ありがとうございました。
誤字脱字等ございましたら報告よろしくお願いします。
感想心待ちにしてます。
次回はこの世界の十六夜の過去に少し触れていきます。
ヒーローという職業がある世界なりのものになっているので、原作とは少し変えています。
次回から体育祭編に入っていくのですが、十六夜の問題児ぶりを発揮されられるのはここくらいかなと思っています。
デクくんも十六夜に巻き込まれてどんどん前倒しに強くなっていくのでご期待ください。

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