目覚めたらベホマ使いに   作:ベホマラー

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ラディッツ「お気に入り数…たったの50か…ゴミめ…」

本当にありがとうございます!
おかげさまでここまでやってこれました。

フリーザ編ラストスパート頑張ります。


7話~デンデ覚醒、転生の秘密~

カルゴを……守れなかった……

 

 

くッ……

 

デンデは肩を震わせて怒っていた。

 

カルゴを撃った、フリーザに。

 

くっ、……く……

 

運命の残酷さに。

 

くっ、く……ぐ……

 

カルゴを苦しませる全てに。

 

くッ……う……ううう…

 

 

 

 

そしてデンデは怒る。カルゴを守り切れなかった、自分自身に。

 

う、うう……うああああああッ!!

 

 

地響きを起こし、地面にはデンデを中心にしてクレーターが出来上がる。

 

突然気の膨れ上がりが生じ、その場に居た者は驚きを隠せない。

 

「な、なんだッ」

 

 

そこに居たのは、姿形変わらない、デンデだった。

 

 

 

 

 

ただし、金のオーラを纏い、緑の目をしていること以外は。

 

 

==========

 

 

「やっと変身したね。あの子」

 

少女は近くに立つ大人の女性らしき、もう一人に話しかける。

 

「ええ……記憶を失ってしまった時はどうなることかと思いましたが……」

 

 

雪よりも白い空間がどこまでも広がっている。

一つ寂しげに神殿のような建物が建っているだけで、他には何もない。

 

そう、ここは天界。

全世界を牛耳る女神の住まう場所。

女神と、その付き人のみが存在していた。

 

 

「全くだよ。さっきここに来た時からずっと変なやつだと思ってたけどね」

 

 

時は遡る……

 

ーー

 

 

ーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ここは……?」

 

気がつくと神殿のような場所に居た。

見渡す限り神々しい白。

 

俺はさっき交通事故にあった筈では……?

ってことはここが天国か……

俺の人生もなかなか良いもの――

 

「違うよ」

 

どこからともなく声が聴こえる。少女の声だ。

 

心を読まれたのだろうか、あるいは俺への返答ではないのか。

 

「もちろん、キミに対してさ」

 

……

 

返答に困り、俺は黙ってしまう。

 

「ちょっと、黙らないでよ……。あっ、自己紹介が遅れたね。ボクは女神。全ての世界を司ってるんだ」

 

女神? その女神様が、俺に何の用なんだ?

 

俺は首を傾げる。

 

「まあ、話は会ってからにしよう。申し訳ないんだが、そこの角を曲がってくれるかい? 転送先を間違えちゃってさ……」

 

転送……? 何の話だ?

 

業界用語言われてもわからないんだが……

 

「だから、詳しく話してあげるからここへ来なよ」

 

どうやら従ったほうがいいみたいだな。

 

 

俺は大人しく言われた通りに言ってみることにした。

 

 

ここか……?

 

着いたそこには、ボーイッシュな口調とは裏腹に、小柄な可愛らしい外見の少女が座っていた。

その隣には、大人の外見をした女性が立っている。

 

座っているこの子が女神なのか……?

となると隣の人は付き人?

 

「この子、とは失礼なっ! ボクはキミのお爺さんのそのまたお爺さんが赤ん坊の頃から女神をやってるんだぞ」

 

ってことは一体何歳なんだ……

 

「と、そんなことはどうでもいい、キミに言わなければならないことがあるんだ」

 

なんだ……?

 

……

 

 

「……ごめんなさいっ!」

 

え?

 

俺はなぜ謝られたのか全くわからなかった。心当たりがなかった。

 

「あのね、キミは本来なら交通事故でしぬ筈ではなかったんだよ。おそらく、あの場所で事故には会わず、普通の人生を送っていたんだ」

 

……

 

「つまり、その……ボクのミスでキミを死なせてしまったんだ。本当にすまない……」

 

俺は唖然としてしまった。

 

こんな状況、小説でしか読んだことがないぞ。これは夢なんじゃないか、と思い始めてきた。

 

「残念ながら、夢ではないんだ……」

 

どうやら本当にそうみたいだ。

 

俺の頬は赤くなって、痛みを感じる。

 

「そっ、その代わりに! キミを別の世界に転生させることができるんだ」

 

えっ、マジ?

 

俺は転生に憧れていたこともあった。

ちょうど現実世界に飽きていたところだ。

 

「あはは、顔が変わったね」

 

……

 

一体どんなところに転生出来るんだ?

ジョジョとかワンピースとかができれば……

 

「悪いけど、選ばせてあげることは出来ないんだ」

 

えっ! そんな……

 

俺は落胆した。

 

選べないのか……

 

「そんなに落ち込まないでよ。キミにぴったりの、転生先を用意したからさ」

 

そ、そうなのか

それはそれで楽しみだけど。

 

人に選んでもらうというのも良いかもしれない

 

「ふふ。選んだあと後悔する人が多くて、こういう制度になったんだよね」

 

え?他にもここに来た人がいるのか?

というか後悔する人が多いってことは、ミスをしまくっ……

「シーーッ、それは言わないお約束、だよ?」

 

「コホン、さて、キミの転生先なんだが……ふむ……おっ、ドラゴンボールの、デンデくんだ! って…キミ変わってるねぇ。普通ドラゴンボールといったらサイヤ人になりたいもんだろ?」

 

……俺が決めたわけじゃないんだが。

 

変わってるとか言われても決めた本人じゃないので困る。

 

「キミの魂がそう言ってるんだよ。ここは後悔しない場所だ、って」

 

そ、そうなのか。

 

デンデか……

 

確かになりたかった気もしなくもなくもない。

 

「ん、それだと否定に……まあいいか! それじゃ、特典を決めて」

 

特典? それは何でも自由に決めていいのか?

 

「あっ、ごめん。魂に聞くね」

 

……

 

だと思ったよ……

 

「なになに、サイヤ人の体質とフリーザを倒すまでの修行場所の確保?」

 

おお…俺が今強く願った通りのが来たぞ。

 

「……もう一回聞き直そうかな……」

 

ま、まって下さい!お願いします!

 

俺は渾身の土下座をお見舞いする。

 

「……クスッ。あははは、冗談だよ。特典ぐらいは自由に選べるから」

 

ふ、ふぅ……焦った……

 

 

俺の願いはサイヤ人のように瀕死状態からのパワーアップとスーパーサイヤ人になれる体質。

もちろん凶暴性や戦闘バカな性格はなしで、

だったんだけど差異はないか?

 

「うん、大丈夫だよ。それじゃっ、ドラゴンボールの世界へ……あっ……」

 

ん? どうしたんだ?

 

「ん、いや、なんでもない。それじゃ、改めてドラゴンボールの世界へ、レッツゴー!」

 

掛け声とともに目の前が歪む。意識が途切れる直前に、女神の声が聞こえてきた。

 

「ごめんね。特典に間違えてちょいハードモード付けちゃった。一度付けたら外すの面倒なんだよね…まあ、頑張ってよ。」

 

ええぇぇ……

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

ーーーーーーー

 

 

ーーー

 

「そして彼はデンデとして卵から孵る際に頭をぶつけて、どういう訳か天界にいた時の記憶だけを失ったんですよね」

 

「うん。でもあの子がフリーザを倒したらボクたちがサポートする必要もなくなるわけだし、これでやっと仕事完了だ。はぁ、ミスはするもんじゃないね」

 

「とかいって、本当は寂しいのでは?」

 

「はは、まさか。デンデとかいうナメック星人の寿命もたかが知れてるよ。すぐいなくなってしまう。まあ、たまに様子を見てやるくらいならいいけどね」

 

 

===============

 

 

俺は静かな怒りと少しの興奮を感じていた。

 

立ち上がってフリーザを見据える。

 

「おや、雰囲気が随分と変わりましたね」

 

仲間たちもみんな驚いている。

「デンデさんにあんな一面が……」

「すげぇ気だ……オラを遥かに超えてっぞ」

「フリーザも凄まじいが、こいつも凄いな……」

「くっ、みんな強くなっていくのに俺はッ」

 

力が溢れてきた……

今ならフリーザを倒せるかもしれない。

 

「いくぞ、フリーザ! 俺の怒りを思い知れ!」

 

俺はフリーザに飛びかかる。




今作始まって一番書きたかったシーンです。

デンデはスーパーナメック星人になりました。(あれ、どこかで聞いたことあるような…)

色々な場所でサイヤ人体質使ってパワーアップしてました。重力室とか。
特に死んだフリのあとのパワーアップは半端なかったです(白目)
重力室完成までのご都合も、特典のためでしたね。


女神様は幼女(のような外見)です。彼女曰く、主の四代前から世界を見守っているとのこと。
ですが、意外とこの女神経験浅いことに気づいてしまいました汗
孫と爺さんの年齢差が70、主の歳が30とすると、
170年間くらい?
これじゃ江戸時代を生きるのに全然足りませんね…

まあ、この調子でナメック星編頑張ります。

では、次回もお楽しみに!

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