目覚めたらベホマ使いに   作:ベホマラー

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6話~DB世界における目を離した隙に、は異常~

空が突然暗くなった。

 

「「「あ」」」

 

「ど、どうやらクリリンさんたちが、ポルンガを呼んだみたいですね~。行きましょう」

 

「ポルンガ?」

 

「あれです」

 

「ひぇぇ〜。あれがナメック星の神龍か」

 

 

 

俺達が着いた時、ちょうど1つ目と2つ目の願い、ピッコロを生き返らせ、ナメック星にワープさせるという願いを言った後だった。

 

「承知した」

 

太い声でポルンガがそう言うと、

このナメック星に異物のような、それでいて懐かしいような、気を感じた。

 

「おい、忘れてないだろうな。俺を不老不死にしろ」

 

「く、くそ、ベジータこのタイミングで……」

 

「さあ、3つ目の願いを言うのだ」

 

ポルンガさんに催促される。

 

「し、仕方ない。カルゴ、この、ベジータを不老不死にしろと願ってくれ……」

 

「いいんですね? では……」

 

そういってナメック語で願い始めたが、突如としてポルンガが消えてしまう。

 

それは、最長老の寿命がきてしまったからであった。

 

「クソッタレェェ!」

 

ベジータが嘆く。

 

そこに超スピードでやってきた影があった。

 

 

 

 

 

 

フリーザだった。

 

「まさか、ベジータ! あなたが願いを叶えたというのですか!」

 

いえ、違います。とんだとばっちりです。この可哀相なベジータを慰めてやってください。

 

「おめぇがフリーザかぁ。確かに他のやつとは比べもんになんねぇや」

 

悟空まだそのテンションなのね。

原作ではもっとクールだった気がしたんだけど?

 

「この私を差し置いて先に願いを叶えるなど、あなたたちを殺すしかないようですね」

 

悟空無視されてるし。

 

ってビーム飛んできた! 危なっ!

 

悟空、ベジータ、悟飯、クリリンは素早く構える。

 

 

俺はカルゴを守らなくちゃな。

 

「えっデンデ兄ちゃん……なんで……」

 

カルゴは俺を見て涙目になっている。

 

「うん、色々あったんだよ。でも今はゆっくり話してる時間はないから詳しいことはまた後でね」

 

そしたらフリーザが、

 

「私の戦闘力は79万です……ですが、もちろんフルパワーであなたたちと戦う気はありませんからご心配なく……」

 

とか言うから大きな声を上げてしまった。

 

「えっ!?」

 

な、79万?

俺は場面こそ違えどあの名台詞が聞けると思って構えてたけどなんで53万から強くなってんの!

 

 

ギニュー隊戦といいフリーザといいいつからハードモードになったんですかねぇ……

 

で、でもみんながいれば大丈夫でしょ?

が、ががんばって!

 

俺はカルゴ頑張って守るからさ!

 

カルゴ(と俺)を除く4人がフリーザに攻撃を仕掛けるも、片手であしらわれてしまう。

 

「くっ、10倍界王拳だぁーーッッ!」

 

流石にフリーザは受けとめきれず殴られる。

 

「なっ、なんだ……」

 

最初の方こそ押していたが、悟空の気も段々小さくなってくる。

 

まだこの時だと悟空は20倍まで耐えきれないのか。

 

 

しばらくして、ベジータがぶっ飛んでくる。

 

ドサッ

 

はあ……

「ベホマ!」

 

「フン!」

 

ベジータは飛んでいく。

 

ふんってなによふんって。

 

ベジータが飛んでいったころ、

 

「虫ケラがうるさいですねぇ。そろそろ終わりにしましょうか……」

 

そしてフリーザは4人まとめてぶっ飛ばし、手に気を込める。

 

あ、ヤバイ。

 

俺は即座に悟空の近くに飛んでベホマ。

 

「わりぃな! 助かったぞ!」

 

「そんなことより! あれをなんとかしてください!」

 

俺は悟空の背中を押す。割と強めに。

 

悟空は期待通りにフリーザをぶっ飛ばしに行ってくれる。

 

「カルゴ!」

 

「うん!」

 

クリリンはカルゴに任せて、俺は悟飯とベジータを治療する。

苦しいけど悟空が超化するまではこういうヒットアンドアウェイアンドヒール戦法で行くしかないな……

 

 

……よし。行くんだ。3人とも。

 

と思ったらフリーザ第二形態になってた。

 

「何しろ力があり余ってるんだ。ちょっとやり過ぎてしまうかもしれん。くっくっくっ……戦闘力にしたら200万以上は確実か……」

 

先程までの小柄のヘルメット宇宙人とは違い、身長は2倍くらいのゴツい体格になり牛のような角を生やしている。

 

「変身するなんて……くっ、なんてでかい気なんだ……」

 

あー、クリリン戦闘終了のお知らせ、ってやつですね。わかります。

 

そしてそこにピッコロ登場。

 

「ピッコロさん!」

「ピッコロ! おめぇやっと来たか!」

「誰かと思えばあの時のナメック星人か。フン、こいつが何の役にも立つわけがない!」

 

「お前ら、あのフリーザとか言う奴に集中しろ!」

 

ピッコロを加えた4人(クリリン抜き)はフリーザに向き直し構える。

 

さて、クリリンには仕事を与えておこう。

 

「クリリンさんは怪我人を僕達のもとへ運んできてください!」

 

「あ、ああ。わかった。」

 

よし。

 

原作だと第二形態ではピッコロに敵わなかったけど今は4人相手でもフリーザは余裕だ。

 

 

 

 

……

 

 

今思えばこの状況においての界王拳はチートだな。

 

フリーザ第二形態倒しちゃったよ……

悟空のやつ、回復がいくらでも出来ると思って無茶してるな。

 

 

 

 

 

実のところMPが切れそうなんだ……

あと1、2回ぐらいが限界だろう。

 

 

 

だがやめてくれとも言える状況ではない。やはりカルゴに頼るしかないのか?

 

そしてフリーザの第三形態への変身が終わる。

 

「こいつ、変身しやがるのか……」

 

「ええ。さっきも一度変身してました。」

 

「チッ、不気味なヤローだぜ……」

 

「いくぞッ! 10倍界王拳ッ!」

 

「お待たせしましたね……さぁて、第二回戦と行きましょうか……と、その前に」

 

フリーザはこちらに指を向け、光線を放って来た。

カルゴと俺を狙って。

 

 

 

来たなっ、甘く見るなよナメック星人の底力を見せ……

 

おっと、これはフラグってやつだ。

危ない危ない。

 

だが、こんなこと想定内だ! このために俺は日々の(イメージ)トレーニングを欠かさなかった。

 

即座に自分に向けて飛んできたものを避け、カルゴを体当たりで飛ばし、ビームは気弾で相殺した。

軽く撃ってきてくれたから出来たがフルパワーの半分でも出されてたらと思うとぞっとする。

 

「ほう……なかなかナメック星人も侮れませんね。……ですが、次は必ず仕留めてみせますよ。」

 

う、これで俺はともかくカルゴが本気で狙われることになったぞ……

 

「フリーザァァ! おめぇの相手はオラだぞォ!」

 

こちらに第二の光線を飛ばそうとしていたフリーザに悟空が殴りかかる。

 

ズサササササァァ!

 

フリーザはそれを素早く受け止め、悟空に膝蹴りを入れる。

 

ドンッッ!

 

そして蹴り飛ばす。

 

次にやってきた悟飯、ピッコロも薙ぎ払う。

 

ベジータも続いて飛びかかる。

 

が、フリーザに捕まり、

 

「バゴッ ベジータ! あなただけは許しません……ドガッ 

ドラゴンボールは私が使うはずだった……ドスッ 

…それを、それを下等生物の貴様らが……!バキッ

………」

 

「フリーザァァ! やめろォ!」

 

フリーザは尻尾でベジータを捕らえると何度も殴りを入れる。

 

「ベジータさんを、いじめるなあッ!」

 

悟飯が飛び出てフリーザを叩く。

とはいえ、悟飯がベジータのために怒るほど怒りのハードルは低くなかった。

 

戦闘力も大して上がらなかった悟飯はカウンターで飛ばされてしまう。

 

「悟飯ッ!」

 

ピッコロナイスキャッチ。

 

その間にも延々と殴られるベジータ。

そう、原作の場面を一足早くお届けされることになったのだ。

 

ドサッ

 

力なく地面に倒れたベジータが最後の力を振り絞って、

 

「カカロット……た、たのむ……フリーザを……フリーザをたおしてくれ……た、たのむサ、サイヤ人の……手……で……… …」ガクッ

 

 

しかし、悟空には届かなかった。

 

(くっ……体もってくれよ……)

「20倍界王拳ッ!」

 

これには流石のフリーザも押され、てはいなかった。

 

な、なんで……原作のようにはいかなくてもせめて最終形態にさせるくらいならできるはずだろっ!

 

 

悟空は限界だった。界王拳の使い過ぎだった。

それ故に界王拳20倍の体力を消耗しつつ、実際は2倍の力も出ていなかった。

 

悟空の頭に響く声があった。

(悟空ー、無茶し過ぎだぞォ。いくら回復ができるといっても界王拳を連続でつかえるものではない!)

 

「そんなこと言ったってぇよぉ、界王様。仕方ねぇじゃねえか。うわッ」

 

 

悟空はフリーザのカウンターによって飛ばされてしまう。

 

……ここは回復をしてやるべきなのだろうか。

 

 

デンデが悩んでいる間にカルゴが悟空を助けに行こうとする。

しかし、デンデはそれに気づかない。

 

「す、すまねえ……おめぇはデンデじゃないほうだな」

 

「はい。カルゴと言います。……それより、フリーザをどうにか……」

 

突然、カルゴの体は光線に撃ち抜かれた。

 

「くっくっくっ、まずは一匹。目障りなナメック星人を倒してやりましたよ……」

 

 

「カ、カルゴッ!」

 

そんな……嘘だろ?

 

気づかないなんて……俺は……

 

俺はカルゴのところに慌てて駆けつける。

 

ベホマ、ベホマ

 

 

ベホマベホマベホマベホマベホマ

 

 

しかし、傷は塞がらない。

 

一撃だった。

 

 

「う、うそだろ?」

「カルゴくんッ!」

「お、オラが一番近くにいたのに…ろ」

 

 

 

俺は渾身の回復の気を込めて、

「治ってくれよ……!」

 

……ベホマ。

 

 

 

 

 

しかし、なにもおこらなかった……




やべぇ…後半クリリンとピッコロ全然仕事してねえ…

○ヒットアンドアウェイ
 ぶっ飛ばされる的な意味で

今作では界王拳に制限かけてます。
時間が経たないと界王拳の威力が落ちてしまいます。
さすがに回復と界王拳連発でフリーザ簡単に倒されると作者も困るので汗

界王拳効率
90%(フリーザ第一形態時:10倍)→75%(フリーザ第二形態時:10倍)→50%(フリーザ第三形態時:10倍)→約10%(ベジータ死亡時:20倍)

現在MP
0/105

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