目覚めたらベホマ使いに   作:ベホマラー

4 / 10
4話~ベジータ3万戦闘力クッキング、ボロ雑巾レシピ~

少年はゆっくり立ち上がると、ホコリを払う。

 

その顔には苦悶の表情が浮かぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

カルゴごめんなぁぁぁ!

悟飯たちと一緒にあいつが逃げるとき

泣いているのが見えたよ。

 

後で絶対美味しいもん食わせてやるからなぁ!

もちろん地球のだけど。

 

 

 

貫かれていた部分の傷は塞がれ、先程まで少しも動かなかった者とは思えないほどデンデはピンピンしている。

 

 

結果から言えば、いや過程から言っても作戦は大成功だった!

 

奴ら簡単に騙されてやがんの!w

ざまあみやがれ!

 

俺の作戦はこうだ。

フリーザたちが村を襲う→ドドリアさんブチキレ→カルゴ狙われる→俺が庇う→死んだフリでカルゴ生存ルート確保

 

見事成功ですよ!

 

これで晴れて(?)カルゴは原作デンデポジについたわけだ。

 

ただ、フリーザのビームが貫けるようにするのと、俺の意識が保てるようにするちょうどのところで気のバランスを調整するのが難しかった。

 

まあ、回復量が凄まじかったからそこまで気にする必要もなかったんだけど。

 

 

 

っと、こうしている場合ではない。

 

さっきカルゴを追っていったドドリアさんを追おう。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

ドドリアさんはベジータと会ってた。

 

ベジータ! ……お前、村を襲った後なのか? これからなのか?

 

おい! なんとか言えよ!

 

 

 

って心の中で強く訴えるが、当然返事があるはずもない。

 

お、流石にベジータがドドリアさんを圧倒してるな。

あ、ドドリアさん、惑星ベジータの秘密を話し出したぞ。

え、ベジータが用済みとばかりに殺してしまった。

う、

 

 

……もういいよ!

 

ベジータ行っちゃったから早く追いに行こう!

 

 

――――――――――

 

 

セーフ!

 

ベジータが向かった先はツーノ村だった。

ここが問題の村だ。

 

どうやらベジータの村民虐殺はまだみたい……良かった良かった。

 

 

 

本当はベジータよりも先に着いときたかったけど、仕方ない。

 

 

そして俺はトタッと地面に降りると

ベジータとご対面。

 

こんちゃーすヽ(^o^)丿

 

そんな俺を無視してベジータは、

 

「ドラゴンボールを渡せ」

 

すかさず俺がツーノ長老に助言する。

 

「ここは渡してしまった方が良いですよ」

 

「む、デンデか。しかし……」

 

「彼は相当な実力者です。ここの村の者たちでは太刀打ちできません」

 

それに加えて、「ですがネイルさんならばこいつでも歯が立たないでしょう」と小声で言っておいた。

 

どうだ! この、ベジータを褒めつつ長老を安心させる俺の完璧な作戦!

 

「確かにそうだが……」

 

ああもう! はやく決めろよ!

 

「ここで渡さないと言えば、間違いなく殺されます」

 

「ぐ……やむを得ん」

 

「フン! 殺すだと⁉ 違うな。こんな雑魚どもにそんな言葉は相応しくない。そうだな、雑草を踏みにじる、とでも言ったところか。」ニヤリ

 

すると三人の若者が飛び出る

 

「なにをー!」「馬鹿にしやがって!」「ナメック星人の力を見せてやる!」

 

あちゃー、最悪の事態じゃないですか。

 

くっ、頑張るしかないか、俺!

 

 

 

 

 

 

ベジータは三人をボコボコにする。

とはいえ、だれも死んでいない。

 

今回は俺が頑張った。

 

俺がパニクって走り回ってるふりしてちょっっっとだけ体力が残るように回復させておいた。

 

え? 俺が悪魔だって?

 

なんとでも言え!

これしか方法が思いつかなかったんだよ!

 

でもさすがに今のは見苦しかったかな?

 

ツーノはやっとドラゴンボールを渡す。

 

遅ぇんだよ! 最初っからそうしとけ!

 

「ふん。最初からそうしとけばよかったものを」

 

ほら! ベジータにまでそう言われてるじゃないか!

 

さあ、用は済んだろ? 帰ってくれ!

 

ベジータはドラゴンボールを池に投げ込む。

 

するとベジータは手のひらをこちらへ向け、気を手に込める。

 

うわぁ、やっぱそう来たか。

 

「なぜだ……ドラゴンボールは渡したはずだ。」

 

「決まっている。このことをフリーザに知られでもしたらマズいからな」

 

ですよねぇ。

 

くそぉ、戦うしかないのか?

 

 

 

 

 

するとそこに割と大きめの気が近づいて来た。

 

「チッ! ザーボンか。いいか、貴様ら! 絶対に逃げるんじゃないぞ! 貴様らは俺が殺すんだからな!」

 

 

……それ、逃げろって言ってるようなもんだろ。

 

それにしてもザーボンさんナイス!

 

俺の時間稼ぎがうまくいったぜ(こんなの予期してなかったけど。)

 

とりあえずこの人ら治療して、

後を追ってみるか。

 

とその前に、

 

「皆さんはどこかへ避難しておいて下さい。最長老様のところなんか、安全だと思います」

 

そうでもないかも。

 

「お前はどうするのだ」

 

「見つからないようにしながら負傷した人たちを探すつもりです」

 

「ふむ、気をつけるのだぞ」

 

もっと引き止められると思っていたが、さっきのが堪えたんだろうな。

 

「はい!」

 

 

 

 

 

ベジータの後を追ってみると、負傷したザーボンが変身しようとしていた。

 

変身前はかなり美形だったのに、

怪物に豹変する。

体はゴツくなり、顔はワニみたい。

 

それからはベジータの劣勢だった。

 

 

 

 

何度かボコられて気を失ったベジータがザーボンに連れて行かれる。

 

うん、原作通りだな。

 

さーて、この後はどうしようか……

 

 

===============

 

 

デンデ兄ちゃんが、死んだ。

 

殺されそうになった僕をかばって。

 

こんなことってあるだろうか。

 

誰よりも僕に優しかったあの人が、

 

最後まで優しく、そして強く、散っていった。

 

僕がもっと強ければ……!

 

くっ……うっ……

 

「大丈夫?」

 

話しかけてくれたのはさっき助けだしてくれた悟飯さん。

 

「あっ、すみません……」

 

その隣にいるクリリンさんも僕を気にかけてくれて、今はなんとか落ち着くことが出来た。

 

そして悟飯さん達が身を潜める洞窟のような場所に到着した。

 

 

 

聞いたところ、悟飯さんたちはドラゴンボールで地球の人たちを救うためにナメック星に来たらしい。

 

確か最長老様の所に一つあったはず。

 

「あ、それなら最長老さまのところに1つ残ってたはずですよ」

 

そしたら、ブルマさんという人が、

 

「そうなの? ねえ、クリリン。行ってきてよ」

 

「はぁ〜。わかりましたよ。」

 

「じゃあ、僕に付いてきてください」

 

僕とクリリンさんで最長老様のところへ向かった。

 

 

――――――――――

 

 

最長老さまのもとへ辿りついた僕たちは、潜在能力を引き出してもらうことになった。

 

最長老様は僕の頭に手を当てたとき、

少し驚いたようにしてたけどなんだろう。

 

「ふむ…では、お前の潜在能力を解放しよう」

 

その言葉を聞いた瞬間、力が漲ってくるような感覚に、いや、確かに力が漲って来た。

 

クリリンさんも潜在力を引き出してもらったあと、ドラゴンボールを受け取っていた。

 

助けてもらったお礼を言わないと。

 

「あの、ありがとうございました。……気をつけて下さい」

 

「礼を言うなら悟飯に言ったほうが良いよ。真っ先に助けに行ったのはあいつだった。全く、たいしたもんだよ」

 

そういってクリリンさんは、じゃなっ!

っと、飛び出していった。

 

 

===============

 

 

俺は少しの間回復技の改良に励んでいた。

 

ツーノ村で痛感したことだが、俺は近くまで寄らないと回復させられない!

 

これじゃ俺が動き回らなければならないではないか!

 

ん? 誰だニートとか言ったやつ、出てこい!

 

 

確かに働いてはないが……

 

 

 

いや、そこじゃなくて!

 

カルゴを守るために近くに居てやんないと駄目だとおもってるんだ。俺は。

 

でも練習の成果はイマイチ。

 

短時間で完成させようとするのがいけなかった。

 

あぁ〜もっと早くに気づいていれば……

 

 

 

 

と、そこにドラゴンボールを持ったクリリンが飛んで通る。

 

その後ろにベジータがいる。

 

ん? ああベジータの今までの行動なら知っている。

 

ザーボンにボコられる→情報を聞き出すためにメディカルポッドにドボンされる→回復して元気なベジータちゃんフリーザの宇宙船にある5ボールもって逃走→DB持ちクリリン(心なしかクリリンの頭もボールにみえる)みっけ

 

って感じだろう。

 

そして、ベジータの後ろをザーボンが追う。

 

ザーボンに気づいたベジータは戦いをしかける。

 

余裕ぶっこいてるザーボンさんだけど、ベジータ死の淵から回復してパワーアップしてるから!

 

原作通りベジータが勝ち、クリリンはドラゴンボールをベジータに渡して、行ってしまう。

 

ベジータ、やったじゃん。あと一つじゃん!

 

ま、せいぜい頑張れよ!

 

お前の隠してたドラゴンボールは今頃悟飯が神龍球探索器(ドラゴンレーダー)使って取ってるはずだから。

 

ドンマイ!

 

その後ギニューに取られちゃう俺らもドンマイだけ……涙

 

 

 

 

さて、次の行動に移ろう。

 

 

 

===============

 

 

 

今度は悟飯さんが来た。

 

一緒に来たクリリンさんはさっきのドラゴンボールが取られてしまったのを嘆いていたけれど、仕方ないと思う。

 

それにクリリンさんには自分を責めてほしくない。

地球のために頑張れるクリリンさんは十分すごい。

 

 

 

 

 

それから悟飯さんが潜在力を引き出してもらった。

 

これはすごい! 気が膨れ上がっていくのが、僕にもわかる。

 

 

 

でも、それでも、無茶だけはしないでほしい。

 

「本当に、気をつけてね……」

 

悟飯さんはうん、と言って去る。

 

ああ、僕も本当は一緒に行って助けたい。

 

 

でも今の僕では足手まといになるだけなんだ。

 

そう自分に言い聞かせてカルゴは見送る。

 

 

 

===============

 

 

 

ドラゴンボールはクリリンによってやっと7つ集められたというのにギニューにパクられた。

 

そして取り返しに行こうとしたが足止めを喰らった悟飯、クリリン、と、一時的に協力体制になったベジータ(勘違いするなよ!俺はドラゴンボールで不老不死になってフリーザを倒すだけだからな!)がギニュー特戦隊(隊長抜き)と戦おうとしていた。

 

そして俺は……

 

 

 

 

 

 

俺も、ギニュー特戦隊(隊長抜き)と戦っている。

 

 

 

クリリンと悟飯に最初変な顔された。

ベジータはというと……

 

 

やっぱり変な顔している。

 

「貴様ここで何しているッ!」

って言われた。

 

 

んでもって、クリリンからは、

 

「まさかお前が生きてるなんてな。」

と言われ、

 

悟飯は、

 

「クリリンさん。そんな場合じゃないですよ! やつらの気……」

 

「ああ、とんでもねぇな。ギニュー特戦隊ってのは。あはは……」

 

クリリン、お前より悟飯の方がよっぽどしっかりしている気が……

その子5歳でしょ?

信じられん……

 

 

 

そうこうしている内にギニュー特戦隊たちが、

拳を握り、後ろに構える。

 

「く、来るぞ…!」

 

あ〜、スピード型のジースとバータとは相手したくねえな……

 

絶対俺の特訓に向いてないって。

 

あ、俺がここに居る理由なんだけど、

 

 

 

 

 

実践練習がしたかった……

 

それだけなんだよ。

 

 

 

そして、特戦隊たちの力を溜められていた拳が前に出る。ある掛け声と共に。

 

 

ジャン、ケン、ポン!

 

 

俺の近くに居る3人は驚愕の表情を浮かべる。

 

 

 

じゃんけんの結果、リクームが勝った。

 

あれ、原作と違くね?

 

こいつはパワー型……でいいのかな?

ま、こいつ髪型ハッサンだし、いっか!

 

 

じゃんけんの結果、組み合わせは

ベジータとリクーム。

悟飯、クリリンとグルド(超能力使い)。

 

となった。

 

 

残ったのは俺と、

 

 

 

ジースとバータじゃないかぁぁ!

 

なんか理不尽じゃない?

戦闘力差的に1体1でも危ういというのに…

 

 

 

そうこうしている間に試合のゴングが鳴る。(奴らの中で)

 

 

 

俺は奴らのスピードについていけず、先手を取られてしまう。

 

そして赤に殴られて飛ばされる。

 

ごはッ!

 

そのまま岩に激突し、止まる。

 

 

くそ、速すぎて色しか分からなかった…

 

くっ、また来る……!

 

俺はまた、数回殴られてしまう。赤と青に交互に。

 

ぐッ!

 

げはッ!

 

ごぼッ!

 

 

 

はぁはぁ……

 

 

くそぉ、こうなったら目が慣れるまで防御して耐えるしか、

 

ぶはッ!

 

また殴られる。飛ばされる。岩に激突する。

 

 

 

 

絶望しかけたが、俺は回復を試みる。

 

な、なんとかできたっ!

 

動きも段々見えるようになってきたぞ。

 

もう少し耐えるんだ、それから……

 

俺は悟飯たちの方を見る。

 

ちょうどグルドが超能力(による物理)で、これまた超能力によって動けなくさせた2人を殺そうとしていた。

 

原作ではベジータがグルドを不意打ちして助け(たわけじゃないからな!)てたけど、今はリクームと戯れてボロボロになってるし、俺がやるしかないのかぁ…

 

「よそ見してんじゃねえッ!」

 

ぐっ……

 

また殴られる。

 

赤と青は互いにハチの字を描いて交互に攻撃してくる。

 

恐ろしいコンビネーションだ……

まだ速くなるなんて……!

回復が追いつかない!

 

で、でもやるしかない!

 

俺は殴られながらも気を溜め始めた……

 

 

 

 

すると突然、青赤は動きを止めた。

 

何をする気なんだ? と思ったが答えはすぐにわかった。

 

防御ばかりしてくる相手にすることといったら決まっているよな…

 

「パープルインスピレーションアタック!!」

 

という掛け声と同時に2人は絡みついて(?)高速回転しながら突撃してくる。

 

ドゴォン!

 

技は直撃して、俺は吹っ飛ばされてしまう。

 

パープル? ああ、2人の色を混ぜてるのか。

なるほど、回転してると確かに紫色だ。

 

俺は奴らの必殺技であろう技を喰らい、ぶっ飛んでいる最中でも冷静に、いや呑気にそんなことを考えていた。

 

グルドに向かって撃った、溜めに溜めた気弾が命中するのを見送りながら。

 

そして、デンデは岩にぶつかり激しい音をたてるとそのまま動かなくなった。

 

 

悟飯とクリリンは突然のことながら何が起こったのか理解していた。

 

「まさか自分を犠牲にしてまで僕達を助けてくれるなんて……!」

 

「でも、さっきみたいに死んだフリでもしてるんじゃないか?」

 

「い、いえ! 気が段々小さくなっていってます……!」

 

「そんな……」

 

 

 

そのころベジータはボロ雑巾になっていた。




おおかみ少年?何だっけそれ。


「パープルインスピレーションアタック!」
ジースとバータによるオリジナル必殺技ですw
第六感でパープル隊長を感じながらの特攻なのでこの名が付きました。


○ツーノ
 ナメック星の長老。唯一ベジータに殺された村の長。原作では、フリーザに殺されたナメック星人しか生き返らせてないためずっとしんだまま。悟飯によって墓が作られている。

○ブルマ
 下着…ではなく地球人の女性。ある時間軸ではタイムマシンを作ってしまう程の天才科学者。その才能は父親譲り。

○ギニュー
 ギニュー特戦隊隊長。牛乳。あれ、乳牛?

○リクーム
 ギニュー特戦隊隊員。パワー型(多分)。クリーム。

○グルド
 ギニュー特戦隊隊員。超能力が強い。時とか止められる。DI○かな?←ディ○だからね?ちゃんと隠してるよ?決してO(オー)じゃないから

○ジース、バータ
 ギニュー特戦隊隊員。スピード型。どっちが赤で、どっちが青か忘れた。

○ハッサン
 ドラクエⅥの仲間キャラ。ボディービルダー。のような筋肉質な体。明らかに戦士の体してる癖に僧侶とかにも転職可能。ギャップ萌えすること間違い無し(白目)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。