龍が如く 幻想郷に集まりし英雄達   作:ガリュウ432

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2話です。
桐生チャンと真島の兄さんのバトルスタイルですが
桐生チャンは三ヶ月の入院でブランクがあり、堂島の龍スタイルの戦法を幾つか落としております。その他の三つのスタイルは長いことお世話になり体に叩き込まれているため、鈍る事はなかったという設定です。
真島の兄さんはフルスロットルで、伝説スタイルももちろん持ってます。


2章 桐生&真島編その1 「森」

「キリュ・・・ン!リュ・・・チャン・・・!」

 

だ、だれだ・・・?

というよりここはどこだ・・・?

 

パシイッ

 

そんなことを考えてると、誰かに頬を叩かれた。

 

「いってぇな兄さん・・・。何をするんだ。」

 

「桐生ちゃんがなかなか起きんからやろ!」

 

「別に起こす必要はなかっただろ。」

 

「『ここ』が神室町ならな。神室町やったらワシも桐生ちゃんを近くの公園で寝かしとったわ。・・・周り見てみぃ。」

 

言われるがまま、俺は周りを見た。

するとどうだ。周り一面が木が囲む森。陽の光も満足に入らない森だ。周りの木の根元にキノコが生えている。それほど、陽が入らず、湿っけもあるということだ。

 

「しっかしジメジメしとるのう・・・。気分が悪いわ。」

 

「だが、下手に動こうにもここは森だぜ?神室町にもこんな森は無い。下手に動くと遭難だぜ。」

 

「安心せい。桐生ちゃんが寝とる間におおよその見当はついとるんや。ここ見てみぃ。」

 

指を刺されたとこを見る。

キノコの原生群だ。大量に生えている。・・・と思いきやここの一直線だけキノコがない。

 

「兄さん。ここはまさか・・・。」

 

「せや。ここの一直線だけ収穫されとるんや。根元からプチッといっとる。こないな採り方するのは人間くらいやろな。」

 

「じゃあここを辿ればいいのか?」

 

「まあそういうことや。それで人に会えたら万々歳やけど、道に出れても良しとしようやないか。」

 

「まあ行って見なくちゃわからんだろう。」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

森に生えている野草やキノコを乱獲している少女がいる。

 

「ふふーん♪今日は絶好調だぜ!」

 

いつもは微妙なのだが今日は吃驚するくらいにいい素材が取れる。

これとかこれとか・・・、いい魔法の材料になりそうだ。

そんなことを考えながら森を練り歩く白黒の魔法使いっぽい服を着た少女、『霧雨魔理沙』は住処とする『魔法の森』で、魔法の素材探しをしているのだった。

 

「ほかにいいものあるかー?ってん?・・・誰だあの2人・・・?格好からして人里の奴ではないな・・・。」

 

じゃあ一体何者なんだ?

そんなことを考えていると

 

ガァァアアォォオオォォオオ!!!!!!!!!

 

巨大動物の咆哮。魔理沙は反射的に隠れる。

 

(ク、クマ!?んなバケモン、この森にはいねぇぞ!?・・・いやそれより!)

 

あの二人の男。クマを見ても物怖じすらしておらず、戦闘態勢をとっている。

 

(ば、馬鹿なのか・・・!?あいつらは!?)

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

突然出現したクマに真島は笑う。

 

「ごっついのうこの森は!クマが普通に襲ってきよるとは!」

 

そういうと桐生を横目で見ながら、

 

「桐生ちゃん!ウォーミングアップや!その3ヶ月で鈍った喧嘩の腕!このクマとの戦いで思い出そうやないか!」

 

「まったく、そんなことこんな凶暴なクマ相手にすることじゃあないぞ。真島の兄さん。」

 

「・・・そうかぁ?なんだかんだ言うて桐生ちゃんの目。輝いてるでぇー?」

 

「冗談はよすんだな・・・。」

 

そんな会話をした後、同時に動き出す。

真島の兄さんの素早い動きにクマは見切れず、俺の方に狙いが向く。

・・・。

 

(兄さんの言ったとおり、いつもの戦い方じゃ腕が鈍っているかもしれない・・・。しかもパワーでクマに勝てる見込みは今は少ない・・・。素早さで攻めるしかないか。)

 

そう考え、素早く攻撃できる『ラッシュスタイル』に切り替える。

久々に使うスタイルだが、若い頃からお世話になった戦法だ。そうそうこの戦い方は忘れない。

 

ガァァ!!!!!!!!!

 

クマが突っ込んでくる。

回り込もうと思ったが、逆にクマの懐に潜り腹に数発と鳩尾と思われる箇所に1発、鋭く拳を入れた。

 

グガゲッ・・・!?

 

案外聞いたらしく後ろにふらつき倒れる。

すると楽しそうな兄さんの声。

 

「桐生ちゃんはやっぱゴッツイのう!クマをあっちゅうまに気を落とさせた!でも・・・、詰が甘いでぇ桐生チャン!」

 

そういうと兄さんは高く飛び、クマがバウンドしたところに容赦ない追撃。あれは確か『ダンサースタイル』と言っていたな。クマの顔面にヒットしたみたいだが、鼻に直撃している。これは大ダメージだ。

 

ガサガサッ・・・

 

(ん?あの叢・・・。誰かいる?)

 

(と、とんでもない化物だった!あんな巨大なクマをいとも容易くぶっとばした!?あの二人の男。只者じゃないぞ・・・!)

 

真島の兄さんがクマをつつきながら桐生と話す。

 

「クマとおもて、最初は流石にビックリしてもたけど案外チョロイもんやな。あんな数発でクマの気を落とさせるなんて桐生チャンはゴッツイでぇ!」

 

「真島の兄さんのあの1発だって、並の奴の動きじゃなかっただろ。」

 

「努力の賜物やで。・・・それより桐生チャン。オマエ、これまでの喧嘩のスタイル使わずに別の奴使っとったな?やっぱ鈍っとるんやな。」

 

兄さんには本当にかなわない。まさか俺がラッシュスタイルに切り替えた理由まで見透かしているとは。

 

「・・・やっぱ鋭いなアンタは。いつものやつでも良かったんだが、どれだけ鈍っているのか自分でもわからないからな。昔から使い慣れているスタイルにしたんだ。」

 

「逆にその判断を即座に出来て、なおかつ倒せた桐生チャンはやっぱごついのう。・・・ところで桐生チャン。」

 

「・・・ああ。そこの叢に隠れてるのは誰だ。」

 

(バレてる!?私がここにいることが!?)

 

「一応いうとくけど、はよ出た方が身の為やでぇ〜。」

 

「(下手に怪我しても困るし・・・、ここは姿を出そう。)・・・じゃあお前らの言う通りにさせてもらうぜ。」

 

叢から出てきたのは白黒が基調の服を着たトンガリ帽子が目立つ金髪の少女だった。

 

(おっ?女やないかい。・・・身長から見て遥ちゃんの一個上か下やろか?)

 

「・・・オマエら、何者なんだ?」

 

「俺達はこの森を荒らしに来たわけじゃない。逆に今人に会えて安心しているくらいだ。」

 

「せや。ワシらは気がついたらここにおったんや。嬢ちゃん。ここがどこかわかるか?」

 

「(・・・この話しぶりからして外来人のようだな。)またあいつか・・・。・・・ここは『魔法の森』だ。最も、アンタらには聞いたことのない地名だろうけど。」

 

確かにその通りだ。・・・どうやら兄さんのあの言葉は合っていたようだ。・・・じゃあ質問は一つ。

 

「じゃあ魔法の森はいったい何処にあるんだ?」

 

「何処って・・・。『幻想郷』の南っかわ・・・。て言っても幻想郷を知らなきゃ意味ないか。・・・どうやらアンタらは悪い奴らじゃなさそうだ。私は霧雨魔理沙。この先の家に住んでるから、そこで詳しいことを説明するよ。」

 

そういうと『魔理沙』と名乗る少女は歩き出した。

罠かもしれないが手掛かりがない今、此処はこの土地に詳しい魔理沙に従う方が得策だろう。

真島の兄さんに目で聞いてみるとそれがいいと返答が来た。

ひとまず魔理沙について行こう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

家に着く。

家に入ると、上品な香りの紅茶が出てきた。

魔理沙いわく初めて紅茶を淹れたらしい。

 

「じゃあ・・・、ひとまず幻想郷についてだな。これから話す事は信じてくれないかもしれないが本当だ。まず・・・、アンタらみたいなのを外来人っていうんだが、この幻想郷とあんたらが元いた世界は分断されている。」

 

唐突の飛躍した話。

一瞬理解に苦しんだが、信じるしかないので信じることにする。

真島の兄さんはウキウキしているようだ。

 

ー少女説明中・・・ー

 

「せや、魔理沙ちゃん。勿論の話やけど、この幻想郷からワシらは元の世界に帰ることはできるんやろな?」

 

「ああ。『博麗神社』に行けば、そこにいる巫女に帰してもらえる。ただ、今からそこに行こうとしても半日はかかる。もう昼も過ぎているし、今日は泊まっていくといいぜ。」

 

「え?いやそれは悪いだろう。」

 

「私の住んでいるこの『魔法の森』は妖怪の類が割と多くいるんだ。多勢に無勢がぴったりなほど沢山いる。安全の為にも泊まっていくといい。」

 

「悪いのう。お言葉に甘えてそうさせてもらうわ。」

 

俺もそうすることにした。

・・・さっきの話を聞く限り、あまり安全という土地ではなさそうだ。

遥と谷村・・・。無事だといいが・・・。

 

「あの二人なら大丈夫やろ。なんかあっても谷村がおる。谷村は子供を見捨てるようなクズとちゃうからな。安心しいや桐生チャン。」

 

兄さんのその言葉を聞き、すこし落ち着いた。

今日はもうねるとしよう。

 

to be continued…


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