龍が如く 幻想郷に集まりし英雄達   作:ガリュウ432

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一話目。序章含めて2話目です。
谷村&遥編です。
元々ゲームではない組み合わせですが、そこはご愛嬌ということで。


第一部 『集結』桐生・真島・谷村・遥編
1章 谷村&遥編 「未踏の地」


(・・・ん?・・・ここは・・・、どこだ・・・?)

 

たしか・・・、桐生さんたちと会って・・・、病院前で俺達は黒い何かに飲み込まれて・・・。・・・だめだ・・・、思い出せない。しかも意識が朦朧としてきた・・・。

ぼんやりと周りが見える・・・。・・・遥ちゃんか?・・・しかし遥ちゃんも気を失っている。起こしてやりたいが体中が痛む。・・・体を強く打ったようだ。

ドサッ・・・

そのまままた俺は気を失ってしまった・・・。

 

「・・・おや?見慣れない方々・・・。・・・星!いますかー!?」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「聖。その方たちは大丈夫ですか?」

 

「ええ。男性の方は強く体を打ったようですが大事には至ってません。この調子だとすぐ回復するでしょう。」

 

・・・話し声が聞こえる・・・。その声を聞き、俺は目を覚ました。

杉だろうか?杉の木材の天井が見える。隣には遥ちゃん。

どうやら誰かに拾われたようだ。どっちにしろ命拾いはした。

 

「目が覚めましたか?」

 

どこかで聞いた女性の声。

 

「あぁ・・・はい。・・・ところでここは?」

 

分かっている。『神室町』ではないことを。だが神室町じゃないとしたらどこだ?

 

「ここは命蓮寺ですよ。そして、わたくしはこの寺の僧侶の聖白蓮です。」

 

「あぁ。聖さん。僕は谷村正義です。刑事です。」

 

「刑・・・事?ええ、まあ宜しくお願いします。」

 

ん?なにか俺は突っかかることを言ったか?ここが神室町ではないとしても刑事くらいはわかるはずだ。

・・・ここがどこなのか少し探りを入れるか。

 

「・・・ところでどうして僕達はここに?」

 

「林にたおれていたんです。林道に近いところで気を失ってたんでそれを見つけてここに運んできたんです。」

 

「そうですか。危ないところをありがとうございます。・・・ところでここは何処なんですか?僕が知ってる地域には命蓮寺という寺は聞いたことがありません。」

 

「(・・・この話ぶりだと外来人の様ですね。)・・・そうですね。今から話すことは嘘じゃありません。・・・ここは幻想郷です。あなたたちのいる世界とは分断されています。」

 

・・・は?・・・突如飛躍した話。最初は正直信じれるわけがなかったが、その話が本当のようにも感じれた。

それもそのはず、ケータイは圏外。いつもは絶えずに連絡が入る通信機も一切通報の情報が入らない。

 

「なるほど・・・。にわかには信じ難いですが、一応もといた世界には帰れるのですよね?」

 

「はい。ここから半日程かかりますが、博麗神社という神社があります。そこの巫女に頼めば帰してくれるでしょう。」

 

「そうですか。」

 

「ですが今は昼前ですし、お連れの方も寝ているみたいなので、今日も泊まっていってください。」

 

聖さんがそう言ってくれた。俺達が未踏の地に来た事は確実なのでここは聖さんの言うことに甘えることにする。

すると

 

「聖さんはその・・・、私たちをここに運んでくれる途中に強面のおじさんふたりを見ませんでしたか!?」

 

遥ちゃんだ。多分今起きたのだろう。

寝癖がはねている。しかも聞いている事は桐生さんと真島さんのこと。

 

「いいえ見てません・・・。その方たちはあなたがたのお連れですか?」

 

「ええ。そんな所です。」

 

「大丈夫ですよ。きっと。あなたがたのような外の世界から来た人を外来人と言いますが外来人は博麗神社にまず行くことをオススメしていますよ。というよりそこからじゃないと安全に帰れないんですよ。」

 

軽く怖いことを言われた。

すると

くぅ〜・・・。

 

「ん?今の音なんだ?」

 

気になり遥ちゃんを見る。

すると遥ちゃんが顔を赤らめていた。腹の音がなったのだろう。

 

「お昼時になりましたからね。でもごめんなさい。いまここで何もお出しできないんです・・・。」

 

それに関しては構わない。・・・さっき説明中に聞いたが命蓮寺は人里の中らしい。

 

「聖さん。ここの世界の通貨って『円?』」

 

「ええ。そうですよ。」

 

あ、じゃあ安心だ。

 

「あ、そうなんですか?それなら安心だ。遥ちゃん。飯食いに行こうか。」

 

「え?いいんですか?」

 

「何もお出し出来ずごめんなさいね。」

 

「いえ、いいんです。今日もかくまっていただけるんですから。飯くらい僕達で何とかさせてください。」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ー人里ー

 

人里の町並みを見回してみた。

定食屋や、うどん屋、喫茶店まである。

 

「遥ちゃん。何食べたい?」

 

「うーん・・・。じゃあうどん食べたいです!」

 

「うどんか。いいね。」

 

そんな話をしているとガタイのいい男とぶつかってしまった。

これは面倒なことになりそうだ。

 

「おうおう兄ちゃん!何やってくれてるんですかぁ!?」

 

「悪い。」

 

適当に流す。

 

ガシッ

「その一言で済むと思うなよオイッ!!その腐った根性治すために一回死んでこいっ!」

 

「はぁー・・・。遥ちゃん。すこし下がってて。」

 

ー立ちの悪い男ー

「このタックル受けてみなぁ!」

 

そういうと不格好で大振りなタックルで突っ込んでくる。

・・・スキだらけじゃないか。

 

「甘いね。」

 

撫でるように男のタックルを受け流す。

そしてバランスの崩れるように押したので男の足元がぐらつく。

 

「ぬおおっ!?」

 

「ハッ!セイッ、タァッ!!!!!!!!!」

バキイッ!

 

数発打撃をいれた後にすこし飛んで拳を振り下ろす。

頭にクリーンヒットし、男は地面にワンバウンド。

そこにすかさず男の顔面に膝蹴りを入れる。

 

「せいやぁっ!」

スガアッ!!!!!!!!!

 

そして蹴りのおかげでさらに浮いた相手の体をつかみ、地面に押し付ける。『コンボ追撃の極・四』だ。

顔に膝蹴り、後頭部を地面に打ち付けられるという鬼のようなコンボを食らった男は気を失う。

 

「・・・この程度かよ。」

 

「あ、兄貴ぃ!」

 

取り巻きがいたのか。2人か。

 

「て、てめぇ!兄貴の敵!」

 

しかも相手の力量も見ることが出来ないのか。

弱いなぁ・・・。

まず、ひとりが攻撃してきた。それを捌かずに、スウェイで回り込む。そして相手を掴み、腕を固める。

グググググ・・・

 

「スキアリィ!!!!!!!!!」

 

もうひとりが突っ込んでくる。

そこに掴んでいた奴を投げ、投げた奴の踵を突っ込んできたやつに当てた!

特に何もしていないが投げで巻き込んだだけだ。

 

「ぐぅぅ・・・!」

 

「ていやっ!」

 

1人まだ気を失っていないようなので追い打ちを入れた。

 

「ふぅ・・・。意外と呆気なかったな。」

 

「す、すんません・・・。俺たちゃもうここに暫く顔出さないんで許してください・・・。これ、お詫びです。」

 

『ヤゴコロ印 スタミナンX』を貰った。

・・・ここにもスタミナンがあるのか。まあ有り難くもらっておこう。

 

「さ、遥ちゃん待たせたね。うどん食べに行こうか。」

 

「はい!」

 

ーうどん屋『嶋次郎』ー

ガララ・・・

外から見た限り結構繁盛しているようだが・・・。

 

「おっちゃん。2人行ける?」

 

「へいらっしゃい!ええ!大丈夫ですよ!カウンターへどうぞ!」

 

壁に掛かってるメニューを見る。

・・・おお?どんなうどんでも250円!?

 

「谷村さん!私、きつねうどんにします!」

 

「お、いいね。じゃあ俺は肉うどんにするか。おっちゃん、きつねうどんと肉うどん!」

 

「かしこまり!250円が二つなんで500円になります!」

 

やっぱりかなり安い。

神室町で食べようとしたらもうちょっとかかるだろうなぁ。

 

「へいおまちどう!」

 

・・・・・・・・・・・・

あ、普通に旨い。てかかなりうまい。

250円とは思えない。

不思議に思っていると

 

「うちにとってお客様は神様なんでね!赤字覚悟で格安でやらせてもらってるんだ!まあそのおかげで黒字営業だよ!」

 

「そうなの?へえ、じゃあメニューも豊富だしまたの次の機会に別のうどん食べさせてもらうよ。」

 

「おじさん!ご馳走様でした!」

 

美人の遥ちゃんにそう言われたせいか、おっちゃんスゲェ嬉しそうだったな。

ー人里ー

「おじさん達いまどこにいるのかな・・・?」

 

やはり心配そうだ。まあそれはそうか。これまでずっと親のように接していた桐生さんの安否がわかってないんだ。心配にもなるよな。

・・・俺自身もならなくちゃダメなんだけどあの2人だと生きてそうな感じが・・・。

・・・ん?

 

ズオオオオオ・・・

 

「・・・誰だ?(小声)」

 

静かに振り返る。

だが誰もいない。・・・なにか居たような気がしたが・・・。

 

「谷村さん。どうしたんですか?」

 

「いやなんでもないよ。とにかく明日、博麗神社に向かおう。恐らく桐生さん達も明日辺りに向かってるはずだよ。」

 

「そうですね!」

 

何事も無かったかのように歩き出す。・・・いやそうしたかった。

なにか良くないことが起きそうな感じがする。足早にここを去りたかった。すると

 

カツッ・・・

 

足になにか当たる。足元を見たら銃が落ちていた。

 

「・・・?リボルバーか?」

 

リボルバーの形をした銃だったが、弾倉を開けない。

いや、弾倉が元々ないと言った方が正しいな。

一応、もっておこう。

 

「谷村さん!どうしたんですか?命蓮寺に一旦戻りましょうよ。」

 

遥ちゃんに呼ばれ、ハッとする。

すこし深く考えすぎていたようだ。周りのことが見えなくなっていた。

 

「ごめん遥ちゃん。ちょっとぼーっとしてたよ。」

 

「散々ですからね・・・。谷村さん絡まれてましたもんね。」

 

「ほんと、勘弁して欲しいよ。」

 

そんな話をしながら、命蓮寺に戻っていた。

・・・だが、俺はこの幻想郷という所は普通じゃない気がする。

なんというか・・・、俺達の『常識が通用しない』かもしれない、そんな悪寒がする。

桐生さんたち・・・、なにか危険な目にあってないといいが・・・。

 

to be continued…


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