龍が如く 幻想郷に集まりし英雄達   作:ガリュウ432

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遅くなって申し訳ありません。
品田編5章です。とは言いつつも紅魔館内でのサブストーリー編になる感じです。


5章 「束の間のティータイム」

ー紅魔館ー

 

ひとまず俺たちは各々の客間に通された。タツの部屋は俺の部屋の向かい。橙ちゃんは俺の部屋の隣だ。

とりあえず俺の部屋に集まり、3人で今日のことをまとめた。

 

「いやーなんというか・・・。」

 

「「品田さん本当にお疲れ様でした。」」

 

「なにその息の合い方!?もうそんなに仲深まってたの!?」

 

「なんてったって先輩ですから!」

 

「先輩だなんて・・・!」

 

(ちょろい。)

 

(ちょろいなあこの子。)

 

藍さんに聞かれたら殺されそうなセリフではある。

 

「まあひとまず俺たちはミッションコンプリートって感じだね。救援要請は通じたし。」

 

「そうですね。」

 

尿意を感じたので席を立つ。

 

「どこかに行くんですか?品田さん。」

 

「トイレだよ。迷いそうだけどまあ探せば見つかるでしょ。」

 

橙ちゃんにちょっと心配されたがまあ迷うことはないだr

 

ー廊下ー

 

「迷ったねこれ。」

 

・・・メイドさんを探そうか。

しかしそうしようにもメイドさんが見当たらない。それ以前に人気がないんだけど・・・。

 

ガチャ

 

「フランのお部屋の前でどうしたの?」

 

「うおっ!」

 

ー品田サブストーリー02 『悪魔の妹、その後』ー

 

フランちゃんの部屋の前ってことは・・・。いつの間にか紅魔館のほぼ最深部に来てたわけか。素直に聞いとけばよかったよ・・・。

 

「おにーさんもしかしてまた遊んでくれるの!?」

 

「いやそういうわけじゃないんだけど・・・。」

 

「じゃあ夜這い?」

 

「もっと違うよ!!」

 

「じゃあどうしたの?」

 

「トイレを探しててさ・・・。それでうろついてたら迷っちゃって。」

 

「トイレならここの廊下の突き当たりだよ。」

 

「ありがとう!!」

 

ダダダダダダッ

 

「・・・限界近かったんだね。」

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

「ふう・・・、助かったよ。ありがとうフランちゃん。」

 

「どういたしまして!けれどお兄さん方向音痴にも程があるんじゃない?」

 

「・・・返す言葉も見当たらないね・・・。」

 

「お兄さん・・・、私、聞きたいことあるんだけど、いい?」

 

「ん?もちろんいいけど・・・。聞きたいことって何?」

 

「ありがとう!・・・じゃ、私の部屋に入って!」

 

グイッ

 

うわわわっ!?・・・この娘、さっきあんなどす黒いオーラ出してたのに、今じゃ可愛らしく笑ってる。こっちが本当の彼女なんだろうな。

 

ーフランの部屋ー

 

よくよく考えたら・・・、この状況ヤバくない・・・!?フリーライターのニート寸前のおっさんが見た目幼女の部屋に二人きりとか事件ものじゃない!?・・・いやいやそんなことを言ってる場合じゃない。

 

「それで、話って何かな?」

 

「・・・負けた理由を聞きたいの。」

 

「えっ・・・?」

 

「分かってる。私が負けたことは。でもなぜ負けたか分からないの。あなたが人間である事を抜きにしても。」

 

「・・・負けた理由・・・か。」

 

・・・武術の先生とかじゃないし、かと言って百戦錬磨の喧嘩師とかでもないしなぁ・・・。

 

「・・・フランちゃんはさ、何でもいいから『実戦』ってのをしたことはある?」

 

「・・・あまり、無いかな。ほとんどの人が見たら言うと思う、私の戦いは『殺戮』だって。多分、おにーさんとの今日の戦いが実戦らしい実戦かも。・・・前にも霊夢と魔理沙がきて、それから私が外に出だしたんだけどね。」

 

「つまり、もう何百年もの間外に出れてなかったわけだ。」

 

「・・・うん。」

 

フランちゃんは悲しそうに頷く。コントロール出来ない力を持つというのも苦労するもんなんだな。

 

「フランちゃん、俺はさ、フランちゃんが思ってるよりあんな感じの『実戦』は全然やってないんだ。」

 

「・・・え?それなのになんで・・・。」

 

「関係ないことでも、どこかで繋がってるということさ。」

 

「?」

 

「俺はさ、あるスポーツのプロチームだったんだ。」

 

「プロチーム・・・?」

 

「もうそのスポーツだけでたくさんのお金が稼げるってレベルの人の事だよ。」

 

「じゃあおにーさんとってもすごいじゃん!」

 

「うん・・・。でもプロになりたてはやっぱり誰でもそう簡単に実戦投入されるわけじゃない。突然、行ってこいって言われるんだ。」

 

「・・・ドキドキだね。」

 

「ああ。すごくドキドキするさ。いつ呼ばれるかわからない。だからこそ準備してたんだ。そして、準備の賜物ですごい活躍ができた。・・・まあイカサマだって言われてプロチームから追放されちゃったんだけどね。」

 

「おにーさんイカサマしたの!?」

 

「まさか!俺はそのスポーツが大好きだったんだ。だからイカサマなんてするはずがなかった。ま、嵌められたってやつだね。・・・まあこれは置いといて。やっぱ、実戦ってのはいつ来るかわからない。そこで確実な結果を残すためにはその実戦に『真面目に』取り組まなくちゃダメだね。」

 

「真面目に取り組む・・・?」

 

「そう。どんな時でも『これは遊びじゃない』って思うんだ。『相手も自分を潰しに来る、だから自分も本気で応戦しなければならない』って感じにね。そして、どんな行動をするのかもある程度予測しなければならない。フランちゃんは多分だけど天性の才能がある。安全策をとってほしいのが本音だけど・・・、『実戦は決して遊びじゃない』。これを忘れたら、負けると思っていいだろうね。」

 

「実戦は遊びじゃない・・・。相手がなんだったとしても見縊らない・・・。・・・ありがとう、おにーさん。わたし、ちょっとだけ変われた気がする。」

 

「そ。そう言ってもらえるとありがたいかな。あっ、そろそろ戻らないとみんな心配しちゃうかも。じゃあねフランちゃん!また明日!」

 

「うん!また明日ね!」

 

バタンッ

 

「実戦に備える・・・。・・・うん。今からでも遅くない。トレーニングしよっと。」

 

ー品田サブストーリー02 『悪魔の妹、その後』ENDー

 

さてと、そろそろ部屋に戻りたいが・・・、

また迷ったねこれは。

 

「品田さーん!」

 

「おっ、タツ。どうしたの?」

 

「どうしたも何も、品田さんの帰りが遅いんで探してたんですよ!」

 

「いやぁごめんごめん。じゃ、自室戻ろっか。」

 

「はい!じゃあこっちですよ!」

 

よし、・・・ん?

 

「タツ待って。そっちはタツが来た方じゃないけど・・・。」

 

「え?あぁすみません!こっちでしたね!」

 

「いやそっちは俺が来た方向!」

 

「・・・。」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「2人とも迷っちゃ意味無いじゃん。」

 

「元はと言えば品田さんが迷うから・・・。」

 

ごもっともです。

 

「・・・この部屋かな?」

 

タツが不用意に扉を開ける。

 

「いやタツ!そこじゃないって!明らかに両開きだし!」

 

って、ここは・・・。

 

「図書館・・・?」

 

「凄いですね・・・。何冊くらいあるのでしょうか・・・。」

 

「図書館の主に許可もなく足を入れるのは誰?」

 

「!!タツ!伏せて!」

 

ビシュンッ

 

「あら、今のトラップを避けるだなんて。」

 

「ごめんごめん、勝手に入っちゃって。えぇっと・・・、君は?」

 

「ここの大図書館の主、パチュリー・ノーレッジよ。ま、適当に呼んで頂戴。」

 

ー品田サブストーリー03 「大図書館の主」ー

 

「俺は品田辰雄。まあレミリアから聞いてるとは思うけど・・・。」

 

「品田・・・。貴方なのね、フランに勝った外来人ってのは。」

 

「ええ、まあそういうことになるのかな。」

 

「私が品田さんの相棒のタツです!」

 

「そう。よろしく。・・・そうね。こあ。」

 

「お呼びでしょうか!」

 

使い魔だろうか。本当に小悪魔っぽい小悪魔が出てきた。

 

「お茶を入れてちょうだい。私を入れて3つよ。」

 

「かしこまりました!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「ありがとう、お茶も頂いちゃって。」

 

「いいのよ。レミィの客人は私の客人でもあるわ。」

 

「・・・それにしても凄い本の量ですね・・・。」

 

タツが感嘆の声を上げる。

 

「もしかして、これ全部把握してるの?」

 

「勿論よ。・・・ねぇ、折り入って頼みがあるのだけれど。」

 

「頼み?何かな?」

 

「本の隙間から魔導書が出てきたのだけれど、あまりピンと来なくて。魔導書の完成を手伝ってくれないかしら。」

 

「え、いいけど・・・。俺は外来人だしタツも、魔法が扱えるわけじゃないから力にはなれないと思うけど・・・。」

 

「いいのよ。素人の発想のほうがビンゴだったりするものよ。」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

「じゃあ、ちょっとだけ見せてもらっていい?」

 

「いいわよ。」

 

ぺら・・・、ぺら・・・

 

「コレ・・・。」

 

「品田さん、どうかしました?」

 

「これ、どっちかと言うと魔導書じゃないね。」

 

「えっ!?」

 

パチュリーが驚く。まあ無理もないか。

 

「これはどちらかと言うと魔法を使った武器制作のレシピ本だね。」

 

「レシピ本・・・?」

 

「そう。例えば1番上のこの、『魔除刀 桜吹雪』の制作には刀と桜の枝が必要みたいだよ。これを魔法で合成させるらしい。」

 

「なるほど・・・。それはそうと、なぜ魔法を知らないあなたが・・・。」

 

「まあ元の世界で武器の制作を取り扱ってる業者がいてね。その時に使うレシピ本と酷似していたから、ピンと来た感じかな。」

 

「そういうことだったんですか!流石です!」

 

流石というか・・・。見覚えあっただけなんだけど・・・。

 

「桜の枝ならあるわ。あとは・・・、刀ね。」

 

「じゃあこれ使ってみようか。」

 

「あなたこれ・・・、魔除けの刀よ?」

 

「まあ刀ならなんでも良さそうだし、物は試しだよ。」

 

「・・・そうね、やってみましょう。」

 

キイイイイイイィィィィ・・・

 

カッ!!!!!!!!!!

 

「・・・これは・・・上出来ね・・・。」

 

ー「魔除刀 桜吹雪」を制作しましたー

 

「ありがとう。これで本の謎が解けたわ。まだレシピはあるみたいだし、材料があるなら作ってあげるわ。あと、制作すればするほどこの本は成長するみたいだわ。」

 

「本当に!?ありがとう、ちょっと戦力が不安だったんだ。武器があるかないかでやっぱり違うからね。ありがとうパチュリー。」

 

「ありがとうございますパチュリーさん!」

 

ーー武器合成 『パチュリーの魔導書』ーー

敵との戦闘などでドロップする武器、素材などを集めてパチュリーの元へ行くと、新たな武器、強化武器が作成できます。制作には素材、武器が必要なのでしっかり用意しましょう。なお、初期段階の武器は一部、パチュリーから購入可能です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「あ、そうそう。さっきの合成で、こんなおまけが出たわ。」

 

ー『電磁刀 雷神』を手に入れましたー

 

これはタツに渡すか。

 

「これはタツにあげるよ。」

 

「いいんですか!?」

 

「もちろん。」

 

「(ぱぁぁ・・・!)ありがとうございます!!」

 

「気をつけてね。相当痺れるわよ。」

 

「あああああぁぁああぁあ、ほんとうデスねぇェェぇ」

 

「なんで刃を触ろうと思ったの・・・。」

 

「刀の扱い方、教えてあげてね・・・。」

 

はい、パチュリーさん。ご忠告感謝です。

 

ー品田サブストーリー03 「大図書館の主」ENDー

 

「さ、道も教えて貰ったし、そろそろ部屋に戻ろうか。」

 

「はい!」

 

さ、俺たちの任務は終わった。明日、博麗神社に帰還しよう。

 

to be continued…




次回、部ボス。

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