龍が如く 幻想郷に集まりし英雄達   作:ガリュウ432

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フラン戦終結。そして品田が新たな武器を手に入れます。


4章 「サヨナラホームラン」

「・・・ぐっちゃぐちゃにしてやる・・・!禁忌『フォーブアカインド』・・・ッ!!!!!」

 

バアアアッ!!

 

よ、4人!?ちょ、それは無しでしょ!?

 

「これは逃げるしかないね・・・!!」

 

「逃がさない・・・ッ!!!」

 

 

逃げろ!

 

 

・・・逃げるのはいいが、あっちは4人で吸血鬼のポテンシャル×4・・・!

そしてこっちは1人で体力にも限界あり・・・。

これじゃジリ貧だ・・・。

 

「仕方ない!逃げながら戦いつつ屋上に向かうしかない!」

 

「ドコムイテルノ!?」

 

グァッ!!

 

「ッ!!」

 

斜め後ろからの声。

それも少し高い場所からの突進だ。

 

「当たんないよ!」

 

体をスライドさせ、攻撃をスウェイで躱す。

そして、躱しながら刀でダメージを与えた!

 

ザシュゥッ!!

 

「ガァッ・・・!!?オマエ・・・!!」

 

「ごめんね!挑発した手前、死ぬわけにはいかないんでね!」

 

「ウルサイウルサイウルサイッ!」

 

ザザッ・・・ザザザ・・・ッ

 

(なんだ・・・!?雑音!?)

 

(喋らずに念を送るように会話してください品田さん。)

 

(橙ちゃん・・・!?・・・こう?)

 

(そうです。・・・ところで品田さん。屋上へ登ったあとの戦法の詳しいことを説明します。・・・吸血鬼である彼女達が、何故日中に活動できているかわかりますか?)

 

(・・・霧・・・だっけ?それのせいで日光が通されてないんでしょ?)

 

(・・・はい。それは紅霧と呼ばれるレミリアさんが発しているものです。レミリアさんは私たちが負け戦になるようにけしかけてきたようです。)

 

(・・・なら橙ちゃんの言いたいことはだいたい分かったよ。)

 

(そういうことです。)

 

(15分迄もう二分もないし・・・。勝負かけるよ!)

 

ダッ!!

 

「マテッ!!!」

 

「待つもんですか!!よっ!!」

 

バンッ

 

品田がタツから貰った札を強く握りしめ、足を踏みきり、高く飛び上がる。

 

「ちょっ!?こんなに飛ぶの!?」

 

「これは驚いた。・・・だが屋上に行ってどうするつもりだ?日光は通用しないぞ?」

 

レミリアはそれを不敵に笑いながら見る。

 

スタッ

 

「ハハハ!ドウシタノ!?オイカケッコハモウオワリ!?」

 

「・・・まーさか吸血鬼様が四人がかりで人を殺すなんていうど下品なやり方はしないよね?」

 

「ピクッ)・・・ナニガイイタイ。」

 

(品田さん!?何を!?)

 

(的を小さくするためさ。《それ》をするにはできるだけフルパワーのままにしなくてはならないし。途中で分身に当たられようもんなら最悪だからね。・・・それに、何をいえば動揺するかももう大体わかるしね。)

 

「また妹様にブラフを・・・!?」

 

「なんだ・・・?ただ死に急いでるだけか?」

 

「いや、さっきさー俺は拍子抜けって聞いたけど、まさか《四人がかりでもみくちゃにして殺すのが本気》なわけ?それこそ《拍子抜け》だよ。それで俺は死んでも負けたとは思わないね。《試合に負けて勝負に勝った》なんてね。」

 

「ギリ・・・)ウルサイ・・・。ダマレ・・・!!」

 

「いい加減さぁ。普通に本気出してみなよ。4人がかりじゃなくてさ。そんな《チンケな分身》が奥義なんて言わないよね?」

 

「ダマレェ!!!ケシテヤルッ!!!!!!!」

 

ドンッ

 

秘弾《そして誰もいなくなるか?》

 

「・・・!?消えた!?」

 

バシュンッ

 

弾幕!?

 

サッ

 

「くっ・・・!?本体がいない!!・・・でも(ニヤッ」

 

「ヒャハハハハハハハハハハハ!!!!!!シネシネシネシネシネシネシネシネシネ!!!!!!!!!」

 

「!!?いけない咲夜!フランを!!」

 

「は、はい!」

 

「止めるなっ!!!」

 

品田が叫ぶ。

 

「頼む止めないでくれ。・・・俺にもう勝ちが見えてるんだ。」

 

「バカをいうな!!吸血鬼に人間如きが・・・!」

 

「信じてくれ。それに、妹さんをああさせちゃったのも俺の責任だし、責任とらせてよ。それに、俺の信念はなかなか折れないよ。」

 

その品田の横顔は勝利を確信している顔だった。

 

「フッ・・・。馬鹿な人間もいるものだな。」

 

「霊夢と魔理沙以来でしょうか。吸血鬼相手に価値を見出すなど。」

 

咲夜が尋ねる。

 

「さあな。でも分かることがひとつある。アイツは・・・、奴ら以上の《バカ》だ。」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「信念は力となり、力はその者の技となる。・・・藍さまがよく言う言葉です。」

 

「先輩・・・。その言葉、本当かもしれないですね。」

 

「はい。品田さんの勝つという信念は力となり・・・。その力は・・・」

 

 

 

《その人を勝利へと導く力となる。》

 

 

 

「・・・これは・・・!!」

 

「品田さん!それはスペルカードです!それを掲げてスペルカード宣言をしてください!」

 

橙が思い切り叫び、品田に伝える。

 

「ああ!《スペルカード宣言!》」

 

「そして思い切り信念を込めて叫び、勝ちへと突っ切ってください!」

 

タツが叫ぶ。

 

「よし!いくぞ!フランちゃん。これで終わりだ!

勝符《空へと導く勝利への道(ホームラン)》ッ!!!!!!!」

 

カードから発された超極太のビームは空へと向けて放たれた!

・・・しかし

 

「アマイ・・・。コンナスキダラケノビームアタルワケナイジャン!!!!」

 

「品田・・・!?何をやってる!?勝ちへと導くんじゃなかったのか!?」

 

「だからそうだって。俺の、俺たちの勝ち(サヨナラホームラン)だよ。」

 

すると咲夜がいち早く勘づく。

 

「ッ!!お嬢様!!」

 

「どうした?なぜ日傘を・・・!?」

 

カッ

 

屋上を照らしていたのは眩い太陽だった。フランはそれに気付く。

 

「ナ!?ガアアアアアアアアアアァァアァア!?!?ああぁあついぃ・・・!?あついよぉ・・・!!」

 

バッ!!

 

「美鈴・・・!?」

 

美鈴はいても立ってもいられず手を出すなという指示に背きフランの元へ駆け寄った。

 

「妹様!貴様・・・!!」

 

「やめなさい美鈴!!」

 

「ですが!!」

 

すると品田の上着がとんでくる。

 

「それその子に被せてやってよ。ほら、今回戦ったけどさ、別に俺は成り行きで戦ってただけだし。その子を殺しに来たわけじゃないし。」

 

「・・・・・・。」

 

「手当て、お願いしていいかな?美鈴さん、だっけ?」

 

「・・・ええ。」

 

タタタタタタタタタ・・・

 

 

 

 

「ふう。・・・まさか勝てたとは・・・。」

 

「品田さーん!!!!」

 

バッ

 

「うわわっ!?ちょ、タツびっくりするじゃん。急に飛び込んでこないでよ!」

 

「飛び込みたくもなりますよー!!すっごい不安だったんですからー!」

 

「・・・品田さん。・・・私の無茶な作戦、信じてくれてありがとうございました。」

 

「何言ってんの橙ちゃん。礼を言いたいのはこっちだよ。橙の指示がなければ俺は死んでたよ。ありがとう。」

 

ザッザッザッ

 

「見事だった。まさか霧を晴らすとはな。」

 

「そりゃどうも。・・・じゃあ聞かせてよ。なんで霧を張ったの?」

 

「・・・好奇心だ。それに、太陽が出てると戦えないしな。しかし、そこを突かれるとは。吸血鬼も不便なものだ。・・・約束は約束。いいわ。紅魔館もあなた達の調査に協力してあげる。・・・同行人についてはこちらで決めさせてもらうけど、構わないわね?」

 

レミリアが俺たちの要求を受け入れる。

 

「ええ、構いません。ありがたい限りです。」

 

橙ちゃんはその言葉に頭を下げた。

とても嬉しそうな顔をしながら。

 

「それと、今日はもう3人ともうちに泊まっていきなさい。ここから神社に帰るのは少し時間が掛かるわ。」

 

レミリアからの願ってもない提案。

 

「え、ほんと!?助かったよ。正直こんなボロボロで神社まで帰れる自信がなかったし・・・。」

 

「帰る道中に死んでも我々が困る。」

 

レミリアが呆れ顔で言う。

 

「レミリアさんの身内のせいでボロボロになってんのに・・・。」

 

「タツ、なんか言った?」

 

「なんでもないです!」

 

・・・ふぅ・・・。何とかなったな。・・・それに、まさかあのただの使い捨てだと思ってた札が・・・《スペルカード》に変わるとは。

・・・これ、切り札になるな。ま、俺たちの任務は完了したし、ゆっくりさせてもらいますか!

 

to be continued…




品田編はもうちっとだけ続くんじゃ。ちなみに品田が手に入れたスペルカード、勝符《空へと導く勝利への道(ホームラン)》ですが、このスペルカードは特殊で《劣勢で》《勝ちが見えてる》状況でのみ使えるスペルカードとなっています。所謂サヨナラホームランが狙える状況みたいな時にしか使えないということです。

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