早速大暴れします。
1章 「流星と虎」
ー慧音の家ー
「そういや秋山。前会った時、そんなネックレス付けとったか?」
冴島は先程秋山が亜嵐に貰ったネックレスを指さす。
「ああ、これは地底から出る時にある人からもらったんです。なんかこれを付けてると癒しと力が湧いてくるんです。」
ー亜嵐のネックレスー
効力:アドベンチャー時体力自動回復、バトル時ヒート自動上昇
「なんちゅうか、綺麗な輝きをしとる。ま、お前には勿体ない気もするのう。」
「ひどいですね言い方。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「慧音さん。いま、この周辺に、俺と冴島さん以外に外来人らしい人はいました?」
「・・・そうだな。まず、妹紅の所に一人いることは確定している。あと、人里に流れていた噂に、青いダウンジャケットを着た若い男と、白いパーカーを着た可愛い女の子が歩いていたそうだ。君たちのようなカッコのな。」
「そういや、俺らみたいな服は幻想郷では珍しいんやったな。」
・・・ん?青いダウンジャケット・・・?
「あのさ慧音さん。もしかして、その男、喧嘩に巻き込まれたりした?」
「良くわかったな。ここら辺でけむたがられていた横暴な男がその男に喧嘩をふっかけて無様に負けたらしい。なんでも攻撃を捌きに捌かれて手も足も出なかったらしい。」
捌き・・・。間違いない。彼だ。谷村に違いない。
でも、なんで遥ちゃんと?桐生さんはどうしたんだろうか?
「安心せい秋山。桐生は死にゃせんし、多分来とるやろう。」
「?何故です?」
「アイツは、守るものは命かけて守るやつやからな。あの子が失踪したとなったら血眼になって探すやろ。」
「隔離された世界でもゴリ押しできそうですねそう言われると。」
「お前達の知り合いどうなってるんだ!?」
慧音によるある意味正しいツッコミ。
ー翌日ー。
「さ、出発しようか。」
慧音の作った朝飯を食べ、早々に慧音の家を出る。
迷いの竹林へと出発する。
ー人里ー
「秋山は、その、地底で何をしていたんだ?」
「そうですねぇ。・・・鬼に喧嘩ふっかけられましたよ。」
「・・・!?鬼に!?っということは星熊勇儀・・・!?」
「そう、あの人。なんで今俺が生きてるか不思議なくらい。」
「・・・鬼か・・・。そんなバケモンみたいな奴も、この幻想郷におるんか?」
慧音は目を泳がせた状態で、冴島さんに答える。
「いるも何も、この幻想郷で一二を争う権力を持つ種族だ!そんなヤツらと戦ったのか!?」
「どうやら変に気に入られちゃったみたいでね。」
「秋山らしいのう。」
「生きてることが不思議だな・・・。」
ーーーーーーーーーー
人里を歩いていると、ネズミ耳が生えたかわいらしい女の子が困った顔をして歩いている。何かを探してるようだ。
ー冴島サブストーリー01 「探し物はなんですか」ー
「うーん・・・。やはりこの辺じゃないんだろうか・・・。」
「おや、ナズーリンじゃないか。どうしたんだこんな所で。」
「ん・・・?あ、慧音か。あ、冴島まで。・・・む?・・・ああいや、少し探し物をしていてな・・・。反応がこちらにあったんだが・・・。」
慧音はやれやれと言った感じで
「また君の主人は宝塔を失くしたのかい?」
「いや、それよりももっと面倒だ。・・・それよりその冴島の隣の方は?」
「はじめまして。冴島さんと同じ外来人の秋山駿っていうんだ。よろしくな。」
「ああ。私はナズーリンだ。よろしく。・・・しかしまた外来人か。うちにも2人暫くいたしなあ。」
それを聞き、俺たち2人驚く。
「いま、なんちゅうた!?ナズーリン!!」
「え?いやだから2人居たんだよ。うちの寺に。谷村正義ってやつと、澤村遥って奴なんだが・・・。知り合いか?」
「知り合いも何も、親しい人達だね。」
「また会ったらよろしく言っておいて。」
「あ、ああ。」
慧音が本題を言う。
「ところで、その探しているものはなんなんだ?」
「あー、寺子屋にこの前、新しい子入っただろ?」
「ああ、あの、篠崎 沙奈(しのさき さな)っていう子か。物静かな子だが・・・。その子がどうかしたか?」
「どうやら帽子を失くしたみたいでな・・・。早苗の所に居候してるらしいんだが、早苗から手伝って欲しいと頼まれたんだ。いま、沙奈にも来てもらっている。」
「こ、こんにちは・・・。」
後ろから出てきたのは可愛らしい少女。
亜嵐ちゃんとはまた変わった雰囲気の子だ。
「よろしく。俺は秋山駿。隣の人は冴島大河さん。怖いけど怖くないからね。・・・ナズーリンちゃんだっけ?失くしもの探し、てつだいましょうか?」
そう切り出す。顔を見た所、冴島さんもその気のようだ。
「え?いや悪いよ。キミ達は早く元の世界に帰らなくちゃならないだろう?」
「いや、まだ時間はある。それに、探しモンやったら、大勢で探した方が効率ええやろ。」
「ああ。ナズーリン、私達も手伝うよ。」
「・・・分かった。でも、風とかで飛ばされてる可能性がある。そのせいか、ダウジングの反応が、『妖怪の山』方面なんだ。」
「妖怪の山・・・ちゅうのはどうゆうとこや?」
「主に天狗の種族がまとまって統治してる土地らしいですね。頂上にはその早苗さんとやらの神社があるらしいみたいです。その道だけ天狗の統治下じゃないみたいですね。」
「秋山・・・、どうしたその本?」
「スグそこの書店で買ってきた、稗田阿求という方が執筆した幻想郷の辞書みたいな書物ですね。役に立つと思って買ってきたんですけど、2500円取られました。」
ー所持金が2500円減った。ー
「まあ、先ほど秋山が説明してくれた通りだが、それに合わせて非常に危険な場所だ。許可が取れるまで私から離れないように頼む。」
・・・嫌な予感しかしないけどね。
ー妖怪の山ー
「ここからが妖怪の山の天狗の陣営なわけか・・・。」
「ナズーリンさーん!」
空から降りてきたのは緑色の巫女さん。
冴島さんも俺も慣れちゃったようだ。
「あ、慧音さんと冴島さんも。・・・あれ?この方は?」
「沙奈の帽子探しを手伝ってくれてる方。秋山駿さんだ。」
「よろしくね。」
「宜しくお願いします。」
「ところで・・・。」
自分がさっきから気になっていた人達を指差す。
「待ち構えてるあの人たちは何?」
「どうやら、歓迎ムードではないっちゅうことやな。」
「ちょっと待ってくれ。私達はこの子の探し物をするために来ただけだ。荒らしはしないしお前達には何もしない。ここを通してくれないか?」
「・・・すまないが、了承は出来ない。今、妖怪の山は特別警戒中だ。」
「例の悪魔の妹の件でか。」
慧音が頭を抱える。
まただ。悪魔の妹。このワードはどういう意味だろうか。
「おい。俺らは探しモンを探したいだけやねん。邪魔はせんほうがええ。必要ない怪我する羽目なんで。」
「!?」
「天狗に向かって・・・!?」
「あー皆さん大丈夫です。彼、野生の熊に素手で勝てるらしいですから。」
「もっと驚きだよ!?」
「お引き取りできないのなら、命を落としても文句はない。そういう事だな?」
白狼天狗たちがかまえる。
「何人束になってもええわ。本気でかかってこんかい!」
VS 白狼天狗
「くらええ!」
「甘いわ!」
冴島は横から切りかかってきた白狼天狗を避け、その流れで回り込む。
拳を3発叩き込み、
「どぉらぁ!ぜいやぁ!!!!!!」
チャージからの2段殴り飛ばしで、吹っ飛ぶ。
「ち、ちぎっては投げちぎっては投げ・・・って感じだな。」
「ね。熊みたいでしょ?あの人。」
「ああ。全くもってその通りだ。」
慧音が半ば呆れたように言う。
ヒュオオオオオ・・・
(・・・?急に風が強くなった気がする・・・?ま、気のせいかな。)
「増援、只今到着した・・・ってなんだこれは!?」
「ぐっ・・・、椛隊長・・・。申し訳ありません・・・。」
椛と言われた犬耳の少女は倒れている隊員に駆け寄る。
「お前達がやられるとは、どんな力の持ち主なんだ・・・!?」
「に、人間・・・、人間です・・・。」
「な・・・、人間だと・・・?」
「お前がこいつらの頭か?せやったら悪いことは言わん。ここは黙って俺らのことを通してくれんか。」
冴島さんは交渉に入る。
「・・・そうか、貴方がたが『例の外来人』ですか。」
例の・・・?元から知ってるような口調だな。
しかし彼女のことも気になる。この本・・・、筆者が注目した幻想郷の人物も載っているようだな。さっき彼女は椛と呼ばれていたが・・・。
ペラ・・・
あっ、あった。
「・・・犬走椛さんか。哨戒・・・、いわば下っ端か。その中の隊員というわけか。(しかし、下っ端の集まりである白狼天狗にしては例外に強い・・・。)冴島さん、気をつけてください。同じ種族とはいえ、格段に彼女は強いです。」
「ああ。やろうな。アイツだけ他の奴らとオーラがちゃう。自分が強い方やと無自覚でも身体がわかっとる。」
「前々から外来人の強さは如何なものか気になっていたんですよ。勿論、ここから帰っていただくのが大前提で戦わせていただきますが、命を落とされても文句はなしということで。」
「ああ、それで構わん。せやけど、気ぃつけや。下手したら自分が大怪我するハメなんで。」
「人間が妖怪に・・・しかも天狗相手にそんなことを口走ることが出来るとは・・・。無知なのですね・・・。」
「無知で結構や。俺は、拳でしかのし上がれんからのう。喋りはしまいや。掛かってこいや!!」
VS 哨戒隊長 犬走椛
to be continued…
一応椛には、公式では明確な立場としては哨戒としか明記されてませんが、今回は隊長とさせていただきます。