屋敷に幽霊が住み着いてたのはアクアが原因だった事が判明したが、不動産屋のおじさんはとても良い人で、むしろ悪評が消えるまで住んで欲しいとの事だ。
唯一出された条件としては、冒険が終わったら、その日の冒険話に花を咲かせてほしいことと、人形騒動の翌日にヒデオと掃除したお墓の手入れをこまめにして欲しいそうだ。
その位でこんな立派な屋敷に住めるってんだから、ホント良い人。
ともあれ、冬越しとちゃんとした拠点を手に入れるという案件は解決できた。
シェアハウスと言うか、家族以外の人と一緒の家で暮らすってのは未体験なので、新生活に心踊っていた訳なのだが。
「おいこら、そこどけ駄女神。今から内職すんだよ。寒いなら外で乾布摩擦でもしてこい」
冬に活動してるモンスターは殆どが強い奴ばかりで、従ってギルドに貼られるクエストも強い奴ばかりになる。
そんなクエストが俺たちにこなせる筈もなく、最近は殆どクエストを受けていない。かといって借金があるせいで働かない訳にはいかない。
なので俺はギルドから内職の仕事を貰って来た。
しかしこの寒さだと手がかじかんでうまく作業が捗らないので、一つしかない暖炉の前を使いたいのだが、駄女神ことアクアが我が物顔で暖炉前のソファーに寝転がっている。上から座ってやろうかコイツ。
「なに?やーよ。乾布摩擦なんて。女神たる私のやる事じゃないわ。私にここから出てほしいならコタツの一つでも出してちょうだい」
「この世界にコタツなんてある訳ねーだろ!そもそも誰が作った借金のせいで内職なんてしてると思ってんだ!少しくらい貢献しろ!その気が無いなら俺にも考えがあるぞ」
低めのトーンでアクアを脅すが、借金を作った張本人には響いていないようで。
「なに、やる気?お互い素手の状態なら、ステータスが超高い私の方に分があるわよ。暖炉の前は我が聖域。誰がなんと言おうとあぁぁぁぁっ!」
言う事を聞かないアクアの背中と首筋にフリーズを食らわせ、ソファーから転げ落とす。その隙にサッとソファーに座る。
あったけぇ…。
悶絶するアクアをよそに、部屋の中を見回してみる。やはり暖炉があるこの部屋以外は寒いのか、みんなここに居る。
めぐみんとダクネスはとてもムカつくルールのボードゲームをしていて、流石アークウィザードの知力と言ったところか、めぐみん優勢のようだ。
ヒデオは『死にかけるほど強くなる!?臨死!トレーニング法』というタイトルの本を舞空術で浮きながら読んでいたが、やがて本を閉じたかと思うと、地面に叩きつけた。何やってんだコイツ。
そのままボへーっと見ていると、復活したらしいアクアが俺に冒険者カードを突き付けると。
「カズマ。見なさいな。レベルの欄を!今私は、パーティーの中で一番高レベルなのよ?もうベテランと呼ばれてもおかしくないレベルなの!レベルが低いひよっこの分際で、私に逆らおうなんておこがましいわよ!ほら、わかったらそこどいて!」
アクアが突き出してきた冒険者カードに記されているレベルは21。確かにパーティーの中では1番高レベルだ。思えばベルディアから始まり、キールのダンジョンにいた大量のアンデッド、果てはリッチーまで浄化してたもんな。そりゃレベルも跳ね上がるわ。
これで魔王討伐に1歩近付いたな、そう思っていると、ふと気付く。
「あれ?お前、ステータスが最初見た時から一切伸びてないんだが…」
……なんだか嫌な予感がする。
「バカねカズマ。私は女神よ?ステータスなんて最初からカンストしてるに決まってるじゃない。スキルポイントも宴会芸スキルとアークプリーストの全スキルを覚えれる程の量を保有してたのよ?そこらの一般冒険者と一緒にしないでくれる?」
嫌な予感が的中し思わず肩を落とす。
俺の様子を見て勝ったと思ったのか、フフンと鼻を鳴らすアクア。なんてこった…。
ステータスが最初からカンストしている。
つまりこいつは、どれだけレベルを上げても一切知力と幸運は伸びないんだな…。
俺は無言で立ち上がり、アクアにソファーを譲ってやる。
「あら、素直ね。ねぇ、なんで涙目なの?レベルを抜かれたのがショックだったの?……ね、ねぇ…。なんで私を優しく慰めようとするの?なんでそんな、可哀想な人を見る目で私を見るの?ね、ねぇってば…」
俺の対応にかなり戸惑うアクアをソファーに座らせる。
あぁ、なんか今日はもう働くって気分じゃないな…。街でも行こうかな…。
△▼△▼△▼△▼△▼
カズマが街に行くと言うので着いてきた。
舞空術で飛んでいくのは寒いので、もちろん徒歩だ。
さっき読んでた本は内容がクソ過ぎた。なんだよ。必要なものがデンデもしくは仙豆って。書いたやつ絶対転生者だろ。
俺が内心愚痴をこぼしていると、カズマが話しかけてくる。
「さみぃなー。てかヒデオ。お前さっきから背中モゾモゾしてるけど何やってんだ?」
「寒いから尻尾で擦ってる」
存在を忘れかけていたが、俺もサイヤ人の端くれ。尻尾が生えているのだ。結構モフモフで温い。
「マジか。便利だな」
「まぁな。ん?なぁ、アイツらって…」
進行方向に見知った顔、というより後ろ姿が見える。なにやらコソコソと路地裏を覗いている。何やってんだ?
「キースとダスト…か?おーい!何やってんだお前らー」
カズマが2人に声をかける。2人はビクッと肩を震わせバッとこちらに振り向き、俺達の顔を見ると肩の力を抜く。ほんと何やってんだ?
ちなみにこの間の一件以来、コイツらとは結構仲良くやってる。
「んだよ…。お前らか。ビビらすなよ」
勝手にビビったのはお前らだ。そう言いたい。
「で、何やってたんだ?お前ら2人、かなり怪しかったが。この先に何かあるのか?」
カズマが2人に問う。
2人は顔を見合わせ、頷くと意を決したようにダストが言葉を紡ぎ始める。
「カズマ、ヒデオ。俺はお前達なら信用出来る。今から言う事は、この街の男性冒険者にとっては共通の秘密であり、絶対に漏らしちゃいけない話だ。仲間の女達に、絶対に漏らさないって約束できるか?」
いつになく真剣な顔で言うダストに気圧され、無言でコクリと頷く俺たち2人。
それを見てダストは深呼吸し、周りに聞こえないように小さい声で、しかしハッキリと、
「カズマ、ヒデオ。この街には、サキュバスがこっそり経営してる、いい夢を見させてくれる店があるって知ってるか?」
「「詳しく」」
俺とカズマは見事にハモりながら即答していた。
△▼△▼△▼△▼△▼
ダスト達と共に早速サキュバスの店に行くが、ヒデオは用事を思い出したらしく、店に着くとすぐにどこかに行ってしまった。まぁこの店の場所は覚えてたから、また来るだろう。
残った俺たちはというと、
「さて…」
「いざ!」
「ふぅ…」
各々気合いを入れ、活力に満ちた目で正面の店を見据えていた。
「行くぞ…!」
「「あぁ…!」」
様々な思いを胸に、新世界への扉を押し開けた。
△▼△▼△▼△▼△▼
今頃カズマたちはお楽しみ中なのだろうか。あの店がどういうシステムかは知らないが。
くそっ!俺も行きたかった…!また後日…!
俺が悔しがって歩いていると、目的地に着いた。
毎度おなじみ、ウィズ魔道具店である。最近面白くて俺に役立つかもしれないものが入荷されたと聞いたのを思い出して、急いでやって来たのだ。よくよく考えるとこの店は客がほとんど来ないし、そこまで急ぐ必要は無かったのかも知れない。
そんなことを考えながらドアを開ける。
「おじゃましまーす。ウィズは居るかー?」
からんころーんとベルがなり、店主に俺の来店を告げる。
「いらっしゃいませ!あ、ヒデオさん!毎度ありがとうございます!おととい新商品を入荷したんですよ!」
ビンゴ。おそらくその新商品が面白いものとやらだろう。まぁ買うと決めている訳では無いが。
「どんなのだ?見せてくれ」
「はい!こちらです」
ウィズはそう言い俺をそれの前まで案内してくれた。
そこには……
「これは…、インナーシャツと、リストバンドと靴か?」
そこには仰々しく黒い衣服が飾られていた。
「はい!この3つはセットになってて大変お買い得なんですよ!実はこの3つは紅魔族の方が作られた魔道具で、着るとその部分の防御力が跳ね上がります!あと、脱ぐ以外の要因では絶対に脱げませんので、安心して暴れられます!欠点としては、3つ全てを着ないと効果を発揮しないのと、重さがリストバンド5kg、靴10kg、シャツ20kgある事ですかね。お値段は20万エリスです!」
自信満々に商品の紹介をするウィズ。要約すると着ると硬くなれるが重くなるって事か。硬さはともかく重さの方は確かに修行に使えて役に立ちそうだ。
「よし、買おう」
ドン、と持ってきていた20万エリスを置く。ウィズは俺が即決すると思っていなかったのか、ポカンと口を開け目を丸くしている。やがて我を取り戻し…
「えっ…!ありがとうございます!」
深々と頭を下げてくる。そこまでしなくてもいいのに。余程商品が売れたのが嬉しかったのだろう。
わざわざサキュバスの店を蹴ったかいがあったな。良かった良かった…。
まぁ今度行くけどね。
用もすみ、ウィズと世間話をしているといつの間にか晩飯の時間に。ウィズに礼を言い店を後にする。持って帰るのも重いので着て帰ることにした。かなり重い。でもいい感じに身体が壊れないような負荷がかかっている感じがする。これはいいものだ。
文字通り重い足取りで家に帰った。
△▼△▼△▼△▼△▼
ヒデオはもう帰っているだろうか。サキュバスのお店から寄り道もせずに帰り、家に着いたところでふと思う。
まぁどっちでもいいか。
屋敷に入り、リビングの扉を開ける。
「帰ったぞー」
最初に俺に気づいたアクアが、
「あ、おかえりなさいカズマ!喜びなさいな!今日の晩御飯は凄いわよ!カニよカニ!さっきダクネスの実家の人から、これから娘がそちらでお世話になるのならって、引越し祝いに超上物の霜降り赤ガニが送られてきたのよ!しかも、すんごい高級酒までついて!パーティーメンバーの皆様に、普段お世話になっているお礼だってさ!」
満面の笑みで出迎えてくれた。
この世界でもカニは高級品らしい。
「あわわわわ…。貧乏な冒険者稼業を生業にしておきながら、まさか霜降り赤ガニにお目にかかれる日が来るとは…!今日ほどこのパーティーに入ってよかったと思った日はありません…!」
めぐみんはそんなことを言いながらカニに拝み始めた。そんなレベルの高級品を送ってくるとは、まさかダクネスって金持ちなのか?
「ダクネスって金持ちなのか?」
おっと。つい口に。
既に帰っていたヒデオと共にカニをテーブルに運んでいたダクネスは俺の言葉にギョッとしたが、すぐに平静を取り戻し
「い、いや私は金持ちなどでは…」
と言い終える前に、ヒデオがカニをバンと机に置きダクネスを指さしながら、
「俺はこの街に来てから色んな人を見てきた。だから金持ちとそうでない奴との違いはにおいでわかる!こいつはくせえッーー!現金の臭いがプンプンするぜッーー!!」
言われたダクネスは「現金!?」と驚きながら自分の体を嗅いでいる。
またか。ヒデオってたまに頭おかしいよな。
というかこの街に来て半年くらいしか経ってねーだろお前。それとさっきから動きが鈍重なのは何でだ?
少し気になるが、まぁどうでもいいや、と思い食卓についた。美味そうだ。
△▼△▼△▼△▼△▼
カニはすごく美味い。すごく美味いのだが、俺は今大変な事態に直面している。
悩ましい顔をしているであろう俺にダクネスが話しかけてくる。
「どうしたカズマ?飲まないのか?もしかして口に合わなかったか?」
「い、いや。カニはすごく美味い。ただ、今日は昼間にキース達と飲んで、もう飲めないんだ。明日、明日もらうよ!」
そう。酒だ。カニの美味さに忘れていたが、今夜はサキュバスのお姉さんが来るのだ。お姉さんが言うには、泥酔して熟睡しては夢を見せることが出来ないらしい。
ダクネスに何とか誤魔化して説明していると、
「なんだよカズマ。こんなにうめぇ酒が明日まで残ってると思ってんのか?」
ヒデオがそう言ってくる。
コイツ、俺の気も知らずに呑気に…!
クソ!何でこいつだけ店に行かなかったんだ!死ね!
既に酔っ払っているヒデオに理由を説明する訳にもいかず、1人悶々とする俺。
そんな俺を見て、ダクネスが
「そうか。ならせめてたくさん食べてくれ。日頃の礼だ」
と言ってくる。
普段はろくでもないことばっか口走って俺とヒデオをドン引きさせてるくせに、今日に限って何でこんなんなんだよ…!
依然悶々としながらチラっとダクネスの方を見ると、視線に気付いたダクネスが微笑んでくる。
あっ…。
そうだ。夢のことなんて忘れちまえばいい。サキュバスのお姉さんには明日謝りに行って、明日から頑張ろう。
思い返してみればたかが夢だ。自分が思い描いた通りの夢、しかもエロい夢が見れるだけだ。そして、起きても夢を忘れることは無いらしい。ただそれだけだ。
目の前の仲間達の顔を見ろ!そしてアンケートになんて書いたかを思い出せ…!
そうだ。何も悩むことは無かったんだ。
俺は決意を固めるとスッと立ち上がり、
「それじゃ、ちょっと早いけど、俺は寝る事にするよ!じゃ、おやすみ!」
満面の笑みでそう言い残し、そそくさと部屋へ引き篭もった。
△▼△▼△▼△▼△▼
「…んが」
ふと起きる。
カズマが部屋に帰ってから記憶が曖昧だ。飲み過ぎたか。
トイレにでも行こうとベッドから起きようとするが、起き上がれない。
忘れてた。このインナー着たまんまだったわ。
グッと力を入れ起き上がる。
「あー、頭痛い…」
こめかみを抑えながら部屋の扉を開け廊下へ。
トイレにつき用をたしていると、気の感知に何かが引っかかった。なんだこれ。人ではないな…。昼間に似たような気を感じたような…。
「あ、そうか。サキュバスか」
思い出し、ポンと手のひらを叩く。
そうか、カズマは今お楽しみ中なのか。そう思っていると……
「曲者ー!であえであえー!みんな、この屋敷の中に曲者よ!」
と、アクアの叫び声が聞こえる。
あ、なんか嫌な予感が。
そんなことを考えながらひとまず現場に向かう。
うー…頭痛い…。
△▼△▼△▼△▼△▼
現場に着くと、やはりというかサキュバスらしき可愛らしい女の子がアクアとめぐみんに詰め寄られていた。
「あ、ヒデオ。来たわね。結界に引っかかって弱ってるとはいえ、あんたも男だし一応下がっときなさい」
そう言い俺を背中に庇うアクア。結界なんて張ってたのか。
うーん。どうしたものか…。
悩んでいると、カズマが腰にタオルだけをまいた状態で来た。寒くないのか?
「あ、カズマも来たわね!見て見て!私の結界に引っかかって、身動き取れなくなった曲者が…。って、こっちにも曲者が!」
「誰が曲者だ!…あれっ。何これ?何でそこにサキュバスの子が…」
カズマの顔が段々と青ざめていく。
あ、なんかやらかしたなこいつ。
「実はね?この屋敷には強力な結界を張ってあるんだけどね?結界に反応があったから来てみれば、このサキュバスが屋敷に入ろうとしてたみたいで、動けなくなってたのよ!多分ヒデオかカズマを狙ってきたのね!安心して!さくっと祓ってあげるから!」
アクアの言葉にサキュバスがヒッと声を上げ縮こまる。
よし。ここはカズマの対応に任せよう。
そう決め、動向を見守る。
するとアクアがサキュバスにビッと指を突き付け、
「さぁ、観念するのね!今強力な対悪魔用の…!」
アクアが言い終える前に、カズマが無言でサキュバスの手を取り、玄関へ連れていこうとする。
「ちょ、ちょっとカズマ!何やってんの?その子は悪魔なのよ?」
アクアがカズマを心配して叫ぶ。
めぐみんはカズマに呆気に取られていたようだが、ハッとして武器を構えなおす。
とりあえずまだ黙って見守っておこう。
カズマとサキュバスの方を見ていると、何やら小声でサキュバスがカズマに言い、カズマはそれを聞いてフルフルと首を振った。
そして、体を半身にしファイティングポーズをとった。
顔はチラッとしか見えないが、覚悟を決めた顔をしている。
「ちょっと、一体何のつもり?仮にも女神の私としてはそこの悪魔を見逃すわけにはいかないの。カズマ、袋叩きにされたくなかったら、大人しくそこを退きなさい!」
アクアがカズマとサキュバスを睨みつけながらチンピラみたいなことを言う。その佇まいには女神の片鱗など感じない。
まだ行動するには早い、と思いながらこのやり取りを放置していると、ダクネスの気が近付いてきた。早歩きしてるな。
「アクア、今のカズマは、そのサキュバスに魅了され操られている!先程から様子がおかしかったのだ!夢がどうとか口走ってたから間違いない!おのれサキュバスめ…!あんな辱めを…!野郎、ぶっ殺してやる!」
あ、こいつにやらかしたのか、カズマは。
急いで来たのか結構エロい格好でこちらに向かってくるダクネス。
ちなみにいうとサキュバスちゃん(仮)は女の子なので野郎ではない。
「カズマ、可愛くてもそれは悪魔。モンスターですよ?それは倒すべき敵なんですよ?」
めぐみんが呆れたようにカズマに言い放つ。
「ほら、ヒデオもそこの馬鹿に何か言ってください」
めぐみんが俺に言う。
そうだな。男が覚悟を決めたんだもんな。何か言ってやらなくっちゃあな。
「そうだな。ただ一つ言うことがあるとすれば…」
言いながら、カズマの方へ歩いていく。
前にいたアクア達は道を開けてくれた。
カズマの前に立ちはだかると、息を吸いこみ気を溜め一言。
「カズマ!目ぇつぶれ!」
バッとアクア達の方に向き直り、両手を額にかざし、叫ぶ。
カズマは俺の意図を察したのか、即座に目をつぶりサキュバスの子を庇う。
喰らえ。最強の技を。
「太陽拳!!」
カッ!!!と目が潰れそうになるほどの光を放ち、辺りが昼間のように明るくなる。
これこそが最強の技、太陽拳。
先日『特殊気功』を覚えた事によりスキル欄に出現し、初心者殺しを倒してレベルが上がりポイントを使って覚えた技。おそらく内容としては光属性の気を1点に集中し一気に放出しているようだ。
ちなみに気円斬は『特殊気功』と『気の精密操作』を覚えたら勝手に使えるようになっていた。
カズマはアクア達の目が眩んだ隙にサキュバスを逃がした。これにて一件落着だな。
「さ、寝るか…。あ、あれ。力が入んねぇ…。へにゃ…」
急に体から力が抜け、廊下に倒れ伏す。
「ひ、ヒデオ!?お、おい!どうし…」
カズマが近寄ってくるが、俺の後ろの方を見て歩みと言葉を止める。力を振り絞り視線の先を見る。
そこには……
「あんたら、よくもやってくれたわね…!一瞬は怯んだけど、女神たるわたしに光による目潰しなんて効くと思わないことね?そもそも状態異常なんて余裕で治せるのよ!」
アクアが鬼の形相で俺の尻尾を握っていた。その後ろにはアクアが治したであろうめぐみんとダクネスが幽鬼のようにゆらゆらと立っている。顔は笑顔だが、目が笑ってない。
「ひ、ひぃ…!」
カズマが短く悲鳴をあげ後ずさるが、すぐに壁にぶつかる。
「二人共、覚悟はいい?」
アクアが指をポキポキと鳴らし、ゆっくりと近付いてくる。他の2人もそれに続く。
「「い、いやぁぁぁぁーー!!」」
俺達2人の断末魔が屋敷に響き渡る。
無事ボコボコにされましたとさ。
チャンチャン☆
・仙豆
ドラゴンボール最強のアイテム。ドラゴンボールより役立つ。有事にはなぜか個数制限がある。
・デンデ
仙豆の代用品。地球のドラゴンボールを強化した。地球の神。
・重い服
わざと平常時から重い服を着ることにより、戦闘時の速度をあげるために着る服。これはめぐみんの父、ひょいざぶろーの作品。
・太陽拳
気円斬を超える格上殺し。相手に視覚がある以上効果は強い。当時はハゲしか使えないと思われた。
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