幻想郷の少女たちは現在性欲を持て余し気味   作:輝く羊モドキ

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ジジジッガチャッガチャッ
「……っ、よーし。よーやく完成っとぉ。」
「あら、遅かったじゃないの。もっと早く作ってほしい物だわ。」
「だったらもっと事前に連絡入れろクソスキマ。一週間不眠不休だぞこちとら。」
「次から前向きに善処する考えですわ。」
「この…。」
「おー!これが例のあれか!なんだっけ?」
「前にも説明したろ…。しゃーねー、もう一回説明してやんよ。
この機械は拡声器を基に大幅改造したモノでな。魂魄機械融合学でスキマの力を限定的に借りることで幻想郷を覆っている大博麗結界に限定アクセスし、結界全体から声を届けるいわば世界拡声器だ。それだけならただ幻想郷一帯に声を届かせられるだけの出力が全然足りないし、これ自体はまだ未完成というか理論上完成することは無いんだがそこで鬼様の出番って訳よ。アンタの疎密を操る力を利用することで幻想郷一帯と周辺の世界の住人にまで声を届かせることが出来る。本当はもっと時間さえあれば、更に届いた声の力を元に相手の魂にアクセスし、世界錬金の理論を使って全員を統一思想の基に集うことが出来るはずなんだかまあ今回はそんな事をする時間も無ければ資材もねえから断念したって訳だ。
分かったか?」
「分からん!一言に訳せ!」
「……あとは鬼様がデケー声で話せば皆に声が届きますよ。」
「そうか!紫、もういいか!?」
「ええ、いつでもいいわ。」
「よし!」


『 明日!日が沈んでから博麗の巫女の誕生日祝いを始める!興味のある奴は神社に来い!! 』


「うんうん、上出来上出来。突貫工事だったがやはり俺のイメージ通りに動いたな。」
「ふふふ、みんなで霊夢の誕生日を盛大に祝ってあげましょう。」
「しっかし紫も何で急にこんな事始めたんだ?今までの博麗の巫女にはこんな事一回もしなかっただろ。」
「ただの思い付きですわ。さあ、明日は大勢神社に来るでしょうし、沢山お酒を用意しておかないとね。」
「お、紫にしては珍しいな。もちろん私達の分もあるんだろ?」
「ええ、あらゆる世界からかき集めてくるから言葉通り幾らでもいいわよ。」
「ひょー!太っ腹だなおい!」

「……さーて、じゃあ俺はもう用済みだろ?帰って寝る。流石に一週間休み無しは生まれて初めてだ…。」
「あら、何を言っているのかしら?貴方にはこれから霊夢の誕生日会のセッティングをやってもらわなきゃいけないのですけど。」
「……は?」
「私と藍は世界中からお酒を集めてこないといけないし、萃香はこういった細かい事は苦手でしょうしね。」
「……………は?」
「橙を監視に置いておくからサボったらすぐに分かるわよ。じゃ、お願いね?」ニュイン
「おっしゃー!そいじゃ私は鬼の連中連れて霊夢へのプレゼントでも探してくるか!じゃあな河童!」フワァァァ
「……………は?」



「………マジでか…………?」



最終問題:混沌とはどういう状況か、具体的な例を挙げ答えよ。

「……はぁ…。」

 

ここは幻想郷が要、博麗神社。妙に色っぽいため息を吐く少女が一人。

 

「……はぁぁ……」

 

ため息をもう一つ。逃がした幸せの代償に少女は何を思うのか。

 

 

 

「やかましいのが大勢で来たわ……。」

 

「霊夢ー!お前誕生日だって!?おめでとう!!」「誕生日おめでとう!!」

 

「タダで酒が飲めると聞いて!!」「二日酔い予防に永遠亭の薬はいかがですかー?」

 

「はいはーい、巫女にプレゼント送る方はこちらで整理券を配ってまーす!」

 

「ぎゃーてーぎゃーてー!!」「おどろけー!」「綿菓子ください!!」

 

「甘酒いかかですかー!?一杯100円!一杯100円でーす!!」

 

「さあさあよってけよってけ!今だけ八目鰻が一本ワンコインでのご提供!」

 

「更に自慢の歌声を聞かせてあげるわ~♪」

 

「博麗の巫女の成長写真いかがっすかー?今なら一組千円っすよー!」

 

「楓太ーどこー?」「甘味はいかかですかー?」「店主さんを私にください!」「殺すぞ。」

 

「おーいぬえー!こっちこっちー!!」「聖には見つからなかっただろうね。」

 

「私がそんなヘマをすると思う?」「しそうだから聞いてるんじゃない。」

 

「ややっ!其処に居るは命蓮寺の連中!」「おやおや、寺の連中が揃って酒を飲むなんて。」

 

「げっ!神霊廟の!」「ふん、尼に内緒で飲酒か、そうであろう?」

 

「てんこ!おまえもきたのか!」「誰がてんこよ!天子よ天子!」

 

「あーあ♪あのカップルとか浮気現場目撃されて別れればいいのに♥」

 

「よおバルスィ。お前がこんな所に来るとは珍しいな。」「ゲッ!お前は…勇儀っ!!」

 

「随分な挨拶されてるじゃねえか勇儀!」ゲラゲラ

 

「あああ……あのイカ焼き美味しそう…いや、食べたら、食べたらそれは脂肪フラグっ…!」

 

「ちょっとくらいいいんじゃねえの?」「何言ってるんですか!女の子はそのちょっとに命賭けてるんです!ファッションでもお化粧でも!!」

 

「お、おう…。」「だいたい男の人はいいですよね!!多少太ってようとも気にされなくて!」

 

「それは俺が太ってるって言ってんの?」「別にそういうわけじゃないですけど!」

 

「……あ、今気づいたけどその髪飾りオシャレだな。可愛いぞ。」「っ!?」

 

「キャーアリスちゃん久しぶりねー!!元気だったー!?」「母さん、来てたの?」

 

「そうよ!折角コッチに来れるチャンスが来たんだもの!夢子ちゃんも来てるわよ!夢子ちゃん!夢子ちゃん!?ちょっと夢子ちゃんどこ行ったの!?」

 

「別にいいわよ呼ばなくて、そのうちばったり会えるでしょ。」

 

「ま、それもそうね!キャーアリスちゃん大きくなったわねー!」ギュー

 

「ちょ、苦しい。」「…!アリスちゃん、あなた……男を知ったのね。」「!?」

 

「ルーミアー?どこいったー?」「見つかった?」「みつかんねぇ。」

 

「私達は離れないように手をしっかり繋いどこうね!チルノちゃん!!」

 

「うん、ふうたもほら。」「おう。」ギュッ 「ッチ」「えっ?」「あっ、ルーミアちゃんだ!」

 

「あら、貴女がこっちに来るなんて珍しいわね幻月、夢月。」

 

「あら幽香。……貴女しばらく見ないうちに随分丸くなったわね。」「そうね。弱ったんじゃない?」

 

「そうかもね。そういう貴方達も随分変わったわね。夢月、あなたメイド服止めたのね。」

 

「そもそも私の趣味じゃないし。」「今日は男を狩るハンターな気分よ。」

 

「へぇ、良い男でも見つかったの?」「ええ♥つい最近、夢幻世界に迷い込んだいい男が幻想郷育ちだって聞いたから。」「直接捕まえに来たの。」

 

 

 

「……はぁぁー。」

 

頭なんて抱えて、騒がしいのは嫌いですかね。

 

「別に嫌いじゃないわよ。」

 

その割には笑顔じゃないですか。

 

「フン。」

 

素直じゃないですねー。

 

 

 

 

* * * * *

 

 

 

 

「さて、長い前口上は要らねえ。今代の博麗の巫女の健康と幻想郷一帯の平穏。それと先代巫女の結婚を祈願してー……カンパーイ!!」

 

「「「「「「「「 カンパーイ!! 」」」」」」」」「余計なお世話だ!!」

 

 

「オイスキマ……もう寝ていいよな…。俺もう休んでいいよな…。俺もうはけてもいいよな!」

 

「あら、あそこまで頑張る必要はありませんでしたのに。」「テメエマジ覚えてろ…!」

 

「忘れましたわ。では報酬は約束通り。」「…ッチ。」

 

「コガネ様っ!こっち来て一緒に飲みましょう!!」ガシッ「!?」

 

「ズルイですわ!コガネ様!こちらに来てくださればみんなでサービス致しますわ!」ガシッ

 

「止めろ、放せ!おいスキマ、助けろ!」

 

「ブッ、フフッ…いえ、それではごきげんよう。ウププ…」「スキマテメェ!!」ズルズル

 

 

『のびーるアーム』ゴォッ

 

 

「キャッ。」「ヒャァ。」

 

金剛鉄(こがね)!!こっち来いテメエ!!」

 

「グエッ!に、にとりか……助かった…」

 

「うるさい!お前はこっちで私と雛と一緒に呑め!」

 

「助かってない!?」

 

イヤァァァ……

 

 

 

「……それで、何考えてるのよ紫。」

 

「あら、私はただ霊夢の誕生日を全力で祝ってあげたいだけよ。」

 

「ふん、どーだか。」

 

「信用無いわねぇ……。今日はあなたが『博麗霊夢として生まれた日』で、『あなたと私が始めて出会った日』でもあるのよ?」

 

「だったらどうして今年だけこんな事するのよ?」

 

「……。」

 

「……。」

 

「……それは、今年が一つの『区切り』だからよ…。」

 

「区切り?」

 

「ええ。」

 

 

 

 

「咲夜、紅茶を。」「はい、お嬢様。」

 

「美鈴、クッキーを。」「はい、お嬢様。」

 

「リュウ、ミルク出しなさい。」「無理です。」

 

「リュウ、お嬢様がご所望ならば常に命がけで答えなさいと言っているでしょう。」

 

「メイド長。それとこれとは別です。」

 

「ふと思ったんだけど、ウチにリュウが来てもう二年も経つんだねー。」

 

「相変わらず貴男は近づいて殴る事しか出来ないし。何よ茶葉を殴って紅茶を淹れるって。」

 

「自分はそれしか出来ないので。」

 

「それしか出来なさすぎでしょ貴男!キンクリ亜種か!」

 

「キンクリ?それは一体どういう「聞くな!説明に困るわ!!」

 

「掃除も拳圧だけで終わらせるし…。まあ綺麗になってるからいいとするわ。」

 

「図書館の片づけを任せた時はもっと悲惨だったわレミィ……。」

 

「ありがとうございます。」「褒めて無いわよ…。」

 

「ですが咲夜さんの代わりを務められるくらいには成長しましたよね。」

 

「ええそうね。咲夜、お願いだからこの男より長生きしなさい。」

 

「勿論、お嬢様の御命令とあらば。」

 

「ところでリュウは美鈴とどこまでシたの?」「「「 !!? 」」」

 

「どこまで…?仰る意味が解りません妹様。」

 

「だからー、チューくらいしたの?」

 

「チュー、ですか…?」

 

(チュー。ちゅー?何かの略語か?中、注、厨?)

 

「あ、だめだコレ全然わかってない。」

 

「いいいい妹様、この話はこの辺にしておきましょうそうしましょう!そうだイカ焼き買ってきましたよいかがです?イカだけに!イカだけに!!」

 

「リュウ、美鈴に本気のヤツぶちかましていいよ。頭ね。」

 

「え、あ、分かりました。」「ああああちょっと待ってくださいまだ心の準備」パァン!!

 

 

 

 

「ムーンゲートを潜った先が祭の会場だったとはな、私達はかなりついてる様だ。」

 

「フハハハハハ!!ご主人!酒が飲み放題だぞ!フハハハハ!!」

 

「おいオートス。あんま飲み過ぎるなよ。」

 

「大丈夫だ!伊達にクミロミ様の信者を長年続けていない!酒は神の恵みだからな!!」

 

「!!おいそこの金髪の少女!いまクミロミって言ったか!?」

 

「フハ?確かにそう言ったが……。」

 

「あいつ生きてたのか!そーかそーか!」

 

「……あの、失礼ですがあなたはいったい…?あ、私はジロー、こいつはオートスといいます。」

 

「ああ悪い悪い。私は八坂神奈子。しがない山の神だ。」

 

「…フハ!?神様であられ申し立てまつったか!!?」

 

「オートス、慣れねえ言葉は使わない方が良いぞ…。」

 

「ははは、構わないよ。最低限の礼儀さえもってれば。しかしそうか、クミロミの奴生きてたか。どうだった?クミロミの様子は。」

 

「いや、どう…と言われましても…。」

 

「収穫のクミロミが不調だって話は聞かないな。」

 

「そうか、じゃあ信仰集めはどんなもんなんだ?」

 

「フハーン。主神8柱の内の一柱だからな。それだけに信者も多い。」

 

「ましてや大地の恵みに直接従事する者はかなり大勢いるからな。多分だが8柱の中で1,2を争うほど多いんじゃないか?」

 

「そうか、いやーアイツ急に世界を飛び出して行ったからちょっと気にかかってたんだよね。」

 

「ふ、フハー。ご主人、私たちは今神代の話を聞いているのではないか?」

 

「うーん……。まぁ、損にはならんだろ。」

 

「そうだ!お前達の世界の話を聞かせておくれ。異世界の冒険者の話を是非聞きたい!」

 

「フハー!いいだろう!さあ、どこから話したものか…。そうだな、私とご主人との出会いの話からしようか!そう、あれは忘れもしない出来事だった。今から1年ほど前…。」

 

「ほらほら、酒飲みながらでも構わん。」

 

「フハハハ!ありがとう。ご主人見ろ!神についでもらった酒だぞ!」

 

「あーそーかい。」

 

「フハハハ!ご主人はこの素晴らしさが分からんのか!」

 

オートスは透明なポーションを飲んだ。「まずいぜ」オートスは吐いた。オートスは朦朧とした。

 

「おいいいいい!!」

 

「あっははははは!」「笑っとる場合か!!」

 

 

 

 

「やー、すげえ所に迷い込んだ気分だぜ。ばーちゃんのとこっていつもこう騒がしいのか?」

 

「そんな訳あるまい。今日が偶々ハレの日だっただけじゃよ。」

 

「うわっすげえ、ヒトが空飛んで光弾ばら撒いてやがる!どんな個性なんだありゃ?」

 

「そうじゃのう。あれはいわば霊力といった個性じゃの。」

 

「へー。人間ってやっぱすげえな。」

 

「ああ、人間は我らが思いもつかんような事を実現しよる。その事を努々忘れるでないぞ統狸よ。」

 

「にしても父さんも来ればよかったのに。折角こんなに楽しい宴会というかお祭り騒ぎなのにな。」

 

「……ほんとよのう、全く団九郎の奴は相変わらず肝っ玉が小さいというか…。」

 

「マミゾウばーちゃん。ちょっとあっち行ってきてもいい?」

 

「うん?……ああ、あっちは駄目じゃ化太郎。おぬしの様な可愛い子は鬼に食べられてしまうぞ?」

 

「大丈夫でっそい。私こう見えてバリクソ強いから。」

 

「駄目じゃ駄目じゃ、君子危うきに近寄らず。いくら強くても慢心すればあっさり死んでしまうぞ。」

 

「ちぇー。……あれ、さとりんどこ行った?」

 

「呼びましたか?」

 

「ああいた……いや違う!?さとりんのようでさとりんじゃない!?誰ですあなた!??」

 

「私は古明地さとりです。」「ああどうもご丁寧に、私は殺生石化太郎です。やっぱさとりんだった!!」

 

「なんじゃ、地底の主じゃないか。地上に居るとは珍しいのう。」

 

「まあ、来る気は無かったのですが態々連れてこられましてね。」

 

「さとり様!あっちにさとり様のそっくりさんが…うわあさとり様増えてる!」

 

「そうです、私がさとりです。」「いやいや、儂がさとりじゃよ。」

 

「…貴方達、直ちにやめてください。お燐が混乱してます。」

 

「さ、さとり様が一人、さとり様が二人、さとり様が…グゥ。」

 

「おねえちゃんがいっぱいだー!やふぅー!!」

 

「放してください。私はただの人間なので死んでしまいます。助けて化太郎…。」

 

「さとり様ー!さとり様も分裂出来たんですね!!私も負けてられない、核分裂だって出来るもん!!」「やめなさいお空!!」

 

 

 

 

「区切りねぇ。」

 

「そう、区切り。今日で一つの終わりで、一つの始まりが今日なの。」

 

「よく解かんないわ。」

 

「ふふ、そうね。私も解からないわ。」「おい。」

 

 

「これはね霊夢、儀式なのよ。大切な事なの。」

 

「私がただ一才歳をとっただけなのに大切な事なのかしら。」

 

「そうよ。だって儀式だもの。」

 

「……はぁー。あんたはいつもそうやって訳の分からない事を言うわね。退治してやろうかしら。」

 

「まあ怖い。」

 

 

 

 

「今日は飛ぶように売れるわね!」

 

「そりゃ幻想郷だからな、みんなお祭り好きだし。みすちーはちょっと休憩してていいんだぞ?」

 

「冗談でしょ?こんなに沢山お客が来てるのに、歌わないなんて損だわ!」

 

「テンション高いなみすちーも。」

 

「活きのいい男を一つくれー。」

 

「悪いけどウチは八目鰻と歌しか扱ってない…げ、キョンシー。」

 

「私もいるわ。虎士さん?私と一緒に呑まない?」

 

「いやぁ、何飲まされるか分かったもんじゃないんで遠慮しておきます。」

 

「あら、今ならワカメ酒かアワビ酒の両方をサービスできますのに。」「やめい。」

 

「そんなヒンソーなちんちくりんよりイロイロ出来てお得だぞー。」

 

「喧嘩売ってるのかしら!?」

 

「とらじもカワイソーだなー。こんな慎ましいので我慢しなきゃならないなんてー。」

 

「うるさい!腐ってる女よりはるかにマシよ!」「言ったな!勝負しろー!」

 

「……さ、邪魔者もいなくなったことですし、二人きりで楽しみましょう?しっぽりと。」

 

「ちょっと!ウチの弟子をかどかわさないで!」

 

「あら、片腕のポンコツ仙人より私の方が良いわよね。今からでも師匠替えしない?」

 

「なにを言ってるんですかこの邪仙!虎士!こんな邪仙よりも私の方が優れてますからね!!」

 

「あらぁ、所詮仙人の真似事しか出来ない貴女より優れてますわ。それに私の方が経験も豊富ですわ?房中術とか。」

 

「ぼぼぼ房中術くらい私も出来ますけど!?何なら今から試しましょうか!?」

 

「あらやだはしたない。こんな下品な仙人より私の方が教えるのも上手いですよ?」

 

「ムキィィィ!!勝負しなさいこの邪仙!!優劣ハッキリつけてやる!!」

 

「ついに本性を現しましたね茨華仙。貴女を倒して虎士さんは貰っていくわ!」

 

 

「当人置いてけぼりな件について。」

 

 

 

 

「木葉大天狗様。いいんですかこんな寛いでて…挨拶回りとかしたほうがいいんじゃ…。」

 

「まあ落ち着け椛。私らは幻想郷でもそれなりな立場を背負ってここに居る。軽々しく挨拶回りなんてしたら天狗の立場が軽く見られるぞ。むしろ私らは挨拶回りをされる方で…」

 

「……ですが天魔様はあちこち飛び回ってますが…」「何やってんだあのカスボケ女ァ!!」

 

「呼んだか?」

 

「ふぉ!?ビックリした!!」「天魔テメェ!!山の長ならどっしり構えてろタコがぁ!!」

 

「いや、ただ座ってるだけじゃツマランだろ。」

 

「テメェには威厳ってモンがねえのか!?そんなんだから新参者にも舐められんだろーが!!」

 

「そうか?そもそも妖怪の山に興味を示して無いような連中だらけじゃないか。」

 

「だからそれが舐められてるって事だろーが!!お前は天魔であるって自覚が」

 

「それよりほら、このチーズ酒に合うぞ。」「え、あ、どうも……。」

 

「天魔ぁああああああああ!!!!」

 

「喧しいぞ木葉、宴の席だ。無意味な叱責なんて止めい。」

 

「無意味じゃねえんだよおおおお!!いい加減にしろよボケカスがああああああ!!」

 

「おおお落ち着いてください大天狗様!」

 

「おい、あの綿菓子とやらはなんだ。雲を食べてるぞ、一緒に食べてみようか。」

 

「話を聞けえええええええ!!!」

 

 

「ヤレヤレ、コノハも昔から全然変わりませんねぇ。」

 

「Zzz……」

 

「なんだ?大天狗様に妙に気安いね。」

 

「そう、そう言えばにとりは知らなかったわね。射命丸は木葉大天狗の育ての親なのよ。」

 

「……ひゅい!?雛、それ嘘でしょ!?」

 

「嘘よ。」「嘘かい!!」

 

「別に育ての親じゃありませんが……そうね。昔をよく知ってるわ。よぉぉぉくね。」

 

「うへぇ、射命丸に昔のネタを握られてるとか最悪じゃんか。」

 

「ちょっと。それどういう意味よ。」

 

「Zzz……。」

 

「……それにしてもコイツこんな騒がしい所でよく寝れるわね。膝枕なんて贅沢な男ですねー。」

 

「んー。まあよく頑張ってたみたいだからね。今くらいは良いよ別に。」

 

「正妻の余裕かしら?」「だだだ誰が正妻よ!?」

 

「あら、じゃあ私が正妻になってもいいのかしら?」「それは駄目!!」

 

「おやおや、お熱いこって…。はぁー。私もいい加減良い人見つけるべきでしょうか。」

 

「そうね。あなたももういい年でしょうし、気になる人くらいいるでしょう?」

 

「ハハハ、いやぁーそれは…。」「居るのね。」「!?」

 

「何!?射命丸に恋人の影!?これはスクープよ!!」

 

「なっ!?はたて貴女いつの間に…!いや、別にそんなんじゃないから!!」

 

「気になる相手はそこの河童かしら?まあいいわ。事実がどうとか関係ないわ、とりあえずそれっぽければなんでも!」カシャッ

 

「や、やめろー!私はネタにするのが好きであって、ネタにされるのは嫌いなのです!!」

 

「清々しいほどのクズね…。」

 

『烏天狗……。写真を撮るのは構わねえが……そう言う事は事前に本人に許可を得るのがスジってもんじゃねえのか?おい…。』「あ、起きちゃった。」

 

「な、なによ生意気な被写体ね。幻想郷に肖像権なんて無いわよ!それにどんな記事に仕立て上げようが私の勝手じゃないの!」カシャッカシャッ

 

「ほう…。肖像権なんて無い…ね。いいだろう。ならば俺がお前を撮っても問題はないって事だな……。」スッ

 

「っ!それは…!ヤバイ!アンタ逃げた方が良いよ!!」「えっ?」

 

「遅い!」バシャッ

 

 

嫌っ!放して!放しなさいこのクズ!!助けて文ぁ!!

おや、呼びましたかねぇ。な、なんで文がこいつらと…!

どうして?それはやはり記事になりそうな出来事の前には飛びつかざるを得ないでしょう。

へへへ、じゃああとは手筈通りだな…。ええ、お願いしますね。

いや、やめて、嘘でしょ…。まあ、これも貴女の行いの報いって事ですよ、それではさようなら。

嫌ぁ!助けて!!助けて!!

げへへ、口では嫌々言っておきながら随分期待してるみてえじゃねえか!

こんなに濡らしてるなんて、そそっちゃうねオイ。

 

 

「ギャアアアアア!!な、なに写してんだこらああああ!!!」ブン!!

 

「これは夢想写実機。写された者の妄想や夢を漫画の一ページに納めるって機械だ。その夢がどれだけハッキリ覚えているかでコマ割りが、深く掘り込んだ内容で台詞量が変わるんだが……いやはや、見開き一ページとは驚いた。滅茶苦茶正確に覚えてるんだな。」

 

「うわぁ、私の事そんな風に思っていたんですねはたて…。」

 

「違う!違う!!こんなの嘘よ!嘘だもん!!」

 

「ところがどっこい…!これが本当…!現実…!嘘ではありません…!」

 

「うわぁ、被レ○プ願望なんて変態…」「やめて!言わないでおねがいだから!!!」

 

「あやや、しかし中々に面白い機械ですね。どれ、私が有効に活用してあげましょう!!」バッ

 

「こんなん天狗に貸したら俺が巫女に殺されかねないんで却下!」ゲシッ

 

「このクソ河童!それを寄越しなさい!!恥かかせた罪は重いわよ!!」

 

「うわっちょっと!私を挟んで何してんだ止めろ!!あんっ、胸を触んな!!」

 

 

「あっ」「えっ」「ちょっ」 バシャッ

 

 

ふー、ふー、ふー。い、いい加減にしてくれませんかね…!

お?なんだよ、これが気持ちよくないっていうのか…よっ! あんっ!

むー!うー!んー!くくく、天下の天狗様もこうなりゃただのメスだな。

くっ、こんな事をして絶対に許さないんだから…!

おいおい、何言ってるんだ?こんな状況でよくもまあそんな事いえるな。いいのか?俺がここで光学迷彩解除したらお前らだけそんな恰好で道端にほおりだされるわけだが…さて、お前らの姿を見た人間たちはどう思うだろうねぇ。

むー!!むー!!っの外道!!

褒め言葉だな。それと自分の立場が分かったか?さあ先ずは犬のマネでもしてもらおうかな。

 

 

「…ほう、複数人を同時に写すと中々に愉快な事になるのか。これは要検証だな。」

 

「要検証だな。じゃないですよ!ちょ!その写真こっちに渡してください今すぐに!!」

 

「あらー、これは随分ディープな性癖ね。露出狂?」

 

「しかも金剛鉄に手伝ってもらって……うわぁ、よく見たら口では嫌々言ってるけど表情緩み切ってるわ。これは酷い。」

 

「こっちは随分キツく縄が締められてるな。M?」

 

「マゾヒストで被レ○プ願望…厄いわぁ…。」

 

「うわあああああああんもおお嫁に行けないよおおおおおおお!!!」

 

「うーんまさに身から出たサビ、自業自得。日頃の行いが悪いと自分に返ってくるんだなぁ。」

 

 

「何綺麗にまとめてんのよ!いいからさっさとその写真よこしなさい!!!」

 

「写真じゃねえ、夢想写実頁だ!」「どっちでもいいわそんなん!!」

 

 

 

 

「ああん会いたかったわダーリン!やっぱり私達は運命に強く結ばれているのね!!」

 

「ねえ栄吉郎。この寝言を言っている羽の生えた頭の悪い女は誰かしら?」

 

「あなたまた私達の知らない間に新しい女を作ってきたのね。この月の頭脳と言われた私を何度も出し抜くなんて流石だわ。」

 

「すげえ、ここまで感情のこもってない褒め言葉は聞いた事がねえ。輝夜、こいつは幻月、それと夢月。二人とも夢幻世界とやらの住人らしい。幻月、夢月、こっちは輝夜に永琳。両方俺の嫁だ。」

 

「栄吉郎の『嫁』ですわ。何処の馬の骨か存じませんが、私たちはもう結婚してるの。」

 

「……ふーん?そう、関係ないわ。愛の前には全て些細な事よ、ねえ夢月?」

 

「そうね、貴方達のソレは結婚という鎖で結ばなければ壊れてしまうような絆なのよ。私たちのは違うわ。そんな事は関係ない、何故なら本当の愛があるもの。」

 

「あら、所詮悪魔風情が本当の愛を騙るなんておかしいわ。思わず嗤ってしまうくらいに。」

 

「定命は悲しいわよね。自らの領分も知らずに己の過ちに気付かないのだから。」

 

「あら、長命風情が永遠に物を申すなんて、それこそ自らの領分を知らないのではなくて?」

 

「「「「 …… 」」」」

 

 

「……なーにやってんだあいつ等。」

 

「いつもの事ウサ。いやー旦那がモテるのは辛いねー。」

 

「……てゐは栄吉郎があちこちで女引っ掛けてくるの肯定派?」

 

「もちろんウサ。アレのクセはもはやお師匠様が匙を投げるほどに治らないし、それに結局は私達の所に戻ってくるって解かってるからねー。」

 

「……そーか。」

 

「そう言う妹紅は否定派なの?」

 

「いや、アイツは昔っから変わらんし、そう言う事も織り込み済みで結婚したわけだし、肯定派だよ…。ただ……。」「ただ?」

 

 

「え、え、栄吉郎さん!?これいったいどういう状況ですか!?」

 

「知らん!とりあえず命の危機っぽいから全力逃走中だ!」

 

「命の危機って!!蓬莱人に死ぬ生きるとかあるんですか!?」

 

「有るさそりゃ!!少なくとも俺にとって監禁生活なんて死んだも同然だぜ!!」

 

「待ちなさい栄吉郎!!納得いく説明をしないと永遠にフェムトファイバーの糸で縛りつけておくわよ!!」「止まりなさい栄吉郎。今日の弓は少し乱暴よ?」

 

「まってねダーリン!あなたを夢幻世界に縛り付けてからこのメスブタ共をぶち殺して玄関の前にでも晒してあげるから!!」「ついでにあなたに気のあるブタ共も駆逐しておいてあげるわ。安心して。ずっと、ずぅ~っと私たちが一緒にいてあげるから!」

 

「とまあそんな訳で愛の逃避行って訳よ!!」

 

「あ、愛の逃避行って!!何言ってるんですか馬鹿!!というか下ろして!!下ろしてください!!」

 

「今下ろしたら幻月と夢月に殺されんぞ!悪い事は言わんからお兄さんに任せろ!」

 

「いや!でも!こんな!お姫様だっこって色々マズいですってば!!!」

 

 

「ただ、目の前で他の女とイチャつかれると流石にムカツク。」メラッ

 

「あっはは、それは一理あるウサ。」スッ

 

 

「栄吉郎!」

 

「おおモコタン!てゐ!ちょっと助けてくれ今俺の未来が掛かってるんだ!」

 

「フジヤマヴォルケイノ!!」「エンシェントデューパー!!」

 

「ギャー!!いきなり何すんだこらー!!」

 

「ちょっと待ったあ!ウチの早苗を連れていくというのなら土着神の頂点である私を倒してからにしろぃ!!」

 

「ちょ!?諏訪子様!!」

 

「おい人間!正式な手順も踏まずに早苗を娶ろうって言うんなら相応の試練を受けてもらおうじゃないか!神の試練を受ける覚悟はあるか!!」

 

「上等だぁ!今日まで無理無駄無謀を何度も乗り越えた俺にとって毎日が試練なモンだ!そして俺は強欲で貪欲なんだよぉ!!手に入るものは全て奪っていく!悪魔が相手でも、神が相手でもだ!!」

 

「な、なにとんでもないこと言ってるんですか!!?///」

 

「その心意気やよし!だが人間風情が心意気だけで(ことわり)を曲げようなんざそうは神が許さない!大言を吐いた代償はその命と知れ!!行けミシャグジ共!奴を祟り殺せ!!」

 

「これ以上嫁を増やすつもりなの!?いい加減にしないと永遠と須臾の時間牢に閉じ込めるわよ!!」

 

「やっぱり素敵だわダーリン!!でも私が許可しない女と接触するのは絶対に許さない!!」

 

「死んでもその癖治らねえならいっぺん魂まで燃やしてやる!!」

 

 

「人間も、悪魔も、妖怪も、神も!!お前らまとめてかかって来いオラァ!!俺の魂を縛れるのは俺だけだァ!!」「ぁぅ、栄吉郎さん…///」トゥンク

 

 

 

 

「やー、すみませんね先生。手ぇ貸してもらって。」

 

「別にこれくらいは構わないよ。しかし元気な女の子で良かったよ。」

 

「そーでしょそーでしょ。嫁に似て可愛いんですよねー。」

 

「ああ、もし男の子だったらお前に似るのかと思うと…な…。」「ひでえや。」

 

「それで、この子の名前はもう考えてあるのか?」

 

「ええ、夫婦で相談しながら決めたんですが、恩人の名前を一文字借りようかと。」

 

「ほう、どんな名前だ?」

 

「ええ、この子の名前は慧佳、『守屋 慧佳』にしようかと。」「!」

 

「そう、そうか……良い名だな!」

 

「ええ、もう無い知恵絞りだして考えましたから。」

 

「そうか。……あの悪ガキが、一児の父親か…。そう思うと感慨深いなあ。」

 

「……」

 

 

「先生、今まで育ててくれて、ありがとうございます。今まで見守ってくれて、ありがとうございます。先生のおかげて今日までこの残酷な世界を生きることが出来ました。」

 

「どうした急に。」

 

「急じゃあないです。俺たちはずっと慧音先生に守られて生きてきた。だから、日頃の思いを形にしようと思って。」

 

「……。」

 

「……先生。」

 

「……ああ。」

 

「……」

 

 

「……」

 

「今までありがとうございます。そして、これからもよろしくお願いします。」

 

「勿論だ。お前達も、お前達の子孫も、ずっと守り続けてやる。」

 

 

 

 

「お団子おいしー!」パクパク

 

「はぁ、なんかツカレちまった。」

 

「マッサージしてあげよっか?」ワサワサ

 

「…えんりょしとく。」

 

「にしてもふうた君すごいなー。弾幕ごっこ10人抜きなんてやるじゃん!」

 

「まあサイキョーのアタイほどじゃないけどね!」

 

「楓太君!こっち来て休んでていいよ。」「サンキュー、よっと…。」

 

「あー!スターだけズルイ!ふうた君!私のひざも使っていいよ!」

 

「おう、でもまにあってる。」

 

「もー!コッチで良いってば!」「あ!横取りはズルいわよサニー!」

 

「……。」

 

!「ねえふうた君、スターのひざ枕より私の尻枕の方が柔らかいよ?」「ふぁ!?」

 

「る、ルナ。お前は、お前はなにをいってるんだァァァ~!!?」

 

 

「……いいの?」「別にいいわよ。」もぐもぐ

 

「いつも楓太に近寄る奴全力で排除するウーマンの貴女が、珍しいこともあるのね。」

 

「楓太はモテモテなくらいがちょうどいいからねー。正妻のポジションは誰にも渡さないけど。」

 

「はいはい。」

 

「そう言う大妖精はチルノから離れてていいの?」

 

「別に構わないわ。チルノちゃんも子供じゃないもの、変な奴について行ったりしないわよ。それに……癪だけど、アイツがそばにいるなら大丈夫よ。」

 

「信頼してるんだねー。チルノと一緒に楓太に手籠めにされたのに。」

 

「……。」

 

 

「……逆よ。」「へ?」

 

「私とチルノちゃんで楓太を手籠めにしたのよ。」

 

「……は?」

 

「し、仕方なかったのよ!あれは変な人間に連れ去られた時に飲まされた薬の作用で!放置すると妖精の身体が壊れるっていうから助けに来た楓太を仕方なく、そう仕方なく!!」

 

「……ふぅーん。そうなんだぁー。へぇー。」バリッ、バリッ。

 

「っ……。」

 

 

「楓太君!こっち来てってば!」「ふうた君はこっちー!」

 

「いてて、ひっぱるなコラ。」

 

 

「ねえ楓太?ちょぉっと聞きたいことがあるんだけど。」

 

 

「「「っ!!」」」ササッ

 

「ど、どうしたルーミア、ききたいコトってなんだよ。」

 

「ん?いやぁねー、今さっき面白いこと聞いちゃったんだけどさ。とりあえずここじゃ何だし、ソコにある茂みの奥いこっか♥」

 

「い、いやー。ふうたくんおはなしはここでききたいなーって。」

 

「……。」ニッコリ

 

 

「来い♪」「はい。」

 

 

「ゴメンふうた。サイキョーのアタイでもあのルーミアには勝てねえ。」

 

「SIGEMI怖いです。」「まさに正妻の貫禄ね。」「どなどなどなー。」

 

「……帰ってきたらいっぱい癒してあげましょう。」「「「「 うん。 」」」」

 

 

 

 

「準備した分、完売しましたね。」

 

「そうねぇ。ようやく一息つけそうね。……私はともかく、貴方は他の女の所に行く予定があるのでしょうけど。」

 

「無いですよそんな予定…。」「嘘、今日もあんなに女の子に連れ去られかけたのに。」

 

「僕の意志ではないんですが……。それに、美柑さんを置いてどこかに行くわけがない。」

 

「……理斗さん……。」

 

「美柑さん……。」

 

 

 

「あら、手が空いてるの?じゃあ手伝ってほしいのだけど。」ガッシ

 

「…え?」「え?」

 

「悪いわね甘木さんとこの女将さん。ちょっと旦那さん借りてくわ。大丈夫!朝には返すから!」

 

「うわ!ちょっと!放してください!美柑さん、美柑さん!!!」

 

「……。」

 

 

「ふ、フフフ、アハハハハ!やっぱりうちの人には首輪でもつけてないとダメみたいね。ウフフフフフ。逃がさない、ニガサナイワァ!!」

 

 

 

 

「……そうね、霊夢どころか、きっとこの世界に生きる者には絶対に分からない、理解できない理由なのよ。」

 

「……。」

 

「そう、今日で物語は一つの区切りを迎えるわ。霊夢の誕生日というのは、言うなれば次を迎えるための口実に過ぎないの。あ、でも霊夢の誕生日を祝おうって気持ちは本物よ?あくまでもここまで盛大に、豪勢に、壮絶に祝うのは区切りを迎えるのだからって理由なだけで。」

 

「…あっそ、まあいいわ。アンタの事だから変な事は考えててもロクな事にはならないようにしてんでしょ。」

 

「ふふふ、信用してくれるのね。」

 

「アホ言いなさい。」

 

 

 

「信頼してるのよ。」「!」

 

「おーい霊夢ー!そろそろプレゼント開けるぜー!!」

 

「ま、どんな理由だろうと、今日を祝ってくれる気持ちは本当みたいだし、これ以上深く聞くつもりはないわ。」

 

「……霊夢。」

 

 

「あ、そうそう。一つ言っておくことがあったんだったわ。」

 

「あら、なあに?」

 

 

 

「紫、今まで育ててくれてありがとう。」

 

 

 

「霊夢ー!早く来ないと開けちゃうぜー!!」

 

「主役が居ないのにプレゼント開けるバカが何処に居んのよ!!…言いたいことはそれだけよ!もう行くわ!」

 

とっとっとっとっと

 

 

 

 

「……全く、普段からああいうような素直さをもっと出してほしいわ。」

 

おや、泣いてるんですか?

 

「っ!居たのね貴方。」

 

そりゃ全世界何処にでも居ますからね。

 

「……こっちを見ないで頂戴。」

 

おや、胸くらい貸してあげますよ?

 

「馬鹿ね、存在も無い癖に。」

 

おっと、こりゃ一本取られた。

 

……しっかし、雲一つない天気なのに雨が降ってきましたねー。

 

「……。」

 

いやはや、折角の誕生日なのにいつまで降るんでしょうね。ハレの日には似つかわしくないでしょう。

 

「もういいわよ。」

 

さいで。

 

「まったく、らしくも無い事するんだから。」

 

お互いさまですな、ははは。

 

さあ、楽園の素敵な巫女さんの所に行きましょう。きっと貴女を待っているはずですよ?

 

「……ふふっ、そうね。でも最後にちょっと、良いかしら?」

 

どうぞ、お好きなように。間は幾らでも持たせられますよ。

 

「ありがとう。」

 

 

 

 

パチン

 

 









「皆様、この度は最後まで御覧頂き、誠にありがとうございますわ。
 稚作は、この話を持って一度完結とさせていただきます。
 ストーリーなんてあってないような物でしたが、何とか完結まで漕ぎつけたのはひとえに読者様のお陰でございます。
 一話完結のお話仕立てな癖に、何故完結なのか。それは、作者の都合によるものでございます。と言うのも、作者は4月から新社会人になります。初めのうちは休日でもまともに休めないかもしれません。ましてや自作小説を書く時間が取れるかどうかも分かりません。
 なにもブラックだから休めないというわけでは無いのです。初めての社会人生活の中で、今まで以上のストレスを抱えることで何かしらの良からぬ事が有るかもしれません。パソコンに向かう時間すらただ睡眠に当てるということもあるかもしれません。
 そんな貧弱な作者ですが、勿論開いた時間が有れば少しづつでも小説を書こうかと思っています。ですが今回、ちょうどキリの良い感じで終わることが出来そうなので、いったんこのお話は終了と致します。

 書けないという言い訳はこの辺にしておいて、後のお話をしましょう。
 作者がまた物語の続きを思いついた時、時間が有れば少しでも小説を書き進めては投稿を続けたいと思っています。
 しかし、優先順位としてはこの作品はだいぶ下の方になってしまいます。というのも、途中で出演していただいた別作品達もまた完結まで持って行かなくてはなりませんから。
 先ずはヒロアカ二次、そしてエロナ二次…になるでしょうか。エロナ二次はプレイ日記の様な側面を持っているので、書こうと思えば書けるのですが如何せんモチベーションが…。
 ん、コホン。余計な話をしてしまいましたわ。

 さて、読者の皆様。最後の、最後まで御覧頂き誠にありがとうございますわ。
 皆様が見る、この幻想郷の話はここでお終い。しかし、勿論この後は霊夢のプレゼントを開けるくだりがありますが、そこでも一悶着起きますし、さらに騒動は続きます。
しかしそれは、



また、別のお話ですわ。」




パチン



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