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というかいつの間にかお気に入り件数が600超えておりほんと嬉しいです(〃▽〃)皆さんありがとうございます!
九校戦編を書き終えたら真由美ルートを書こうと思っております!
大会四日目。
本戦は一旦休みとなり、今日から五日間、一年生のみで勝敗を争う新人戦が行われる。
ここまでの成績は一位が第一高校、二位が第三高校、三位以下は団子状態の混戦模様。競技の順番は本戦と同じで、今日行われる種目はスピードシューティング(予選・決勝)とバトルボード(予選)だ。
俺は自分の部屋で横になっていた。何度思い出しても歯がゆかった。そして痛いほど痛感させられた……どんなにチートな能力、才能があろうとも出来ないものは出来ないのだと。そんな感じで沈んでいるとケータイがなった、相手は母さんからだった。
「もしもし」
「おはようございます、翔一さん」
「おはよう母さん、今日はどうしたの?」
「今日から新人戦が始まるので……息子に一言言おうかと」
最後のほうは少し照れながら言ってきた。……四葉の当主ってこんな人だったっけ?息子一人でこんな風になるんだなぁと少し嬉しくなったのは秘密だ。
「翔一さんにとってこの九校戦は今後のあなたにとっても四葉にとっても重要なものとなります。ですから負けは許されません。……これは当主としてあなたに言うことそしてこれは母親として言うこと、私の息子はどんな魔法師よりも優れた魔法師。がんばりなさい。なんといっても翔一は私の息子なのだから」
「うん。わかってる、俺は絶対誰にも負けない。四葉そして俺の力を皆に知らしめてみせる。……それに母さんの顔に泥を塗ることなんてさせないさ。ありがとう」
母さんはやっぱりすごい。昨日の件でずっとモヤモヤしてたのを取り除いてくれた。
「ふふ、期待しているわ。じゃあ、がんばってくださいね」
「もちろん、任せて!」
電話を終えた俺は試合会場に向かって歩き始めた。
試合会場につくとちょうどスピードシューティング決勝が行われるところだった。雫が位置につく……とCADに目がいった。あれは汎用型!?ほんと達也はすごいな。そして開始の合図と共に雫が魔法を行使した。その魔法に俺は目を見開いた。
「これは面白い。よくこんな魔法を思いつくな」
思わず呟いていた。この魔法使ったら勝ちも同然、パーフェクトで雫は優勝を飾った。
正午
第一高校の天幕は、浮ついた雰囲気に満たされていた。
何故かというと女子スピードシューティング、一位、二位、三位を第一高校が独占したからである。
そんな中真由美から発せられた言葉に少し雰囲気が変わった。
「そういえば翔一くんがいないけどどうしたの?」
その言葉に深雪が俯く
「いつも一緒にいる訳では無いですから自分にもどこにいるのかわかりません」
「そうなの?……まあせっかくの幸先の良いスタートを切ったんだし、達也くん、この調子で他の競技も頼むわよ」
笑顔で彼の顔を叩く真由美に向けて、達也は控え目に頭を下げた。が彼には深雪が俯いていたほうが気になっていた。
午後はバトルボード予選が行われる。明日の準備もあるから見るか迷ったが、やっぱり友達なのだから見なければとほのかのレースだけ見ることにした。
ふと声をかけられる。
「こんなところにいたのか。探したぞ?」
声をかけられた方に顔を向けると達也がいた。
「おはよ、達也」
俺はのんきに挨拶をする
「こんにちはだな。もう午後だよ。昨日から誰もお前を見た人がいなくてみんな心配してたぞ」
「あはは。そうだね。昨日の件は俺も思うところがあったんだよ」
「それに関しては深雪から聞いた。お前を頼る気持ちもわからなくはないが、お前らしくない」
「らしくない?達也から見て俺はどんなにやつなんだよ」
「そうだな、お前はいつも威風堂々としてる。だからそんな姿は似合わん。それに明日からアイスピラーズ・ブレイクが始まるからしっかりしてもらわないとな」
「威風堂々……ね、もちろん抜かりはないから安心してくれ」
「まあお前が負けるなんて最初から心配してなどいないさ」
その後俺は中条先輩、深雪、雫と合流した。
「翔一くん?一体どこに行ってたんですか?」
合流中条先輩に問われる。深雪に関しては俯いていた。
「えっと、新しい魔法の開発と調整及び明日の準備をしてました」
「え?魔法を作ってたんですか?」
「お前、そんなことしてたのか」
達也が呆れていた……なんで俺呆れられているの?
「まあ、そんなことよりほのかはどうなの?」
「負ける事はおそらく無いと言っておく」
と人の悪い笑みを浮かべていた
「なら安心だね。おっと、始まるみたいだ」
俺の言葉で皆がスタートラインに立つ(正確には浮いている)ほのかに目を向けると達也が変なことを言ってきた
「これをつけてください」
そう言って渡されたのはサングラスだった。……解せぬ
がその意味はすぐわかった何故ならスタート同時に水面に閃光魔法がかけられたからだ。不意をつかれた他の選手は落下するなり開始早々脱落していた。結果から言ってぶっちぎりだった事は言うまでもない。
いよいよ、明日はアイスピラーズ・ブレイクが始まる。パフォーマンスとして使う魔法はもう決めてある。CADも調整済み。さて寝ようと思ったところノックの音が聞こえてきた。……誰だろうこんな時間に
「どうぞ」
とりあえず待たせるわけにもいかないから声をかける
「失礼します」
入ってきたのは深雪だった。
「こんな時間にどうしたんだい?」
「きちんと謝っていなかったので……」
と俯きながら言ってきた。
「なんだそんなことか、気にしては……なくはないかな、なんたって大切な人からあの目を向けられるのはなかなかきつかった」
苦笑いを浮かべながら言った
「申し訳ありません!私は翔一に頼りすぎていました。あの時から翔一はすごい人で何でも出来てしまうと思ってしまっていて、翔一の気持ちを考えずに……」
「あはは。俺にだって出来ない事はあるさ。でも深雪が頼ってくれるのはすごく嬉しいよ?」
「本当ですか?」
上目遣いで聞いてくる。……反則だよね
「もちろん。さて時間も時間だ。明日はお互い頑張ろうね」
「え?あっ、はい!……明日は大切な人の意味教えてもらいますからね?おやすみなさい」
そう言って笑みを浮かべながら部屋を出ていった
「……そこはスルーしてもらって構わないんだけど」
ひとりでに呟く俺だった
いかがでしたか?ついに次回はピラーズ・ブレイクにはいります!
またいつ投稿できるかどうかわかりませんがお付き合いよろしくお願いします( ̄^ ̄)ゞ