チートな転生者〜魔法科高校の劣等生編〜   作:夜桜TOKAI

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どうも今回も手に取っていただきありがとうございます!
練習の足の筋肉痛がえげつない……
忙しいのと新人戦までほとんど翔一絡まないから逆に難しくて時間がかかってしまいました
この前の話でついに深雪と翔一の想いがわかったわけですが、うまくかけていたのか謎のところ。。。真由美ルートはもうしばしお待ちください(><)現在思案中です。




九校戦編Ⅲ〜九校戦開幕〜

翔一、達也が思わぬ深夜労働を課せられた、その翌日。

九校戦は何事も無かったように開幕した。もう既に席は満員だが進むにつれ増加することは間違いないだろう。

 

1日目の競技はスピードシューティングの決勝までとバトルボードの予選。スケジュールの違いは、両競技の所要時間の違いを反映している。

 

「翔一、お兄様会長の試技が始まります」

 

「第一試技から真打登場か。渡辺先輩は第三レースだったな」

 

「そうだよ!どのくらい制度←精度 が上がってるか楽しみだね」

 

その後エリカ達と合流し、会長を慕う行き過ぎた話を聞きドン引きした。

美月がいじられているのを眺めていると

 

「始まるぞ」

達也の一言で皆口を閉ざした。

観客席が静まり返る。

ヘッドセットをつけているので、少しくらい観客が騒いでも選手には関係ないが、これはマナーの問題である。

 

開始のシナグルが点った。軽快な射出音と共に、クレーが空中を駆け抜ける。

「速い……!」

思わず呟いた雫の一言は飛翔スピードに対するものなのか、会長の魔法に対するものなのか。

考えているうちにも会長は次々と取りこぼしもなく個々に粉々に打ち砕いていく。五分の試技はあっという間に終わった。

「……パーフェクトとはね」

隣の達也から呆れ声で呟かれていた

 

「ドライアイスの亜音速弾ですよね?」

拍手を送りながら深雪が尋ねる。

 

「そうだよ。よくわかったね」

 

「でもなんといってもあの精度、流石は十師族ってところだね……それにいい目を持っているまあ魔法だけどね」

 

「どういうことですか?」

小首を傾げながら聞いてくる深雪を見て思わず笑みがこぼれる。

 

「会長は遠隔視系の知覚魔法マルチスコープを使っていた。非物質体や情報体を見るものでなく、実物体をマルチアングルで知覚する、視覚的な多元レーダーの様なものだよ」

 

「ちなみに、会長は普段から多用してるぞ」

俺の答えに達也が補足を入れる。

 

その後は達也の魔法講義を聞きバトルボードに移った。

 

バトルボードとは紡錘形ボードに乗り魔法を使ってゴールを目指す競技だ。もちろん魔法により妨害は禁止だ。

 

「ーー私はそんなマッチョ女になるつもりなんてないんだから!」

 

声をした方に目を向ければほのかが何やら騒いでいる。

俺も口を開こうとしたタイミングでケータイが鳴った。

見ると知らない番号だった。

 

「もしもし、どちら様ですか?」

 

「いきなりすまない、四葉翔一くん。九島烈と言えばわかってもらえるかな?」

……まさかの大物からの電話だった。

 

「世界最巧、トリックスターの二つ名を持つあなたを知らないものはいませんよ。という←というか 一昨日お会いしましたし」

 

「ふむ、君とは一度話してみたくてな。今からホテルのVIPルームに来てはもらえないかね?」

 

……お断りします!って言えたらどんなに楽なんだろうか。いやだよ、なんか厄介ごとのような匂いがプンプンするよ!

 

「構いません。すぐお伺いさせていただきます」

 

「ありがとう、では待っているよ」

 

電話を終えた後俺はため息をつく。それを見た達也が相手を聞いてきた

 

「誰からだったんだ?」

 

「……トリックスターの二つ名は伊達ではないと言っておこう」

 

「……すまない、何も聞かなかったことにする」

 

「おぃ!それはあんまりだ!せめていたわってくれ……」

 

「誰も好き好んで厄介ごとに首を突っ込むわけないだろう?」

達也の無慈悲な宣告に俺は心をえぐられた。

 

「まあ、行ってくるよ」

 

「どちらに行かれるのですか?」

席を立った俺に深雪が不思議そうに聞いてくる。

 

「ん?ちょっとホテルに忘れ物を取りに行ってくるよ」

あまり大事にしたくなかったから嘘をついた。

 

現在俺はVIPルームの扉の前にいる。腹を決めてノックをした。

コンコン……5秒もかからぬうちに中から声がした。

 

「入ってくれたまえ」

 

「失礼します。はじめまして四葉翔一です」

 

「私は九島烈だ。翔一君よく来てくれた」

 

「いえ、あなたほどの方から呼ばれたのであれば無理をしてでも行きますよ」

言いながら俺は九島烈を見る。はっきりいって全く隙がない。

 

「それは嬉しいな、掛けてくれ」

お互いに向かい合いながら座る

 

「君はどの競技にでるのかな?」

 

「私はアイスピラーズブレイクとモノリスコードにでます」

 

「その二つといえば一条の息子も出場しているな。自身←自信 のほどはあるのかな?」

 

「もちろん、私はどんな人が相手であろうと負けませんよ」

 

「ほぅ、……そのどんな人の中には私も入っているのかね」

目を鋭くさせてきいてくる

 

「もちろんですよ。老師」

写輪眼を発動させ目線を合わせる

 

「それが音に聞く写輪眼か。本当に君は面白いな。……今はまだやり合うつもりは無い、今はな。だが私としては四葉がこれ以上力をつけるのは好ましくない」

 

「それは、四葉に対する宣戦布告とうけとってもいいんでしょうか?……それに現状十師族の中で飛び抜けて四葉が力があるわけでもない。何をそんなに恐れているのですか?」

 

「君に任せる。恐れるか……確かに君みたいなのがいるのは怖い。だが深夜の息子も同じくらいに怖いな」

 

俺は達也の名前が出たことに少し動揺した。

 

「……確かあなたは母さんと叔母上の師匠でしたね。なら知っててもおかしくないか。一つ言っておきますが俺と達也がいる限りは何もさせませんよ。降りかかる火の粉は払って見せますから」

 

「ふふ、それは頼もしいな。では新人戦君の力を見るのを楽しみにしている」

 

「……楽しみにしててください」

俺は挑発の笑みを浮かべた。

 

 

九島烈との会合から帰ってきた時には既に今日の競技が終わっていた。案の定というか圧勝で女子スピードシューティングは会長が優勝。男子も優勝した。委員長も予選を突破。いい滑り出しで一日目を終えた。

 

2日目

会長には悪いが俺は朝から新魔法の開発に勤しんでいた。一応千代田先輩がでるアイスピラーズブレイクは見に行くつもりだ。新魔法の名前はもう決めている。『絶対零度砲(アブソリュートゼロ)だ。……この名前はわかる人にはわかるはず。効果は絶対零度(-273.15℃)を指定した場所に発生させその場所を一瞬にして冷却、凍結する。目標は僅かな振動で分子レベルな崩壊を起こすこと。一応形にはなってきた。スクルドから貰った能力は伊達ではないな

この魔法を見た某ポンコツは戦略級レベルじゃないの!?と酷く驚いたというのは先のお話。

 

場所を移して俺はアイスピラーズブレイク会場にいた。

もちろん千代田先輩を見るためであるが本音を言うと地雷源を視るためだ。今後のために覚えておきたい。

 

そして試合が開始された。開始と同時に写輪眼を発動させる。フィールドは地鳴りがしょうじた←生じた。

 

直下型地震に似た上下方向の爆裂的振動を与えられ、相手陣内の氷柱が1度に二本、轟音を立てて倒壊する。

相手選手は防御を図るが次々と標的を変えて炸裂する地雷源に対して防御対象の切り替えが間に合っていない。

同じことを思ったのか相手選手も攻撃優先に戦法を切り替えた。

まあ一度に二つの事をするのは難しい。千代田先輩へ←は 自陣残り六本になったところで相手の氷柱を全て倒した。

 

見終わった俺はまたアブソリュートゼロの開発に勤しんでいた。今日の男子の結果が悪かったらしく本部が神妙な顔になっていたが特に気は止めなかった。

 

その夜深雪が達也の部屋に一緒に行こうと誘ってくれたのだが、すごく、すごく苦しい思いで断った。……あぁあの顔見るとまじで罪悪感半端ない……理由はもちろんアブソリュートゼロの術式を組んでいたから。とりあえずは70%だが一応魔法は撃てる放つことが出来るまでにはなった。

 

九校戦三日目

男女ピラーズブレイクとバトル・ボードの各決勝が行われるこの三日目は九校戦の前半のヤマと言われている。

そして今日バトル・ボードでは何かが起きるはず。曖昧なのはこの間影分身と模擬戦をしてから生前知っていた原作知識がごぞっと抜け落ちていて思い出そうにも思い出せなくてなっていたからだ。

 

「翔一、お兄様もうすぐですよ!」

深雪が少し興奮していた。無理もない委員長のレースには去年の決勝の相手である海の七高の選手がいるからだ。

 

そして、スタートが告げられる。

先頭に躍り出たのは委員長。だが予選とは違い、背後に二番手がくっついている。

 

「やはり手ごわい……!」

「流石は海の七高」

 

激しく波立つ水面は、二人が魔法を打ち合っている証だ。

ほとんど差がつかぬまま鋭角コーナーに差し掛かる。鋭角コーナースタンドからはブラインド、スクリーンによる観戦になる。俺は大型ディスプレイに移った出口の映像に目を向けーー其処に見つけた小さな以上←異常 に目を奪われる。

「ん?」

 

「あっ!?」

だからその瞬間を見逃してしまった。観客席から聞こえた悲鳴。急いで戻した視線の先では、七高の選手が大きく体勢を崩していた。

 

「オーバースピード!?」

誰かが叫んでいた。ボードは水をつかんでいない。つまりは今空中にいるということあとは前に誰もいなければそのままフェンスに突っ込むしかない。が前には委員長がいた。すると深雪から不意に名前を呼ばれる。

 

「翔一!」

深雪二←に 目を向けると懇願する表情を向けていた。恐らく俺と同じ考えに行き着いたんだろう。だが、委員長にはマーキングはしていないし今からクナイを投げても間に合わない。どちらにせよ救う方法は無い。やるせない気持ちで首を横にふり返答をする

 

「…っ!」

深雪はそれをみて目を見張った。いくら俺でもできないものはできないんだ……

深雪の表情を見て締め付けられる思いがした

 

あとは委員長が受け止め俺の最悪な考えを覆してくれることを祈るのみだがそれが叶うことは無かった。委員長は暴走している七高選手を受け止めるべく、新たに二つの魔法をマルチキャスト。突っ込んでくるボードをはじき飛ばす移動魔法と相手を受け止めた衝撃で自分がフェンスへ飛ばされないための加重系・慣性中和魔法。

本来なら受け止められ俺の考えた通りにはならなかったはずだ。不意に水面が沈み委員長は体制を崩し、ボードをはじき飛ばすのには成功した。だが慣性中和魔法が発動するより早く、足場を失った七高選手が委員長に衝突した。

そのままもつれ合うよにフェンスへ飛ばされる二人。

大きな悲鳴がいくつも上がった。もちろんだがレース中断の旗が振られる。

立ち上がった達也を俺は呆然と見ていた。

 

「お兄様!」

深雪が蒼褪めた顔で彼を見上げていた。

「行ってくる。お前達は待て」

 

達也は人の密集するスタンドを手品のようにすり抜けながら駆け下りていった。

 

ふと深雪と目が合った。……が深雪の瞳は本当に助けることが出来なかったのかと俺に聞いていた。

俺はその瞳から逃れるように背を向けこの場を後にするべく歩き始める。

 

「翔一!一体どこにいくの?」

 

深雪に声をかけられる。そして深雪もだがそれを見ていたエリカたちからも息を飲む雰囲気が伝わった。何故なら背を向けたまま目を向けた俺の目は万華鏡写輪眼になっていたからだ。

「どこに行こうが俺の勝手だろ?……それに俺は完璧に←完璧な 人間じゃない。うちは紫水にだってできない事はあるんだよ」

 

最後は消えそうな大きさで呟いた。そしてこのまま俺はこの場を逃げるようにあとにした。

 

 

深雪side

七高の選手がオーバースピードになったとき私は最悪の考えが浮かんだ。渡辺先輩が受け止められればいいがもうし←もし それが叶わなければ……私は無意識に翔一の名前を呼んだ。自分自身意識せず呼んだことには驚いたが、助けてという意味を理解した翔一は首を横に振った。

私は愕然としてしまった。私が知る中で最も優れた魔法師たる彼が何も出来ないと言うのが信じられ無かった。

その後、最悪の場合は現実に起こってしまった。

翔一に目を向けると呆然としていた。その横では立ち上がったお兄様は私達はここに残るように告げ現場に向かっていった。

その後私は翔一と目が合った。私はほんとに何も出来なかったのか?問いたかった。いや、口には出さずとも恐らく表情に出ていたのだろう、だから翔一は私に背を向け出口に歩き始めた。

 

「翔一!一体どこに行くの?」

私は声をかけた。本当はその後にも続く言葉があったのに続けることは出来なかった。背を向けたまま首だけを逸らし右目をで視線を合わせた彼の目は初めて見る目になっていた。その威圧感に誰もが息を飲んだ。

「どこに行こうが俺の勝手だろ?……それに俺は完璧人間じゃないんだ。うちは紫水にだってできない事はあるんだよ」

翔一はそういい、この場を去ってしまった。なにより最後の消えそうな声で紡がれたことに私は罪悪感で一杯だった。

深雪sideout

 

俺はあの場を後にした後ホテルに戻り横になっていた。

深雪のあの瞳を思い出すだけでやるせない気持ちで一杯になった。ふと達也の気配がこちらに来るのを感じ、俺は即座に神威を使い異空間に移動して居留守を使ってしまった。

情けない話だな……

 

あの件以降この日俺を見たものは誰もいなかった。

 




いかがでしたか?今回はすごく難しかったです(´×ω×`)
駄文で申し訳ない……次回から新人戦に入ります

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