七聖剣使いの航海日記   作:黒猫一匹

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遅くなって申し訳ない。思った以上に時間がかかりましたが、何とか小説を投稿する時間が出来たのでこれからボチボチ再開していきます。

久々に書いたせいという事もあるかもしれませんが、もしかしたら以前までと少し書き方が変わってしまってるかもしれませんが、そこは余り気にしないでください。


あと、誤字報告ありがとうございました。


5ページ目 同盟とそれから…

 

 

 

 

 ○月◎日 晴れ

 

 

 

 

 

 さて、なんだかこうして日記を書くのはかなり久しぶりな感じがする。

 と言っても最後に日記を書いたのは数日前なので、それは感覚的な話であり実際は別に久しぶりでも何でもないのだが、まぁそれだけこの数日間はオレにとって濃密な時間だったという事なのだろう。

 …と、そんな前置きはさて置き、ここからが本題。

 

 まず、この数日の間で漸く状況が動いたのだ。

 取りあえず、現状確認の意味も兼ねてこの数日間に起こった出来事や判明した事実を書いていこうと思う。

 そうだな…、まずはオレがあの鎖野郎(確かなんとかトレジャー)が率いていた海賊団と戦闘になった所から順序よく書いていくとしよう。

 

 

 その日もいつもの様に無人島から脱出する為に、大海原が見渡せる砂浜へとオレは向かっていた。

 ただその日がいつもと違ったのは沖に巨大な海賊船が停泊していた事と、砂浜にその海賊船の乗組員であろう男達とそんな男達に取り囲まれている二人の少女がいた事だろう。

 

 どうやらその少女達はその海賊達のお宝目当てに忍び込んだ泥棒の様で運悪く海賊達に見つかってしまい大ピンチといった状況だった様だ。で、そんなお取込み中の時にオレが彼らの元に現れてしまった。

 そして偶然現れたオレを利用し少女達はオレを囮にしてそのまま逃げ去ってしまう。そして残されたオレは当然の様に襲い掛かってくる海賊達と戦闘する羽目になる。

 

 だが、最近なにかと荒事に慣れてきたお陰か彼らを撃退する事はそう難しくなかった。

 …彼らが予想以上に弱かったというのもあるが。

 それでも海賊達の中に“悪魔の実”の能力者がいた時は少し焦った。しかもその能力者であるサンゴ頭の鎖野郎はどうやらオレの持つ七聖剣に興味を持った様で実力差を示しても諦める事がなく面倒な男だった。

 

 しかし、そこはさすが七聖剣としか言いようがない。何だか七聖剣からいつも以上に妖気が溢れ出したかと思えば身体がものすごく軽くなり、一撃でその鎖野郎を沈めたのだから。

 

 と、そんな感じで鎖野郎の海賊団と不本意ながら彼らの帆船をブッタ斬って一息ついていると、オレを囮にして逃げた二人の女泥棒のナミとカリーナが姿を見せる。もう戻って来る事はないと思っていたのだが、再びオレの前に現れた時は少し驚いた。どうやら彼女達は勝手に囮にした事に対して一応の罪悪感は持っていたらしく様子見がてら戻って来たそうだ。

 そんな彼女達の姿に根はいい奴らなのかもしれないとそう思った。

 

 

 そして、その後が、まぁ…なんだ面倒な話になったんだ。

 どうやら彼女達はオレと鎖野郎の戦いを見ていたらしく、オレの異常な強さに目を付けた様で、一緒に海賊から宝を盗み大儲けしないか? 的な事を二人から誘われた。何でも彼女達は海賊専門の泥棒らしくオレと手を組めば、大物の海賊が相手でも十分通用すると判断したらしい。

 

 とはいえ、オレが彼女達に何か返事を返すよりも先にナミとカリーナの二人は「私が彼と手を組む」と張り合い、次第に悪口に変わり、果てには売り言葉に買い言葉と言った感じでキャットファイトを始めてしまう。

 

 どうやら二人の間にはそれなりに因縁がある様で「アンタはさっさと帰んないさいこの女狐!」だの「貴女こそ早く彼から手を引きなさいこの泥棒猫!」などと口走りながら暫しの間、醜い(?)女の戦いを繰り広げていた。

 

 そんな二人の姿をしり目に溜息を吐き、さて、これからどうするかなと思考を巡らせ空を仰ぎ見ていると、いつの間にかキャットファイトをやめていた彼女達は、互いに難しそうな表情で見つめ合いながら、「諦める気はないようね。ホント業突く張りなんだから」や「それはこっちのセリフよ」などと言った声が聞こえてきた。そしてそのすぐ後に「このままじゃいつまでも平行線ね。なら同盟を組みましょ」とナミが言いカリーナがそれに頷く。

 互いに不服そうにしながらも握手を交わし分け前も4:3:3という形で一応の話しはついた様だ。

 …ちなみに4はオレだそうだ。

 

 と、そんなこんなでナミとカリーナは二人していい笑顔で「じゃあそういう事で一緒に荒稼ぎするわよ!」などと宣ってきた。

 

 …おい、お前らオレの意見はどうした?

 なんか勝手に決められてるが、オレはまだ一言もお前らと手を組むなんて言った覚えはないからな…。

 

 面倒な事になってきな。とオレが再び溜息を吐こうとした時、そこでふと、そういえばこいつらって船を持ってるのか? という疑問が湧いてきた。

 オレが彼女達に船は持っているのかとそう尋ねると二人は頷き、いざとなった時の為に逃走用の小舟をそれぞれオレ達のいる丁度反対側の砂浜に止めていると言ってきた。

 そこまで聞いたオレはついでとばかりに二人に航海術は持っているかと尋ねると、二人は頷く。特にナミの方は自信満々に頷いていた。

「そんじょそこらの航海士と一緒にしないでくれる」なんて言っていたので相当自身を持っているようだ。

それを聞いたオレは小さくガッツポーズを取る。これで漸くこの無人島から脱出できる要素が揃ったからだ。

 と、まぁそんな訳でこの島から脱出できるなら彼女達と手を組んでもいいかもな、などと思った。

 

 取りあえず、彼女達にはオレの分け前はそこまで多くなくてもいいから、アスカ島まで送ってくれるなら手を組んでもいいぞ、とそう伝えると、二人は「アスカ島って、もしかしてあの宝島の!?」と何やら驚いた様な表情を浮かべていた。

 

 その反応にオレは意味が解らず首を傾げそうになるも、そういえば七聖剣や宝玉は一応上等な宝だったな、という事を思い出し納得する。

 

 …宝玉の方は兎も角、今の七聖剣は“呪い”が追加されている為、そんな上等な宝ではないと思うが。

 まぁそれは兎も角、海賊専門とはいえ、流石は泥棒というだけあり彼女達もアスカ島の「お宝」には興味津々の様で、快く了承してくれた。

 そのお宝の一つは今オレが持ってるんだがな…。

 

 とはいえ、これで漸くアスカ島に帰る目途が立った。ここから当初の予定通りジャヤでアスカ島の永久指針(エターナルポース)が買えさえすれば文句はないが、買えなかった場合は……、その時考えるか。

 

 すると、そこで突然ナミが何故アスカ島を目指しているのかと尋ねてきた。

「やっぱり目当てはアスカ島の宝なの?」と質問される。別に隠す様な事でもない為、アスカ島はオレの故郷だからだと正直に答えると、彼女達は「アンタ偉大なる航路(グランドライン)出身なの!?」と非常に驚かれた。だが、次第に「なるほど、道理で化け物じみた強さのハズだわ…」とどこか納得した様な表情でそう呟かれた。

 そんな彼女達に対してオレは思わず「ん?」と首を傾げる。彼女達のセリフに違和感を持ったからだ。

 しかし、その時のオレはこの無人島から出れる喜びにまぁ別にいいか、とその違和感を棚上げしてこの島から出る準備に取り掛かった。

 

 そしてその後、彼女達の船に乗り込み、オレはついにあの無人島から脱出した。ちなみに島を出る前に彼女達は当初の予定通りあの鎖野郎の海賊団からお宝を全て奪った為か、かなり上機嫌だ。

 彼女達はこれからどうするのかと、オレに尋ねてきたので、取りあえずはジャヤを目指しそこでアスカ島の永久指針(エターナルポース)を買う予定だと、二人に告げると、二人は揃って「永久指針(エターナルポース)?」と言って首を傾げてしまう。

 その姿にオレは困惑してしまう。まさか知らないのか? 偉大なる航路(グランドライン)を渡る航海者は皆、この永久指針(エターナルポース)、もしくは記録指針(ログポース)を持っているハズだが…。

 そしてこの偉大なる航路(グランドライン)では誰でも知っている当たり前の事をオレは思わず二人に尋ねると、彼女達の口から驚愕の事実が発覚した。

 そしてオレは漸く彼女達のセリフの違和感に気付き、知る。

 

 

 

 ここは『偉大なる航路(グランドライン)』ではなく『東の海(イーストブルー)』であるという事を。

 

 

 

 

 

 ……、え? マジで?

 

 

 

 

 

 ○月×日 曇りのち嵐

 

 

 

 

 

 驚愕の事実が判明した翌日。

 つまりオレが今いるこの海が『偉大なる航路(グランドライン)』ではなく『東の海(イーストブルー)』だと発覚した次の日の事。

 

 オレはその日改めてナミがとんでもなくすごい航海士だと知った。

 事前に波の動きや風の気温からスコールや嵐の気配を察知する力がずば抜けており、さらには体で天候を感じ取る事ができるという天性の才能を持っていたのだ。

 

 それが偉大なる航路(グランドライン)の不規則な気象を相手に通用するかはまだ分からないが、少なくともこの東の海(イーストブルー)では間違いなく彼女の右に出る航海士はいないんじゃないかと言う程である。

 ナミさんパネェっす。

 そしてカリーナの方もナミと比べると多少は劣ってしまう所もあるが、それでも優秀な航海士には違いなかった。

 彼女達と手を組んだのはもしかしたら正解だったかもしれない。

 

 

 

 

 

 ○月▽ 晴れ

 

 

 

 

 

 ナミとカリーナの二人に偉大なる航路(グランドライン)について色々と説明する事になった。

 何でこんな事になったのかというと、いずれ偉大なる航路(グランドライン)に入るんだから、ならその海の事を知っておくのは必要な事だそうだ。

 

 まぁ確かにその通りな為、オレは二人に偉大なる航路(グランドライン)のデタラメな磁気の事や突如発生する大型サイクロンの事やその海で航海するのに必要な永久指針(エターナルポース)記録指針(ログポース)の事を詳しく説明した。

 

 説明後、二人は「とんでもない所ね、噂以上だわ」などとぼやいており、オレの持っている永久指針(エターナルポース)に興味を示し、「これが偉大なる航路(グランドライン)での航海に必要なアイテムなのね」などと何やら関心していた。

 

 まぁ説明や知識も大事だが、まずはそれよりも、船をどうにかしないとな。

 こんな装備のない船じゃあ偉大なる航路(グランドライン)はおろかリヴァース・マウンテンすら超えるのは難しいだろう。

 取りあえず、偉大なる航路(グランドライン)に入る前にどこかの島で船を買い替えるか…。

 

 

 

 




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