アルスDQと愉快な俺ガイル勢たち!   作:アルスDQ

34 / 35
アルスDQです。
今回は、吸血鬼とのお話です。
よかったらどうぞ。

更新用のTwitterもよろしくです!
http://twitter.com/DQarusu3


とある人間と吸血鬼

「あれ…ここ、どこ?」

 

「さっきまで紅魔館の中にいたのに…」

 

「天気も良くて…、あれ!?日傘がないと…、まずっ!?」

 

ジュッ!

 

「熱いっ!?早く、影…影のあるところに行かないと…!!痛い!か、身体が焦げて…」ジュゥゥゥ

 

「お、お姉様…」

 

「め、美鈴…」

 

「パ、パチェリー…」

 

「さ、咲夜…」

 

「ま、魔理沙…」

 

「誰かたす…けて…」

 

スッ…

 

「おい、大丈夫か?」

 

・・・

 

「はぁ…眠い…」

 

俺、比企谷八幡は今日も今日とてのんびりしていた。

 

高校も卒業して、現在は一人暮らしをしながら大学へと通っている。

 

今は夏休み中なので、特にやることもなく、のんびりしている。

 

あ、課題はもちろんさっさと終わらせた。

 

後で残っててやるのめんどくさいし。

 

「しかし、今日は暑いな…。これだけ暑ければすぐ洗濯物乾くかな…」

 

そう思いつつ、洗濯物を干すために窓を開けた。

 

「よいしょっと…ん?なんだあの子?」

 

窓を開けて外を見ると、何やら子どもが道路に倒れている。背中からは何やら羽みたいなものも出ている。

 

何やらわけありっぽいかんじはするが…

 

「って誰か…いない…か。でも、このまま放置するのも小町がいたら怒られそうだし…。しかたない…」

 

俺は洗濯物をとりあえず部屋に置き、その子が倒れているところへと向かった。

 

タタタッ…

 

「おい、大丈夫か?」

 

その子の身体からは何やら焦げている音がしていた。

 

俺が問いかけるとまだ意識はあったようで弱々しい声でその子は答えた。

 

「ひ、日傘…影が…」

 

「日傘…影…?…!もしかして直射日光か?それが防げればいいのか?」

 

「う、うん…」

 

「…もう少しだけ我慢できるか?すぐ、戻って来るから」

 

「…」コクッ

 

俺はその子がうなづくのを確認後、すぐさまアパートへ引き返した。なにか日光を遮るものがないか探した。

 

「何か…合羽ならいけるか?」

 

俺は合羽と、柄がついている傘を持ってあの子の元へと走って行った。

 

「日傘はなかったけど、とりあえず普通の傘と合羽を持ってきたぞ。俺は傘を持って影を作っているから合羽着れるか?被るだけでもいいが…」

 

「う、うん…ありがとう…」

 

その少女に合羽を渡し着るのを待つ。だが羽が邪魔だったのか着るのは無理だったようで被るだけ被った。ついでにフードの被せてとりあえず良しとする。

 

「よし、それなら日光は当たらないと思う。とりあえず落ち着けるところ…俺のとこしかないか。俺の家すごそこにあるんだけどそこまで歩けるか?」

 

「…今力抜けてて、多分無理だと思う」

 

「そうか、なら背中に掴まってくれ。不本意だと思うが…」

 

「お願い…」

 

「よし、じゃあ行くか…」

 

少女が背中に掴まったことを確認してから俺はひとまずアパートへの帰っていった。

 

…警察に通報されないことを願いながら。

 

ダイジョウブ、ハチマンフシンシャジャナイ。

 

多分…

 

・・・

 

「吸血鬼…?」

 

俺の家に着き、少女から事情を聞いていた。

 

その少女…『フランドール・スカーレット』がそう答えた。

 

「うん、だから日光に当たるとダメなんだ。日陰とか日傘をがあれば少しはいいんだけどね」

 

「なるほど…」

 

あの光景を見るまでは軽く流していた内容だが、実際に見た今では違う。

 

普通の人間なら日光で肌焦げたりしないし…

 

「お兄さんが来てくれなかったら、灰になってたと思うよ。ありがとう!」

 

「お、おう…。でも、吸血鬼なんて初めて見たな…。まあ、逆に見てたらおかしいか…」

 

「『外の世界』の人からそうかもね…。フランからしたら珍しくも何ともないけどね」

 

「『外の世界』?」

 

「えっとね…」

 

そこから色々と説明を受けた。

 

フランが住んでいる世界が『幻想郷』というらしく、俺の住んでいる世界の中にあるらしい。

 

そのため、『幻想郷』から見ると、俺の住んでいる世界は自分たちの世界の外側にあるから、『外の世界』と呼んでいること。

 

フランは気がついたら、『幻想郷』から『外の世界』へと来ていたこと。吸血鬼の体質で日光があたって動けなかったことなど色々だ。

 

「そうか…、それでフランはこれからどうする?その幻想郷に帰る方法とかあるのか?」

 

「うーん、わからない…。多分、パチェリー…魔女が今どうにかしようとしてると思うから…。下手にここから動かない方がいいかも…、迎えが来るかもだし…」

 

魔女もいるのか…、まあ吸血鬼がいると言われるよりかは納得はできる。その吸血鬼が言ってるんだから実際いるんだろうな。

 

「そ、それで…お願いがあるんだけど…」

 

「ん?」

 

「その迎えが来るまで…フランここにいていいかな…?お兄さんが迷惑じゃなければだけど…」

 

「……」

 

そう言ってくるのはわかっていた。

日中、外を出歩けないフランには昼間まともに動けない。かといって夜動くとそれこそ吸血鬼とは知らない人からすればただの子供。下手に警察とかに補導されて捕まるとやばい。と、なれば俺と一緒にいるのが消去法でベスト…。

 

しかしなぁ…、それで俺が警察に捕まる恐れがあるしなぁ…

 

「ダメかな…」

 

シュン…

 

「い、いや大丈夫。うん、問題なし!」

 

「ほ、本当!?ありがとうお兄さん!」

 

え?なぜOKしたっけ?

千葉の兄なら妹からのお願いは断れないだろう!?

 

捕まったら、捕まったでしょうがない!

 

うん、そうしよう!

 

こうして、とある人間と吸血鬼の共同生活が始まった。

 

・・・

 

そこから2週間ほどのときが過ぎた。

 

フランが日中はあまり出歩けないため、もっぱら家でゲームをしていた。

 

最初はやり方を教えながら、やっていたが覚えがいいのかすぐに真剣勝負するレベルまで上達した。

 

楽しそうでなにより、はい。

 

…コントローラ1つ壊れたけど。

 

食事は、食べれない物などをフランから聞いた上で考えた。家で簡単な素麺やカレーなどを食べたり、出前を頼んだり、夕方ぐらいにはフランも出れるので食べに行ったりした。

 

背中の羽については魔法で隠していた。

まあ、目立つからな。

 

そうして過ごしていたある日のこと。

 

俺がフランと買い物へ行き、家に帰っていたのだが、何やら人がいた。

 

何やら緑色のチャイナドレス?のような着ており、赤髪の長髪の女性だった。しかも、美人。

 

どうしようかと俺が思っていたら、フランはその女性を見るなり駆け寄った。

 

「美鈴!」

 

「!フラン様!よくご無事で!どこか怪我などはないですか!?」

 

「うん、フランは大丈夫!お兄さんが助けてくれたの!」

 

「こちらのかたが…」

 

「あ、どうも比企谷八幡です、はい」

 

ここでは目立つので、とりあえずその女性を連れて、家へ戻ってきた。

 

「改めまして…紅魔館で門番をしております紅美鈴です!この度はフラン様を助けていただきありがとうございました!」

 

「あ、いえいえ…たまたまです、たまたま…」

 

普段、人と関わりがない上お礼まで言われるとむず痒い。そこまでのことはしてないんだが…

 

「いえ、八幡さんがいなかったらどうなっていたか…。本当によかった…」

 

「美鈴、美鈴…それよりもどうやってフランの場所わかったの?」

 

「それはですね…、フラン様がいなくなった後、パチュリー様がある程度の場所まで絞られてからきたんですよ。こちらに来てからは私の能力を使って探していたらこの周辺にフラン様の気を感じられたので」

 

「そっか…、ありがとう美鈴!」

 

「よかったなフラン」

 

「うん!」

 

「あ、美鈴さん。それで…帰る方法とか…」

 

「あ、それが…」

 

話を聞くと、そのパチェリーさん?が簡易的な魔法陣を美鈴さんに渡しており、魔法陣を発動させてその上に乗れば帰れるらしい。

 

ただ発動には魔力が必要らしく、送信側と受信側両方で必要とのこと。美鈴さんが持ってきた送信側の魔法陣にはあらかじめ魔力が蓄えられているが、受信側の魔法陣のほうはパチェリーさんが魔力を使い倒してしまって回復までしばらくかかるらしい。

 

ってことは…

 

「フラン様ともどもよろしくお願いします!」

 

「あ、はい」

 

察した。

 

・・・

 

それから1週間後、フランと美鈴さんが帰る日となった。

 

魔法陣を広げて、その上にフランと美鈴さんが乗る。

 

「八幡さん!色々ありがとうございました!」

 

「お兄さんありがとう!」

 

「おう、元気でな…」

 

別れの挨拶が終わったと思ったのち、魔法陣が光だし、あまりの眩しさに目を閉じた。

 

光が収まり、目を開けると…もう2人の姿はなかった。

 

「不思議な出来事だったなぁ…」

 

そうして、俺と吸血鬼との共同生活は終わった。

 

その後は、特におかしなこともなく過ごしていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ…ここ、どこだ?」

 

「さっきまで普通の道路にいたのに…」

 

「あれ、八幡さん!?」

 

「美鈴さん!?ってことは…ここもしかして…」

 

「はい…、そのまさかです」

 

1年後に幻想郷に俺が飛ばされたこと以外は…


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。