BLEACH/Excalibur〜約束された勝利の剣〜   作:ザイソン

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鉄拳!炎の料理人

虚化修行を終え、仮面の軍勢(ヴァイザード)のメンバーとして認められ、1年が経った。

 

仮面の軍勢(ヴァイザード)の食費が、跳ね上がった。

 

料理当番は拳西と望月の2人による交代制である。好評が良いのは、

 

「俺だ!」

 

「いや、そればっかりは譲れませんね!」

 

喧嘩するほどに譲らない。

 

「ここは皆さんに決めてもらうほかないっすね」

 

「どっちだ⁉︎」

 

くるりとほかのメンバーの方に向く。

 

メンバーは汗をかきながら、

 

答えようと2人をみると、

 

「「・・・」」

 

望月は風王結界を解除したエクスカリバーを肩に担ぎ、拳西は包丁と自分の斬魄刀"断風"の2つを持っていた。

 

((((((答えたら殺られる・・・!))))))

 

「「どっちだ・・・⁉︎」」

 

「では、こうしまショウ。2人がいまここで料理を作り、それを我々が食べ、審査するというのハ」

 

(ナイスや、ハッチ)

 

こうして、第一回"鉄拳!炎の料理人"が始まった。

 

「さて始まりマシタ。"鉄拳!炎の料理人"。実況はワタシ、ハッチこと鉢玄。解説に真子サン」

 

「どうも」

 

「ゲストにわざわざ自力で具象化して現れた望月サンのエクスカリバーことセイバーサンを迎えてお送りしマス」

 

「望月選手の作る料理は食べるものの味覚にビックバンを巻き起こす至高の一品です」

 

「なにゆうてんねん」

 

「対する拳西選手は長年仮面の軍勢(ヴァイザード)の我々の食卓を支えてきたベテランデス。どういった料理が出てくるのか非常に楽しみデス。判定は一般の方(仮面の軍勢(ヴァイザード))のみなサンに食べていただき美味しかった方の札をあげてくだサイ」

 

望月は若干不利だがきっとなんとかなるだろう。

 

「それでは、始めてくだサイ」

 

ハッチのスタートの合図で双方料理に入った。

 

望月はジャガイモを左手に握った鍋で茹でながら、右手で玉ねぎをみじん切りにし、炒めていく。

 

「二刀流デスね」

 

「さすがマスター、手際がいいです」

 

「拳西もさすが。見事な包丁さばきや」

 

拳西は包丁で人参をみじん切りにしていく。

 

「望月選手、茹でたジャガイモを手に取り・・・粉砕しマシタね」

 

次々と茹でたジャガイモを握りつぶしていく。そしてそれをソフトにボールへ。

 

「君臨者よ 血肉の仮面・万象・羽搏き・ヒトの名を冠す者よ 焦熱と争乱 海隔て逆巻き南へと歩を進めよ———」

 

「オヤ?拳西選手のこれは・・・」

 

「破道の三十一『赤火砲(しゃっかほう)』」

 

拳西、まさかの赤火砲(しゃっかほう)で着火。中華鍋をふるっている。

 

「元副鬼道長としてはなんだか複雑な気分デス」

 

「なんという荒技。驚きです」

 

「いや、まだだ!破道の三十三『蒼火堕(そうかつい)』」

 

火力を上げて一気に仕上げていく拳西。

 

「これ炎で料理燃え尽きんか?」

 

「完成だ」

 

〜拳西特製鬼道チャーハン〜

 

「それでは冷めないうちに食べてくだサイ」

 

メンバーの各々はチャーハンを食べていく。

 

「皆サン、食べ慣れているせいか表情が若干薄いデス。解説をセイバーサン、お願いしマス」

 

「このチャーハンは口に入れた途端、美味しさが火山の如く爆発いたします。そしてこの絶妙なパラパラ感・・・素晴らしいです。これは一歩リードといったところでしょう」

 

「さて、望月はここからどうやって巻き返しを図るか・・・」

 

望月ら揚げ物をしながらじっと見極めていた。上げるタイミングを。

 

「微動だにしまセンね」

 

 

 

あれは、一ヶ月前のことだった。時折セイバーを呼び出して料理を食べさせているが案の定、不合格のままだった。

 

望月は消費した食材の補充に買い出しに出かけ、その帰りにとある店に立ち寄り、コロッケを買い、

 

(こ、これはッ・・・!)

 

感動した。

 

「て、店主!このコロッケは・・・一体どんな食材を使って・・・?」

 

「え?家庭で使っている食材だけど・・・」

 

「馬鹿な・・・!」

 

「あぁ、でも、()()はたっぷりと入れてあるねぇ。それは———」

 

 

 

望月は目を見開き、揚げ物、コロッケを油から上げる。

 

「料理には欠かせないものがある・・・それは、食材への感謝、食べてもらう人への愛情、すなわち、まごころだ!」

 

〜望月特製まごころコロッケ〜

 

「それではどうぞ、お食べくだサイ」

 

メンバーはコロッケを一口食べた。その瞬間、泣き出した。

 

「えー、解説できる状態ではないのデ、真子サン、どうぞ・・・あなたも泣いてマスね・・・」

 

「これは・・・美味しい。とても素朴で・・・やけど、味覚だけやない・・・心にダイレクトに響く・・・」

 

「それでは、結果発表をお願いしマス」

 

全員、望月に票を入れた。

 

拳西は馬鹿なと言って望月のコロッケを一口食べた。

 

「・・・カーチャン・・・」

 

「拳西選手、以外に涙もろかったようデス」

 

「チクショウ!今回は負けにしといてやるよ!」

 

拳西は泣きながらどこかに走って行った。

 

(これが・・・まごころ。でも、俺のはまだ未完成・・・師匠(コロッケ屋の店主)には程遠い・・・そして、いつかセイバーを・・・)

 

 




この話には元ネタがあります。わかる人はわかるでしょう。

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