BLEACH/Excalibur〜約束された勝利の剣〜   作:ザイソン

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セイバーオルタ

「えっほ、えっほ、えっほ」

 

望月は仮面の軍勢(ヴァイザード)の隠れ家(倉庫)で延々と"スーパーひよ里ウォーカー(笑)"をこぎ続けてきた。

 

「昼飯遅いのォ」

 

「確かにそろそろ昼時ですね、えっほ、えっほ」

 

「ひよ里、オマエなんか作れや」

 

「なんでうちが作らなあかんねん。作ったとしても食べさせんわ、ハゲ真子」

 

「あー、確かにひよ里さん致命的に料理できませんからね、えっほ、えっほ」

 

「ぶはっ!ローズ!今週のジャンプ読んだか⁉︎これやべーな!後で望月にも貸してやるよ!」

 

「羅武さん、あざっす。えっほ、えっほ」

 

「ラヴ、なんでいつも貸してくれないんだい・・・」

 

「リサ、今日当番だろ?」

 

「見とるやん、拳西」

 

「いや、貴女が見てるのはタダのエロ本です。えっほ、えっほ」

 

「「「「「「黙ってこげよ!!!!」」」」」」

 

望月が会話に参加していたら一同の総ツッコミが飛んできた。

 

「え?だってだんだん飽きてきたですもん。えっほ、えっほ」

 

「「「「「「その掛け声なんだよ!」」」」」」

 

総ツッコミその2。

 

「え?じゃ、1、2、3、4、アル○ック。ネットで安心ア○ソック」

 

「「「「「「地味に古い!!!!」」」」」」

 

総ツッコミその3。

 

「スタートで安心?」

 

「アルソッ○・・・なにやらさせてんだよ!」

 

拳西が勝手に言っただけである。

 

「ところで、いつまでこいでればいいんですか?」

 

「最低三日間や。というかなんでまだ元気やねん」

 

このスーパーひよ里ウォーカー。触れるだけで多くの霊力を持っていくシロモノだ。

 

「・・・慣れ?」

 

「いや、なんの」

 

「だいたい戦闘時には霊力を噴射して高速移動してますから」

 

それを聞いて真子は頭を掻きながら少し考え、

 

「なるほどな。ならこのポンコツひよ里ウォーカーは無用やな」

 

スーパーや!とひよ里の叫び声が聞こえるが真子はこれを華麗にスルー。

 

「ちょうど昼飯の時間まで一時間。昼飯前の運動やと思って」

 

真子は掌を望月の顔の前に突き出した。

 

「虚化の特訓といこか」

 

その刹那、望月の意識はブラックアウトした。

 

 

———聞こえるか?望月。オマエは一度完全に虚化する。

 

———・・・えー。

 

———えー、やない。なんで反応できんねん。まぁええ。喰われるなよ?逆に喰ったれ。以上。

 

もっと具体的なアドバイスが欲しかったと思う望月だが、そうも言ってられないようだ。

 

世界は再びセイバーオルタの燃える丘に変化する。

 

そこには勿論、セイバーオルタがいる。

 

「来たな・・・」

 

「おまえもな。アンタを斬って、セイバーを呼び戻す」

 

「やってみろ」

 

セイバーオルタは黒いエクスカリバーを構えて霊力放出で望月に迫り、それを望月は風王結界を解除したエクスカリバーで防ぎ、風で吹き飛ばす。

 

(タダの斬りつけがなんて重さだ・・・エクスカリバーってそこまで強い斬魄刀だったのか)

 

とりあえず望月は霊力放出で突撃し、10合ほど剣をぶつけ合った。

 

望月は瞬歩で後ろをとり、詠唱破棄の蒼火堕(そうかつい)を放ち追撃に赤火砲(しゃっかほう)を放つ。

 

「何処に撃っている?」

 

しかしセイバーオルタは霊力放出でかわして望月の上に飛び、

 

約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)

 

詠唱なしで闇のエクスカリバーをブッパする。

 

それを右にかわして体制を立て直そうとするが、その隙を突かれ右肩から脇腹にかけてを切り裂かれる。

 

「さっきのエクスカリバーは囮だっていうのか・・・」

 

囮に使うような気軽な技では無いのだが、勝つためにはなんでもやるセイバーオルタの性格を表している戦闘法だろう。

 

斬魄刀の世界でセイバーとは何度か手合わせしたがセイバーは騎士のような正々堂々とした戦いと剣技を重んじていた。

 

姿は似ても、手段が違う。

 

「うつがいい、光の斬撃を。そして絶望せよ」

 

セイバーオルタの剣に闇が収束し始める。

 

「卑王鉄槌。極光は反転する———」

 

「束ねるは星の息吹。輝ける命の本流———」

 

望月のエクスカリバーに極光が宿る。

 

「光を呑め!約束された勝利の剣(エクスカリバー・モルガン)!!!!」

 

「最大開放!約束された勝利の剣(エクスカリバー)!!!!」

 

光と闇の相反するエクスカリバー同士がぶつかり合い周囲は衝撃で弾け飛んでいく。

 

本来なら起こることの無い現象だ。

 

はじめは拮抗していたものの徐々に闇が押してきた。

 

(グッ・・・セイバーのカラダに虚の力を出している・・・そりゃ強いはずだ!・・・ごめん、セイバー・・・)

 

闇が光を塗りつぶし望月の身体を包み、後にはなにも残らなかった。

 

「終わったか・・・」

 

唯一残っていた光のエクスカリバーを拾う。

 

その刹那、

 

「縛道の六十一『六杖光牢(りくじょうこうろう)』」

 

背後から縛道を受けて動けなくなる。

 

「貴様・・・剣だけ捨てて・・・!」

 

「まだだ、縛道の六十三『鎖条鎖縛(さじょうさばく)』」

 

鎖を巻き付けられて行動が完全に封じられる。

 

「油断したな。セイバーオルタ」

 

望月はエクスカリバーを回収してセイバーオルタの心臓に突き立てた。

 


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